出来事点描

 出来事点描。

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 先日、教養の話をブログで書いたら、ある人からこんな話を聞いた。

リベラルアーツとはまなびほぐしである!?
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/04/post_1490.html

 曰く、

 日本の歴代首相は、昔は皆、漢詩が書けた。
 しかし、小渕さん以降の首相から、漢詩を書くことはできなくなってしまった。

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 真偽のほどは、僕にはわからない。でも、最近の政情を見ていると、さもありなん、と思った。俗には、KY(漢字読めない)と揶揄されることもあるようだから。

 もちろん、漢詩が書けるからといって、漢字が読めないからといって、首相に発揮してほしいのはリーダーシップである。
 漢詩が書けないけれど、リーダーシップが生み出せるのなら、僕は、そちらの首相を、喜んで支持する。

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 あるセミナーで講演したとき、こんなことがあった。

 参加者にちょっと「変わったオッサン(経営者)」がいて、休み時間に矢継ぎ早に質問をされた。

 質問にはかなり丁寧に答えたつもりだったのだけれど、僕の話が終わるか終わらないかのうちに、

「優等生の答えだな」

 オッサンは、吐き捨てるようにそう言って、どこかに去っていった。

 もし僕が質問に答えられなかったとしたら、「それみたことか、何もわかっていない」と言われただろうし、質問に丁寧に答えたとしたら「優等生の答えだ」になる。

 要するに「質問に答えるか、どうか」は問題ではなかったんだろうな、と思った。

 講演も楽じゃない。

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 先日研究室にお越しになったある人から、ビートたけしの話を聞いた。彼が、自分の能力を、他の芸人と比べて評価したときの話である。

 ビートたけし曰く

「しゃべりでは、オイラは、さんまに勝てない。漫才では、洋七に勝てない。司会では、紳助には勝てない」
 
 だそうだ。

 この自己評価は非常に意外だった。あまり僕はテレビを見ないけれど、僕の目から見て、ビートたけしといえば、「お笑い界の四天王」で、すべての分野に精通している、ように見えたからだ。

 他者から見てハイパフォーマーであっても、必ずしも、すべての分野に自信があるわけではない。逆に、ハイパフォーマーだからこそ、冷静に自己評価ができるのかもしれない。

 そうか、、、そういうものなのか。

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 フォーラム、シンポジウム、ワークショップに参加した後で、思わず口にした言葉が

「今日は刺激になりました」

 であったら、気をつけてください。

 その「刺激」の中身を、リフレクションする、今がまさにそのときです。

 今日、あなたはどんな出来事を経験したのか?
 なぜ、今日の出来事が「刺激」だと感じたのか?

「刺激になった」って言うな。

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 25歳の映像作家が1年間かけて創ったという作品「オオカミとブタ」が、ネットの世界で有名になっているのだという。

 気の遠くなる作業である。
 すごい。

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 GW前、一週間がはじまる。
 気合いを入れてサバイブしよう。