新年度の準備を、ひーこら、ひーこら、しています:組織学習システム論2010のシラバスの途中(笑)

 今、いろいろな仕事で、新年度の準備に追われています。教員紹介やら、シラバスやら、情報システムの更新やら、何やらかんやら。
 今年の大学院の授業のシラバスを、せこせこ書きました。まだ途中ですが(笑)、ここまで、できました。中原ゼミの大学院生の中には、気になる方もいらっしゃるかな、と思って。
 
 今年は、もう一度、「基礎に戻る」ということで、基礎文献の購読を行うことにしました。特に、「組織社会化研究」と「組織学習研究」の基礎的文献を読もうと思っています。最近の僕の研究室は、高等教育研究か、組織社会化研究を志す方が多いので。

 あともう少し。下記、できたところまでのシラバスです。
 
追伸.
 ちなみに、「ラーニングイノベーション論」は、もうそろそろ満員のようです。もしよろしかったら、ご検討ください。こちらも、保谷さんを中心に準備が着々と進んでいます。


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東京大学大学院 学際情報学府 授業「組織学習システム論」
2010年度 夏学期授業シラバス
4915130(再履修可能)
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中原 淳
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授

重田勝介
東京大学 大学総合教育研究センター 特任助教

 
■講義の概要
 人は、人生の一定期間、学校という場所「だけ」で
学ぶわけではありません。学校を「卒業」した後でも
、会社や組織の中で、新たな知識を獲得したり、他者
と知識を共有したりしながら、仕事に日々取り組んで
います。
 人は年をとっただけでは、学びをやめません。
人は、生けとし生きる限り、学び続ける存在なのです。

 本授業では、従来あまりスポットライトがあたるこ
とのなかった、学校の「外」の学習 - 「企業・組織に
おける学習」に焦点をあてます。

 2010年の講義では、組織社会化、経験学習論、職場学習論、
組織学習論、越境学習論など、「企業・組織における学習」の
先行基礎研究の読み込みを行います。 
 
 想定される受講者像としては、下記を想定しています。

・組織における知識共有、学習に関心のある方
・組織のおける人材育成、人間の成長に関心のある方
・組織変革や文化の構築等に関心のある方
 
 
■評価
 下記の3点から成績をつける。
1.コメントカードによる出席点30%
2.プレゼンテーション(全員からの相互評価30%)
3.最終プレゼンテーション(全員からの相互評価40%)

 なお、相互評価のポイントは下記の5点。
  1.スライド・配付資料のわかりやすさ( / 5)
  2.プレゼンテーション手法(声・身振り)( / 5)
  3.質疑応答の適切さ( / 5)
  4.理論の解説がわかりやすいか( / 5)
  5.考察がなされているか( / 5)


■場所・時間
 火曜日 3限(13:00)より
 工学部2号館 93B−1
 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_03_j.html


■連絡先
 中原 淳(なかはらじゅん)
 〒113-0033 東京都文京区本郷7−3−1
 東京大学 大学総合教育研究センター 准教授
 東京大学大学院 学際情報学府 准教授(兼任)
 Blog : http://www.nakahara-lab.net/

 重田勝介(しげた かつすけ)
 東京大学 大学総合教育研究センター
 TREEオフィス コンテンツ開発室 特任助教
 Blog : http://jamsquare.org/shige/


■授業アーキテクチャ
 ・イントロダクション(中原:5分)
 ・プレゼンテーション(文献担当グループによる:35分)
 ・ディスカッション(グループで:15分)
 ・オープンディスカッション(クラス全体で:30分)
 ・ラップアップ(中原:5分)


■プレゼンテーションのやり方
・課題として設定された文献を購読し、内容を要約
する。すべての要約をより集めて、「ひとつのスト
ーリー」を構成する。

・文献はPDFになっているものはダウンロードするこ
と。PDF化されていないものは、図書館などで借りて
くること。文献の貸与は行わない。

・プレゼンテーションはパワーポイントで行う。

・プレゼンテーションの構成には下記を必ず含めること
 ・各文献の要約をまとめた内容
 ・今回の文献で興味深かったところ/面白かったところ
  現場で役立ちそうなところ
 ・今回の文献の課題、問題点
 ・グループとして考察したこと

