ハイアットデリを食べた!
子どもができてからというもの、めっきりと外食が少なくなりました。6ヶ月くらいまでは、まだ連れていくこともできるのです。つーのは、6ヶ月くらいまでは、まだまだ子どもは寝てることが多いし、万が一おきていても、あんまりうるさくしないので。
でも、6ヶ月をこえるとシンドイね。下記のようになるわけです。
食べている間でも、
やめてー(絶叫)、それ触っちゃ、ダメー(再度絶叫)
6ヶ月をこえると、子どもは、キャーキャー叫ぶわ、テーブルの上のものを、バシバシと下に落とすわで、全く、油断もスキもあったもんじゃないんです。むしろ、親をあざ笑うかのように。
常に子どものいたずらを「制止」しながら、食べるという感じになる。食べると中断され、中断されては、また食べ。他人の視線も気になるしね。全く、「食った気」がしないのです・・・。あべし。
ということで、最近我が家では「やっぱ自宅がいいよね」ということになっています。もちろん、ほとんどは、自宅で自炊なのですけど、たまにはスペシャルな気分を味わいたい。
そんなときには、デリがいいね、と。これなら、プチスペシャル感があじわえます。しかも、家なので、気兼ねはいらない。子どもが少々騒いでも、全く問題なしということです。ダハハ。
昨日は、我々の結婚記念日でした。7年目。
嗚呼、もう7年目なんですね。結婚記念日も3回目あたりから、カウントするのが難しくなって(面倒くさくなって?)、「おい、今年、何年目だ?、オレ、なんで結婚したんだっけ?」、という感じになりますけれども(笑)。ともかくめでたい日だったわけです。
毎年、記念日にはレストランでお食事だったんですけど、今年は無理みたいです。ということで、新宿のパークハイアットでデリを買ってきて、おうちで食べることにしました。
この日買ってきたのは、こんな感じです。
エビのカクテル
ペンネのトマトソース
イカとセロリの炒め物
ナスとフォアグラの炒め物
季節の焼き野菜
チキン
すべて、おいしゅうございました。さすがはハイアットデリ。やはり「素材の食感が違うな」という感じがした。イカはコリコリし、シュリンプはプリプリしている。フォアグラはまったりとしていて濃厚。チキンも肉本来のうまみに、よく香草があっている。
これでしめて7000円。まぁ、デリで7000円というのは高い感じもするけれど、パークハイアットの52Fニューヨークグリルのディナーを食べる思いをすれば、安いものです。大満足でした。
子育てをしていると、たまには、やはり「外のおいしいもの」を食べたくなりますよね、そんなとき、ハイアットデリはいいのではないでしょうか。おすすめです。
---
最後にね、これ、僕からの教訓ですけど、子どもが産まれたあとに、もし、おいしいレストランに行きたい、とか、旅行に行きたいとか思っている人がいたらね、6ヶ月くらいまでにいっとくほうがいいと思うよ。それ超えると、マジでツライから。
何を食べても、食った気がしない
何で遊んでも、遊んだ気がしない
という状況になります。
まぁ、その頃から、罪深いことに、子どもは、ぐっと仕草が可愛くなるのですけれども。
投稿者 jun : 2007年7月31日 22:37
「ボーネルンドあそびのせかい」に行ってきた!
前々から、TAKUを連れて行ってみたいと思っている場所が2つありました。
ひとつは、仕事のテーマパーク「キッザニア」。もうひとつが、「ボーネルンドあそびのせかい」。
キッザニア
http://www.kidzania.jp/
ボーネルンドあそびのせかい
http://www.bornelund.co.jp/news/050620_1.html
「ボーネルンドあそびのせかい」は、エアトラックやトランポリン、様々な遊具がそろった「都市型運動環境」ですね。おもちゃメーカーのボーネルンドが運営しています。で、先日、ようやくここを訪ねることができました。
「あそびのせかい」の中は、平日の午後だというのに、子どもでいっぱい。いわゆる「ガキの巣」です。
だいたい3歳から8歳くらいまでのたくさんの子どもたちが、ぴょーん、ピョーンと飛び跳ねたり、ダダダと走ったりしていました。ここあそこで、叫び声と笑い声が聞こえる。僕も思わずトランポリンで遊んだけど、たしかに、これ楽しいね。
TAKUは、最初、「環境の変化」「まわりの子どもたち」に「びびった」のか、「地蔵」のように固まっていました。だんだんと緊張がゆるんできて、トランポリンなどは楽しんでいましたけれど。
30分遊んで、子どもは600円。大人もしっかりお金をとられて1人200円。で、計1000円ですね。
TAKUの場合は、まだ小さいので活動に限界がありますが、立って歩けるようになったら、かなり楽しいと思う。てことは、絶対に30分で終わらない。あとは10分延長ごとに100円加算だから、たぶん、一回いくと最低でも2000円くらいは覚悟したほうがいいように思います。
チャリーン、チャリーン。結構な金額だね。
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それにしても、余談だけどさ、こういうのを経験すると「都市で子どもを育てることの難しさ」を感じてしまいます。
僕の故郷では、僕のおうちのすぐ近くに、無料で遊べる「ボーネルンドあそびのせかい」のような公共プレイジムがあります。あんまり人はいない。平日などは閑散としています。
なんで出来たのかよくわからないし、きっとまたバラマキの一環だと思うけど、それでも、そういう施設があるのは、市民としては大変助かるものです。子育てをしていると、雨の日にどこで遊ばせようかって結構悩むものですので。
施設利用料は片方は一回2000円で、片方は無料。なんかため息がでちゃうね。でも、そんなことを言っていると、「都市生活者には、都市手当があるだろ」と言われそうだけどさ。でも、そんなもの、家賃・住宅費の高さで全部ふっとんで、「ない」のと同じ(笑)。ポワワワワワーン。
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なんか暗い話題になってきたけど、まぁ、いいや(笑)。好きで都会に住んでいるわけですから。
とにかく、「ボーネルンドあそびのせかい」は楽しく愉快な場所でした。今度、もう少し歩けるようになったら、また行きたいと思います。
投稿者 jun : 2007年7月31日 07:48
岐阜に嫁ぐつもりでやってきました:鈴木哲夫著「政党が操る選挙報道」
「天竜川をわたって、退路を断ちました、骨を埋めます、戸籍も移しました」
「この岐阜に嫁ぐつもりでやってきました」
これらは小泉首相の刺客候補が、数年前の選挙戦のさなか、連呼した台詞である。
彼ら自身が、「自分の頭」でこの台詞を生み出したわけではない。。膨大なデータをもとに、候補者は巧妙に「振り付けられ」、「演出」されていた。中央の自民党コミュニケーション戦略本部(コミ戦)という「演出家」によってである。
コミ戦の役割はそれだけではない。幹部らのテレビ出演の計画を立てたり、テレビ出演の前に「振り付け」をしたりもする。
さらには、「この選挙が、何をとう選挙なのか」、その位置づけを立て直し、二項対立の図式を見直すことも、彼らの仕事のうちである。
国民はわかりやすい言葉、二項対立の図式を好む。先の選挙では、自民党は「郵政民営化賛成か、反対か」を問い、民主党は「年金問題」を問うた。この二項対立がうまく国民の認識と合致すると、票がとれる。コミ戦は日々集まる膨大なデータをもとに、こうした問題に取り組んだ。
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鈴木哲夫著「政党が操る選挙報道」を読んだ。参院選の開票速報がテレビで報じられているさなかの読書であったので、「この選挙では、コミ戦がどういう風に機能しているのだろう」と想像力をたくましく働かせながら読むことができた。
僕は政治にはズブの素人であるから、詳しいことは全くわからない。が、もし万が一僕がコミ戦のディレクターであったら、きっと、今回の選挙では、下記の仕事が期待されていたのではないかと思う。
・選挙活動では、年金問題は積年の課題であることを強調し、その問題を解決する政権として現政権を位置づける
・憲法改正や教育再生など、本当に現政権が取り組みたいことは、あえて前面にださない。雇用創出などでイメージアップをはかる。
・選挙活動の終盤では、選挙で負けたとしても、政権交代しなくてもいいよう、首相の続投をイメージづける
先の選挙ではコミ戦が機能し、自民党は大勝した。今回の参院選ではどうだったろうか。
「年金問題解決のエージェント」「雇用創出の立役者」としての顔をもって、票を集めることができただろうか。そして、首相の続投に反対する声を、何とか封じることができただろうか。
決着は、明け方にはついているだろう。
投稿者 jun : 2007年7月29日 11:00
男ざかりは、百から百から
先日、ある人からこんな話を聞いた。
「人間は25歳あたりから、精神的にはあんまり変わらないらしい。いつまでも、自分はまだ25歳のつもりなんだけど、見た目だけがどんどん年をとっていく」
うーむ、何となくわかるような気がする。
もちろん、精神的に変わらぬ人もいる一方で、見た目にも、精神的にも年をとっていく人はいる。
かのマッカーサーが愛したと言われるユダヤ詩人サムエル=ウルマンはこう詠む。
青春とは人生のある期間ではなく
心の持ち方をいう
薔薇の面差し、くれないの唇、しなやかな手足ではなく
たくましい意志、ゆたかな想像力、もえる情熱をさす
青春とは人生の深い泉の清新さをいう
青春とは臆病さを退ける勇気
やすきにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する
ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある
年を重ねただけで人は老いない
理想を失うときはじめて老いる
一方、107歳にして天寿を全うした彫刻家・平櫛田中はこううそぶいた。
今やらねば いつできる
わしがやらねば だれがやる
六十、七十は鼻たれ小僧
男ざかりは、百から百から
男ざかりが「百から」で、70歳でも「ハナタレ小僧」ならば、さしずめ、31歳の僕などは、まだ生まれたばかりの赤子である。ちょうど自分の8ヶ月の息子と同じくらいだろうか。
先は長いなぁ・・・。
やっと腰が据わったばかりの我が子を遠くに見ながら、そう思う。
投稿者 jun : 2007年7月29日 08:37
夏のお寿司 : 渋谷でシンコを食らう
先日、蛇の健寿司にいってきました。「夏のお寿司」を堪能させていただきました。
まずは白魚。プリプリとしていて、口の中ではじけるような食感。
驚いたのは、鮟鱇のキモ。鮟鱇は市場に出回っているのは、ほぼ中国産だそうですが、きょうは国産のものが入ったとのことで、早速いただきます。
基本的に、僕個人は、キモとかフォアグラとかは、「臭い」が苦手であまり好きではないのだけれど、これはそんなことはない。新鮮かつクリーミーで、どんどんと酒が進みます。
寿司は、おまかせで。夏の風物「シンコ」から中トロ、ハモ、イカ、泪、などを。シンコですよ、もう夏ですね。
珍しいところではアロエなども。
どれも大変おいしゅうございました。酒は3人で痛飲し、だいたい1人8000円。ふつうに飲めば、6000円から7000円くらいだと予想します。
また機会を見つけて行きたいね。
蛇の健寿司
東京都渋谷区道玄坂1-20-4
TEL:03-3461-4288
http://maps.google.co.jp/maps?q=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%8C%BA%E9%81%93%E7%8E%84%E5%9D%821-20-4
投稿者 jun : 2007年7月29日 07:00
TREEワークショップ&シンポジウムが終わった!
