目標値実証主義

 先日、ある研究会にでて、久しぶりにこのような語り方を聞いた。

「理想の学習とは個別学習にある。教材をシステマティックに設計すれば、そうした理想を実現できる。共同学習はノイズが多く、理想の学習が成立するならば必要ない」

 これに関しては、佐伯胖先生(青山学院大学)が、UT Open Course Wareで公開されている講義の中で、1960年代の教授工学黎明期、プログラム学習について振り返っている。

佐伯先生・UT OCWの学術俯瞰講義
rtsp://real1.itc.u-tokyo.ac.jp/UTOCW/06/gakujutsufukan_saeki01_3.rmvb

 45年たっても、目標値実証主義は、何一つ変わっていない。もちろん、それ自体が悪いわけではない。

 が、個別学習を「理想型」におき、其れ以外の学習 - たとえば協調学習を「ノイズの多いもの」とみなす見方は、とても承伏できない。1960年以降の学習研究の知見は何だったのだろうか、と思う。

 深い溜息がでる。