教員の育成システム

「このままのペースが続くと、都市部のある地域では、残り数年ほどで、10年以下の仕事経験しかない先生が、全体の人数の3分の1を超えてしまうかもしれません。

この背景には、ここ数年、若手教員の大量採用が続いていることもあります。が、じわじわと増えているのは、定年を前に50歳後半で教員を辞めてしまう人が増えているように感じます。

もう定年まであと数年の先生が、つい先日定年前に辞めた元同僚と、久しぶりに学校の外で逢う。学校にいるときは、あんなに疲れ果てていたのに、辞めたあとは、ものすごく元気そうに見える。

どうしたの?と聞くと、朝が辛くない、体調も信じられないくらいにいいという。そうなのか・・・と思い、自分も、もう限界かと思うようになる・・・

実態はわかりませんが、そういうことが、今、現実に、起こっているように感じます。このような事態が進行すると、教員の育成システムにも問題がでてくるような気がします。ベテランから若手への教育技術、指導技術の伝承も難しくなってくるのではないでしょうか」

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 昨日、某大学の先生から、こんなお話をお聞きしました。
 正確に録音していたわけではないですし、ここに出てきた数字も検証はしていません。が、お話のご趣旨は、このようなことであったと記憶しています。

 いずれにしても、特に都市部は、学校の先生方に対するエンパワーメント、支援、再教育、熟達化支援も「待ったなし」の状況に入っているようです。

 今日も、マスメディアで「教育問題」がとりあげられています。教育を研究しているものとして、とても「心」が痛みますし、残念です。

 しかし、99.9999%の誠実な先生方は、今日も現場で「闘って」いることも、また事実です。

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補足.
 教師教育がご専門の某先生から、1)団塊の世代が早期に退職する傾向は自分のまわりでも見られること、2)その理由は、もしかすると、団塊の世代のスキルを持ってしても対応不可能な新たな問題群が噴出し、それまで培ってきたスキルや常識が通用しない現状が生まれていることにあるかもしれない、というご意見をいただきました。
 また、他の先生からは、「教職を支えるパブリックサーバントとしての意識」が、学校外部からの批判によって、揺らいでいるのではないか、というご意見をいただきました。

 くわえて、熟練教師だけではなく、若手教師の早期離職も問題になりつつあるのではないか、というご意見もいただきました。教職を学び、希望に燃えて学校に赴任し、現場に疲れ、教師を辞める。
 データを確認しているわけではないですが、メールをくださった方の周囲には、そういう若手教師がでてきている感覚をお餅のようです。

 いずれにしても、「待ったなし」ですね。
 ありがとうございました!