夏恒例のイベント「TREEワークショップ&シンポジウム」が終わった。今年は、ワークショップとシンポジウム合計3会場あわせて、のべ160名の学内、学外の方に参加いただいた。本当にありがとうございました。
最後に、ワークショップ&シンポジウムの実施のために、協力してくれたすべての方々に、特に学生アルバイトを含む、TREEオフィスの裏方スタッフの方々、学務課の方々に、御礼いたします。お疲れ様でした&ありがとうございました。
さぁ、夏だ。
投稿者 jun : 2007年7月27日 18:00
教材開発、シャバの悲哀、認知的道具
大学院授業「デジタル教材設計論」、今日は、産業能率大学の古賀さんを招き、「企業・組織で利用されているデジタル教材」について、講義をしていただいた。
制作プロセスで利用される絵コンテなどをお持ちいただいて、「実際の現場では、どのように教材を開発するのか?」について、詳しい話をしていただいた。制作現場の現状についても、話がきけた。
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デジタル教材設計論は、教材のデモンストレーションと教材の背後に流れる設計思想を体験する授業。しかし、実際の教材開発は、「設計思想」だけでなされるわけではない。
ポイントは2点。
ひとつ。教材設計のプロフェッショナルは、教材の設計思想と同時に、様々な制約(古賀さんの言葉でいうと、シャバの悲哀)の中で教材を開発していること。「制約」と「設計思想」のはざまで、何とかかんとか教材をつくるのだということ。
ふたつ。教材設計には、絵コンテ、シノプシスなどの様々な認知的道具が必要だと言うこと。実際の開発とは、そうした認知的道具を開発のプロセスでもある。教材を生み出すための様々なテンプレートなどを様々に開発して、それを利用、修正していくプロセスでもある。
机上の空論で、アタマの中の妄想で、教材がつくられるわけではない。教材とは、認知的道具を開発し、そこに実際に描いてみては消し、書き記してみては直し、行きつ戻りつして開発されるものである。
古賀さんには、お忙しいところ本当に無理を言って、ご出講いただいた。この場を借りて感謝いたします。ありがとうございました。
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今日は、TREEワークショップ&シンポジウム。僕は司会者を仰せつかっている(おそらくもっとも苦手な役目だろう)。
考えてみれば、今週は毎日スーツ&ネクタイだった。今から考えてみても、イベント続きの激しい、怒濤のような一週間だった。
あと一歩だ。
投稿者 jun : 2007年7月27日 07:13
地方教員養成系大学・学生の都市への大量流入:NHKクローズアップ現代
数日前のNHKクローズアップ現代では、「地方教員養成系大学の学生が、都市に大量流入している」という内容を扱っていた。
事例として出ていたのは取り上げられていたのは、秋田県。
今年の秋田県の教員採用数はわずか16名。対して、東京都は1600名。地方で教員になることを夢見ていた学生も、東京、川崎などの大都市での試験にのぞむことが増えているのだという。
どうして、このようなことがおこるのか。そのキーは「団塊世代の大量退職」にあるのだという。
地方も都市も、団塊世代が大量退職することは変わらない。しかし、もともと人口の少ない地方では、大量退職よりも、子どもの数の急減のスピードの方がはやい。対して、人口の多い都市では、大量退職したあとの補充をすぐに行わなければならない。
かくして大量の教員採用をすぐに行わなくてはならない「都市」と、教員採用を手控えたままでいられる「地方」という構図が生まれる。
この問題、「大人のための教育学」の研究が近年増えている僕としては、やはり気になるのは首都圏で大量に生まれる若手教員の熟達の問題である。彼らをどのようにサポートし、力量の形成を行うか。悪いことに、大量退職で熟達者は抜けている。
深刻な問題が生まれようとしている。
ちなみに、NHKクローズアップ現代では、かつて大阪大学大学院で一緒だった姫野完治准教授がコメントを述べていた。
寿司屋で寿司をつまみながら番組を見ていて、「なんか聞いたことがある声だなー」と思って、振り向くと、姫野君だった。
何だか訳もなくうれしかった。
投稿者 jun : 2007年7月26日 08:09
食事、掃除、かんなくず
昨日の講演、無事、終了しました。実は、リコーヒューマンクリエイツさんから、秋葉原で開催されたRHCフォーラムの特別講演のご依頼を受けていたのです。おかげさまで無事、終了。
今回の講演では、プロフェッショナルの育成にからむ諸課題、特に、1)概念的知識の構造化、2)メタ認知の育成、3)定型的熟達と適応的熟達、4)ワークプレイスラーニング、などについて、事例をまじえながら話をしました。
昨日のブログで3分の1は、聴衆に喋っていただくと張り切っておりましたが、それに関しては、ちょっと失敗。
最初のエクササイズ課題で張り切りすぎて、時間を食ってしまい、最後のディスカッション課題を飛ばさざるを得なくなってしまいました。
嗚呼、1時間20分というのはあっという間ですね。反省至極です。修行します。
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今回のRHCフォーラムでは、メインの講演として宮大工棟梁の小川三夫さんがいらっしゃいました。
宮大工というのは、「完全無欠の徒弟制=十数年にわたる住み込みの修行」で、弟子育成をするのですが、その話がとても興味深かったですね。
小川さんによると、宮大工の世界では、新弟子に入ると「一年かけて見極める」そうです。見極めるといっても、「大工仕事」をさせて、そのクオリティを見るわけじゃない。
まだ入ったばかりの新参者ができることといえば、先輩や親方に「食事の用意」をすることと、「掃除をする」ことくらいです。来る日も来る日も、最初は「食事の用意」と「掃除」をさせる。
でも、これは、シゴキとかでやっているわけではない。
「食事の準備」には「思いやり」「段取り力」というのが、如実にでてしまう。「掃除」をさせれば、その人の「丁寧さ」がわかる。そうやって、一年かけて、弟子の性格を十分見極めた上で、少しずつ本格的な仕事に従事させるのだそうです。
この話、聞いていて、とても「うらやましいなぁ」と思いました。だって、人を見極めるのに、それだけの時間がかけられるということです。
今の時代は「即戦力」の時代ととかく言われますね。みんなスピード、スピードと言っている。なかなかそんな風に時間的余裕のある業界はないよなぁ、と。うらやましいなぁと思いました。
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来る日も来る日も「食事の用意」と「掃除」。そればかりずーっとやっているのは、弟子にとっては精神的にツライですね。
オレは、めしたき、掃除のために、修行してんじゃねー
とちゃぶ台をひっくりかえしたくなる(のかどうかは知らないけど・・・)。
半年くらいやっていると、弟子の方も、いてもたってもいられなくなるそうです。先輩のつくる綺麗な「かんなくず」をみて、自分でも、やりたくてやりたくてしかたがなくなる。
でも、その一瞬なのだそうです。そこまで、「かんな」を与えない。はじめて、その一瞬が訪れたら、「かんな」を与える。
そうすると、弟子は、「柱すべてを削ってしまうほど」、かんな削りに熱中するのだそうですね。
これも「いじめ」でやっているのではなくて、ちゃんと意味があるそうです。
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小川さんに、あとで楽屋ですこしだけ話をうかがったところによると、こんな厳しい修行をへても、「宮大工として一人前になるのは10年、棟梁になれるのは全体の1割」だそうです。
前者は、熟達者研究のエリクソンのいう「10年ルール」を地でいくような回答にびっくりしました。
後者は「そんなもんだよなぁ」と思った。
プロフェッショナルは、全員が目指せるわけではない。そんな甘い世界ではないですね。
厳しい下積み、基礎的知識や技能の習得、地味な雑用をこなすことをいやがるのは論外。そんなやつは最初から無理です。しかし、どんなに頑張っても、本人の向き不向きがある。最後には「結果」だけが問われる。厳しい世界なのですよね、プロフェッショナルの世界は。
・・・と、こんな感じで、非常に興味深い話題でした。
最後になりますが、リコーヒューマンクリエイツ株式会社のMさん、Kさん、当日アテンドをしてくださったMさんには大変お世話になりました。この場を借りて御礼いたします。ありがとうございました。
投稿者 jun : 2007年7月25日 09:17
「喋り過ぎない講演」をめざす
講演では、なるべく「喋りすぎない」ようにしています。
そう言ったら、奇異に感じる方もいらっしゃるかもしれません。一般には「喋ること」イコール「講演」ですので、「喋らない講演」というのは、どこか変に聞こえるかもしれない。
でも、実際、僕はなるべくそうするようにしています。もちろん、「全く喋らない」わけではありません。時間数にして、自分が喋る時間を3分の2くらいに押さえようとしているのです。
残りの3分の1は、講演を聴いてくださっている参加者の方が、お近くの参加者の方と「喋っていただく時間」にしています。簡単なディスカッションですね。で、数分時間をおいて、僕がマイクをもって、「どんな話がでたか」を聞きにいくようにしています。
---
なぜ、こういうスタイルにしているのか。それは2つの理由からです。
1つめは、「一方向的に喋る講演」の学習効果が低いことを、研究者として僕自身が、よく知っているから。
一般に、半年時間をおいた遅延テストでは、7割から8割の参加者が、当該講演で語られた内容を、すべて忘却すると言われています。人間は「忘却する動物」といわれていますが、このレートをなるべく下げたい、と思います。それには、僕が「喋りすぎないこと」が重要なのです。
ふたつめは、その方が「参加者の満足度があがる」から。
もちろん、これは賛否両論があります。「僕が喋り続ける講演」を望まれる方も、少なくありません。
