理容師の熟達化

 かなり前のことになりますが(最近忙しくて行けてない)、床屋さんに行ったときに、「理容師」さんにインタビューをしました。もちろん、髪を切られながら、です。

 あなたは、どのようにして一人前になったのですか?

 本当に偶然なのですが、僕が出掛けたお店は、かなり教育システムが確立されているお店だったんですね。

「お客さん、なんで、そんなこと知りたいんですか? もしかしてこの業界の人ですか?」

 と理容師さんは、訝しがっておられました(笑)。

  ▼

 理容師さんの場合、学校を出て、まず店に入ります。この段階で、ほぼ生身の人間をカットすることは不可能だそうです。
 店では、最初半年くらいは見習い。昼はシャンプーをします。

 シャンプーをなぜやるのか、ということについては、下記の4点の理由があるようです。

1.危険がない=失敗しても大丈夫
2.シャンプーをしながら、頭のかたち、髪の生え方は様々であることを知る
3.シャンプーをすると、どのように髪を切ればいいのか「完成したかたち」がわかる
4.手首を育てることができる

 特に「手首を育てる」は、非常に大きいとおっしゃっていました。理容師さんの職場とは、想像以上に、「強い手首」が必要であるとのことです。

  ▼

 昼はシャンプーですが、夜にもやるべきことがあります。夜は、「人形の頭」を使って練習させられるそうです。練習は、もちろん閉店後に。

「人形の頭」は、一体5000円くらいするそうです。もちろん、その費用は給料からの天引きになります。入店後まもなくて、一番金銭的に辛いときに、1体5000円の人形を買わなければならないということは、どういうことでしょうか。答えは簡単ですね。「髪を切る練習以外、お金がなくて何もできなくなる」ということを意味します。

「後から考えると、何もすることがなくなってよかったですよ、めちゃめちゃ集中できました」

 と、理容師さんは遠い目をして語っておられました。
 
  ▼

 その後、夜の練習は「人形の頭」から、「生身の人間」にうつります。店の先輩や同僚をモデルとして練習を行うのです。このとき、はじめて、人形と人間の違いについて知るそうです。

「人形は絶対に話しかけてこないんですよ。こっちは、もういっぱいいっぱいじゃないですか。そのときに話しかけられるってのが、どれだけ大変かわかりました。

あと、髪の生え方、頭の形、癖毛、ひとりひとり皆違うことを痛感しました。自分の切り方で、どれだけイメージが変わるか」

  ▼

 その後、カット1000円の激安店に配属されます。
 新人が顧客対応するかわりに、激安価格になっている「修行のためのお店」があるそうです。お客さんにもそれはお伝えしてあって、「修行のモデル」になることを了承してもらうそうです。

 激安店には、コーチが1人いたそうです。この会社では、エース級の人材だそうです。このコーチの指導のもと、300人のお客さんをカットすると「卒業」です。

「この段階になると、あまりヘマはしませんけど、、、でも、たまには、うわ、なんじゃこれっていう風になっちゃうんです。でも、すごいのは、コーチです。コーチは、めちゃめちゃうまい。

人のカットの失敗を直すのは、めちゃめちゃ難しいはずです。でも、それを何も言わずに直すんです。直しているあいだ、僕らは黙ってみているだけです。あそこは、あーやればよかったのか、と反省します」

  ▼

「300人斬り」が終われば、いよいよ、実際にお店で顧客を持ちます。ここまで、だいたい、早い人で1年、人によっては2年程度かかるそうです。

 長い長い道のりですね。

 皆さんも、ぜひ、床屋さん・美容室に行ったら、インタビューをしてみてください。ここで紹介したプロセスは、必ずしも一般的ではないと思います。またいろいろな熟達プロセスがありそうですね、面白いですね。それに、インタビューの勉強にもなっていいのではないでしょうか。

 もちろん、嫌がられない程度にね。

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投稿者 jun : 2009年3月31日 07:40


「おばけ」の乱発

 最近、TAKUZOは「お化け」を恐れています。
 きっかけは、絵本の「ねないこ だれだ」でした。

nenaiko.jpg

 この絵本は「夜になかなか寝ない子がいたら、お化けがでてきて、連れて行かれかれちゃうぞ」という話です。

 面白いことに、この本を買ってあげた、その夜からTAKUZOは、「おばけ」がくることを怖れて、すぐに寝るようになりました。
 ここ数ヶ月、なかなか寝付かず、めちゃめちゃ苦労していたのですが、今ではウソのようです。

 「おばけ、怖い、怖い。もう寝るよー」

 と言って、自ら寝室に向かうこともあります。

  ▼

 で・・・これに味をしめた僕は 「様々なおばけ」を、ついつい、創ってしまうのです。「お調子もの」は生まれながらの性格です。

 牛乳を最後まで飲まないときは・・・

「あっ、牛乳飲まないと、牛乳さんおばけでてくるよ」

 保育園にいくのをグズるときには・・・

「あっ、保育園おばけがでてくるよ」

 TAKUZOは、どんなにグズっていても、「おばけ」という言葉を聞くと、急にしゃんとして、しゃきしゃき動き出します。まるでウソみたいに。

 おばけ、これ最強(笑)。

  ▼

 まさに「おばけの乱発」です(笑)。いつか、効き目がなくなりそうで、怖い(笑)。そのとき、「手痛いしっぺがえし」がきそうです。 
 でも、よくないよな、と思いつつ、ついついやってしまいます。特に、朝とか、忙しいときには。
 本来ならば「理由を言って聞かせること」が重要なのかもしれません、、、教育的には。でも、教育研究者としての僕と、親としての僕は、時に矛盾してしまいます。

 ごめん、TAKUZO。
 僕は「ダメな親」です。

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投稿者 jun : 2009年3月30日 08:12


カフェ研究会が終わった!: 場づくりのサイエンスとアートをめざして

「学びと創造の場としてのカフェ」(通称:カフェ研)が、金曜日、東京大学で開催されました。

 今回の研究会の目的は、下記の2点です。

1.コーヒーハウス、クラブ、サロンといった「場」が、それぞれの時代の最先端の「創造」や「学び」のインキュベーション装置として機能していた、という歴史的事実を学ぶこと

2.現在、企業・組織・学校で働く人々 - つまりは大人が、プレイフルに生き生きと、クリエィティブに働くためには、つまり、Learningful workな日々をおくるためには、どのような場が、社内・社外に必要なのかを考えること

 このような目的のもと、「Cafeから時代は創られる」を上梓な
さった飯田美樹さん、ワークショップ実践・研究の第一人者であられる上田信行先生をお招きして、ワークショップ的な研究会を開催することができました。

 今回の研究会も満員御礼、抽選となりました。金曜日の午後1時という時間帯にもかかわらず、会場のラーニングスタジオは既に満員。参加できなかった方には大変申し訳ございませんでした。

cafeken1.jpg

  ▼

 まずは、上田先生によるウォーミングアップのワークショップ。LEGOブロックと「指筆」というツールを使ったものでした。

cafeken3.jpg

 冒頭は、主催者である中原から今日の趣旨説明。

 中原は、自分の研究の歴史を振り返り、なぜ、「組織外に大人が学ぶ場、成長する場、自分を振り返るための場をもつことが重要だ」と思うようになったのかを、解説しました。

cafeken2.jpg

  ▼

 その後は、飯田さんからショートレクチャー。
 飯田さんは、ご著書「Cafeから時代はつくられる」の特に6章の話 - 「新たなアイデアがCafeで創発するプロセス」についてお話をしてくださいました。

Cafeから時代は創られる - 中原の書評
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/02/_cafe.html

 多様な人々が、入れ替わり立ち替わり集い、新しいアイデアや知恵を生み出していくためには、物理的な場所、椅子・机・コーヒーだけがあればいいわけではありません。

 皆を魅了するアトラクターとよばれる人々(例えばサルトルやボーヴォワール)、常連(先達者)、主人、ギャルソンという「人々の関係」の中で、新たなアイデアは育まれます。飯田さんは、このことについて、お話をしてくださいました。非常に興味深いお話でした。

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 ▼

 その後は、上田先生のミニレクチャー。上田先生が取り組んできたワークショップ実践のお話、Neo Museumにおける実践の話。そして、ワークショップの場のデザインの話(イタリアンミールモデル)についてお話をいただきました。

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イタリアンミールモデル
http://www.nakahara-lab.net/blog/2006/10/post_596.html

 ▼

 最後に、東京大学ワークショップ部(!?)の舘野君と牧村さんによる、ワークショップです。参加者の皆さんにお願いした課題は、下記の通りでした。

東京大学 ワークショップ部
http://utworkshop.jimdo.com/

cafeken9.jpg

1.Dialogue on Cafe 
 あなたのまわりに、「カフェ的空間」はありますか?
 ・自分の身の回りに「カフェ」的空間があるかを話す
 ・「カフェ的空間」があるとしたら、それはどんな場なのか?
 ・「カフェ的空間」がないとしたら、どんな場が欲しいのか?
 ・「カフェ的空間」を自分が作っているとしたら
  どうやってその場を作っているのか?

2.Visualizing the Future of Cafe
 わたしたちには、こんな「カフェ」が欲しいのだ
 ・みんなから出てきた「カフェ」を書く
 ・そこに共通する要素について書く
 ・それをつくるときにポイントになることについて書く

3.Gallary Talk
 ・1グループ2名ずつ交代で発表する
 ・コーヒーをもって、ポスターをまわる

 皆さん、「理想のカフェ的空間」について、熱いディスカッションをなさっていました。

cafeken5.jpg

cafeken6.jpg

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  ▼

 最後は長岡健先生にリフレクションを話していただき、中原がラップアップを行います。

 中原からは、

○「カフェ的な場」は建物と椅子があればできるのか?

○「カフェ的な場」を誰がつくってくれるのを「待つ」のか? それとも、あなたが、誰かと一緒につくるのか?

