自分を仕事にあわせるのです・・・NHK「プロフェッショナル」小野二郎さん
昨日放映されたNHK「プロフェッショナル」では、国宝とも称される「寿司職人 小野二郎」さんがフィーチャーされていた。小野さんといえば、昨年11月のミシュラン発表で、3つ星を獲得したことで一躍「時の人」になった。
7歳から仕事をはじめ、今年御年82歳になっても、現役を守り続ける小野さん。中でも、下記の言葉が大変印象的だった。
「自分」を「仕事」にあわせるのです
「自分」にあわないということで、「仕事」を変えてたら
いつまでたっても「一人前」になれません
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一般には、
「自分にあった仕事を見つける」
という風になりそうなところである。
しかし、小野さんの考えは、これとは逆だ。「一人前」になるためには、「自分」を「仕事」にアジャストすることが重要だ、と説く。
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僕も修行中の身であるから偉そうなことは言えないが、この小野さんの言葉には納得できるところが多い。
「嗚呼、これは自分のやりたいこととは違う」「本当の自分は、こんなはずではなかったはずだ」と頻繁に言っていたのでは、いつまでたっても「一人前」にはなれない。
熟達化研究では、人間がある領域に熟達化するまで、俗に10年かかるとされている。熟達化には長い時間がかかるのであり、そのプロセスでは、「自分」を「仕事」にあわせて「変えていく」プロセスでもあるように思う。それは「自分にあった○○を見つける」という「自分」を中心にした発想を一時的であってもペンディングするということだ。それが「仕事をものにする」ということなのかもしれない、と思う。
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小野さんのお店「すきやばし二郎」には、残念ながらまだ一度もでかけたことはない。苦節の上にあみだした「二郎握り」を一度見てみたい、と思った。