砂利道にて

 北海道での夏休み、日高の牧場にて。

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 TAKUZOが、牧場の「道」を歩きながら、不思議そうな顔をしてる。立ち止まったり、足踏みをしてみたり。何かを確かめるように、様子をうかがうように。

 理由が、しばらくわからなかったけれど、ふいに気づいた。舗装されていない「砂利道を歩くこと」は、彼にとって、生まれてはじめての経験であったのだ!

 急に屈んで、ひとつぶの「石」を僕に手渡す。一歩足を踏み出すたびに、じゃり、じゃりと音のする「道」が、不思議でたまらない。
 
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 砂利道では、バランスを崩して、何度も転ぶ。いつもと勝手が違う道に戸惑っている。転んで手をつくと、石にあたって痛い。半べそになることも何度か。転びそうになっては立ち止まり、歩き出しては転ぶ。

 ちなみに、僕の住む街は、首都圏の中でも、比較的緑の多い地域である。公園も本当に多い。しかし、そのほとんどが舗装されているか、あるいは、砂利が丁寧に避けられた安全な道である。
 そこに自然むきだしの「道」はない。転ぶことも、最近ではあまりない。

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 TAKUZO、世の中には、いろんな道があるんだよ。
 舗装された道ばかりじゃない。
 砂利道もあるし、砂埃がたつ道もあるよ。

 でも、パパの経験からすると、
 歩くことのできない道は、そう多くない。
  
 歩けば、時には、転ぶこともある。
 いいや、本当のことをいうと、歩けば転ぶことの方が多い。
 だから、転んだことなんか気にしなくていい。

 転んで痛けりゃ、思い切り、わんわん泣くといい。
 気が済んだら、立ち上がって、歩きだそう。

 どんなにシンドイ道でも
 いつかは目的地にたどり着くから。
 
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 夏休み、終了。
 明日から、仕事復帰します。

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