 という問いかけをさせていただきました。

sankasha1.jpg

  ▼

 最後になりますが、ご出講いただいた飯田美樹さん、ワークショップを実践していただいた上田信行先生、大西景子さん、舘野君、牧村さん、Educe Technology事務局の坂本君、そして東京大学大学院の大学院生 山田君、安斎君、会場にお越し頂いた皆さんに、心より感謝いたします。

 プログラムを終えても、なかなか、会場から参加者の皆さんが帰ろうとはしませんでした。これは、僕にとっても、非常に大きな「手応え」を感じました。

 ありがとうございました。

 そして人生は続く。

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投稿者 jun : 2009年3月30日 07:40


研修評価のこと

 研修評価の話です。週のはじめですが、ちょっとややこしいことを述べます。

  ▼

 先日、日立総合経営研修所の堤さん、柳さんと一緒に、「研修評価のあり方」について議論しました。

 研修評価の議論で、よく言われるのは次のようなことです。特に、ID(教授設計理論)のコンテキストでは、このように言われることが多いのです。

「研修評価を行うためには、研修デザインの部分で、学習目標を行動目標として記述しなければならない。これができていないから、結局、何を学んだのか、何を習得したのかがわからなくなってしまい、故に、研修評価ができない」

 おっしゃるとおり、そのとおり。

 明確な行動目標を教授内容としないかぎり、教授内容を精選も吟味もできない。故に、何を学んでるんだか、よくわからない研修や授業ができあがります。

 そういった研修や授業は、まだまだ多いですね。皆さんもご経験がおありなんじゃないでしょうか。家に帰ってきて、「今日のあれは何だったんだ?」というような研修や授業。僕は、何度もありますよ。

 だから、教授設計理論が「学習目標を行動目標化することは重要だ」と目くじらたてて主張することは、もっとやってもいいんだと思います。言い過ぎても言い足りないくらいです。
 教育プロパーの人が、想像する以上に、ぺんぺん草もはえないような研修や授業は多いものです。そういうものは、絶対に「評価すること」はできません。

 でも、そのことを重々承知し、かつ、その意義を踏まえた上で、下記のように僕は述べたい。

 よく研修評価で語られるこの言い方 - 研修評価ができない理由は学習目標が行動目標になっていないからだ - は、非常に「ナイーブ」だと思うんです。

 はっきりいうと、問題はそこではない。問題は、「学習目標をきちんとたてられないこと」ではないんだと思うんです。

 むしろ、問題は「学習目標をたてるという活動に対して、ステークホルダーが巻き込まれておらず、彼らの中に合意をとれていないこと」にあるのではないでしょうか。

 ▼

 たとえば、こういうことです。

 今、「学習のニーズ」が、経営層か、あるいは事業部で生まれます。そのニーズはまだまだ「漠然」としているとしますね。

 そのニーズを、育成担当者は言い渡される。で、通常はベンダーの方に来てもらって、たいていは、彼らから提案を受けます。力のある育成担当者になれば、ベンダーと協業するということもありえるかもしれません。とにかく、この段階で「学習目標」というものがたてられます。二人でやりとりをして、「これでいいよね」ということで、研修をやる。しかし、問題は「ここ」です。

 はたして、経営層や事業部が思っている「ニーズ」と、自分たちでたてた「学習目標」は本当に同じものだったんでしょうか?
 つまり、ステークホルダーから見た場合に、「確かに、この学習目標は、僕がかかげたニーズに準拠したものだよねー」と思えるものなのでしょうか。

 別の言い方をすれば、「学習目標」をきちんと経営層や事業部と「にぎっている」のでしょうか。つまり、その学習目標は、人材育成のステーホルダーにとって、「納得」のいくものなのでしょうか?

 たとえば、極端な話をしますね。

 今、仮に「営業力を強化せよ」というものが、経営層や事業部から掲げられた「ニーズ」だとします。その際に「顧客に対してプレゼンができる」という行動目標化された学習目標を、育成担当者とベンダーの方でかかげ、研修を実施したとします。

 ここで、重要なことは「営業力を強化せよ」という学習ニーズを実現するための「下位目標」が「プレゼン研修」で実現できるのか、ということです。さらにいうならば、この「プレゼン研修の結果」をもって、「営業力強化の評価」としてよいのか、ということです。

 「学習目標がズレる」とすべてがズレます。その場合は、実施する研修もニーズからはズレてくるし、そのあとで、どんなに精緻な評価をしようとも、ズレてきてしまうことになります。

 つまり、どんなに評価をやっても、経営層やラインからみれば、「適切な評価をやっていない」ということになってしまうのだと思うのです。最悪の場合には「適切な研修をやってない」ということになる。

 結局言いたいことは、こういうことです。

 学習目標は、教育に携わる人々「だけ」では、決して、立てられないのです。
 そこには、教育を専門としていない人たち、つまりはステークホルダーが関与し、参画していなければなりません。

 しかし、このことは意外にも、あまり実践されません。まして、教授設計理論の内部では、なかなか触れられることがありません。

 くどいようですが、再度、言います。

 「研修評価ができない」という場合に、求められているのは、「誰がイニシアチブをとって、誰を巻き込みつつ、学習目標をどのようにたてるのか」ということです。

 その際には、経営層、事業部、ベンダー、育成担当者という異なる役割をもった人々のあいだのコミュニケーションシステムや、彼らが合意形成を行う「場」をデザインしない限り、 - つまりは、ここにディスコミュニケーションが存在するかぎり - 問題は解決しないように思います。

  ▼

 さらに想像力を逞しくして物事を考えていくと、教授設計理論におけるADDIEモデルというのも、再考しなければならないとも思います。
 それは「教室の内部の出来事をデザインする」ためのヒューリスティクスとしては機能するんでしょうが、どうも足りないように、僕には思えます。

 Analyze - Design - Development - Implement - Evaluationのモデル、いわゆるADDIEの最大の欠点は、これらのプロセスを通してつくられる研修に関係するステークホルダーとIDerのコミュニケーションプロセスに対する配慮が、あまり見られないことです。

「全くない」わけではありません。しかし「十分ではない」と思うのです。ADDIEは、インストラクショナルデザイナーの仕事のプロセスを記述しているようで、その対象は「教授」「教材」によっています。
 本当に求められていることは - ステークホルダーとのコミュニケーションや合意形成 - といったような「政治的交渉のプロセス」なのですが、それは理論内部で強調されていません。

 つまり、こういうことです。

 ADDIEのモデルで、きちんとした教材ができました!
 でも、その教材は、経営課題にはズレていました!
 みんな他のものを求めていたので、不満が高まりました!

 ADDIEのモデルで、きちんと評価ができました!
 でも、その数字は誰も求めていませんでした!
 みんな他のものを求めていたので、不満が高まりました!

 こういうことがおうおうにしておこりうるということです。

 僕は、企業人材育成の分野では、「教授設計理論のモデル」をそもそも見直す必要があるようにも思っています。

「教室内部の教授」をデザインするADDIEモデルを拡張する必要があるように思います。「教室外部のステークホルダーとのコミュニケーションデザイン」を内包した教授設計モデル、こちらをもっと強調したモデルをつくる、ということです。

  ▼

 以上、拡散的に述べました。
 くどいようですが、教育評価論においては、

「評価ができないのは、学習目標がたってないからです。学習目標をたててください」

 と声を張るだけでは不十分です。それは「やってあたりまえ」のことです。ですが、それができたからといって「ステークホルダーが満足する研修評価」ができるわけではありません。
 結局、人と人の関与の仕方、人と人のコミュニケーションのあり方を考えていかなければなりません。

  ▼

 ちなみに、7月あたりのLearning barでは、「教育評価」を扱いたいと思っています。現在、日立総合経営研修所の堤さんとその準備を進めています。

 ぜひお楽しみに。

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投稿者 jun : 2009年3月30日 06:48


研究室遊泳≠オフィスアワー?

 今年のゼミが終わり、2月頃でしたか、ゼミの大学院生に、「来年のゼミのあり方」に関する意見をだしてもらいました。いうたら、ゼミのEvaluation(教育評価)ですね。

 かたっぽで、「教育やったら、評価せなあかんどー」と偉そうに言っていて、「自分の研究室」や「自分の授業」に関してはそれをしない、ってのは「ウサン臭い」ですね。

 まぁ、そうすると、でるわ、でるわ。皆さん、いろいろと言いたいことあったのね。出来る限り、できるものは改善しましょう。教育活動だから、全部が全部、学び手のリクエストが反映できるわけではないけれど、改善できるところはしたほうがいい。

 一番多かった要望は、「もっと話をする時間をつくってください」でした(泣)。

 確かに、僕は、いつもいない。
 いても、心はそこにいない(笑)。
 確かに、いつも、忙しくしてる。
 これは改善しなければなりませんね。

 というわけで、来年4月からは、ゼミのある日、4時から5時までを「オフィスアワー」と名付けて、時間を確保することにしました。この時間は予定をいれず、研究室にいることにしたのです。研究室のみんなには、そう伝えました。

 でも、どこかで「不安」でした、まだやってないけど(笑)。誰も学生オフィスアワーに来ないんじゃないか、と。

 大学教員同士で話していると、よくこんな話になるのです。

「大学からはオフィスアワーをもうけるように言われて時間を確保して、研究室で待っているけど、人っこひとり、学生がきやしねー、ブツブツ」

 でも、よーく考えてみると、「待っている」から「不安」なんだよね、で、「来ない」から「ブツブツ」なんだよね。
 だったら、「自分から大学院生の研究室にいけばいーじゃねーか」と気づきました。てめーが、動けばいいんだよ、てめーが。

 というわけで、「オフィスアワー」はやめます。まだやってないけど(笑)。

 かわりに「遊泳」と名付けて、学生の研究室まわりをフラフラすることにしました。「遠山の金さん」みたいでいいかな、と。

 というわけで、中原研究室学生諸君、研究室にフラフラと出かけるので、よろしく。

 邪険に扱わないでね。

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"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

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投稿者 jun : 2009年3月26日 11:51


進む人材育成の内製化

 人材育成は絶対にやめるな。もうバブル以降の後遺症は避けたい。しかし、外注するものは、なぜ外注しなければならないのかを教えて欲しい。その価値は、なぜ、外注によってしか得られないものなのかを考えてほしい。もしそれに答えられないのなら、何とか工夫して、社内で実施する方法を考えてほしい。

「コスト削減だから人材育成はしない」という認識は当社はとらない。規模は縮小するものの、人材育成は実施する。ただ、人材開発部なのだから、知恵をしぼって「お金をかけないで育成の場をつくること」も考えて欲しい。

  ▼

 最近、僕のところに寄せられる問い合わせで最も多いのは、上記のようなことを会社から求められた方からです。皆さん、非常に悩んでおられるようですね。

 こういうご時世です。

「教育・研修の内製化」
「社内リソースを使ったインフォーマルな場づくり」

 というものが、各社においてはじまっているように思います。

  ▼

 最初に断っておきますが、「教育にはお金がかからない」という認識は100%間違っています。教育は「見通しがゼロ」の将来に対する「投資」であり、そのことは不況であろうが、好況であろうが、変わりません。

 以前、この国は「教育に多くのことを期待しつつ、教育には最も金をかけない国のひとつだ」と述べました。その認識がナンセンスであるという僕の認識は、今も変わっていません。

 そのことは、典型的に公教育にかけられている教育費の問題にあらわれます。日本の国内総生産(GDP)に占める教育公財政支出割合は(要するに国がどの程度教育に金をかけているかという程度)、2005年、さらに減少し、3.4%。OECD加盟国28か国内ワースト1。高等教育に対する支出に関しても、GDP割合の0.5%。これもワースト1。
 GDPの伸び率の問題もあるので、これだけのデータをもって、即、「日本は教育に金をかけない」という判断はできないですが、深く考えさせられるデータであることは間違いありません。

 これは明らかに低すぎる数字です。
 申し訳ないけど。

  ▼

 しかし、その上で、「不遜な言い方」になることを覚悟していいますが、現在、企業人材育成で進んでいる事態は、長期的な視野にたった場合、決して悪いことばかりではないな、とも思います。

 ある会社では、社内に「カフェ」を設置し社員が自由に集まれる場所をつくったそうです。
 ある会社では、人事教育部が主体となって、ミドルの人々を集め、彼らが日常の仕事を内省するワークショップを開催するようになりました。

 教育のサプライサイドも変わってきています。

 ある民間教育ベンダーは、この時期にあわせて、研修内容をすべて見直し、インストラクターの再教育を行いました。
 ある民間教育ベンダーは、ワークプレイスラーニングの支援に向けて、体制を整えているそうです。

 教育の受け手も、そして、教育のサプライサイドも、この時期をきっかけに、学びつつ、新しいことにチャレンジしているように思えるのです。

  ▼

 今、本当に問われていることは、

 人材開発部には、社内で「何」ができるのか? どんな「付加価値」をもたらすことができるのか?

