Value Jam : 組織価値は伝えるもの?、つくるもの?

 先日、IBM社をお邪魔した際に、こんな話を聞いた。
 IBM社では、2003年自らの「組織のかかげる価値」を定義するために、グローバルの従業員全員で「72時間のオンラインチャット」をしたのだという。

 オンラインチャットは「Value Jam : バリュージャム」と名付けられた。下記のような内容が語られた。

IBM社
http://www-06.ibm.com/jp/ibm/ibmtopics/year_2003.html

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●IBMには、価値観なるものは存在するのか
●IBMが目指すべき姿へと成長するうえで欠かせない価値観とはいかなるものか
●IBMが今夜この世から姿を消したならば、明日の世界はどのように変わってしまうだろうか
●IBMはどのようなときに持てる力を最大限に発揮できるだろうか

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 どこぞの誰かが「うちの会社の掲げる価値はこれー」と言うのではなく、たとえ形式的であっても、従業員に参加を求める。それは「組織価値をめぐるアクターネットワークの構築」とよぶこともできるし「参加型の意味構築」と呼ぶこともできる。

 僕は倫理学や組織文化論が専門ではないので、詳しいことはよくわからないのだけれど、いくつか疑問がわく。

 ズバリ、

 価値とは伝えうるものなのだろうか?
 それとも、構築されるものなのだろうか?
 あるいは、実践を通してのみ、現前するものなのだろうか?

 このあたりが、専門領域ではどのように考えられているのか、僕にはわからない。

 組織の掲げる価値を、メンバーにわかってもらいたい、と思っている組織は、思いの外、非常に多い。

 この問題は、適当にすましてよい問題ではない。