はこだて国際科学祭・・・地域発の科学コミュニケーションの場の創造
すごいことを「仕掛け」ているそうである。
「はこだて国際科学祭」
仕掛け人の中心にいるのは、公立はこだて未来大学の美馬のゆり教授(教育工学・科学コミュニケーション論)だ。
はこだて国際科学祭
http://www.sciencefestival.jp/
はこだて国際科学祭・企画書
http://www.sciencefestival.jp/pdf/sci_fes20090529.pdf
美馬のゆり教授
http://www.fun.ac.jp/staff/staff_arch/mimanoyuri.html
はこだて国際科学祭は、「地域のネットワーク・資源を活かして、科学する文化を創造すること」をめざしている、地域発の科学イベントである。函館市がJST(科学技術振興機構)の補助金をもとに実施することになった。
国際科学祭では、国内外から様々なアーティスト、サイエンティスト、教育者を招き、ワークショップやショーを開催する予定である。
科学実験ショー、サイエンスカフェ、トークセッション、科学展示型まで、老若男女を問わず参加できるようプログラムに工夫しているそうだ。下記のような実験ショー?も見られるそうである。
企画運営の中心になっているのは美馬のゆり先生。地元の大学、研究者、教育者、行政職員、市民活動関係者、デザイナーなどを集め、実行組織「サイエンス・サポート函館」(SSH)を組織し、代表をつとめている。
美馬先生曰く、
「科学イベントというと、とかく子ども向けという先入観がまだ根強い。だが、それだけでなく、知的好奇心いっぱいの大人に向けた充実したプログラムを準備したのが特徴」
「大人の学びの場」としても、非常に興味深い。
SSHの活動概要、科学祭のバックステージの様子を伝えるブログも、公開されている。
サイエンス・サポート函館 活動日誌
http://www.sciencefestival.jp/nisshi/
8月22日 - 30日・・・函館が熱い。
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科学コミュニケーションに関しては、全くの「素人」ながら、思ったことは下記。
まず、科学コミュニケーションの場に関しては、国レベルでは、サイエンスアゴラという科学イベントが、JSTの主宰によって、毎年、東京で開催されている。
サイエンスアゴラ
http://www.scienceagora.org/
今回、はこだて国際科学祭の様子を拝見させていただくと、「科学コミュニケーションの場づくり」も、「地域発」という時代に入っていくのかな、という感想をもつ。
その際にコアになるのは、おそらく「大学」であろう。大学が「行政」と「地域」の間にたって、ミドルアップダウンマネジメントを行い、いかにリーダーシップを発生させることができるかが、問われる、と思う。
そして、そのときに立ち現れる「場」は、もう、科学コミュニケーションという切り口からだけ語られるものではなくなる気がする。それは「街の活性化」であり、「地域資源の開発」であり、「地域ネットワークの組織化」ではないか、と思う。
そうしたプロセスを丹念に見ていくことは、今後の学習研究にとって、非常にチャレンジングな課題であると思う。
そして、僕は、「未来の人間科学」「未来の教育工学」は、そういう方向にも、伸びていきそうな気がする。しかも、その「未来」は「遠い未来」ではない。「近未来」である。
ちなみに、美馬のゆり先生は、大学院時代を、東京大学名誉教授 佐伯胖先生(現・青山学院大学教授)のもとで学ばれた。つまり、僕にとっては、「大先輩」である。そして、それ以来、大変御世話になっている方である。
活躍する大先輩の様子を見ることは、自分にとって、とても「参考」になる。
研究者とはある意味で「孤独という名の自由」の中にある。「どちらの方向に進んでいいのか」「今、何をするべきなのか」 - 誰も教えてはくれない。
僕は、ロールモデルに恵まれているな、と思う。
今日も一日全力を尽くそう。