 教育ベンダーには、社外からどんな「付加価値」をもたらすことができるのか?

 なのかもしれません。

 さて、今だからこそ、あなたの会社では「何」をしていますか?

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投稿者 jun : 2009年3月25日 10:26


クラブ、コーヒーハウス、サロン、カフェ - 学びと創造の場

 金曜日に開催される研究会(通称:カフェ研究会)のこともあって、このところ「場」に関係する本を片っ端から読んでいる。
 研究会もおかげさまで満員御礼。参加者は、いつものLearning barとはまた違う方々 - 医療関係者、大学関係者、IT関係者、マスメディア関連の方々が多いように思う。

 関連する本を10冊くらい読んだけど、下記は面白かった。コーヒーハウス、クラブ、サロンといった「場」が、それぞれの時代の最先端の「創造」や「学び」のインキュベーション装置として機能することを紹介している。

 それは、当時は存在していなかったジャーナリズムというものをうみだし、政治思想を生みだし、保険というそれまでになかった新ジャンルのビジネスを生み出していく。今の言葉でいえば、それは、まさに「イノベーションのための場」であった。

 

 そこにある「人々のダイナミズム」をひもといていけば、もしかすると、僕の研究テーマである「働く大人にとっての学び・成長の場」の仕組みを考える上でのヒントになるかももしれない、と思っている。
 
 確たる根拠は、まるでない(笑)。
 研究者としての第六感。
 予感、予感。
 
  ▼

 金曜日の内容をつめる上で、ご登壇いただく同志社女子大学の上田信行先生と電話でお話しした。

 上田信行先生は、僕が大学院に進学した頃から、大変御世話になっている先生であり、僕が尊敬する研究者のひとりである。

 上田先生との話の中で印象的だったのは、

「他人のマインドセットを変えるなんてことは、教育にはできない。可能なのは、マインドセットを変えたいと願う人たちの"場"をつくることくらいじゃないだろうか」

 医者をやっている僕の知人は、ちょっと前にこんなことを言っていた。

「医療が、患者さんを助けてあげられるのは、その人の生命のうち5% 残りの95%は、患者さん自身の生命力と生きたいと願う力にかかっている」

 どこかに共通点はあるような気がする。

  ▼

 カフェ研究会は金曜日に開催される。

 今週は、卒業式はあるわ、原稿の〆切は2本あるわ、新規プロジェクトの打ち合わせはあるわで、かなり立て込んでいるが、かなり愉しみにしている。

 準備はいつものように教育学研究科の坂本君があたってくれている。会の後半には、情報学環の大学院生、舘野君、牧村さんが協力してポスターセッションをやってくれるそうだ。ありがとう。

 この研究会、どう考えても、僕自身が一番愉しみにしていると思う。ダハハ。

=================================================
創造と学びの場としてのカフェ
 - 場づくりの技術と科学をめざして
  Toward the art and science of creating "Ba"

飯田美樹さん・上田信行先生をお招きして

3月27日金曜日 午後1時 - 午後5時 東京大学
=================================================

 来る3月27日、「Cafeから時代は創られる」を上梓な
さった飯田美樹さん、ワークショップ実践・研究の第一
人者であられる上田信行先生をお招きし、東京大学にて、
「カフェと学びを考える - Toward the art and science
of creating "Ba"」と題した研究会を開催します。
(定員を超えた場合には、抽選といたします。
結果は3月19日に発表といたします。メールにてお知らせ
いたします。)

学びの場、学びのネットワーク、学びのサードプレイス・・・
そうしたものを自らデザインしたいと考える方に、特に
おすすめの内容です。

Cafeから時代は創られる - 中原の書評
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/02/_cafe.html

 人が、「新しい物事を生み出すとき」 - そこには
「出会いと対話を促す社会的装置」つまりは、「場」
が必要になります。

 飯田さんは、フランスのカフェを観察・分析する中
で、カフェがそのことに果たす役割を論じました。

 また上田信行先生は、学習環境デザインの観点から
これまで様々なワークショップをデザインなさって
きました。上田先生のワークショップデザインにおい
ては、様々なかたちで、出会いと対話に注目なさって
います。

上田信行先生のプロフィール
http://www.cafeglobe.com/parenting/chapla/ueda/

 創造の場、学びの場づくりについて関心のおありの
方は、ぜひ、ご参加下さい。

-----

■主催
 NPO法人 EDUCE TECHNOLOGIES
 エデュース・テクノロジーズ
 http://www.educetech.org/
 
 EDUCE TECHNOLOGIESは、教育環境の構築に
 関する調査、研究、コンサルティングを行う
 非営利特定活動法人です。
 
 企画担当
 副代表理事 中原 淳

 
■共催
 東京大学大学院 学際情報学府 中原淳研究室
 - 大人の学びを科学する研究室 -
 http://www.nakahara-lab.net/
 
 
■日時
 3月27日(金曜日) 午後1時集合 - 午後5時まで
 
 
■場所
 東京大学 情報学環 福武ホール
 地下2F 福武ラーニングシアター
 http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access.html

 地下鉄丸の内線本郷三丁目駅から徒歩15分程度
 地下鉄南北線東大前駅から徒歩10分程度
 
 
■参加費&募集人数
 1000円・40人


■内容
 1.趣旨説明
  ・「カフェと学びに思うこと:
    場づくりの技術と科学をめざして」
    中原淳(東京大学)
    13:00 - 13:20 : 20min.

 2.飯田さんプレゼンテーション
  ・「Cafeから時代は創られる」 セッション
    13:20 - 14:00 : 40min.    

 3.Cafe time(30分)
  ・ネットワーキング
    14:00 - 14:30 : 30min.    

 3.上田信行先生のミニワークショップ
    14:30 - 15:10 : 40min.    

 4.グループディスカッション(30分)
   舘野泰一さん(企画実施)
   牧村真帆さん(企画実施)
    15:10 - 15:50 : 40min.    

 5.ポスターセッション
   舘野泰一さん(企画実施)
   牧村真帆さん(企画実施)
   グループディスカッションの内容を共有(30分)
    15:50 - 16:30 : 40min.    

 6.リフレクション
    16:30 - 17:00 : 30min.    

■参加条件

 下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。
 申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいて
 いるとみなします。

1.本ワークショップの様子の写真、NPO Educe
Technologies、東京大学 中原研究室が関与する
Webサイト等の広報手段、講演資料、書籍等に用
いられる場合があります。

2. 欠席の際には、お手数でもその旨、
sakamoto@tree.ep.u-tokyo.ac.jp までご連絡下さい。
人数多数のため、多数の方の参加をお断りしている
状況です。繰り上げで他の方に席をお譲りいたします。
 
3. 3.本イベントで剰余金が発生した場合は、東京大学
中原研究室および、NPO法人 Educe Technologiesが
企画する、組織人材育成・組織学習に関係するシン
ポジウム、研究会、ワークショップ等の非営利イベ
ント等の準備費用、運営費用、および、組織人材育
成・組織学習に関する研究開発費用に充当します。
 
■どうやって参加するのか?
 
 下記のフォームに必要事項をお書き入れの上、
 sakamoto [at mark] tree.ep.u-tokyo.ac.jpまで
 3月18日までにお申し込み下さい
(定員を超えた場合には、抽選といたします。
結果は3月19日に発表といたします。メールにてお知らせ
いたします。)

〆ココカラ=======================================

 参加申し込みフォーム
 sakamoto [at mark] tree.ep.u-tokyo.ac.jpまで
 3月18日までにお申し込み下さい
(定員を超えた場合には、抽選といたします。
結果は3月19日に発表といたします。メールにてお知らせ
いたします。)
 
 ---

 上記の参加条件を承諾し、参加を申し込みます。

氏名:(            )
フリガナ:(          )
所属:(            )
メールアドレス:(       )
業種:下記の11つの属性から、あなたに最も近いものを
ひとつお選びください

 1.研究者
 2.学生
 3.民間教育会社勤務
 4.民間コンサル会社勤務
 5.事業会社勤務(人事・教育部門)
 6.事業会社勤務(事業部門)
 7.個人事業主(教育・コンサル)
 8.経営者
 9.初等・中等教育の学校勤務
 10.公務員・公益法人等勤務
 11.その他

もしあれば・・・一言コメント
(                )

〆ココマデ=======================================

---

"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
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投稿者 jun : 2009年3月24日 08:57


東京大学 学位授与式

 今日は、東京大学の学位授与式(卒業式)です。キャンパスには、アカデミックドレスに身をまとった、新しい修士・博士があふれています。

 今年度、中原研究室からは、3名の修士修了者をだすことができました。めでたいことです。

 それぞれの「これからの生活」が、プレイフルで、かつ、エキサイティングになることを、教員として願っています。

 本当におめでとう!
 Enjoy!


2008gakui.jpg

makimura_san.jpg

(学位授与式にて、大学院修士修了生と)

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投稿者 jun : 2009年3月23日 14:28


ワークプレイスラーニング2009 企画ワークショップが開催された!

 この連休中、ワークプレイスラーニング2009企画委員会のワークショップが、前回に引き続き開催されました。会場は、本間さんのご厚意で、らーのろじー株式会社の研修室をお借りいたしました。この場を借りて、本間さんに御礼申し上げます。

  ▼

 前回のブログでお伝えしたように、ワークプレイスラーニング2009では、その企画のプロセスを、すべてこのブログで公開いたします。

ワークプレイスラーニング2009 前回の企画会議
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/02/post_1446.html

 プロセスを公開することで、企画者である我々自身が、様々なご指摘を受けることが可能になりますし、また、ワークプレイスラーニング2009を実施する目的でもある「社会的認知の向上」に資するものと思います。

 年に一度、安田講堂で華々しく開催しているワークプレイスラーニング2009のBackstage(楽屋)では、実は、こんな議論が行われているのです。

  ▼

 まず、中原の方から、本日の趣旨説明を行いました。下記の資料を配付して、これに従ってアジェンダ設定をいたしました。

 
3月21日ワークショップでの中原の配付資料
http://www.nakahara-lab.net/blog/workplace_dainikai_workshop.pdf

 こちらの資料は、前回のワークショップの結果を踏まえて、中原と長岡先生で話し合って、つくった「たたき台」です。これを踏まえて、さらに企画をブラッシュアップしていくことをめざします。

  ▼

 今日、半日をかけて取り組むのは、下記の課題です。

1)今年のワークプレイスラーニング2009で、私たちは、どのような「新しいメッセージ」を発信するか?

2)ワークプレイスラーニング2009を運営するにあたり、新しい「仕掛け」「演出」は何か?