しかし、割合を見ると、「僕が喋り続ける講演」よりも、「参加者自身が喋る講演」の方が、評価が高いことが多いのです。みんな、実は講演の時間に、「聞く」よりも「喋りたかった」んだね。
---
僕が、このスタイルをとったのは、米国留学から帰国した2004年の秋からです。それまでの僕の講演は、かなりOne-wayスタイルでした。
オモシロイというか、皮肉だよね。だって、喋っている内容は、当時の自分の専門であった「協調学習」だったりするわけじゃないですか。でも、喋っている内容は「協調」なのに、「講演のスタイル」は「アンチ協調学習スタイル」だったりする。これにまず矛盾を感じました(笑)。おいおい、矛盾しちゃってるぜ>自分。
あと、米国留学時代、いろんな方の発表をむこうで聞いて、やり方によっては、いわゆる「講演でもインタラクティヴにできる」ということを学びました。
で、思い切って、というか、おそるおそる、それをやるようになったのです。で、今に至っている。もちろん、今もおそるおそる、だけど。
というのは、インタラクティヴにするってのは「怖い」んですよ。何がでてくるかわからないし、タイムマネジメントも難しい。よっぽど、機関銃のように喋った方が「楽」に感じます。だから、今も、おそるおそるです。
---
今日の午後は、講演です。それも300名規模。
これまで150名規模の講演では、インタラクティヴにやってきましたが、300名ははじめてです。成功するのかどうかわかりませんが、頑張ります。
そして人生は続く。
投稿者 jun : 2007年7月24日 07:15
「研究」と「事業」のあいだの「死の谷」
今年春から、僕らの研究成果の実用化検討が、密かに行われている。僕は監修者としてこのプロジェクトに関わり、自分たちの研究成果をなるべく事業として結びつけられるよう、知恵を絞っている。
どのようなプロダクトが生み出されるかは、まだ内緒だ。プロダクト云々より以前に、僕自身、このプロセスの中で、かなり多くのことを学んでいる。
一般に、
事業と研究のあいだには、デスバレー(死の谷:The Valley of Death)が横たわる
と言われている。「魔の川」という人もいるらしい。要するに、「研究」から「事業」に結びつける困難さをたとえた言葉である。
一般に、研究されたものが事業化されることはマレであるし、事業が要求するものが研究開発の現場から生まれることもマレである。その深い溝は、「死の谷」に似ている。
なぜ死の谷が生まれるのか? それは、「研究」と「事業」で追求されるクオリティ、フォーカスポイントが、それぞれビミョーにズレているからである。さらにタチの悪いことに、このフォーカスポイントやクオリティには、それを生み出す「人」がからむ。
研究としての論理や筋は通っていても、いざ、事業として位置づけるためには、コストや工数などのこと、いろいろ勘案しなければならない。しかし、コスト削減を重視しすぎて、研究の知見を見失ってはいけない。要するに、これら両者の関係は、とてもビミョー。用意周到、かつ丁寧なマネジメントが求められる。
自分の研究は、かなり実用に近いと思っていたけれど、それでも、まだその溝は深い。しかし、僕の研究で、多くの人々に使われたり、知られたりすることを夢見ない研究はない。だとすれば、これは、僕が渡らなければならない「谷」であろう。
まだまだ学ぶべきことが多い。
投稿者 jun : 2007年7月23日 07:46
今週がヤマ
昨日は、知り合いのCさん夫妻、Aさん夫妻が、お子さんたちをつれて我が家に遊びにきてくれました。
ランチを一緒にしましたが、あっという間の4時間でした。楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。
カミサン、料理、大変だったと思う。お疲れ様でした。
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先日ゼミが終了。大学院授業の方は、あともう少し。来週は、スーツを着なければならない日が3日間・・・うーん、多い。講演、セレモニー参加、イベント司会です。
学会原稿の提出も控えているし、忙しさとしては、今週がヤマかな。このヤマをこえれば、無事、梅雨も終わって、「夏本番」であると・・・と願いたい。
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TREEワークショップ&シンポジウムの方も、ワークショップ1の方は、参加を締め切りましたが、シンポジウムはまだ参加を受け付けております。ぜひ、お早めにお申し込みください。
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TREEワークショップ&シンポジウム2007
- 大学生とメディアの"今"を探る -
2007年7月27日(金)東京大学駒場キャンパス
主催:東京大学 教育企画室
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■趣旨
TREEプロジェクト (Todai Redesigning Educational
Environment:東京大学教育環境リデザインプロジェクト)
は、「ITを活用した東京大学の教育環境の改善」を目的と
する全学プロジェクトです。
教育企画室の企画のもと、各学部、研究科、教育部に
よって推進されています。
TREEプロジェクト
http://tree.ep.u-tokyo.ac.jp/
TREEプロジェクトでは、2005年のプロジェクト開始
以降、毎年シンポジウムを開催し、学内外から200名程
度の方々のご参加をいただいております。
今年は「大学生とメディアの"今"を探る」という統一
テーマのもと、
1)教育の情報化の最新動向
2)教育コンテンツの著作権処理、開発の実務
3)大学生のメディア利用の実態
などを扱うワークショップとシンポジウムを企画し
ました。
「大学生をとりまくメディア環境の発展のスピード」は、
教育の情報化の進展よりもずっと早く、いまや日進月歩
です。TREEワークショップ・シンポジウム2007
では、大学生を取り巻く教育メディア環境の「今」の実像
をあますところなくお伝えすることができると思います。
本ワークショップとシンポジウムは、大学において
教育情報環境の整備に従事なさっている方、教育の情
報化を推進している方、大学生をとりまくメディア環
境のトレンドについて知りたい方をメインターゲット
にしております。
入場は無料です。
ふるってご参加いただければ幸いです。
東京大学 教育企画室長 岡本和夫
東京大学 TREE会議議長 藤原毅夫
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■日時と場所
○7月27日(金曜日)10時 - 12時
【TREEワークショップ1】
・駒場アクティブラーニングスタジオワークショップ
・東京大学駒場キャンパス 17号館 2F
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/jpn/kyoyo/map.html
○7月27日(金曜日)10時 - 12時
【TREEワークショップ2】
・教育の情報化 著作権処理ワークショップ
・東京大学大学院 数理科学研究科 演習室(B1)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
※ワークショップ1と2は同時にパラレルで開催されます
※ワークショップ1はすでに締め切りました
※ワークショップ2は学内のみです
○7月27日(金曜日)13時 - 17時
【TREEシンポジウム】
・「大学生とメディアの今をさぐる」
・東京大学大学院 数理科学研究科 大講義室(B1)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
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■参加費、および募集定員
参加費は無料です
懇親会は3000円を申し受けます
・TREEシンポジウム 学内・学外 200名
※ワークショップはメディアの取材はご遠慮下さい
※参加申し込みは一番下のフォームに必要事項を
お書きの上、tree_symposium@tree.ep.u-tokyo.ac.jp
まで7月15日までにご返送下さい
※ワークショップ1はすでに締め切りました
※ワークショップ2は学内限定です
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■TREEワークショップ1の内容
「駒場アクティブラーニングスタジオワークショップ」
主催:東京大学 教育企画室
共催:東京大学 教養学部附属教養教育開発機構
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
マイクロソフト先進教育環境寄付研究部門
協力:東京大学大学院 情報学環
コーディネータ:望月俊男(大学総合教育研究センター)
山内祐平(情報学環)
サポーター:林一雅(教養学部附属教養教育開発機構)
○ご挨拶
浅島誠(東京大学 副学長理事)
○企画趣旨
(10:00-10:15)
○ラーニングスタジオ型教室の現在
(10:15-10:30)
○ワークショップ
(10:30-12:00)
駒場アクティブラーニングスタジオ教室
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■TREEワークショップ2の内容
「教育の情報化と著作権ワークショップ」
主催:東京大学 教育企画室
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
TREEオフィス
共催:東京大学 産学連携本部
司会:西森年寿(大学総合教育研究センター)
サポーター:類家利直(大学総合教育研究センター)
○企画趣旨
(10:00-10:10)
○教育と著作権(レクチャーとディスカッション)
末吉亙(弁護士・東京大学 法科大学院 客員教授)
(10:10-11:10)
○東京大学における著作権処理の実際
山本恵美(教育企画室)
(11:10-11:30)
○東京大学におけるコンテンツ開発の実際
重田勝介(大学総合教育研究センター)
(11:30-11:50)
