住原則也・三井泉・渡邊祐介(編) 「経営理念 継承と伝播の経営人類学的研究」を読んだ!
あなたの会社は、「人を育てる会社」ですか?
それとも、「人が育つ会社」ですか?
「育てる」「育つ」・・・あなたは、どちらが、いいですか?
ワークプレイスラーニング2009で、皆さん、考えませんか?
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住原則也・三井泉・渡邊祐介(編) 「経営理念 継承と伝播の経営人類学的研究」を読みました。経営理念(ミッションマネジメント)に関する実証的(定性的)な研究を集めたものです。
これまでにも、経営理念に関係する本は、数はそう多くはないですが、多々あります。
その多くは、経営者個人の歴史や信条を研究する経営者研究、あるいは、ある組織の歴史をひもときながら、社是・社訓の変遷などを読み解く歴史アプローチなどが比較的多いと思います。
しかし、本書で、筆者らが採用する経営人類学アプローチ(経営に対する文化人類学的なアプローチ)は、非常にユニークです。
経営理念を「固定化されたテクスト(実態概念)」としてとらえるのではなく、それが人々に解釈・再解釈され、人々の相互作用を通して実践されていく「プロセス」を、とらえようとしています。僕の目で見れば、それは「学習のプロセス」そのもののように思えます。
本書で紹介されている事例は、カッターのオルファ株式会社、再春館製薬、旭山動物園、ヤオハンなど、様々な組織にわたっています。
特に、ぼくは旭川出身であるだけに、旭山動物園の改革には興味深いものがありました。
旭山動物園は、一般には2000年あたりからマスメディアで注目されましたが、実は、その改革の芽は僕が生まれた1975年あたりからはじまっていたのですね。
そのころから「理想の動物園とは何か」を職場で問い直す機会を折に触れもっていたとのことでした。理想を語ることは時に青臭さを伴いますが、それでも、やはり重要なことなのでしょう。
また、その改革には長い時間がかかることがわかりますね。
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現在、東京大学中原研究室と某社(旅客・運輸系)は、「組織文化」に関する共同研究を行っています。
内容は詳細は語れませんが、共同研究の中では、理念に関する「学習/再学習のプロセス」をいかに現場で行うのか。それをドライブする人材をどのように育成するのか、ということが問題になっています。
そのような意味で、非常に参考になりました。