3)今後のスケジューリングと役割分担

  ▼

 まず1)から。

 前回のワークショップで出ていたテーマ候補は、

 1)育つ責任、育てる責任
  (いわゆる、Learning responsibility)
 2)学習とは変革である
  (いわゆる、Learning is Change)

 でした。

 まずは、それぞれのテーマを採用した場合、ワークプレイスラーニング2009が、どのような場になるのかを予想し、それぞれのメリット、デメリットを、グループで話し合ってもらいました。

workplace2009_02_01.jpg

workplace2009_02_02.jpg

 その後、「それぞれのメンバーが、何をやりたいのか」について意見表明してもらいました。僕もメンバーのひとりとして意見表明をしました。
 投票の結果、僅差でしたが、結局、1)がテーマとして採用されることになりました。

 今年のワークプレイスラーニング2009は、

「これからの人材育成のあり方と、企業と個人の緊張関係」

 を問いかける場になりそうです。

 僕の感覚では、2)もかなりラディカルですが、1)はそれ以上に激烈にラディカルです。
 先ほどのレジュメにも書きましたが、この問いは、企業と個人のあいだに潜む様々な問題を覆い隠している「蓋」 - パンドラの箱 - をあけてしまうからです。

 正直にいうと、一瞬ひるみましたが(笑)、性格が楽観的なせいか、だんだんと「やってみるか、挑戦しがいがあるな」と思うようになってきました。

 とにかく、今年はこれでやります。

  ▼

 その後は、副題や事例企業の選択基準について、1時間ほどディスカッションしました。

workplace2009_02_03.jpg

workplace2009_02_04.jpg

 時間が足りず、なかなか副題も事例企業の選択基準も煮詰めることはできませんでしたが、いくつかの案とともに懸念もでてきました。

 以下は完全に僕のメモです。

 ---

■テーマ

 2007 - Out of classroom
 2008 - Out of Division
 2009 - Out of Company ?

■副題案

 あなたは、自分で育ちますか?
   それとも、会社に育てられますか?

 あなたは、自分で育ちたいですか?
   それとも、会社に育てられたいですか?

 あなたは、自分の会社と一緒に
   成長したいですか?

 あなたの会社は、人を育てる会社ですか?
   それとも、人が育つ会社ですか?

 うーん・・・

■時代背景

 ・個が自らの専門性・能力を高めることが
  求められる
    ↓
 ・潜む問題
  (≠会社のご都合にあわせたキャリア
    開発論に回収されない)
  (ネオリベ論に回収されないようにする)
    ↓
 ・個と会社の「緊張関係」の中で、どのような
  内容の学習を、誰が、どのように担うべきなのか?

 ・雇用形態の問題

■事例企業は?

 ・事例は3企業
 ・プログラムの骨子は変えない

 ・人材輩出企業
  (個が育っている企業)
 ・企業の外での学び
 ・人材の品質保証をする企業
 ・企業という枠を超えて学ぶ人
 ・個と会社の関係について、ポリシーが
  はっきりしている企業

■問題点
 ・個と企業というテーマのもと、
  ワークプレイスラーニングとしてのメッセージは
  何か?
 ・人材育成投資の削減理由として、免罪符のように
  使われることだけは避けたい。

 ---

 まだまだ課題だらけですね(笑)。

 あとは1週間~2週間、また考えてみますが。なかなか難しい問いですね。

  ▼

 その後は次回のMT日程を決めました。
 次回は4月9日午後6時です。

 ここでは、事例企業の候補を、ひとり1個以上持ち寄ることにしました。

 ワークプレイスラーニング2009、だんだんと輪郭が生まれてきました。まだまだボヤけてはいますが、またブラッシュアップしていきたいと思います。ぜひ、皆さん、ご意見をください。
 あと、10月30日(金曜日)は、ぜひスケジュールをあけておいてくださいね。どうぞお楽しみに。

 最後になりますが、場所を貸していただいた本間さん、事務局の坂本君、そして東京大学大学院の院生諸氏、ありがとうございました。

 また、参加していただいた企画委員会の方々、金子さん@グロービス、坂本さん@富士ゼロックス総合教育研究所、鈴木さん@NRIラーニング、永田さん@ダイヤモンド社、本間さん@らーのろじー、柴田さん@産業医科大学、須藤さん@日本CHO協会、古賀さん@産業能率大学、長岡さん@産業能率大学、
佐々木さん@MIアソシエイツ、石井さん@リクルートMS、福住さん、ありがとうございました。

 そして人生は続く。

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投稿者 jun : 2009年3月22日 07:40


哲学者の使命は、沈黙することではない!:マルク=ソーテ著「ソクラテスのカフェ」を読んだ

 哲学者の使命は、沈黙することではない。
 哲学者が役割を果たすのは、自分の殻の中でではない。

 道ばたや街頭で、人々の生活に入り込むことによって、商人や大道芸人であふれかえる市場をほっつき歩くことによってなのだ。
(下記書籍 p15より引用)

 ▼

 マルク=ソーテ著「ソクラテスのカフェ」を読みました。

 著者マルク=ソーテは、フランスで「哲学カフェ」の運動を主導した哲学者。哲学カフェとは、カフェでお茶を愉しみながら、「人生の問題・世界の問題をめぐって対話を行う場」のことです。

 マルク=ソーテは、パリ政治学院(エコール・ポリティーク)の哲学教授の地位を捨て去り、パリのバスティーユ広場に面したカフェで、毎週、人々を前に、下記のような問いかけを行った、といいます

 なぜ、暴力はなくならないのか?
 私たちが生きることの意味は何か?
 妊娠中絶は許されるのか?

 最盛期には百名を超える人々が、ここに参加しました。数時間にわたって、議論が進んだといいます。

 その後、哲学カフェの運動は全世界に広がっていきました。詳しいことは知りませんが、日本でも、「哲学カフェ」がいくつかあるようです。

  ▼

 哲学者の使命は、沈黙することではない。
 哲学者が役割を果たすのは、自分の殻の中でではない。

 上記のマルク=ソーテの言葉にはハッとします。

 さらにラディカルに言うならば、

 沈黙すべき時に、なぜか饒舌で
 饒舌であるべきときに、なぜか沈黙する。

 哲学者に限らず、そんな「倒錯状況」が存在していないでしょうか。
 心の底から考えさせられます。
 自戒を込めて・・・。

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投稿者 jun : 2009年3月21日 16:12


サバイバル不安と学習不安

 組織文化論の泰斗、エドガー・シャインの造語に「サバイバル不安」「学習不安」がある。

 サバイバル不安とは、要するに「生き残っていくための不安」。より具体的にいえば、「このままじゃ、オイラ、ダメになっちゃうかも、生き残っちゃいけないかも」という不安といえるかもしれない。

 対して、「学習不安」とは「新しいことを学ぶときに感じる不安」。「これまでのあり方を捨ててまで、新しいことなんて、学ぶのいやだなー」という感じの不安だろう。

 シャインによれば、人が「学ぶ」ためには、「サバイバル不安をあおるやり方」と「学習不安をやわらげるやり方」があるという。
 
 前者は「オマエ、このままじゃ、生きのこっていけんぞ、家族が路頭に迷うぞ」と恐怖をあおること。どちらかといえば、「ビターアプローチ」である。
 後者は例えば「大丈夫だよ、新しいことを学ぶ事なんて、たいしたことないよ、やればできるよ・・・」と問いかけることだろう。こちらは、(ビターと比較すれば・・・)「スイートアプローチ」とよべるかもしれない。

 実際の企業・組織では、「ビターアプローチ」と「スイートアプローチ」を適宜組み合わせて、学習を促そうとするだろう。特に、「ビターアプローチ」で自己変革を迫ることが、多いのではないか、と推察する。

  ▼

 シャインの「サバイバル不安」「学習不安」は、学習を促すときに参考になる考え方だけれど、どうも、僕にはひっかかるところがある。

 それはおそらく、これらの概念が、学習を「できれば避けたいもの」「本来的には苦痛なもの」と見なしていることによる、と思う。

 このあたりは、組織学習論や組織変革論の底流をなしている考え方のようにも思う。

 ここが、僕にとっては、考えどころもしれないな、と思う。

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投稿者 jun : 2009年3月20日 07:38


ドゥアブルとデリバラブル

 Doalble(ドゥアブル)、Deliverable(デリバラブル)という言葉がある(よく聞く言葉なので、元ネタがわからない・・・金井壽宏先生・岸良 裕司さんの著書「過剰管理の処方箋」にも引用されている)。

  ▼

 仮に、今、「あなたの仕事は何ですか?」と、ある研究者が、他者に問いかけられたとしよう。

 その場合、

 「開発研究をやっています」
 「調査やっています」

 と答えるのが、ドゥアブルである。
 ドゥアブルとは「できること」。先ほどの答えは、「自分のできること」を列挙している。

 それに対して、デリバラブルには「宛先」がある。他ならぬ「誰か」に何かを届け、「誰か」の役にたつことが、デリバラブルである。

 先ほどの例でいうならば、

「現場の人に届くような開発研究をやっています」
「ポリシーメーカに届くようなかたちで調査をやっています」

 と答えるのが、デリバラブルである。デリバラブルとは「誰かにもたらすもの」である。

 あなたが仕事を語るときのことを思い出して欲しい。
 あなたは、自分の仕事を説明する。

 そのとき、あなたは、ドゥアブルを語っているだろうか?
 それとも、デリバラブルを語っているのだろうか?

 あなたの仕事の「宛先」は誰か?

  ▼

 ドゥアブルとデリバラブルは、自分の仕事のあり方に深い内省をもたらしてくれる。これは学問のあり方や、学問の宛先性を考える上でも、非常に有益だと思う。

 あなたの専攻する学問のデリバラブルは何か?
 
 なかなか考えさせられる。

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投稿者 jun : 2009年3月18日 07:36


Learning barの抽選結果がでました!

 Learning barの抽選作業が終わりました! 今回のLearning barは、4月17日開催、テーマは「みんなでやる気を科学する」です。

みんなでやる気を科学する
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/02/learning_bar_19.html

 今回のLearning barには、なんと、史上(!?)最高の458名の方々から、参加御希望をいただきました。ありがとうございました。

 会場の情報学環福武ホールの定員は180名。補助椅子を準備して、何とか多くの座席を確保したいと考えています(皆さん、なるべく早めにおこしください・・・あと、狭いとか、荷物の置き場がないとか、ご不便をおかけすることになると思います・・・すみません、、、堪忍してください)。

 それでも、すべての方々の御希望にはお応えできないのが心苦しいのですが、なにとぞお許し下さい。

 今回の参加希望リストを拝見していて、特に印象的だったのは・・・

1.北陸地方、関西地方の現場の先生方からの応募があったこと。これは大変嬉しいことです。ありがとうございます。

2.現役のお医者さま、看護師の方々からの応募が多かったこと。一言メッセージによりますと、医療現場では、若手育成、看護師の育成に関する関心が高いとのことでした。ありがとうございました。

3.実務家として、モティベーションの問題とずっと格闘している、とおっしゃる「その道のプロ」の方からも、たくさんのご応募をいただいたこと。ありがたいことですね。

 当選なさった255名の方々、本当におめでとうございました
 今日、明日には、事務局からメールで連絡がいくと思われます!

 春、本郷キャンパスにてお逢いしましょう!

