遊泳時間
ちょっと前のことになりますが、ある企業の方とお話ししていたときのことです。その方がなさった、こんな話が印象的でした。
曰く、
わたしは、ランチが終わって自席に戻るときに、「自席まで最も距離のある道」を、その日ごとに選んで通るようにするんです。あえて階段を使って戻ります。
あるときは3階でブラブラ、ある時は5階でブラブラ。みんながやるように、エレベータを使って、最短距離のルートで足早に自席に戻ろうとはしない。
この時間のことを、自分の中では「遊泳時間」と呼んでいます。で、これが、結構、仕事に役に立つことが多いのです。
なんかあの人顔色悪そうだな、とか、思うこともあります。また、遊泳していると、声をかけてくれる人もいます。「あっ、○○さん、今度、折りをみて、行こうと思ってたんだけど」みたいに。人の顔を見ていると、「あっ、あの件、△△さんにフォローをしとこう」と思い出すこともしばしです。
要するに、情報がいろいろ集まってきますし、わたしからもでていきます。これが、仕事をしていく上で、とても役に立つことが多いのです。
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テープレコーダをもっていたわけではないので、一字一句同じではないですが、こんな趣旨のことをおっしゃっていました。「遊泳」という言葉が印象的だったのですね。
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組織において、情報収集や情報共有が大切だ、とよく言われます。最近は過剰な期待は以前より少なくなりましたが、「これを使ってなんとかせい!」と、仰々しいITツールが導入されることも少なくありません。
でも、「情報を収集する」「情報を共有する」って、そんなに大それた事なのかな、と思うこともあります。
もちろん、この方が、とても人間的魅力にあふれる方だから、情報のやりとりが発生しているのだ、ということは言えると思います。また、職場のメンバー全員がランチのあとに遊泳しているのは、「葛西水族館のマグロ」みたいで困ります(笑)。
でも、ささやかな「プチ工夫」で、情報のサーキットをビミョーに変化させることはできるのではないでしょうか。それは、いつでも、今日から、自分の職場で、できることなのではないかな、とも思ってしまうのです。
最近、僕も「遊泳」してないな、と思います。
「遊泳」を増やしたいと思っています。