大学生研究フォーラム2012が終わった!:グローバル時代の大学生のキャリア、能力開発

 土曜日・日曜日と、「大学生研究フォーラム2012」のため、京都大学に出張しておりました。

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大学生研究フォーラム2012
http://www.dentsu-ikueikai.or.jp/forum/2012.html

 このイベントは、全国から300名の大学教員・職員、100名の高校教員、100名の企業関係者が集まるもので、去年から、京都大学 × 東京大学 × 電通育英会の共催で開催されています。

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 今年のカンファレンスのテーマは「グローバルキャリア」でした。1990年代以降のグローバリゼーションの進行にともない、今、大学生、ひいては高校生がどのようなキャリアを築けばよいか、が課題になっています。

 シンポでは、このテーマにゆるく関連した研究発表、実践報告、パネルディスカッションなどが行われました。

 研究発表には、溝上慎一さん、と中原(東大チーム:舘野・木村・保田)が登壇しました。
 実践報告として福田公子先生(首都大学東京)、勝又美智雄先生(国際教養大)、林雅子さん(アサヒビール)にそれぞれの素晴らしい実践をご報告いただきました。
 総括パネリストには児美川孝一郎先生(法政大学)、大塚雄作先生(京都大学)、吉見俊哉先生(東京大学)、松下佳代先生(京都大学)が素晴らしいまとめをおこなってくださいました。

 東大の研究チームは、

最近の若者は「内向き」か?
海外就労意欲に影響を与える要因の探究

 という発表をさせていただきました。

 この研究は、京都大学の溝上慎一さんと東大中原研の共同研究によって得られたデータをもとに、東大チームによって進められていたものであり、実際の分析は、舘野君、木村君、保田さん、中原とで行いました。

 東大チームとしては、

・「若手内向き論」「若手内向き二極化論」とは疑わしさが残る言説であること

・「海外で働きたい!」という動機を高める要因(大学側の)は、正課活動への積極的な参加、「半径3メートルの異文化接触」などにあること

・「海外で働きたい!」という動機を高める要因(企業側の)は、国内の人材育成の成功にあること。すなわち、グローバル人材育成とは、結局、人材育成一般のことであり、何か特別なことを新たにはじめる必要はないこと。グローバル人材育成という言葉自体が、もはや死語。存立の基盤を失っていること。

・「海外で活躍できる日本人マネジャーの育成」に関して、今後、企業が取り組むべきは、海外勤務に至る人事プロセスを丁寧に作り込んでいくことであること

 などをデータをまじえてお話しさせていただきました。

 今回のシンポジウムでは、アサヒビール株式会社の林雅子さんに、企業の代表として、自社におけるグローバル戦略に同期した人材育成施策をお話し頂きましたが(この場を借りて誠に感謝です!)、アサヒさんのお取り組みは、私たちが、データをもって主張した種々のポイントと符合する点が多く、非常に興味深いことでした。

 いずれにしても、私たちの発表は、拙いものでしたが、お楽しみいただけたとしたら、まことに嬉しいことです。

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 すでに会場でアナウンスがありましたとおり、2013年は9月4日・5日に、東京大学で「大学生研究フォーラム」を開催させて頂くことになっています。

 5年前京都大学と電通育英会が立ち上げ発展させてきた歴史をさらに躍進させるべく、この三者共催の体制で、来年も、インスピレーションを感じることのできるシンポジウムを開催できたとしたら、うれしいことです。

 最後になりますが、本シンポジウム開催のため、様々なご支援をいただきました電通育英会、松本宏理事長、森住昌弘専務理事、里村博行事務局長、吉村さんほか、関係者のみなさまには心より感謝いたします。ありがとうございました。

 そして人生は続く