  ▼

 カフェ研究会の方は、定員40名。こちらも残席わずかになってしまいました。

 コミュニティでも、ネットワークでもない、まだ何といってよいかわからないんだけど(笑)、ノドのちょっと手前まで、でかかっているような「場」・・・「新しい学びの場づくり」に興味のある方は、ぜひどうぞ。

創造と学びの場としてのカフェ(カフェ研)
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/03/post_1456.html

  ▼

 あっ、そうそう。次回、Learning barの開催日程が決まりました

 次回は6月12日(金曜日)! 
 テーマは「リーダーシップを開発せよ!」です。

 当日は、先進的なリーダーシップ開発を実践なさっている企業の方に、そのコンセプト・ご苦労をご発表いただきます。また、新進気鋭のHRD若手研究者をお呼びして、「リーダーシップ開発研究」の最前線、世界的動向をお話しいただく予定です。

 ぜひお楽しみに!

  ▼

 慶應丸の内シティキャンパスのコース「ラーニングイノベーション論」も、ぞくぞくと申し込みが続いているようです。お早めにお申し込み下さい。

 このコースでは、講師・受講者とともに、下記の問いについて考えます。

 ・経験から学ぶとはどういうことなのか?
 ・他者から学ぶとは何か?
 ・組織学習は何によって促されるのか?
 ・働く大人にとって「学び」「成長」とは何か?

 ・戦略とは何か?
 ・戦略に貢献する人事とは何か?

 ・現場志向の育成とは何か?
 ・従来のOJTの何が問題か?

 ・企業組織の価値観や理念をいかに伝えるか?
 ・組織における対話の効果とは何か?

 ・パフォーマンスとは何か?
 ・学習効果とは何か?

 ・職場はどのように変わるべきなのか?
 ・組織はどのように変わるべきなのか?
 ・そして、あなたはどうするのか?

慶應丸の内シティキャンパス「ラーニングイノベーション論」
http://www.keiomcc.com/program/lin/index.html

ラーニングイノベーション論 パンフレット
www.nakahara-lab.net/lin2009.pdf

  ▼

 大人の学びを科学する・・・

 以上、中原研究室のイベントご案内でした!

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投稿者 jun : 2009年3月16日 07:15


組織学習システム論Ⅱ : 夏学期の大学院授業シラバスができた!

【お知らせ】

コミュニケーションのあり方を見直すことで
大人は学び、成長することができるのではないでしょうか?
その果てに、組織の変化があるのではないでしょうか?

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!
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いくつかのブログに、読後の感想もお寄せいただいています!

 ---

【本日の記事】

 夏学期の授業「組織学習システム論Ⅱ」のシラバスができました!

 今年は、プロフェッショナルと呼ばれる人々が、どのような出来事を経験し、他者や組織からどのような影響を受け、一人前になり熟達していくのかをグループで研究します。

================================================
東京大学大学院 学際情報学府 2009年度
夏学期授業シラバス
「組織学習システム論Ⅱ」
  - プロフェッショナルの熟達を考える」
================================================
 
■講義の概要
 人は、人生の一定期間、学校という場所「だけ」で
学ぶわけではありません。学校を「卒業」した後でも
、会社や組織の中で、新たな知識を獲得したり、他者
と知識を共有したりしながら、仕事に日々取り組んで
います。
 人は年をとっただけでは、学びをやめません。
人は、生けとし生きる限り、学び続ける存在なのです。

 本授業では、従来あまりスポットライトがあたるこ
とのなかった、学校の「外」の学習 - 「企業・組織に
おける学習」に焦点をあてます。
 特に「組織学習システム論Ⅱ」では、プロフェッシ
ョナルと呼ばれる人々が、どのような出来事を経験し、
一人前になり熟達していくのかをグループで研究します。

1)プロフェッショナルと呼ばれる人々は、どのような
経験から学び・成長しているのでしょうか?

2)プロフェッショナルの学びや成長には、どのような
他者からの、どのような支援が影響を与えるのでしょうか。

3)プロフェッショナルの学びと成長と組織は、どのように
相互に影響を与え合っているのでしょうか?

 これを明らかにするために、グループで、プロフェッ
ショナルの職種を決めて、インタビュー調査を企画・実施
します。
 インタビュー結果を定性的手法を用いて分析し、発表
していただきます。授業の前半では、そのための関連
文献を購読します。

 なお、本授業の様子は、東京大学情報学環 iii online
に一般に公開します。グループでのプレゼンテーション
も公開いたします。作成したPPT、および発表中の
様子がインターネットで配信されます。
 受講希望者は、上記の件、ご承知おきください。

東京大学情報学環 iii online
http://iiionline.iii.u-tokyo.ac.jp/index.php/
 
 
■想定される受講者像
・組織における知識共有、学習に関心のある方
・組織のおける人材育成、人間の成長に関心のある方
・組織変革や文化の構築等に関心のある方
 
 
■評価
 下記の3点から成績をつける。
1.コメントカードによる出席点30%
2.プレゼンテーション(全員からの相互評価30%)
3.最終プレゼンテーション(全員からの相互評価40%)

 なお、相互評価のポイントは下記の5点。
  1.スライド・配付資料のわかりやすさ( / 5)
  2.プレゼンテーション手法(声・身振り)( / 5)
  3.質疑応答の適切さ( / 5)
  4.理論の解説がわかりやすいか( / 5)
  5.考察がなされているか( / 5)


■場所・時間
 火曜日 3限(13:00)より
 未定


■連絡先
 中原 淳(なかはらじゅん)
 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
 東京大学 大学総合教育研究センター 准教授
 東京大学大学院 学際情報学府 准教授(兼任)
 Blog : http://www.nakahara-lab.net/

 重田勝介(しげた かつすけ)
 東京大学 大学総合教育研究センター
 TREEオフィス コンテンツ開発室 特任助教
 Blog : http://jamsquare.org/shige/


■授業アーキテクチャ
 ・イントロダクション(中原:5分)
 ・プレゼンテーション(文献担当グループによる:35分)
 ・ディスカッション(グループで:15分)
 ・オープンディスカッション(クラス全体で:30分)
 ・ラップアップ(中原:5分)


■プレゼンテーションのやり方
・課題として設定された文献を購読し、内容を要約
する。すべての要約をより集めて、「ひとつのスト
ーリー」を構成する。

・文献はPDFになっているものはダウンロードするこ
と。PDF化されていないものは、図書館などで借りて
くること。文献の貸与は行わない。

・プレゼンテーションはパワーポイントで行う。

・プレゼンテーションの構成には下記を必ず含めること
 ・各文献の要約をまとめた内容
 ・今回の文献で興味深かったところ/面白かったところ
  現場で役立ちそうなところ
 ・今回の文献の課題、問題点
 ・グループとして考察したこと

・配付資料は人数分用意し、各自で印刷すること。

・配付資料は「パワーポイントの配付資料」を用意する。
印刷は各グループで行うこと。

・プレゼンテーションの前か後に、利用したデジタル
ファイル(パワーポイント&ワードのPDFファイル)を
、メーリングリスト「soshiki2」にながす。

・プレゼンテーション授業終了後、授業で利用するコ
ンピュータに元ファイル(PPTファイル、ワードファイ
ル)を残しておくこと(評価の際に用います)。

・プレゼンテーションの時間は35分。その後質疑応答
があるので、どのような質問にも答えられるようにし
ておくこと。


■iii onlineでの受講について

 本授業は、iii onlineでも受講することができます。

 本授業をiii onlineで受講するか、教室で受講するか
 は4月7日のオリエンテーションのときに決めるものと
 します。授業の進行の関係から、途中で受講スタイル
 を変更することは原則として認めません。
 
 iii onlineでの受講と、教室での受講は、各課題が
 異なります。下記の内容をよくお読みになって受講
 ください。
 
 
■参考文献
・中原淳・荒木淳子・北村士朗・長岡健・橋本諭(2006)企業内人材育成入門.(ダイアモンド社)

・中原淳・長岡健(2009)ダイアローグ 対話する組織. ダイアモンド社
 
 
 
 
■内容

●4月7日 オリエンテーション
 ・講義概要
 ・授業の流れ
 ・グルーピング&自己紹介&連絡先交換
 ・名簿づくり
 ・スケジュールの確認と担当決め
 ・プレゼンテーションの準備と方法

 ※iii onlineで受講の方は、2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください

  テーマ 自らの受講動機について述べなさい
 
●4月14日 経験学習

・ジョン=デューイ(2004)経験と教育. 講談社, 東京

・ジョン=デューイ(2004)学校と社会. 講談社, 東京

 

 経験と学習の源流をジョン=デューイの思想から学ぶ
 
 ※iii onlineで受講の方は、2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください
 
●4月21日 経験学習

・松尾睦(2006)経験からの学習. 同文舘出版, 東京

 松尾氏は経験学習理論と熟達化理論を接近させ、通常
の職場において「経験からの学習」がどの程度起こって
いるかを、心理学的手法を用いて明らかにしている。

 ※iii onlineで受講の方は、2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください
 

●4月28日 経験と職種

・笠井恵美(2007)対人サービス職の熟達につながる経験の検討. リクルートワークス研究所(http://www.works-i.com/flow/survey/download.htmlにて入手可能)

・笠井恵美(2007)対人サービス職の熟達につながる経験:小学校教諭・看護師・客室乗務員・保険営業の経験比較 リクルートワークス研究所(http://www.works-i.com/flow/survey/download.htmlにて入手可能)

・Masako Itoh(2008) High-level project managers’ professional skills and critical experiences in their career development. Proceedings of Promac2008.

 職種によって経験学習がどのように変化するのかを考える。 

 ※iii onlineで受講の方は、2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください


●5月5日 GW振り替え休日 休講
 

●5月12日 聞き取りの作法①
      特別講義

・立花隆(1984)「知のソフトウェア」(講談社現代新書)

・小泉潤二・志水宏吉(2007) 実践的研究のすすめ - 人間科学のリアリティ. 有斐閣, 東京(p198-216 インタビューの章)

・小池和男(2000) 聞きとりの作法. 東洋経済新報社, 東京

  

 上記の課題図書を全員通読してくること。

 ゲスト講師
 株式会社 ダイヤモンド社
 間杉俊彦さん

 ※iii onlineで受講の方は、2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください


●5月19日 経験による成長:
     人を飛躍的に「成長」させるのはどんなイベントか?

・金井壽宏(2002)仕事で「一皮むける」.光文社書店, 東京

・モーガン=マッコール(2002)ハイ・フライヤー:次世代リーダーの育成法. プレジデント社

 

 人を「成長」させたのはどのような仕事経験だったのか。
経営学による「経験による学習」へのアプローチ。 

 ※iii onlineで受講の方は、2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください


●5月26日 成長に影響を与えるもの:他者と組織
      特別講義「人材開発白書2009」
 
 ゲスト講師
 株式会社 富士ゼロックス総合教育研究所 
 研究開発統括部 研究室長
 坂本雅明さん

 ※iii onlineでは公開しません
  iii onlineで受講の方は、2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください

  テーマ:あなたの仕事・学問上での成長に
  他者や組織はどのような影響を与えていたのかを
  考察してください。2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください。
  
  
●6月9日 まとめの作法②

・戈木クレイグヒル 滋子(2006) ワードマップ グラウンデッド・セオリー・アプローチ―理論を生みだすまで. 新曜社, 東京

・木下康仁(2005) グラウンデッド・セオリー・アプローチ. 弘文堂, 東京

 

 データから理論(モデル)を生み出すための参考にする

 ※iii onlineで受講の方は、2000字程度の
  レポートをiii online上に次週の授業までに投稿
  してください

 
●6月30日 中間発表
  
  
●7月7日 中間発表
 
 
 ※iii onlineで受講の方は、A410枚(12000字)程度の
  中間発表レポートをiii online上に投稿してください
 
●7月14日 グループ学習+自己学習
 
 
●7月21日 最終発表会プレゼンテーション
 
 
●7月28日 最終発表会プレゼンテーション

 ※iii onlineで受講の方は、A4で20枚(20000字)程度の
  中間発表レポートをiii online上に投稿してください

================================================

投稿者 jun : 2009年3月13日 07:00


田中愼一・本田哲也著「オバマ現象のカラクリ」を読んだ!

