サマースクール
アメリカの大学にあって、日本の大学にはないもの・・・
先日もこのような書き出しで、記事を書いたような気がする。引き続き書き足さなければならないことがあるのだとすれば、そのひとつに「サマースクール」があるのではないだろうか。
サマースクール(サマープログラムともいう、要するに夏期講義)? 何? 日本の大学にだって、集中講義があるではないか?
と訝る方がいらっしゃるかもしれない。
確かに、日本の大学にも集中講義はある。しかし、アメリカの大学のそれ(少なくとも、僕が留学していたボストン近郊の大学)、と日本の大学のそれは、ちょっと性格が異なっているような気がする。
ひとつに、サマースクールは有料である。日本の集中講義が、原則、通常授業の「集中版」と位置づけられ、「無料」であるのとは対照的である。
ボストン近郊の大学につとめる知り合いの先生によれば、大学にとってサマースクールは「Cash cow(金のなる木)」であるらしい。
講義によっては、結構な金をとる。かつて僕が参加したプログラミングの実習は1週間で8万円、カミサンが参加したCM制作のプログラムは、7万円であった。
また、サマースクールは、その大学の学生ばかりか、外部の人々、社会人、留学生も受けることができる。
大学の学生、あるいは、その大学に入学する学生にとっては、「単位」が付与される。たとえば大学院生にとっては、9月入学前に、必要単位をここで大量にゲットしておくこともできる。
外部の学生に対しては、履修証(サーティフィケーション)が交付される。ここも日本の大学のそれと違うところだろう。日本の集中講義は、原則的に外部に公開されていないのではないだろうか。
履修証プログラムについては、専門的なことはよく知らない。しかし、ある大学の先生がこんなことを言っていたことを思い出す。
アメリカの大学で履修証プログラムが広まったのは、そうねぇ、1990年代かねー。履修証は、社会人をひきつけるもっとも簡単な方法だからね。
夏・・・7月に入ると、キャンパスには、通常期とは異なる学生が集まり始める。集中講義はいくつかのタームに分かれていることが多い。8月末まで、それは続く。
かくして、キャンパスには「講義」が途絶えることがない。
サマースクールは今日も続く。