注目の英会話教材:リトル・チャロ

 昨日は「真新しいスーツに身をつつんだ人」を街で見かけることが多かったですね。新年度、4月ならではの光景です。

 社会人1年目の彼らに、僕が偉そうにアドバイスをするなら、「焦るな、くさるな、諦めるな」です。そら、新しい環境に慣れるまである程度は時間がかかるよ。あんまり、焦らないでね。

 閑話休題

 4月の風物詩というと、もうひとつありますね。本屋に出かけると、それが何かわかります。平台に山積みになっている「英会話のテキスト」を見かけるはずです。これ、5月にはもうなくなってるから(笑)。それが毎年4月の光景です。

 でも、今年は例年とは「ひと味違う番組」があらわれました! テレビ×ラジオ×テキスト×ネットのクロスメディア英会話番組「リトル・チャロ」です。

リトルチャロ
http://www.nhk.or.jp/charo/

チャロとEnglish!
https://cgi2.nhk.or.jp/charo/php/index.cgi

 教育工学関係者が「ひーひー」と喜ぶメディアミックス系の構成です(笑)。「メディアミックス」とは、もともと「広告手法」の言葉ですね。複数のメディアにわたってサービスプロモーションを行うときに使います。

 教育の文脈では、「様々なメディアの特性を活かして、それらを組み合わせて利用し、高い学習効果をあげようよ」ということです。教育工学では、1980年代に、結構研究されました。ちなみに、その中心になったのが、わたくしが学んだ「大阪大学」です。

 メディアミックスは、言うのは簡単です。

 「つーか、メディアミックスすりゃいいんじゃない!」

 おいおい簡単に言ってくれるねー、そこの若いの。

 という感じで、メディアミックスはカリキュラム作成が非常に複雑になります。学習者の学習進捗を予想して、内容を構成しなければなりません。

 これがいかにややこしいかは、カリキュラムというものを自分で一度構成したことのある人ならわかるはずです。

 ただでさえ、マジメにやるとややこしいのに、メディアが複数あんのかい! 

 思わず「ちゃぶ台」をひっくり返したくなること請け合いです。ひっくりかえそうと思っていた「ちゃぶ台」に「自分」が乗っていたって状況で、笑えないでしょうけど。

 開発は相当チャレンジングではないでしょうか。おそらく、この番組もかなりの工数とコストがかかっていると思うのですが。

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 ストーリーもなかなかオモシロイです。

 日本から飼い主の翔太とその父と、アメリカに旅行にきた愛犬チャロ。一緒に日本に帰るはずだったのに・・・なぜか広い空港にひとりぼっちでとり残されてしまう。そこからチャロの冒険がはじまる。
 チャロは、アメリカの犬たちと出会い、次第に英語を覚えていく。時には可愛がられ、時には危機に瀕し、様々な事件に巻きこまれながら、一人前ならぬ、「一犬前」に成長する
 はたしてチャロは、無事日本に帰れるのか。

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 おお、チャロ。JFKに取り残されてしまったのかい、可哀想に。涙を誘うね、可哀想なお犬だ。
 
 この番組には、僕もチャレンジしてみようかな、と思っています。英語の勉強もそうですが、教材開発の観点からも、何か参考になるか、と。

 三日坊主ならぬ、4月坊主にならんようにね、気をつけなきゃね。

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追伸.
 前期授業「組織学習システム論」の日時・場所が決まりました。火曜日3限13時から、本郷キャンパス・工学部2号館・93B-1です。