 田中愼一・本田哲也著「オバマ現象のカラクリ」を読んだ。数あるオバマ本の中でも、「選挙を支える技術、プロフェッショナルたち」の活動に焦点をあてた本。
 今回の大統領選挙勝利は、オバマの選挙対策チームが、綿密なストラテジーのもとに、有権者との間の「コミュニケーションのあり方」を変えたことに一因があると、論じている。

 その是非はともかく・・・今回、特に興味深かったのは、今回の大統領選挙が、「ネット」をフルに利用して実施されたということだった。オバマは、「最もネットを活用した大統領候補」であった。

・オバマの支持を表明したブログのホストは約40万件
・SNSでのオフライン自発的イベントは大小あわせて約20万件
・Facebookでオバマのページにあつまったサポーターは343万人
・Youtubeでの演説閲覧回数は5000万回
・オバマ陣営が獲得したメールアドレスは1300万人

 いずれも、ものすごい数字である。

 こうした活動を支えたのは、4000名の有休スタッフ、100万人以上のボランティア。2年間にわたった草の根の活動のすえ、企業・組織から献金を受けていないにもかかわらず、個人から620億円の資金を集めたという。
「海の向こうの選挙」と「こちらの選挙」は、またずいぶん開きがあるな、と感じた。

  ---

コミュニケーションのあり方を見直すことで
大人は学び、成長することができるのではないでしょうか?
その果てに、組織の変化があるのではないでしょうか?

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!
はやくも某国にて翻訳出版決まる!?

いくつかのブログに、読後の感想もお寄せいただいています!

投稿者 jun : 2009年3月12日 06:53


市井にあふれる名言

 仕事柄、様々な方とお会いすることが多いです。年間で必要になる名刺は1000枚以上です。

 様々な方々とお話ししていて、ハッとする瞬間があります。その人の「仕事の持論」というのでしょうか - 短い言葉の中に凝縮されている、仕事のエッセンスを耳にしたときです。

 真理は市井にあふれているのかも。
 下記は、最近、思わずメモった名言。

  ▼

「教えてくれなきゃ、できません」と文句をいう人は、たとえ「教えて」も、たいしたことはできないんです。

  ▼

「挑戦してもいいよ、でも、失敗しないでね」という環境で、学べるわけがないでしょ!

  ▼

「上がバカだから、いい仕事ができません」という人は、つまり、「仕事ができない人」なのです。

  ▼

敵をつくらない仕事なんて、仕事ではありません

  ▼

「才能ある人は、周囲にいる人の才能・個性を殺すことがあるんです」

  ▼

「リーダーとは怖れなかった人ではないと思います。むしろ、恐れを克服した人のことではないでしょうか」

 ---

"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!
はやくも某国にて翻訳出版決まる!?


投稿者 jun : 2009年3月11日 10:28


大学院の合宿してます!

 大学院の合宿にきています。山内研究室と合同で実施していますので、総勢30名以上のツアーになります。

  ▼

 合宿では、3つの教育プログラムがはしります。

 ひとつめ。
 今年、提出された修士論文を、来年修士を取得予定のM1の学生が読んでポスターをつくり、発表します。研究方法論について学ぶこと、また、学会論文投稿をめざして様々な人からコメントをもらうことが目的です。

gasshuku1.jpg

 ふたつめ
 研究方法論に関するパラセッションがあります。
 調査、実験、開発という3つに別れて、それぞれ、助教の皆さんがレクチャー&ディスカッションをファシリテートします。

gasshuku2.jpg

 みっつめ
 ここまでは、研究方法論に関する内容が続きましたが、最後に「大きな問い」を考えます。

教育(工)学とは「何」か?
「誰」に対して「どのような表象」を用いて「何」を伝えるのか?

教育研究者とは「何」か?
自分は自分を「何者」だと思い、「何者」だと思われているのか?

なぜ、「開発」「介入」をするのか?
現場に何かを「為す」ことの意味は何か?

 こちらは、中原・山内さん・西森さんの准教授で担当します。

  ▼

 なんか「合宿」と聞くと、「遊べていいねー、暇そうだね」というイメージでしょうが、そんなことないよ(笑)。

 マジでやってるよ、マジで(笑)。

(合宿を取り仕切ったM1の皆さん、ありがとうございました! お疲れ様でした。来年はM0の皆さん、宜しくお願いします!)

 ---

"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!
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投稿者 jun : 2009年3月10日 08:24


学びの場づくりに興味のある方、研究会にいらっしゃいませんか? : 創造と学びの場としてのカフェ

"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!
はやくも某国にて翻訳出版プロジェクトがスタートか!?

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創造と学びの場としてのカフェ
 - 場づくりの技術と科学をめざして
  Toward the art and science of creating "Ba"

飯田美樹さん・上田信行先生をお招きして

3月27日金曜日 午後1時 - 午後5時 東京大学
=================================================

 来る3月27日、「Cafeから時代は創られる」を上梓な
さった飯田美樹さん、ワークショップ実践・研究の第一
人者であられる上田信行先生をお招きし、東京大学にて、
「カフェと学びを考える - Toward the art and science
of creating "Ba"」と題した研究会を開催します。
(定員を超えた場合には、抽選といたします。
結果は3月19日に発表といたします。メールにてお知らせ
いたします。)

学びの場、学びのネットワーク、学びのサードプレイス・・・
そうしたものを自らデザインしたいと考える方に、特に
おすすめの内容です。

Cafeから時代は創られる - 中原の書評
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/02/_cafe.html

 人が、「新しい物事を生み出すとき」 - そこには
「出会いと対話を促す社会的装置」つまりは、「場」
が必要になります。

 飯田さんは、フランスのカフェを観察・分析する中
で、カフェがそのことに果たす役割を論じました。

 また上田信行先生は、学習環境デザインの観点から
これまで様々なワークショップをデザインなさって
きました。上田先生のワークショップデザインにおい
ては、様々なかたちで、出会いと対話に注目なさって
います。

上田信行先生のプロフィール
http://www.cafeglobe.com/parenting/chapla/ueda/

 創造の場、学びの場づくりについて関心のおありの
方は、ぜひ、ご参加下さい。

-----

■主催
 NPO法人 EDUCE TECHNOLOGIES
 エデュース・テクノロジーズ
 http://www.educetech.org/
 
 EDUCE TECHNOLOGIESは、教育環境の構築に
 関する調査、研究、コンサルティングを行う
 非営利特定活動法人です。
 
 企画担当
 副代表理事 中原 淳

 
■共催
 東京大学大学院 学際情報学府 中原淳研究室
 - 大人の学びを科学する研究室 -
 http://www.nakahara-lab.net/
 
 
■日時
 3月27日(金曜日) 午後1時集合 - 午後5時まで
 
 
■場所
 東京大学 情報学環 福武ホール
 地下2F 福武ラーニングシアター
 http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access.html

 地下鉄丸の内線本郷三丁目駅から徒歩15分程度
 地下鉄南北線東大前駅から徒歩10分程度
 
 
■参加費&募集人数
 1000円・40人


■内容
 1.趣旨説明
  ・「カフェと学びに思うこと:
    場づくりの技術と科学をめざして」
    中原淳(東京大学)
    13:00 - 13:20 : 20min.

 2.飯田さんプレゼンテーション
  ・「Cafeから時代は創られる」 セッション
    13:20 - 14:00 : 40min.    

 3.Cafe time(30分)
  ・ネットワーキング
    14:00 - 14:30 : 30min.    

 3.上田信行先生のミニワークショップ
    14:30 - 15:10 : 40min.    

 4.グループディスカッション(30分)
    15:10 - 15:50 : 40min.    

 5.ポスターセッション
   グループディスカッションの内容を共有(30分)
    15:50 - 16:30 : 40min.    

 6.リフレクション
    16:30 - 17:00 : 30min.    

■参加条件

 下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。
 申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいて
 いるとみなします。

1.本ワークショップの様子の写真、NPO Educe
Technologies、東京大学 中原研究室が関与する
Webサイト等の広報手段、講演資料、書籍等に用
いられる場合があります。

2. 欠席の際には、お手数でもその旨、
sakamoto@tree.ep.u-tokyo.ac.jp までご連絡下さい。
人数多数のため、多数の方の参加をお断りしている
状況です。繰り上げで他の方に席をお譲りいたします。
 
3. 3.本イベントで剰余金が発生した場合は、東京大学
中原研究室および、NPO法人 Educe Technologiesが
企画する、組織人材育成・組織学習に関係するシン
ポジウム、研究会、ワークショップ等の非営利イベ
ント等の準備費用、運営費用、および、組織人材育
成・組織学習に関する研究開発費用に充当します。
 
■どうやって参加するのか?
 
 下記のフォームに必要事項をお書き入れの上、
 sakamoto [at mark] tree.ep.u-tokyo.ac.jpまで
 3月18日までにお申し込み下さい
(定員を超えた場合には、抽選といたします。
結果は3月19日に発表といたします。メールにてお知らせ
いたします。)

〆ココカラ=======================================

 参加申し込みフォーム
 sakamoto [at mark] tree.ep.u-tokyo.ac.jpまで
 3月18日までにお申し込み下さい
(定員を超えた場合には、抽選といたします。
結果は3月19日に発表といたします。メールにてお知らせ
いたします。)
 
 ---

 上記の参加条件を承諾し、参加を申し込みます。

氏名:(            )
フリガナ:(          )
所属:(            )
メールアドレス:(       )
業種:下記の11つの属性から、あなたに最も近いものを
ひとつお選びください

 1.研究者
 2.学生
 3.民間教育会社勤務
 4.民間コンサル会社勤務
 5.事業会社勤務(人事・教育部門)
 6.事業会社勤務(事業部門)
 7.個人事業主(教育・コンサル)
 8.経営者
 9.初等・中等教育の学校勤務
 10.公務員・公益法人等勤務
 11.その他

もしあれば・・・一言コメント
(                )

〆ココマデ=======================================

投稿者 jun : 2009年3月 8日 22:55


人事部のあり方を考える:ネットワークする人事

 2009年3月12日、日本能率協会の主催で「これからの人事部門のあり方を考える」というシンポジウムを開催することになりました。

HRMシンポジウム申し込みページ
http://school.jma.or.jp/hrm/

 昨年実施した「人事部門の活動実態に関するアンケート」の調査結果をもとに、「人事部門のあり方」を議論します。中原はこの調査の監修をつとめてきました。

 この調査、「ネットワークする人事」がキーワードです。この調査の質問項目を利用すると、「自社の人事部が、どの程度、事業部・経営者に対して行動をとっているか」がわかります。いわば、ベンチマークとしても、ご利用いただけると思います。