○全体質疑
(11:50-12:00)
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■TREEシンポジウムの内容
「大学生とメディアの今を探る」
主催:東京大学 教育企画室
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
TREEプロジェクトチーム
コーディネータ:中原淳(大学総合教育研究センター)
サポーター:神谷真紀(大学総合教育研究センター)
○ご挨拶
岡本和夫(大学総合教育研究センター)
(1:00-1:15)
○特別講演
清水康敬(独立行政法人メディア教育開発センター)
(1:15-2:05 : 質疑10分こみ)
○休憩
(2:05-2:15)
○仮想環境「セカンドライフ」に出現した教育環境
三淵啓自(デジタルハリウッド大学院大学)
(2:15-2:55 : 質疑10分こみ)
セカンドライフ
○iTunes U:携帯型音楽プレーヤを活用した教育リソースの配信
坂本憲志(アップルジャパン 教育プログラム推進)
(2:55-3:35)
iTunesU
○休憩
(3:35-3:45)
○日本社会の情報化の特徴と高等教育
木村忠正(東京大学大学院 総合文化研究科)
(3:45-4:25)
・・・大学生のSNS、blog利用調査などの側面から
○東大での取り組み1
知の構造化センター
松本洋一郎(東京大学大学院 工学系研究科)
(4:25-4:55)
○東大での取り組み2
TREEプロジェクト
藤原毅夫(大学総合教育研究センター)
(4:55-5:15)
○懇親会
司会:岡本和夫(大学総合教育研究センター)
(5:45-7:30)
〆申込書・ココカラ---------------------------------
TREEワークショップ&シンポジウム2007
参加申し込みフォーム
下記の必要事項をご記入のうえ、
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1.TREEシンポジウム 参加希望
「大学生とメディアの今を探る」
2.TREE懇親会 参加希望
(懇親会参加は当日3000円を申し受けます)
〆申込書・ココマデ---------------------------------
*今回いただいた個人情報につきましては、TREEプロジェクトから
ご案内を差し上げる以外の目的で利用することは一切いたしません。
また、ご本人の同意なく、第三者に提供することはございません。
■本ワークショップとシンポジウムに関するお問い合わせは
tree_symposium@tree.ep.u-tokyo.ac.jp
投稿者 jun : 2007年7月22日 09:03
組織開発ワークショップが終わった!
昨夜は、Learning bar@Todaiでした。今回のLearning barのテーマは「組織開発」。オーセンティフィック・アソシエイツ代表の中土井僚さんをお招きして、「組織は本当に変わるのかワークショップ」を開催いたしました。
今回のワークショップの目的は2点です。
1.組織開発についてアタマでわかること
2.組織開発の実際の手法について、カラダで実感すること
昨夜のワークショップでは、後半、アプリシエイティブ・インクアイアリーという組織開発手法の「ディスカバリー」というセッションを全員で体験してみました。
ディスカバリーセッションは、「個人の過去の記憶に埋もれている体験を、二人1組になって聞き取りあうこと」ことからはじめます。
その後、それらをグループで持ち寄りディスカッションします。ディスカッションを通して、複数のメンバー体験から、全員に共通する価値(ポジティブ・コア)を見いだしていきます。最後に、ポジティブ・コアを、オブジェなどで表現します。
要するに、「我々が何者なのか」「組織の中心的な価値とは何なのか」を帰納的に見いだしていくプロセスということでしょうか。
---
まずは腹ごしらえ。
ワークショップがはじまります。最初は「組織とは何か」「変革とは何か」「組織開発とは何か」についてのレクチュアでした。
いよいよ、いわゆるワークショップのはじまりです。二人1組になって「過去の体験の聞き取り」を行います。
それらをグループで持ち寄って・・・
自分たちに共通する価値、考え方、つまりは「組織のコア」を見いだして、カタチに表現していきます。
---
今回、ワークショップが進行するのを傍目に見ながら、僕はいろいろなことを考えていました。最後に、それをご紹介します。
まずひとつ思ったのは、「組織観」と「知識観」の問題です。
思うに、どうも、通常の人がもつ組織観には2種類があるようですね。そして、それは興味深いことに、いわゆる「知識観」と連動している場合が多いように感じます。
ひとつめは、「機能主義的組織観」とでもいったらいいのでしょうか。この組織観のもとでは、「知識(戦略・価値観)は伝達できるもの」であり、「組織メンバーは上のつくった戦略・価値に従うこと」が前提にされています。
もうひとつは、「構築主義的組織観」と形容してもよいかもしれません。この組織観のもとでは、「知識(戦略・価値観)はつくるもの」とされます。そして、メンバーたちは、自分たちのつくった価値にコミットメントを高めていきます。
昨今、「組織において価値の伝達やら共有」といったことが主張されていますが、後者の立場にたった考え方が、がもっと注目されてもよいのではないか、と個人的には思っていました。今回のワークショップを通して、その重要性を再確認しました。
もうひとつは、Constructionismの「The Object to think with」の考え方です。今回のAIを活動レベルで見直してみると、通常のワークショップを構成する活動とそれほど差があるわけではありません。話し合いながら、モノをつくって、語り合う、という形式です。
でも、最後にカタチとしてまとめるから、具体的に心底話すことができたりしますね。カタチがあるから、組織のコア、メンバーに共有する価値、といった抽象的なものに具体的に関与できるのではないかな、と思いました。こちらも、その重要性を再確認したといった感じです。
---
最後になりますが、このワークショップを支えてくれた東京大学大学院の中原研究室、山内研究室の大学院生諸氏、Educe Technologiesの坂本事務局長、そしてお忙しい中お越し頂いた中土井僚さんにこの場を借りて感謝いたします。本当にありがとうございました。
投稿者 jun : 2007年7月21日 08:20
夏学期のゼミが終わった!:カール=ベライターの夢
昨日、前期の大学院ゼミが終わりました。「納涼会」ということで、本郷で一献。非常に楽しい時間でした。
それにしても、早いよね、1学期がたつのって。さぁ、はじまったと思ったら、すぐにゴールデンウィーク。それが終わって、そろそろ油がのってきたな、と思ったら、もう終わりです。「ブレーキのないジェットコースター」に乗らされているような感覚でしょうか。
夏学期のゼミでは、トロント大学の研究者カール=ベライタのEducation and Mind in Knowledge ageという本を、みんなで読みました。
カール=ベライタといえば、教育心理をやっている人ならば、文章産出の研究者として有名ですし、僕のような領域だと、「ネットを使った協調学習」の草分けであるCSILEの開発者として有名な方です。「ザ・大御所」「御大」という感じですか。
で、この本なのですが、緻密な議論をするというより、カールが、教育界のいろんな人、いろんな言説に「吠えてまくっている」本です。
ベライタさんが今までやってきたことを背景にして、ポパーのワールド1、ワールド2、ワールド3の議論を参照しながら、デューイにかみつき、エングストロムにかみつく。で、「学校がどうなるべきか」を論じている。
通読した感想としては、正直にいうと、僕個人としてはついていけない部分も多い。教育工学の悲しい性なのかもしれませんが、どうしても「そうはいうけど、実現可能性を考えるとなぁ」という感覚を最後まで棄てきれませんでした。
「べき論」と同時に、「どうやって既存言説、対抗言説、既存組織の関係を組み替えたり、編み直したりして、それを実現するか」というところがやはり気になりました。「一本釣り」もいいけど、どう「寝技」で落とすか考えようよ、ということでしょうか・・・余計わからんな。
もちろん、ベライタの今の学者としての立ち位置と、この本を出した意味を考えると、「それを言っちゃおしまい」なのかもしれませんけれど。
でも、この人が実は背後に持っている感情は、何となくわかるような気がしました。深読みしすぎなのかもしれませんが(だから、僕は、国語が苦手だった)、それは、
「知識社会における学校の役割には期待しつつも、それを変革するプロセスが、学校や教育の内部論理によって進むことは期待できない」
という感覚なのかもしれないなと思いました。「期待しつつも、期待しない」というこのアンビバレンツな感情が、印象的です。ベライタさん、複雑だね、乙女だね。
---
来学期は、ガラッと変わって、「熟達化」の論文をガシガシと読みます。
なぜこの本を選んだかというと、本当にコンパクトにまとまっているんですよね、熟達化研究の知見が。
最初は、熟達化の有名な論文を30編くらい選んで、それをみんなで読もうと思った。「嗚呼、図書館いって集めなアカンな」、と思っていたら、もうハンドブックになって、まとまっていたんですね。で、これを選びました。
熟達化研究って、内容も僕はオモシロイと思うんだけど、方法論も学べると思うんですよね。質的にも迫るし、量的にも迫る。それがいいんでないの、と思った。内容だけでなく、そうした形式も学べるのではないか、と。
来学期のゼミは10月です。それまでどうやって、ゼミの皆さんに購読してもらうか、少し考えてみます。
今のところ、前期とのバランスを考えると「多読・要約読み」かな、と思っているのですけれど。レジュメのページ数を4pとかに決めて、全訳はしない。で、要点をまとめて報告し、最後にインプリケーションをまとめるみたいな感じかな。できれば1日2本くらい読みたいと思うのですけど、、、。
しばらく悩みます、、、モンモン。
投稿者 jun : 2007年7月20日 07:16
文献検索のキモとは何か?
