組織を変えるための2つのアプローチ!?

 今の組織のあり方では、このままでは立ちゆかない。何とかして、組織のあり方を変えたい

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 人がそう願うとき、組織に変革をもたらすやり方には、2つのアプローチがあるように思います。

 ひとつは「ひそかに潜行型」。
 組織を変えたいと願う側の「意図」や「手法」は、決して公表せず、密かに密かに何らかの「施策」を実行する。ひそかに「環境」をデザインしてしまう。

 その「施策」は、組織構成員にとっては様々に解釈される。が、そのことは気にしない。結果として、仕掛ける側の「意図」にそって組織が「動いてしまうこと」をめざす。

 もうひとつは「どかーんと介入型」。
 組織を変えたいと願う側の「意図」「ビジョン」「思い」を公表し、そのために導入する「手法」もきちんと説明する。

 組織構成員には、新たに紹介された「手法」を消化することが求められる。組織はその「手法」によって「変わること」が期待される。

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 たとえば、今仮に「組織内の人の教えあいを強化したい」のだとします。

「ひそかに潜行型」の場合は、例えば、オフィスの机のレイアウトを、協調作業をしやすいように変える、とか、休憩室にお茶菓子を用意して人々の滞留時間を増やすとか、そういう工夫がありえるかもしれません。

 対して「どかーんと介入型」の場合は、「組織にコミュニティ・オブ・プラクティスをつくるぞー」とか説明して、新しくナレッジマネジメントのシステムを構築したり、プロジェクト制度なんかをつくったりする。

 どちらのアプローチが優れているというわけではないのですが、個人的には、これまでの経験上、「前者」の方が何となく「しっくり」ときます。

 というのは、後者の場合、「新たに導入される手法や施策」が、組織構成員の側からすれば、「新たな負担」だと解釈される可能性があるのではないか、と思うのです。

「えー、このクソ忙しいのに、ナレッジマネジメントとかいうことを、すんのかよ」
「えー、このクソ忙しいのに、自主プロジェクトになんか参加したくねーよ」

 みたいな。そんでもって、無用な抵抗感を生んだり、動かなかったりする。

 「組織内の人の教えあいを強化したい」と強く願っているのは、通常の場合マネジメントサイドであり、組織の構成員ではありません。その場合には、「特に言える」と思うのですが、「実体をもつ何かの施策を新たに導入する」、という風な「見せ方」は避けた方がいいように思うのです。

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 今日のお話、あまりうまく説明できていないように思うのですが、おわかりいただけるでしょうか。「環境デザイン型」は「漢方治療」、「手法導入型」は「外科手術」にたとえることも可能かと思うのですが・・・。うーん、微妙? 余計わかんなくなったかも、ごめん。

 とにかく・・・

 ある「隠された意図」にしたがって、ゆるやかに「環境」を変えてしまう。で、人はその「環境」の中で、環境が制約する行動をとる。

 組織に変革をもたらそうとするとき、僕は、どうしても、そんなアプローチにシンパシーを感じてしまいます。もちろん、それが「意図通り」にうまくいくかはわかんないし、そんな「ぬるい方法」を採用できないほど、事態が切迫している場合もあるかもしれないけれど。