新聞紙がなくなる日!? : 米国新聞の脱ペーパー化
8月3日朝日新聞2面記事「米国新聞の脱ペーパー化」を興味深く読んだ。
記事によると、世界一権威のある新聞「ニューヨークタイムス」のサルツバーガー社主が、ダボス会議で下記のような発言を行ったそうだ。
「5年先まで印刷しているかはわからない。印刷しなくなっていても、わたしはかまわない」
また、ネット業界の巨人マイクロソフト社のビル=ゲイツ会長も下記のように語る。
「5年以内にすべての新聞はオンラインになる」
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とどまるところを知らない「新聞のネット化」の動きの中で、米国新聞業界は、今、「変化」を余儀なくされている。
「リーダー(読者)」という呼称は、「オーディエンス」に変わった。編集の仕方が変わった。24時間いつでもパブリッシュが可能になった。
記者ブログがはじまり、記者本人が登場するビデオも、そこに投稿されるようになってきた。花形記者が書くブログが、人気を博するようになった。
どの「変化」も、旧来の「権威」に満ちた新聞業界からは考えられないことである。
しかし、不幸なことに、ネットで無料で提供される情報から収益を生み出すビジネスモデル - つまり、新聞の次世代のビジネスモデル - は、見いだせてはいない。
記事に貼り付けられる「広告」は、その可能性のひとつだ。しかし、ネット新聞でもっともアクセス数の多いニューヨークタイムスでさえ、広告からの収入は、全収入の1割にしか満たないという。これでは立ちゆかない。
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家庭への宅配システムが完備されている日本の新聞業界は、米国ほどドラスティックな変化がすぐに起こることはないだろう、と言われている。
しかし、内閣府の調査によると、「若者の新聞離れ」は非常に深刻だそうだ。今、20歳前後の若者の22.3%が新聞を全く読まない層、いわゆる「無読層」にカウントされるそうである。それに対して、インターネットを毎日利用している割合は、57.3%になる。
ちなみに無読層の増加は、メディア先進国米国では、さらに先んじている。調査の年齢層が違うので直接比較はできないけれど、ハーバード大学ケネディ行政大学院の調査によると、米国の中学・高校生に相当する12-17歳の回答者のうち、28%は時事ニュースにほとんど関心を払わず、新聞を読まない中高生も46%に上っている。
いずれにせよ、遅かれ早かれ、日本の新聞業界も、何らかの対策を打たなければならないときはくる。現在は、「アッパーカット」のような強い衝撃はないけれど、「ボディブロー」を受け続けているような状況なのだから。
新聞とは何か?
5年以内にペーパーレス化が進行したあとに残るものは何か。僕は「毎朝、コーヒーを飲みながら新聞を読むのが好き」なだけに、余計、考え込んでしまう。