中途採用は失敗できない!?

 先日、某社で行われた会議で、こんな話がでました。

「中途採用で入社した人は、なかなか仕事で失敗できないものです。周りからの期待があるんですよ」

 なるほどねぇ・・・。

「中途採用」をというラベルは、ニアリーイコール「即戦力」を社会的には意味します。「即戦力」であるからには、「即」役に立たなければならない。

「新人」というラベルが「失敗しても仕方がない人」「これから仕事のやり方や姿勢を学ぶ人」ということを社会的に意味するのに対して、「中途採用」は、程度の差こそあれ、新人と比べると、「経験のある人」「もう既に仕事のやり方を学び終わった人」を意味してしまうようです。

 でも、少し考えたらわかることですが、「中途」といっても、すべての仕事に精通しているわけではない。また、3年で30%が辞める時代ですから、そんなに「経験」がない人もいる。

「中途」であるから、Off-JTやOJTなどもあまりなく、いきなり「前線」につっこまれ、「即戦力」を期待され、かといって、周囲の期待から、なかなか「失敗」できない。それで学ぶ機会が失われるのだとすれば、それは問題です。

 僕の信念をご披露すれば、この世に生けとし生きる人に「学び終えた人」など存在しません。新人であっても、中途であっても。

 職場のダイバーシティ(多様性)は、今日も加速することはあっても、減速することはありません。ダイバーシティに対応した、様々な学び方、仕事をしながら学ぶ機会の提供が求められているのかもしれません。