山内先生が文献検索の方法について、おすすめのやり方を、ブログにお書きになっている。非常に参考になると思った。
魔法の文献検索
http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/2007/07/post_28.html
本学の大学院入試は、願書提出の時期をむかえている。研究計画の策定に苦労している人はいないだろうか。文献検索は研究計画策定時に必要なコア技術である。
上記に加えて、もうひとつおすすめの方法があるとすれば、それは、実際に、自分の足で図書館や本屋さんに出かけて、関連する書棚を眺めることである。あまりに愚直かもしれないが、これが結構きく。
あと僕がよくやるのが、最初の文献検索で何となく、「関連しそうな学術雑誌」がわかったら、その雑誌の5年分くらいのアブストラクトを図書館でパラパラと斜め読みしてみる、という方法である。
いずれにしても、予想外のキーワードを見つけたり、予想外の本に出会ったりして、より豊富なリソースにあたることができる、と思う。
結局、文献検索のキモは、デジタルとアナログをフルに使い倒す、ということなのかもしれないな、と思う。
投稿者 jun : 2007年7月18日 17:00
アルバイト、FD、安田講堂でのカンファレンスのこと
最近、オモシロイと思っていること。あるいは、密かにオモシロがって企画していること。
---
ひとつめの「オモシロがり」。
先日、来研したHさんに頂いた論文集の中で、下記の論文が興味をひいた。
見舘好隆(2007)顧客接点アルバイト経験が基礎力向上に与える影響について―日本マクドナルドに注目して―. Works review. Vol.2
http://www.works-i.com/flow/survey/download.html#140
本論文は、マクドナルドで働くアルバイト学生、フリーター諸氏が、どのような能力を、どのような契機で獲得したのか、を明らかにしたもの。マッコールの「Quantum leap experience=一皮むける」の概念を用いて、コンパクトにまとめている。
分析の結果、学生やフリーターは「建設的・創造的な討議」と「主体的行動」といった「能力」をアルバイトを通して向上させていた。この能力向上に寄与したイベントとは「同僚」と「顧客からの視線」が関係している・・・。
本論文のユニークなところは、通常は能力形成という文脈で論じられることが非常に少ないアルバイトを、その土俵に引き込んだこと。また、exective educationの方法論として開発されたマッコールの方法論を、そこに適応したところだろうか。
特に、マッコールの方法論は、あまり教育学においては利用されることが少ない。「これ、こんな風にも使えるんだ」と思った。
---
ふたつめ。
今、9月にある公開ワークショップの企画を密かに練っている。テーマはFD!(ファカルティディヴェロップメント)。
通常は、「授業のカイゼン」というコンテキストで語られるファカルティディヴェロップメントを、「様々な大学内メンバーによる教育価値の共創活動」と位置づけ直す、というお話である。
エティエンヌ=ウェンガーの提唱したコミュニティ・オブ・プラクティス(実践共同体)の概念を活用し、それにチャレンジしている。
FDは、今、「旬」である。大学学部、大学院とFD義務化の話が、教育行政では盛り上がっている。FDとは、そもそも何なのかをもう一度考え直す契機になれば、と思っている。
こちらの方は、CFP(Call for participation)ができあがり次第、またこの場で募集いたします。某大学からステキな方をお呼びいたします。
---
みっつめ。
9月には、実は、もうひとつ大イベントを企画している。キャッチコピーは、
安田講堂をジャックせよ!
9月7日 東京大学・安田講堂で、「ワークプレイスラーニング2007 - 変革するミドルを支援する」という700名規模のカンファレンスを開催します。
ワークプレイスラーニングとは、「研修と職場における仕事経験を連携させた学びの姿」。本カンファレンスでは、「変革するミドルの支援」をテーマにかかげ、研修と仕事経験を接合することをめざす人材育成事例とそれに付随する理論(組織学習理論、教育学理論)をご紹介したいと思います。
こちらのカンファレンスは、リクルートさん、日本能率協会さん、産業能率大学さん、ダイヤモンドさんのご協力を得まして、企画を進めてまいりました。アカデミズムからは、僕と産能大学の長岡先生が企画に参加しています。ようやく実現にこぎつけそうな予感です(笑)・・・。もう少しですね、もう少し。
こちらの方も、情報が確定次第、このblogでお知らせいたします。ぜったい、オモロイよ。ぜひ、今からスケジュール帳に書き入れておいてくださいね。
そして人生は続く・・・
---
追伸.
オモシロがるのはいいんだけど、最近、困っていることに、眠りが浅いってーのがあります。ちょっと前まで「快眠君」だったのに、あまりに早く起きてしまう。オレはニワトリか。まいったなぁ・・・。仕事が進むのはいいんだけど。
投稿者 jun : 2007年7月18日 05:13
うちの探検家
うちには「探険家」がいます。彼は、水曜スペシャルの川口浩隊長のように(古い・・・覚えている人いるだろうか?)、今日も、おうちのあちらこちらを「探険」しています。
そんな隊長の「ユニフォーム」の「おしり」の部分には・・・
彼のモットーが刻まれています。
「ほふくぜんしん」
今日も隊長は秘境を探しています。
投稿者 jun : 2007年7月17日 17:00
【残席残りわずか】東大教育の情報化シンポ・・・セカンドライフ、SNS、blog、iTunesU
1粒で2度おいしい
ではないですけれど、TREEワークショップ&シンポジウムは、かなり多くの「最先端」にふれられる一日になると思います。iTunesU、セカンドライフ、SNS、blog・・・大学生のメディア環境の「今」をかいま見ることができるでしょう。
駒場アクティブラーニングスタジオ教室
セカンドライフ
iTunesU
ワークショップは1の「スタジオ教室」の方が満員。学内公開のみのワークショップ2「著作権」は引き続き募集中です。シンポジウムは残席少なくなってきました。ぜひ、お早めにお申し込みください。
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TREEワークショップ&シンポジウム2007
- 大学生とメディアの"今"を探る -
2007年7月27日(金)東京大学駒場キャンパス
主催:東京大学 教育企画室
================================================
■趣旨
TREEプロジェクト (Todai Redesigning Educational
Environment:東京大学教育環境リデザインプロジェクト)
は、「ITを活用した東京大学の教育環境の改善」を目的と
する全学プロジェクトです。
教育企画室の企画のもと、各学部、研究科、教育部に
よって推進されています。
TREEプロジェクト
http://tree.ep.u-tokyo.ac.jp/
TREEプロジェクトでは、2005年のプロジェクト開始
以降、毎年シンポジウムを開催し、学内外から200名程
度の方々のご参加をいただいております。
今年は「大学生とメディアの"今"を探る」という統一
テーマのもと、
1)教育の情報化の最新動向
2)教育コンテンツの著作権処理、開発の実務
3)大学生のメディア利用の実態
などを扱うワークショップとシンポジウムを企画し
ました。
「大学生をとりまくメディア環境の発展のスピード」は、
教育の情報化の進展よりもずっと早く、いまや日進月歩
です。TREEワークショップ・シンポジウム2007
では、大学生を取り巻く教育メディア環境の「今」の実像
をあますところなくお伝えすることができると思います。
本ワークショップとシンポジウムは、大学において
教育情報環境の整備に従事なさっている方、教育の情
報化を推進している方、大学生をとりまくメディア環
境のトレンドについて知りたい方をメインターゲット
にしております。
入場は無料です。
ふるってご参加いただければ幸いです。
東京大学 教育企画室長 岡本和夫
東京大学 TREE会議議長 藤原毅夫
-----
■日時と場所
○7月27日(金曜日)10時 - 12時
【TREEワークショップ1】
・駒場アクティブラーニングスタジオワークショップ
・東京大学駒場キャンパス 17号館 2F
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/jpn/kyoyo/map.html
○7月27日(金曜日)10時 - 12時
【TREEワークショップ2】
・教育の情報化 著作権処理ワークショップ
・東京大学大学院 数理科学研究科 演習室(B1)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
※ワークショップ1と2は同時にパラレルで開催されます
※ワークショップ1はすでに締め切りました
○7月27日(金曜日)13時 - 17時
【TREEシンポジウム】
・「大学生とメディアの今をさぐる」
・東京大学大学院 数理科学研究科 大講義室(B1)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
-----
■参加費、および募集定員
参加費は無料です
懇親会は3000円を申し受けます
・TREEシンポジウム 学内・学外 250名
※ワークショップはメディアの取材はご遠慮下さい
※参加申し込みは一番下のフォームに必要事項を
お書きの上、tree_symposium@tree.ep.u-tokyo.ac.jp
まで7月15日までにご返送下さい
※ワークショップ1はすでに締め切りました
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■TREEワークショップ1の内容
