腹をくくる
科研申し込みのシーズンが近づいている。聞くところによると、10月後半が〆切らしい。僕は今年で、科研が切れるので、何か新しいプロポーザルを書かなければならない。
科研のプロポーザルは、種類をかえれば、2つまで提出できる。1つはおおよそ決まった。こちらは従来から行ってきた開発研究を発展させるというかたちで提出しようと思う。提出の際には、研究室の大学院生に協力してもらえることになった。
問題は、もう1つ新しいプロポーザルを出すか出さないかであった。全く新しい研究に着手するかしないか。数日うんうん言っていたのだけれど、昨日の夜、ようやく決めた。結論は「出さない」である。
「出さない」からといって、決して、「後ろ向き」なわけではない。むしろ、ここでまた新しいフィールドに着手するより、今年までやってきたことを、きちんとまとめることが「来年の課題」ではないか、と考えた。「企業人材育成」の研究成果として、今やっていることをまとめることが、今僕の取り組まなければならないことだと思っている。
実は、昨年から今年にかけて、僕は、外部の民間企業、公益団体と、いくつもの異なる調査研究を行っている。
1つは、富士ゼロックス総合教育研究所の坂本雅明さん、西山裕子さん、井形有希さん、小串記代さん、小樽商科大学の松尾先生との共同研究である。
若手・中堅社員は
1)社内外のどういう人と“かかわり”を持ち
2)そこから何を得て、
3)どのような自己の成長につなげているか
を調べることを目的とした2000名規模の大規模調査だ。こちらは12月に、人材開発白書2009として出版される予定であり、記念のシンポジウムも開催される。どうぞお楽しみに。
この他にも、まだオープンにしてよいかどうかわからないので具体的言明は避けるけれど、「人事教育部のネットワーク行動に関する調査」「組織学習の尺度開発に関する調査」、そして2006年に行った「ワークプレイスラーニング調査」など、いくつもの社会調査がある。
いずれも、「プレプレ調査」「プレ調査」「本調査」の段階を踏んで実施した研究だ。今は、これらの知見にきちんと向き合うことが重要なのではないかと思った。
しかし「まとめる」とサラリに言うけれど、これは大変なことだ。なかなか筆が遅々として進まないことが容易に(笑)、予想できるのが怖い。
しかしここは「腹をくくること」が重要なのではないかと思う。そして、「腹をくくること」は、何かを諦めること、何かを切り捨てること、あるひとつのことに集中するということなのであろう。
腹をくくろう、そろそろ。