 特に事業部との関係改善につとめていらっしゃるノバルティスファーマ株式会社、三菱化学株式会社の人事部門の方々を招いてのパネルディスカッションもございます。

 ぜひお越しください!
 入場は無料です。

HRMシンポジウム申し込みページ
http://school.jma.or.jp/hrm/

 ちなみに、下記は、当日配布する質問紙調査の報告書に掲載した中原の文章です。雰囲気がわかっていただけるものと思います。

 ---

監修者より
「ネットワークする人事」

東京大学 大学総合教育研究センター 准教授

中原 淳

 近年、人材マネジメントの「かたち」が変わりつつあります。「変化」のベクトルは、「戦略志向性」と「現場志向性」という2つが見いだせます。
 ひとつめは「戦略志向性」です。
 戦略志向性とは、経営層の掲げる「戦略」や企業が直面している「経営課題」と、いかに「人材施策」を「同期」させることができるか、ということです。人事部は、中長期な視野で、この課題に取り組むことが求められます。
 ふたつめは、「現場志向性」です。
 現場志向性とは、事業部(ライン)が直面している「ニーズ」や「問題」に、人材施策が、いかに答えることができるか、ということです。こちらは短期的なスコープでの貢献が求められます。

  ▼

 今、人事部に求められているのは、「戦略志向性」と「現場志向性」 - この二つをいかに両立するか、バランスをとるか、ということだと感じています。
 それも、上から「戦略」が与えられるのを待つのではなく、また、現場から「ニーズ」が寄せられるのを待つのでもありません。経営層や事業部に自ら働きかける、「動く人事」が求められているように感じます。
 人事部は、経営層や現場を対象にした積極的な情報収集活動、コミュニケーション活動を通して得た情報をもとに、自ら「会社の人事施策のあるべき姿 - 人に関する戦略」を描くことができるでしょうか。
 そのために、今、どんな行動を起こすべきでしょうか。そして、人事が存在するからこそ、会社に与えられる価値とは何でしょうか。

 人事部のあり方に関する「パンドラの箱」は、既に開いています。

  ▼

 本調査において私たちは、「経営層や事業部に対する関係構築活動、およびその活用」を「ネットワーク活動」という概念で把握しました。
 ネットワーク活動によって、人事部が提供する価値は、どのように変わるのでしょうか。多くの人事部は、経営層や事業部に対して、何を行っているのでしょうか。そして、何を行うべきなのでしょうか。
 本調査は、質問紙調査の手法を用いて、これを定量的に把握することを目的としています。この調査から、私たちは、「ネットワークする人事」という新たなあり方を提案しています。

  ▼

 調査は、調査で終わってはいけません。
 本調査は、現在の人事部のあり方を「見える化」することが目的ではありません。むしろ、このアポリア(難問)に取り組む人事部の人々が、自らの「あり方」を問い直す(Reflection : リフレクション)するためのヒントを提供したいと考えています。この調査の質問項目をうまく活用すれば、「人事部のベンチマーク」としても利用できるはずです。

  ▼

 ネットワークする人事、元気な人事が増えることを願っています。
 そのことに少しでも貢献できたのだとすれば、監修者として、これ以上に幸せなことはありません。

投稿者 jun : 2009年3月 8日 16:05


家にちゃんといる!?

 先日、ある方から、こんな話を聞きました。テープレコーダーをもっているわけではないので、全く同じとはいきませんが、記憶をたどって、下記にご紹介します。

  ▼

 話は、米国の著名なコンサルタントとして知られるマーシャル・ゴールドスミスさんのお話です。

 GEのCEOジャック=ウェルチのコーチなどを実施したことでも知られる彼は、全米を飛び回って、非常に多忙な毎日を過ごしている時期がありました。

 自宅を一週間以上空けることはしょっちゅうのこと。そんな激務のすえ、家族と過ごす時間は激減。結局、思春期になる娘との関係が修復不可能の一歩手前まで悪化しました。

 困ったマーシャルゴールドスミスさんは、仕事を減らすことを決意しました。抱えていた仕事の数分の1を敢えてカットし、娘と過ごす時間を増やすことにしました。

 しかし、そのとき、娘はパパにこう言ったそうです。

「パパ、仕事を減らして時間をつくってくれたことは嬉しい。でも、それを求めているわけじゃない・・・それよりも、パパには、家にいるときに、ちゃんと家にいてほしいの」

  ・
  ・
  ・

 マーシャルゴールドスミスさんは、ハッとしたそうです。
 自宅にいるときの自分を振り返ってみると、自分は確かに「家にちゃんといなかった」。家にいるときでも、仕事の電話をかけ、パソコンや書類をひらいていた。仕事のことを考えて家族の会話も上の空であることもあった。

 「家にいること」と「家ちゃんといること」は違うんだ、と。たとえ、家で時間を過ごしていても、心が「家にいないこと」もあるんだ、と。

  ▼

 この話には、なかなか考えさせられました。僕も思いあたるところがたくさんあったからです。

 僕は、本当に「仕事」と「生活」の境目をつけることが苦手なのです。オンとオフという概念が、もう長いことありません。「家にいる」けれど、「家にちゃんといない」のは、僕にもあてはまることかもしれないな、と思うのです。

  ▼

 それではマズイですね。
 家にいるときは、ちゃんと家にいようと思います。

  ・
  ・
  ・

 それでは皆さん、また来週
 スイッチオフ・・・

 ---

"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!


投稿者 jun : 2009年3月 7日 07:00


僕らは皆、「素朴教育学者」である

 我々は、皆、「素朴教育学者」です。

 12000時間におよぶ長い長い被教育経験の中で、私たちは、皆、「教育とは何か」「学びとは何か」という根源的な問いに対する持論(信念)を形成していきます。
 いわゆるアカデミックな「教育学」と区別して、これを「素朴教育学:Folk Pedagogy」と呼びましょう。

 素朴教育学をもつこと自体は、決して、悪いことではありません。わたしたちは、自分が望むと望まないとにかかわらずして、素朴教育学者になります。もちろん、僕も、素朴教育学者の一人です。僕の中には、「教育学研究者としての僕」と、「素朴教育学者としての僕」がいることを正直に吐露します。

 あたりまえのことですが、いわゆるアカデミックな「教育学」と比べて、「素朴教育学」が低位なものであるとは、僕は思いません。それは別の種類のものだと思います。

  ▼

 僕が最も懸念するのは、「素朴教育学」が「揺らがない状態」にある場合 - つまり、独りよがりな固定的信念になっている場合です。

 素朴教育学が、誰からも指摘やコメントを受けることなく、自己に閉じていく場合、それは「私の教育論」に転化します。

 そして、「私の教育論」化した素朴教育学は、皮肉なことに、「私」を超えたがるものです。もはや「私の中」にとどまっていることはできません。
 そして、それを「公準」に、会社・組織の教育システム、学習システムが設計されるとき - つまりは、「私の教育論」が「私たちの教育システムの設計」に適用されるとき - 必ずしもポジティブな影響を生むことばかりではないと、僕は思います。

 ▼

 くどいようですが、僕も、あなたも、そこの彼/彼女も、みんな「素朴教育学者」です。

 問題は、「素朴教育学」があるかないか、ということではありません。
 ポイントは、お互いの「素朴教育学」を吟味したり、比較したり、省察したりする場があるか、ないか、ということです。素朴教育学は、常に「揺らぎの中」になければなりません。そして、お互いの素朴教育学の中から、新たな教育システムを創発することができるかどうか、ということです。

 あまり役に立つことのないと言われる「教育学」ですが、「素朴教育学」を斜めに見たりする、ズラして見るための素材、あるいは、みんなで素朴教育学を省察したりするときの素材としては、非常に有益だと思っています(人文社会科学系の学問は、"自省の学"であると思っています、僕は)。

  ▼

 あなたの「素朴教育学」は何ですか?

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"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!

投稿者 jun : 2009年3月 6日 09:56


アクティブラーニングの場をつくって : MEETのクロージング

 2006年 - 2009年の3年間、東京大学 大学総合教育研究センターはマイクロソフト株式会社より、1億2000万円のご寄付をいただいた。

 この寄附金を使ってセンターでは、マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門を設置した。

東京大学 大学総合教育研究センター マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門
http://www.utmeet.jp/

 早いもので、もう3年。この研究部門のクロージングシンポジウムが、昨日、本郷キャンパスで行われた。
 会場には、この時期にもかかわらず、200名を超える人々が集まり、「未来の大学教育」に関してディスカッションを行った。


  ▼

 この寄附研究部門は、東京大学全学の教育改善に様々な機会とツール、場を提供してきた。そのツールは、すべてオープンソースとして公開している。

 また、今から三年前、アクティブラーニングという言葉は、それほど市民権を得ていなかったけれど、それもよく知られることとなった。

 「学びと空間設計」 - ラーニングスペースというコンセプトを日本で普及させたのも、この寄附研究部門の成果は大きかったと思う。

 東京大学には、駒場キャンパスにKALS(Komaba Active Learning Studio)、本郷キャンパスに福武ホールラーニングスタジオが整備された。今年着工する新教育棟には、9つのLearning Studioがさらに整備される予定である。
 他大学でも、KALSに似たコンセプトで、ラーニングスタジオの整備が進んでいると聞く。

KALS
http://www.kals.c.u-tokyo.ac.jp/

福武ホール
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/

  ▼

 シンポジウム終了後、表参道で、マイクロソフトの方々、スタッフ全員で、クロージングの打ち上げを行った。3年間のお互いの労をねぎらった。

 最後になりますが、多大なるご寄付をいただいたマイクロソフト株式会社様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 また、この寄附研究部門で働いたスタッフの方々、本当にお疲れ様でした。

meet_last.jpg

 そして人生は続く。

 ---

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投稿者 jun : 2009年3月 5日 07:57


切ない朝

 最近、愚息TAKUZOが、朝ぐずる。

 保育園のドアに近づくあたり、エレベータの踊り場あたりで、プスプスとぐずりはじめる。ドアをくぐって、保育園の先生の顔を見た頃には、「わーん」と泣きはじめる。「ママー」「ママー」と叫んでいる。

「ママとは先ほど別れたのであって、今、別れるのはパパなんだけどなー」と思いつつ、可哀想になって、だっこしてやる。もちろん、泣き声はやまない。

  ▼

 本当は泣きやむまでだっこをしていたい。しかし、僕は、仕事には行かなくてはならない。無理矢理、保育園の先生にTAKUZOを預け、バイバイをする。

 バイバイするTAKUZOの顔は、くちゃくちゃになって、生まれたときの顔、そのものだ。ドアをしめても、泣き声は聞こえてくる。ヒックヒック言っているのも聞こえる。

  ▼

 こんなとき、僕は、切ない。
 あんまり泣き声が激しい場合には、胸が痛い。

 他の家に生まれていれば、もしかすると、TAKUZOは、子どもの頃から、寂しい思いをせずににすんだのにな、と心の奥底で思う。
  ・
  ・
  ・
 しかし、それは、致し方ないことだ。

 僕とカミサンのあいだに生まれたからこそ、得られる「何か」もあるのではないか、と思いたい。否、そうでなければならぬ、と心に言い聞かせ、今日も満員電車に揺られる。

  ▼

 これが、僕の、、、否、我が家の「朝」である。
 明日はまた来る。

 ---

追伸.
 最近、TAKUZOはいろんなことをおしゃべりしてくれるようになった。単語数も爆発的に増えている。中には面白い発音もある。

 特に、

 キティちゃんを、「ピティちゃん(Pityちゃん!?)」
 踊り子号を、「おどりぼぼー」

 が、僕的にはヒットした。
 語感がよく、かつ、大人は絶対に発想しないな、と思う。

 ---

追伸2.