「駒場アクティブラーニングスタジオワークショップ」
主催:東京大学 教育企画室
共催:東京大学 教養学部附属教養教育開発機構
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
マイクロソフト先進教育環境寄付研究部門
協力:東京大学大学院 情報学環
コーディネータ:望月俊男(大学総合教育研究センター)
山内祐平(情報学環)
サポーター:林一雅(教養学部附属教養教育開発機構)
○ご挨拶
浅島誠(東京大学 副学長理事)
○企画趣旨
(10:00-10:15)
○ラーニングスタジオ型教室の現在
(10:15-10:30)
○ワークショップ
(10:30-12:00)
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■TREEワークショップ2の内容
「教育の情報化と著作権ワークショップ」
主催:東京大学 教育企画室
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
TREEオフィス
共催:東京大学 産学連携本部
司会:西森年寿(大学総合教育研究センター)
サポーター:類家利直(大学総合教育研究センター)
○企画趣旨
(10:00-10:10)
○教育と著作権(レクチャーとディスカッション)
末吉亙(弁護士・東京大学 法科大学院 客員教授)
(10:10-11:10)
○東京大学における著作権処理の実際
山本恵美(教育企画室)
(11:10-11:30)
○東京大学におけるコンテンツ開発の実際
重田勝介(大学総合教育研究センター)
(11:30-11:50)
○全体質疑
(11:50-12:00)
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■TREEシンポジウムの内容
「大学生とメディアの今を探る」
主催:東京大学 教育企画室
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
TREEプロジェクトチーム
コーディネータ:中原淳(大学総合教育研究センター)
サポーター:神谷真紀(大学総合教育研究センター)
○ご挨拶
岡本和夫(大学総合教育研究センター)
(1:00-1:15)
○特別講演
清水康敬(独立行政法人メディア教育開発センター)
(1:15-2:05 : 質疑10分こみ)
○休憩
(2:05-2:15)
○仮想環境「セカンドライフ」に出現した教育環境
三淵啓自(デジタルハリウッド大学院大学)
(2:15-2:55 : 質疑10分こみ)
○iTunes U:携帯型音楽プレーヤを活用した教育リソースの配信
坂本憲志(アップルジャパン 教育プログラム推進)
(2:55-3:35)
○休憩
(3:35-3:45)
○日本社会の情報化の特徴と高等教育
木村忠正(東京大学大学院 総合文化研究科)
(3:45-4:25)
・・・大学生のSNS、blog利用調査などの側面から
○東大での取り組み1
知の構造化センター
松本洋一郎(東京大学大学院 工学系研究科)
(4:25-4:55)
○東大での取り組み2
TREEプロジェクト
藤原毅夫(大学総合教育研究センター)
(4:55-5:15)
○懇親会
司会:岡本和夫(大学総合教育研究センター)
(5:45-7:30)
〆申込書・ココカラ---------------------------------
TREEワークショップ&シンポジウム2007
参加申し込みフォーム
下記の必要事項をご記入のうえ、
tree_symposium@tree.ep.u-tokyo.ac.jpまで7月15日までに
メールください
氏名:
フリガナ:
ご所属 :
メールアドレス:
※参加希望のセッションを下記よりお選び下さい。
参加を希望しないセッションについては、削除
をお願いします。
なお、ワークショップ1と2はパラレルで同時に開催
されます。両方参加いただくことはできません。
どちらかを選んでください。
1.TREEワークショップ1 参加希望
「駒場アクティブラーニングスタジオワークショップ」
2.TREEワークショップ2<学内限定> 参加希望
「教育の情報化と著作権ワークショップ」
※ワークショップ2参加希望の方へ:
教育と著作権に関して、事前に
具体的な関心や質問についてコメントいただければ幸いです。
質問や関心:( )
3.TREEシンポジウム 参加希望
「大学生とメディアの今を探る」
4.TREE懇親会 参加希望
(懇親会参加は当日3000円を申し受けます)
〆申込書・ココマデ---------------------------------
*今回いただいた個人情報につきましては、TREEプロジェクトから
ご案内を差し上げる以外の目的で利用することは一切いたしません。
また、ご本人の同意なく、第三者に提供することはございません。
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投稿者 jun : 2007年7月17日 07:00
子連れ(親子)で行けるレストラン:表参道「真々庵・青山本店」
子ども連れで出かけることのできるレストラン
ファミレスを除くと、数が、そう多いわけではありません。特に本格的なレストランは、「子連れは遠慮」、というのがほとんどです。
でも、子どもを持ってみると、そういうレストランの存在がいかにありがたいものか、わかります。
日々、自宅で子育てに翻弄され、「自分の食べるもの」などは「二の次」になっている親にとって、たまには外食し、普段は食べられない手のかかった食事をしてみたい。それは、「ささやかな願い」なのです。
---
カミサン、TAKUと一緒に、表参道にある懐石「真々庵」にでかけました。ここは、赤ちゃん、障害をもった方々でも利用できるよう、施設が完全バリアフリー対応になっている珍しいレストランです。
真々庵
http://www.shinshinan.com/
エレベータ、個室、オムツ替えをする台、子ども用メニューを用意しています。これだけあれば、無敵です。
僕らが出かけたのはお昼のミニ懐石。メニューは下記でした。
先付
いちじくごまクリーム 花穂
白瓜かみなり干し
椀
かぼちゃすり流し
ほしオクラ
造
河岸あがり三種盛り
妻色々
焼物
福子塩焼き
たて酢
煮物
夏鴨ロース煮
なす
京揚げ
水菜
食事
鮎おこわ朴葉蒸
香の物
赤出汁
水物
シャーベット
すべておいしゅうございました。久しぶりだね、少しずつお皿がでてくるところで食事なんて。特に、お造り・烏賊の隠し包丁、煮物の鴨ロース、焼物には柏手でした。ブラボー、いいぞ。
値段は一名3800円。ランチで3800円はプチ贅沢ではありますが、一応懐石の基本をすべて食べて、この値段ならそう高くはないと思います。おすすめです。
---
食事は1時間半ほど(もし子どもがグズるようであれば、ペースを早めにだしてもらえます)。レストランを出て、表参道のナチュラルハウスで買い物。その後、渋谷の東京都児童会館に立ち寄ることにしました。
東京都児童会館
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/jidou/index.html
ここは子どもにとっては、パラダイスだね。いろんな遊具、おもちゃ、絵本なんかが、たくさんそろえてあります。しかも利用料は無料。この日も、本当にたくさんの親子連れが、遊んでいました。無料だもんね、無料。
でも、ここでの遊びは、少しTAKUには早かったかもしれませんね。いろいろ遊具はあるのですが、お座りができるようになってからくると、より楽しく遊べるなぁ、という感想を持ちました。また来よう。
---
てなわけで、連休は、久しぶりに家族で過ごすことができました。よかった、よかった。
---
追伸.
ちなみに、最近は、「子ども連れ」にターゲットをしぼった既存施設のリノベーションが増えているそうです。たとえば、かつて、ワカモノで賑わった代官山は、子ども連れ施設が増えているらしい。その当時、通りを歩いていたワカモノたちが、子どもをもつようになったそうです。
投稿者 jun : 2007年7月16日 19:57
南の血がさわぐ
自分の体には密かに「南国の血」が流れてんじゃないか?
たまにそう思うことがあります。というのは、常日頃から、やたらめったら「南国」に心惹かれるのです。
ハワイアンや沖縄民謡を聞くと血が騒ぐし、「南の島に移住したい人向けの雑誌」や「南の島のロングステイ関係の書籍」なんか時間を忘れて、何度も何度も読んでいます。
(下記雑誌は、僕の愛読雑誌)
沖縄スタイル
http://www.sideriver.com/ec/html/item/001/020/item19361.html
「そうか、南国では、朝起きたら、波の音をBGMに、コーヒーをダバダーと飲んで、新聞を読んじゃうのね」
なんて感じ。ポワワワワーンと妄想がふくらんでる。
理由はわかんないんだけど、とにかく「南の島で過ごす時間を増やしたい」と思っている。生活をすべて南国に移すのは難しいと思うので、ロングステイなどでいいから。
まぁ、もちろん難点がないわけではなくて、一番つらいのは、「金」がない(笑)。
「しこたま借金こさえて、何が南国だ、バカこくでねー」
っちゅう感じです。おお、オマエのことを忘れてたよ、住宅ローン(泣)。
まぁ、「金」に加えて「時間」もないけど、「時間」っつーのは、無理矢理つくるものです。でも、いかんせん、「金」がないのは、どうしょもない。どっかから降ってくるわけじゃないしね、、まぁ、これ言ったら、身も蓋もないけど。
もうひとつ困ったことは、「南国は虫がでかい」ということです。大の「虫嫌い」としては、困った。ゴキちゃんとか、めちゃくちゃでかいそうです。確かに、こないだいったら、ハエがでかかったわ。これはちょっとねー、難点ですね。
まぁ、しばらくは、おうちで「白昼夢」を見ていることにします。南の島の音楽を聴きながらね。
ポワワワワーン。
---
追伸.