・配付資料は人数分用意し、各自で印刷すること。

・配付資料は「パワーポイントの配付資料」を用意する。
印刷は各グループで行うこと。

・プレゼンテーションの前か後に、利用したデジタル
ファイル(パワーポイント&ワードのPDFファイル)を
、メーリングリストにながす。

・プレゼンテーション授業終了後、授業で利用するコ
ンピュータに元ファイル(PPTファイル、ワードファイ
ル)を残しておくこと(評価の際に用います)。

・プレゼンテーションの時間は35分。その後質疑応答
があるので、どのような質問にも答えられるようにし
ておくこと。
 
 
■参考文献
・中原淳・荒木淳子・北村士朗・長岡健・橋本諭(2006)企業内人材育成入門.(ダイアモンド社)


■内容

●4月13日 オリエンテーション
 ・講義概要
 ・授業の流れ
 ・グルーピング&自己紹介&連絡先交換
 ・名簿づくり
 ・スケジュールの確認と担当決め
 ・プレゼンテーションの準備と方法
 ・人材発達支援論の視座


●4月20日 組織社会化研究の概論

・Van Mannen, J. and Schein. E.(1979) Toward a theory of organizational socialization. Organizational Behavior. Vol.1 pp209-264

・高橋弘司(1993) 組織社会化研究をめぐる諸問題. 経営行動科学 Vol.8 No.1 p1-22


■27日 組織社会化研究の先行研究 1

・Wanous, J.(1973) Effects of a realistic job preview on job acceptance, job attitude, and job survival. Journal of Applied psychology. Vol.58 No.3 pp327-332

・Chao, G.(XXXX) The socialization process: building new comer commitment.


■5月4日 自習
 課題はおって指示する


■5月11日 組織社会化研究の実際2

・Morrison, E.(1993) Longitudal study of the effects of information seeking on newcomer socialization. Journal of applied psychology. Vol.78 No.2 pp173-183

・Van Mannen, J.(1978) People processing : Strategy of organizational socialization. Organizational Dynamics. Summer pp19-36


■5月18日 組織社会化研究の実際3

・Feldman, D. C.(1994) Who's socializing whom? : The impact of socializing newcomers on insiders, workgroups and organizations. Human resource management review. Vol.4 No.3 pp213-233

・Gundry L. and Rousseau, D.(1994) Critical Incidents in communicating calture to newcomers. The meaning is the message. Human relations. Vol.47 No.9 pp1063-1088


■5月25日 戦略と人材

・Barney. J.(1991) Firm resources and sustained competitive advantage. Journal of Management. Vol.17 No.1 pp.-120

・Wright, P. M. and McMahan, G. C.(1992) Theoretical perspective for strategic human resource management. Vol.18 No.2 pp295-320

 
●5月25日 経験学習の代表的論文
▼モーガン=マッコール(2002)ハイ・フライヤー:次世代リーダーの育成法. プレジデント社
▼松尾睦(2006)経験からの学習. 同文舘出版, 東京
▼谷口智彦(2009) 見どころのある部下支援法. プレジデント社


■6月8日 組織学習論の概論
・Crossan, M. and Lane, H.(1999) An organizational learning framework : from intuition to institution. Academy of management review Vol.24 No.3 pp522-537

・Easterby-smith, M. (2000) Organizational learning : Debates past, present and future. Journal of management studies Vol.37 No.6


■6月15日 組織学習論の概論
・Kim, D.(1993) The link between individual and organizational learning. sloan management review Vol.35 p37

・Tsang, E. (1997) Organizational learning and the learning organization. Human relations Vol.50 No.1 pp72-89


■6月22日 組織学習論 ー組織文化とリーダーシップに焦点をあててー
▼松尾睦(2009)学習する病院組織. 同文館
▼Schein, E. 組織文化とリーダーシップ. ダイヤモンド


■6月29日 未定


■7月6日 未定
 
 
■7月13日 未定
 
 
■7月20日 未定

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