米国大統領選:2つの物語をめぐる戦い

 今日は米国大統領選挙ですね。
 米国大統領といいますと、グローバルに多大な影響力をもっていますので、我々にとっても、注目の日であることは間違いありません。

 大統領選にちなんで、テレビでは、いろいろな関連番組をやっているようですね。昨夜、午後10:10~午前0:00に放送されたNHK BS特集「大統領の言葉」は大変面白かったです。

 この番組では、「大統領候補のスピーチ」を切り口にして、二人の選挙戦に迫っていきました。特に、この選挙を「物語選挙」と位置づけていたところが大変面白い。

 民主党候補「バラク=オバマ」は、ご存じのように、アフリカンアメリカンの父と白人の母の間で、ハワイに生まれました。
 それほど裕福な家庭に育っていない彼は、周囲の人々に何とか支えられ、最高学府を卒業する。ダイバーシティのあふれる環境から、大統領候補になる - これも「ひとつのアメリカの物語」ですね。

 そんなオバマは自分の演説の中で、何度も下記のような言葉を繰り返します。

This was the moment...(今、この瞬間に...わたしを選べば、あなたは歴史の証人になるんだぞ)

You can change

Hope is ....

 それに対するジョン=マケインは、裕福な家庭環境に育ちます。そこには彼の物語はない。彼の物語は、ベトナム戦争を勇敢に戦い、拷問にも負けず生き残った、ということです。

 そんな彼が繰り返す言葉は、

Fight with me

Country

 これも典型的な「ひとつのアメリカの物語」ですね。

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 大統領選挙となると、それぞれにスピーチライターが複数イテ、スピーチコーチもいるそうです。

 番組の中で、解説者のどなたかがおっしゃった言葉、

 大統領とは一人でやるものではない
 大統領とは制度であり、チームである

 という言葉がとても印象的でした。

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 物語には物語をもって闘う。
 どちらの物語に幸運の女神がほほえむか、まもなくわかります。