下記おもしろかった記事。
スーパークレーマーはお断り
http://toshio.typepad.com/b3_annex/2007/07/sprintnextel.html
ある携帯電話会社が、1200人のスーパークレーマーのサービスを停止したという記事。
これら1200人がお客様相談窓口に電話してくる比率は、平均の40倍以上。でも、どうせ何をしたところで、満足度は上がらないと判断したらしい。
「スーパークレーマーに対応する企業のコストは、結局、ほかの一般顧客が間接的に負担している」という話が面白いなぁと思った。
世の中、「困ったちゃん」は一定数いる。さらに市場化が進めば、消費者の欲求は過剰に肥大化する。通常は、その「欲求」を何とかかんとか「やりすごす」方法を考えるんだろうけど、もっともドラスティックな対応がこれだろう。
さぁ、どうするスーパークレーマー。訴訟かな?
投稿者 jun : 2007年7月16日 07:16
大学を囲い込め!
マイクロソフトとGoogleが、無料Webサービスを大学に提供し始めているそうです。先日、ある先生に教えてもらいました。
マイクロソフトとGoogle
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070709AT1D0503Y06072007.html
直接対決ですね。
投稿者 jun : 2007年7月15日 11:18
松尾睦著「内部競争のマネジメント」とピエール=マルコリーニ
仕事の中でつちかったノウハウや経験を通して、自分の業績をあげ、目標を達成する。自分以外はすべてライバル。通常、営業現場においては、内部競争が激烈になる。
常識的に考えれば、内部競争が激しくなればなるほど、組織内部の知識の共有、知識の創造は進まない。
なぜか?
せっかく蓄積した自分のノウハウや知識を、誰が好きこのんで、ライバルの他人に公開するだろうか。そんなことは、自分のアタマで考えな、である。そりゃ、そうだと考えてしまう。
しかし、皮肉なことに、営業現場とは、知識創造や知識共有をもっとも必要とする現場である。かつての「ご用きき」的営業は、なりをひそめ、新しい知識、新しいサービスを、ソリューションとして提案することに、営業のスタイルがシフトしている。
それでは、この矛盾をいかに解消するか?
---
松尾睦先生の著書「内部競争のマネジメント」を読んだ。理路整然とひとつひとつ論を積み重ねていくスタイルは、近著「経験からの学習」同様、非常に読みやすかったし、大変勉強になった。
同著は、松尾先生の博士論文をもとにしたものであるそうだが、博士論文の書き方を勉強する意味でも、非常に参考になると思った。
---
追伸.
お隣さんのCさんが、お子さんを連れて夫妻で、うちに遊びにきた。外は台風でとんでもない天気だけれども、大変楽しい時間だった。
下記はCさんが持ってきてくれたアイスクリーム。
僕は不勉強であったので知らなかったけれども、グラシエ(アイスクリーム職人)のピエール=マルコリーニのものだそうだ。銀座にお店があるらしい。
この日はアーモンドミルクとチョコレートを食べたけれども、クリームの濃厚さには驚いた。でも、濃厚でいて、あとで水を飲みたくなるような甘ったるさはなかった。ブラボー。空気を混ぜながら食べるというスタイルもおもしろい。ねっとりとした感じでよかった。
Cさん、ありがとう。
投稿者 jun : 2007年7月15日 08:18
日経 人事・就職フォーラム
日本経済新聞社 人事・就職フォーラムというイベントに、パネリストとして参加した。
大手町の日経ホールには、足下の悪い中、400名の参加者があったという。内訳は、300名の企業関係者、100名の大学関係者だった。
「失われた10年」「就職氷河期」といわれた頃は、この比率が逆転していたというのだから、いかに現在の状況が「採用バブル」なのかがわかる。
パネリストの一人、某大学のキャリアセンター長の方のお話が、とても印象的だった。
「キャリアセンターに相談にきた、ある男子学生がこう言うんです。企業が僕を選ぶんじゃない。僕が企業を選ぶんだ」
失われた10年世代、またの名を貧乏くじ世代の僕としては、信じられませんね・・・。わずか数年前までの、就職の苦労は何だったんだ?
---
僕のパネリストとしての仕事は無事に過ぎた。話の展開がやや強引すぎたかもしれないが、そこはお許しいただくとして。
それにしても、パネル、無事過ぎてよかった、よかった。いや、話をするのが苦手とかそういうのじゃなくて。
僕、実は、パネリストとして登壇するとき、いつも緊張するのです。想像を絶するくらい「お手洗いが近い」ので、いつも1時間半から2時間耐えられるかなぁ、と気が気じゃないんですね。
パネルの場合、まさか途中で壇を降りるわけにもいかないしね。「生き恥をさらすような最悪の事態」だけはごめんこうむりたいしね。
昨日は、お昼前から水を飲まずに我慢して、無事尿意もよおさず終了。はぁ、よかった、よかった。
---
最後になるが(なんちゅう話の展開だ)、日本経済新聞社の山野さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。大変気持ちよく仕事をすることができましたし、勉強になりました。
投稿者 jun : 2007年7月14日 08:53
WISEの意義
昨日の大学院授業「デジタル教材設計論」では、CSCLの代表格のひとつ「WISE : Web based Inquiry Science Environment」を扱いました。
WISEとは、一言でいうと、「オーサリング機能付きのWeb科学教育カリキュラムシステム」。
教師は「身近にある素材を使ってできる科学実験」を中心としたカリキュラムを、簡単にWeb上につくることができる。子どもたちは、そのカリキュラムに従って、協調学習することができる、というものです。
WISEで目指されているのは、Knowledge Integration、つまりは「様々な既存の知識を一貫して説明することができるようになる」ということです。実験を通して得た様々な知識を持ち寄って、最後には、大きなコンセプトを自分のアタマの中につくることが求められている。
これだけ聞いてしまうと、「ふーん、あっそ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、WISEが開発されたのは、Web2.0という言葉も、ブロードバンドという言葉もなかった頃です。その頃から多くの学校で使われ、ものすごい量のデータを蓄積している。本当にスゴイプロジェクトです。
---
授業では、45分のプレゼンテーションのあと、いつものように、ディスカッションをします。授業の最後には、「そのとき扱った教材のインパクト」について僕がラップアップをするのですが、今回は結構悩んだ。
WISEがもたらしたインパクトはひじょーに多い。どれが一番なんだろう、と考えた。結局、わかんなくなって、授業では思いつくかぎりのすべてを喋っちゃったけど(笑)。
でも、今になってふと考え直してみると、教育学的に一番大きかったのは(学習科学的にではない)、「WISEを利用する教師のコミュニティをつくったこと」そして、そこに適宜、科学者を参加させ、「学校と学校外のつながりの中でカリキュラム構築をめざすこと」をプロジェクトの中で保証したことかな、と思います。
ともすれば、学習科学者に閉じた心理学的言説が支配的なCSCL研究で、この点は異色だったのかも知れない、と思いました。
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次回のデジタル教材設計論は、「脳イメージング」、次は「企業人材育成」そして「セカンドライフ」、、、最新のトピックが続きます。
感動(!?)のフィナーレへカウントダウン?
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追伸.
最近、スパムが非常に多くて困っています。コメント機能、トラックバックの機能を停止します。はぁ。
投稿者 jun : 2007年7月13日 07:12
勘弁してくれ
幼い頃の僕は、他人によく「女の子みたいだねー」と言われたそうです。
それもそのはず。昔の自分のアルバムをめくると、白いタイツをはいていたり、スカートをはいていたり、髪の毛をしばっていたり・・・。幼い頃は顔が童顔だったこともあって、どこから見ても、女の子です。
そんなただでさえ、女の子に間違えられそうなワタクシメに、さらに女の子チックな服をきさせたのは、ハッキリ言って、母親の趣味。本人としては、アルバムを見るたびに、勘弁してくれ、と思ってしまいますけれど(笑)。
それから30年・・・またひとり「犠牲者」が生まれました。我が息子、TAKUです。たまに、「フリフリ」を着せられたり、お花をアタマにつけられたりして、写真を撮られています。もちろん、僕じゃない、カミサンの趣味。
30年後、この子もきっと自分のブログでボヤクでしょう。
勘弁してくれ
投稿者 jun : 2007年7月13日 06:37
仕事のやりがい
拙編著「企業内人材育成入門」をお読みいただいた方々に、いろいろなところでお会いすることがある。
「参考になりました」
「ここの部分の解説を、もう少し増やして欲しかった」
「ちょっと説明が浅すぎる」
頂くご意見は様々であるが、どの意見も真摯に受け止めて、次に活かそうと思っている。
たまーにであるが、こんな話を聞くことがある。
「この本を読んで、少し研修体系を見直して、○○の部分を改善してみました」
「ワークプレイスラーニングの考え方を、来年度からは導入することにしました」
こんなときは、自分の仕事に最も「やりがい」を感じる。自分たちが生み出した知的生産物がきっかけになって、教育の現場にほんの少しでも「変革」がもたらされるのなら、そして、その「変革」に間接的にでも貢献することができるのなら、これほど嬉しいことはない。
次はどんな本を書こうか。そして、そこにどんな主張を込めようか。それを考えると、眠気も覚めるから不思議である。
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あなたの会社に、人を育てる科学はありますか?
