組織開発ワークショップが終わった!
昨夜は、Learning bar@Todaiでした。今回のLearning barのテーマは「組織開発」。オーセンティフィック・アソシエイツ代表の中土井僚さんをお招きして、「組織は本当に変わるのかワークショップ」を開催いたしました。
今回のワークショップの目的は2点です。
1.組織開発についてアタマでわかること
2.組織開発の実際の手法について、カラダで実感すること
昨夜のワークショップでは、後半、アプリシエイティブ・インクアイアリーという組織開発手法の「ディスカバリー」というセッションを全員で体験してみました。
ディスカバリーセッションは、「個人の過去の記憶に埋もれている体験を、二人1組になって聞き取りあうこと」ことからはじめます。
その後、それらをグループで持ち寄りディスカッションします。ディスカッションを通して、複数のメンバー体験から、全員に共通する価値(ポジティブ・コア)を見いだしていきます。最後に、ポジティブ・コアを、オブジェなどで表現します。
要するに、「我々が何者なのか」「組織の中心的な価値とは何なのか」を帰納的に見いだしていくプロセスということでしょうか。
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まずは腹ごしらえ。
ワークショップがはじまります。最初は「組織とは何か」「変革とは何か」「組織開発とは何か」についてのレクチュアでした。
いよいよ、いわゆるワークショップのはじまりです。二人1組になって「過去の体験の聞き取り」を行います。
それらをグループで持ち寄って・・・
自分たちに共通する価値、考え方、つまりは「組織のコア」を見いだして、カタチに表現していきます。
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今回、ワークショップが進行するのを傍目に見ながら、僕はいろいろなことを考えていました。最後に、それをご紹介します。
まずひとつ思ったのは、「組織観」と「知識観」の問題です。
思うに、どうも、通常の人がもつ組織観には2種類があるようですね。そして、それは興味深いことに、いわゆる「知識観」と連動している場合が多いように感じます。
ひとつめは、「機能主義的組織観」とでもいったらいいのでしょうか。この組織観のもとでは、「知識(戦略・価値観)は伝達できるもの」であり、「組織メンバーは上のつくった戦略・価値に従うこと」が前提にされています。
もうひとつは、「構築主義的組織観」と形容してもよいかもしれません。この組織観のもとでは、「知識(戦略・価値観)はつくるもの」とされます。そして、メンバーたちは、自分たちのつくった価値にコミットメントを高めていきます。
昨今、「組織において価値の伝達やら共有」といったことが主張されていますが、後者の立場にたった考え方が、がもっと注目されてもよいのではないか、と個人的には思っていました。今回のワークショップを通して、その重要性を再確認しました。
もうひとつは、Constructionismの「The Object to think with」の考え方です。今回のAIを活動レベルで見直してみると、通常のワークショップを構成する活動とそれほど差があるわけではありません。話し合いながら、モノをつくって、語り合う、という形式です。
でも、最後にカタチとしてまとめるから、具体的に心底話すことができたりしますね。カタチがあるから、組織のコア、メンバーに共有する価値、といった抽象的なものに具体的に関与できるのではないかな、と思いました。こちらも、その重要性を再確認したといった感じです。
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最後になりますが、このワークショップを支えてくれた東京大学大学院の中原研究室、山内研究室の大学院生諸氏、Educe Technologiesの坂本事務局長、そしてお忙しい中お越し頂いた中土井僚さんにこの場を借りて感謝いたします。本当にありがとうございました。