 へー、そうなんだ。

東大、会議は午後5時まで 仕事と生活の調和目指す
http://www.asahi.com/national/update/0304/TKY200903030308.html

 ---

"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!

投稿者 jun : 2009年3月 4日 07:06


教えるべきことが何かを言ってくれたら、教えますよ!?

"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!

 ---

「教えるべきことが何かを言ってくれたら、教えますよ」

 教育畑の人の間で、たまに聞く言葉です。

 この言葉の背景には、学習目標として定義された「教えるべき事」がどこかにあって、それを効率的かつ効果的に伝達することが、自分たちにに求められているのだ、という暗黙の前提が存在します。

 しかし、その「前提」は正しいのでしょうか。
 僕の肌感覚からすると、それは疑わしいと思います。

 混沌として不確実な状況の中で、自ら先頭にたって情報を収集し、様々なステークホルダーの利害や思惑を調整しつつ、「教えるべき事」を提案することが、本当は求められていることなのではないか、と思うのです。もちろん、「教える方法」に関しては、これまでも、そしてこれからも、貴重であることには変わらないのですが、それに加えて「教えるべきこと」に関する貢献が求められているように感じるのです。

  ▼

 かつて、教育に求められていたことは、「教える方法」に関するプロフェッショナルさでした。

 しかし、僕の肌感覚に関する限り、今求められているのは、従来の「教える方法」に加えて、「教えるべき内容の定式化」に関する貢献です。つまり、「方法知」とともに「内容知の定式化」が求められ始められているのです。
 そして、「それが、教育畑の人に可能なのか?」ということが問われているように、僕個人は感じます。

  ▼

 そこには、ひとつの強力な「脅威」が存在します。

 今、仮に「方法知」について熟知している人々が、存在するとしましょう。その人が、「どのように教えるべきか」という「方法知」を何らかのかたちで手に入れてしまった場合、どのようなことが起こるでしょうか。

 彼/彼女は、「教育畑の人」ではありません。しかし、「内容知」に関しても、「方法知」に関しても熟知しています。
 その彼/彼女のパフォーマンスが、教育畑の人のパフォーマンスと比べてどうなのか、がおそらく問われることになるでしょう。

 そして、万が一、前者が後者に優越してしまった場合、「教育畑」という社会的カテゴリーが過去のものになる可能性があります。「競争優位」がなくなってしまうのです。

  ▼

「教えるべきことが何かを言ってくれたら、教えますよ」

 という言葉を聴くたび、僕はハラハラしてしまいます。

 その言葉を口にするのは、2つの場合が考えられます。
 ひとつは「教える方法」に絶対の自信をもち、かつ、よほどの「競争優位」が存在する場合でしょう。もうひとつは、今、求められていることが見えなくなっている場合です。

 今、揺れています。

 ---

追伸.
 今月号の「企業と人材」に、「他者とのかかわりが個人を成長させる」という3回シリーズの連載がはじまります。昨年、富士ゼロックス総合教育研究所が主催して実施された社会調査がベースになっています。
 僕は、松尾睦先生とともに、この共同研究に「監修者」として参加しました。「定性調査」「プレプレ調査」「プレ調査」「2000人近くの方々にご参加いただいた本調査」と、そのプロセスは、長く厳しいものでしたが、この研究では、知的にエキサイティングな「経験」をさせていただきました。僕も、今、この調査データと格闘しているところです。

 連載は、富士ゼロックス総合教育研究所の坂本雅明さん、西山裕子さんが執筆なさっています。初回3月5日号、4月5日号、5月5日号に掲載される予定です。

投稿者 jun : 2009年3月 3日 09:30


「ダイアローグ 対話する組織」の目次です!

 何名かの方々にお問い合わせいただいたので、「ダイアローグ 対話する組織」の目次をお送りいたします。

"学習・成長する個人"から"変化する組織"へ
ダイアローグ・チェンジ・・・

中原淳・長岡健著「ダイアローグ 対話する組織」発売中!

―――― 目次--------

■はじめに 「対話」のもつ可能性
 
 
■第1章「伝わらない」組織
 導管メタファーからの脱却に向けて

・なぜか「伝わらない」職場コミュニケーション
・組織が抱える悩みに共通する問題とは
 「わかるんだけど、腹に落ちない」
  一方通行のコミュニケーション
・「後はメールで」メール文化の危険性
・失われゆく企業文化
・ビジネスの現場を支配する導管型コミュニケーション
・導管メタファーというコミュニケーション観
・教育現場の原風景――導管型コミュニケーションの典型例
・情報化の進展に導管メタファーが果たした役割
・人の変化を起こすコミュニケーションとは
・導管メタファーでは「伝わらない何か」
・情報の移動から人の変化へ
・ストーリーテリングの効用と限界
・ストーリーで語ることで「伝わる」もの
・人間の知的活動とストーリー
・人はストーリーで理解する
・モノローグ・ストーリーテリングの限界
・組織における対話の重要性
・運動会と飲み会で思いは共有できるか
・緊密なコミュニケーション=よい職場、という幻想
・対話(ダイアローグ)というコミュニケーションの可能性
 
 
■第2章「対話」とは何か?
 社会構成主義的なコミュニケーションの理解と実践

・対話が求められるビジネス環境
・早く走る時代から、深く考える時代へ
・対話へのアカデミックな視座
・意味が人の行動を方向づける
・人はコミュニケーションの中で意味を紡ぐ――社会構成主義
・客観主義、主観主義・・・対話の位置づけ
・対話というコミュニケーション行為
・対話とは、聞き手と話し手が行うコミュニケーション行為
  「雑談」とは、どう違うのか
  「議論」とは、どう違うのか
・議論の限界と対話の可能性
 パブリックカンバセーションプロジェクト
・対話が生み出す理解の相乗効果
・他者に語ることで、自分自身が見えてくる
・自由なムードを保ちながら互いの違いを理解する
 
 
■第3章「対話」が組織にもたらすもの

・組織にとっての対話の意義 - 三つの効果
・協調的な問題解決が可能になる
・多様性に摩擦は付き物
 「議論」で協調的な問題解決は可能か?
 「問題解決」から「問題設定」へ
 「突貫工事のエキスパート」の悲劇
 「対話」による問題解決が根づくトヨタの事例
・知識の共有
 本当に必要な知識は流通しているか
 なぜ知識の共有は困難なのか
 知識共有と経験の語り合い
・知識共有はネットワークとして達成される
・対話による知識共有の意味
・ネットワーク構築が効果を発揮する
 アサヒビールの事例
・組織の変革
・組織を動かす見えない力
・組織文化は日常に根ざす
・語り合うことを重視するデンソー・スピリット
・変革を誘発することへの意識
・実践と対話を結びつける花王のワークショップ
・対話による組織変革にひそむ問題
 
 
■第4章「対話」による新たな学び
・対話をめぐる知的探求の旅
 から見えてきたもの
・対話による「変容のプロセス」こそが、学びの本質
・オープンなコミュニケーションの実現に向けて
・効率的なコミュニケーションと
 緊密なコミュニケーションの問題点
・価値観共有、主体性発揮、そして「第三の道」へ
・成熟した大人の学びの実現に向けて
・ビジネスパーソンにとっての学びとは?
・Leaning bar(ラーニングバー)での新たな学び
・学びのサードプレイスをつくる
・サードプレイス(第三の場所)という概念
・インフォーマルでパブリックな「学びの場」
・対話」による新たな学びの可能性を信じて


■おわりに――ダイアローグ・オン・ダイアローグ

投稿者 jun : 2009年3月 2日 16:48


今、ここで、何をするのか?

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【本文】
 先日、日頃から大変御世話になっている企業教育ベンダーに勤めるAさんから、こんな話をお聞きしました。Aさんは、某社において、研修開発や講師育成などを担当なさっている方。

 テープレコーダをもっていたわけではないので、一字一句同じではないとは思いますが、おおよそ下記のような内容であったと記憶しています。

 ▼

「不況になると、みんな、自信がなくなります。研修でも、会話が盛り上がらなくなる傾向があります。受講態度だって変わるし、必要とされる教育内容も変わります。その傾向は、去年の夏以降、少しずつでてきていました。

それにあわせて、インストラクターの再教育が必要になります。"好景気"の時に必要とされるファシリテーション手法と、"不景気"のときに必要とされる、それは違うことが多いのです。

わたしは、ここ数ヶ月土日を返上して、全インストラクターの再教育を行ってきました。そうやって、何とか、研修の品質を保とうと思います。

でも、同時に、不況は"大きなチャンス"です。本当に"よいもの"しか残らなくなります。今が"勝負"です。

 ▼

 この「不況」をいかに乗り切るか・・・

 僕は経営学者でも、経済学者でもないので、これに関する明確な答えは持ち合わせていません。
 ただし、ここ数ヶ月、いろいろな人と話していて、「人によって、不況に対する認知(不況をどう捉えるか)は全く異なるな」と思いました。

 不況でひたすらトーンダウン、モティベーションダウンしている人もいれば、逆に、「今が好機!」という人もいる。どちらも、それほど経済的に余裕があるわけではないし、経験している内容は同じ現象であるにもかかわらず、「見え」が全く違っているのだな、いう印象を持ちます。

 先ほどの話題は「提供側」の話でしたが、「経営者」はどうでしょうか。
 小樽商科大学 松尾睦先生のブログには、下記のような話題が掲載されています。少し長くなりますが、全文、引用させていただきます。

小樽商科大学 松尾睦先生のブログ
http://blog.goo.ne.jp/mmatu1964

 ▼

 不況になると、教育訓練費を削る企業が多い。

 しかし、工作機器大手の森精機製作所は「不況で暇になった今が人材育成の絶好のチャンス」ととらえ、研修を通してベテランのノウハウを中堅・若手に伝授しているという。

 景気が上向きの時期に人材育成に投資しても、教育される側は「忙しくてそれどころではない」という状態に陥りがちだからだ。

 森社長は、2010年度の上半期に事業が底入れすると予想し、その後の増産時には、派遣規制強化によって非正規社員に頼れなくなると考えている。森社長は次のように語っている。

「仕事が減って研修に十分な時間を費やせられる今のうちに、正社員一人ひとりの能力を高めておかないと、需要を取りこぼしかねない」

 不況期には「今をなんとかしのぎたい」という短期的な見方をしがちであるが、不況期に先を見据えた人材育成をしているかどうかが、好況期の業績を左右するのだろう。

 環境変化に合わせて人材育成の方法を工夫できる組織能力が競争優位につながる、と思った。

出所:日経産業新聞2009.2.6

(以上、松尾先生のブログより引用)

 ▼

 あなたにとって、「不況」はどう見えていますか?
 そして、今は何をするべき時ですか?

投稿者 jun : 2009年3月 2日 10:51