哲学者の使命は、沈黙することではない!:マルク=ソーテ著「ソクラテスのカフェ」を読んだ

 哲学者の使命は、沈黙することではない。
 哲学者が役割を果たすのは、自分の殻の中でではない。

 道ばたや街頭で、人々の生活に入り込むことによって、商人や大道芸人であふれかえる市場をほっつき歩くことによってなのだ。
(下記書籍 p15より引用)

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 マルク=ソーテ著「ソクラテスのカフェ」を読みました。

 著者マルク=ソーテは、フランスで「哲学カフェ」の運動を主導した哲学者。哲学カフェとは、カフェでお茶を愉しみながら、「人生の問題・世界の問題をめぐって対話を行う場」のことです。

 マルク=ソーテは、パリ政治学院(エコール・ポリティーク)の哲学教授の地位を捨て去り、パリのバスティーユ広場に面したカフェで、毎週、人々を前に、下記のような問いかけを行った、といいます

 なぜ、暴力はなくならないのか?
 私たちが生きることの意味は何か?
 妊娠中絶は許されるのか?

 最盛期には百名を超える人々が、ここに参加しました。数時間にわたって、議論が進んだといいます。

 その後、哲学カフェの運動は全世界に広がっていきました。詳しいことは知りませんが、日本でも、「哲学カフェ」がいくつかあるようです。

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 哲学者の使命は、沈黙することではない。
 哲学者が役割を果たすのは、自分の殻の中でではない。

 上記のマルク=ソーテの言葉にはハッとします。

 さらにラディカルに言うならば、

 沈黙すべき時に、なぜか饒舌で
 饒舌であるべきときに、なぜか沈黙する。

 哲学者に限らず、そんな「倒錯状況」が存在していないでしょうか。
 心の底から考えさせられます。
 自戒を込めて・・・。

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