中原・荒木・北村・長岡・橋本著「企業内人材育成入門」、ダイアモンド社より、好評発売中です! ぜひ、ご一読いただければ幸いです。
投稿者 jun : 2007年7月12日 11:17
僕のおすすめお寿司屋さん「蛇の健寿司」(渋谷)
いつもお邪魔している渋谷「蛇の健寿司」で、今日も食らう。
蛇の健寿司
東京都渋谷区道玄坂1-20-4
TEL:03-3461-4288
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この日は初秋刀魚が入荷。
刺身でいただく。あぶらがのって、美味。
夏の風物詩、シンコも入荷。
これだけ下ごしらえするのに、1時間半かかったとか。ご主人の健さん、ありがとうございます。
こちらは寿司。三枚付けで。当然ながら、旨い。
その他の、この日のおすすめは、あじ、めじまぐろのトロ、富山のしろえび。
どれもため息がでるほどの美味しさです。
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この日は、ビール×3、日本酒×1と、さらにたらふく食べて、8500円くらいでした。銀座で同じものを食べれば、数万はかたいと思います。ミシュランのお店も、そうでない店も、寿司屋はかなり食べ歩いている方だと思うけど、蛇の健さんよりもおいしく、安いところはありません。
健さん、おかみさん、ありがとうございました。
また来ます。
投稿者 jun : 2007年7月11日 14:40
パワーポイントを使ったプレゼンテーションは、何を見失いやすいか?
先日、産業技術研究所の栗原先生、MEETの西森先生、望月先生、山内先生らとリサーチミーティングをもった。来年度、本格的に実施するプロジェクトのブレインストーミングである。
ディスカッションの内容は、これまで栗原先生が開発なさってきたプレゼンテーションソフトウェアに、どのような機能を追加すれば、さらに教育現場に役立つものになるだろうか、ということであった。とても興味深い数時間だった。
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仕事柄、僕はプレゼンテーションをする機会は本当に多い。毎日のように、パワーポイントでスライドをつくり、人前で話している。そういえば、先日、ある人にこんなことを言われた。
「会社員と比べて大学教員は、エクセルは下手な人が多い。でも、なぜかパワーポイントはできる」
まぁ、このことは人によるけれど、少なくとも僕は、この「典型的パターン」を代表する一人であることに間違いない。ちなみに、たまにエクセルでワードのような書類をつくる人を見かける! その巧みなワザには感歎の声をもらさずにはいられない。僕がエクセルを唯一使うのは、統計をやる前にデータの前処理をするときくらいなものだ。
閑話休題。
とにかく・・・であるからして、プレゼンテーションには、人並みならぬ「思い」がある。プレゼンテーションの出来、不出来は大変気になることのひとつである。
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思うに、パワーポイントを使ったプレゼンテーションで最も気をつけなければならないことは、「聴衆は、発表を聞いているうちに、プレゼンテーションの全体構造を見失う」ということだと思う。
たとえば、今、あなたが、パワーポイントを使ってコンセプトAを説明するとしよう。コンセプトAには、4つの下位構成要件W,X,Y、Zが存在するとする。
こうした場合、一般に、あなたは、まずコンセプトAが、4つの下位構成要件W、X、Y、Zから構成されることをスライドで述べる。
その後、それぞれの下位構成要件W,X,Y、Zのそれぞれの詳細な説明をスライド数枚を使って行うだろう。Wの説明にスライド5枚、Xの説明に8枚、Yの説明には4枚、Zの説明には6枚といった具合である。そして、このとき、よく問題が起こる。
「コンセプトAの4つの構成要件のうち、今話している内容が、どの構成要件についてなのか」
「そもそも、今話している内容がコンセプトAとどのような関係にあるのか。そもそもなぜ説明される必要があるのか」
についてわからなくなってしまうのである。
こうした内容について、しっかりと「メタ認知」していない限り、プレゼンターの発話内容について、構造を見失ってしまいがちなのだ。
「あれっ、今、Yを話しているんだっけ? あれ、そもそもなんで、Yについて話しているんだっけ・・・あっそうか、コンセプトAについての説明なんだ・・・・、そうか、コンセプトAには4つ重要な点があるんだった」
という感じである。
まだコンセプトが1つであるならば問題は起こらないかも知れない。紹介するコンセプトがAのみならず、B、C、Dと増えてきた場合は、さらに混乱がます。90分の講演や授業であるならば、たいてい、紹介するコンセプトは1つではすまなくなるだろう。こうした事態は頻繁に起こる。
これを避けるためには、パワーポイントの各所に「プレゼンテーションの全体構造を示すスライド」を何枚も挟むか、あるいは、口頭で繰り返し、「今、自分が何についてしゃべっているか」「どういう流れで話しているか」を説明することが必要になる。
具体的には、
A-W
-X
-Y
-Z
というような関係を明示するようなプレゼンテーションを、何枚も挟んでいくか、
「今、コンセプトAについて話してますよね。で、Aを構成する2番目のXが終わりました。つぎはYですね、いいですか」
という感じに(ちょっとオーバーだけど)、聴衆に全体の流れをひとつひとつ確認していくことである。
なぜこうしたことが起こるかというと、「パワーポイントは紙芝居型の、単線のスライド展開をする」からであり、かつ、「スライドの描画領域がそれほど多くない」からである。それは非常にパワフルなツールであるけれど、全体構造を「併置」して聴衆に提示することが難しい。
黒板だったら、左はしあたりに、構成図を書いておいて、残りの盤面で、それぞれの説明ができるんだけど、そういうことはパワーポイントでは難しい。
常に全体構造を意識させつつ、つまりは、スライドを俯瞰的に見ることを可能にしつつ、スライドを送ることができれば、こうした問題は起こらないのであるが・・・。
---
プレゼンテーションを終え、聴衆と会話しているとき、僕は、たまに愕然とすることがある。
一生懸命にスライドをつくりこみ、シナリオをつくり、プレゼンテーションしても、聴衆は自分が話したかった内容の5分の1くらいしか理解してくれてはいない。あるいは、話している内容の構造を見失っておられる。そうした深刻な事態が、会話の中から推察されるときがある。
こうした事態は、ひとえに僕の話力不足、能力不足であり、反省至極である。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
しかし、何とかして、プレゼンテーションの内容理解を支援するテクノロジのあり方を模索することはできないのだろうか。
プレゼンテーションのことになると、なぜか熱が入る。
投稿者 jun : 2007年7月11日 08:34
組織学習のレビュー論文
先日、「組織と学習がわからん」とボヤいていましたが(ひとえに小生の勉強不足!、スミマセン・・・)、今日、図書館で借りてきた下記のレビュー論文、書籍が非常に参考になりました。下記自分メモ。
安藤史江(2000) 組織学習論における3系統の比較. 南山経営研究.Vol.14 No.3 (2000/03) (通号 41) pp.413-424
安藤史江(1999) 組織学習論の現状の位置付け. 南山経営研究. Vol.14, No.1・2 (1999/09) (通号 40) pp. 53~65
安藤史江(2000) 組織学習と組織内地図. 白桃書房, 東京
3番目の書籍は、安藤先生の東京大学経済学部の博士論文だそうです。これを「海図」に組織学習の世界を堪能したいと思います。それにしても、なかなか、この世界もディープだなぁ。
---
追伸.
Dさんに下記の文献も教えていただきました。ありがとうございました。
Huysman, M. (2000). Rethinking Organizational Learning: Analyzing Learning Processes of Information System Designers. Accounting,Management and Information Technology. Vol.10, pp.81-99.
投稿者 jun : 2007年7月10日 19:54
毎日広がる「世界」
TAKUの行動範囲、行動のバリエーションがどんどんと広がっています。
今まではリビングの真ん中で遊んでいるだけだったのに、リビングを抜け出し、ダイニングテーブルのところにハイハイしてきたり。枕もとのおもちゃ入れに自分で手をつっこんでおもちゃを物色したり。
「よく動くようになったこと」は親としては嬉しいのです。が、同時に、目が離せなくなってきたので、結構大変です。
毎日のように「世界」が広がっているんだねー。
投稿者 jun : 2007年7月10日 15:39
OCWの次に来る未来:オープンエデュケーションというムーヴメント
オープンエデュケーション(Open Education)
オープンエデュケーションリソーシーズ(Open Education Resources)
というコンセプトが近年主張されはじめてきています。
教材を無償で公開しよう!
教材をオープンソース化しよう!
というムーヴメントです。
BEATでは、マサチューセッツ工科大学、カーネギ財団から講師をお招きし、これに関するシンポジウムを開催することにしました。
えっ、OCWの次に来るもの??・・・その地平には、どんな「未来」が待ちかまえているでしょうか?
入場は無料。お申し込みは下記のWebサイトからお願いします。
お申し込みはこちらから!
http://www.beatiii.jp/seminar/?rf=bt_m003
===============================================
公開シンポジウム「BEAT Seminar」
「Education 2.0
オープンエデュケーションが切り開く未来
OCWの次にくるもの-」
8月25日・東京大学 入場無料
===============================================
2007年度第2回となる8月のBEAT公開シンポジウムは、
「オープンエデュケーションが切り開く未来
-Education 2.0:OCWの次にくるもの-」
というテーマで開催します。
インターネットとマルチメディアテクノロジーの普及
によって、教育テクノロジーや教材の公開が推進され
ています。しかし、これらの教育資産のオープン化が、
グローバルな「教育的な知識や経験の共有と蓄積」や
ローカルな「教えと学びの質的な改善やイノベーション」
に真に寄与するためには、「私たち一人一人が、自由に
教え合い、学び合うことを支援する新たな知的環境」の
構築が不可欠です。
今回のBEAT Seminarでは、世界的な広がりをみせるオー
プンエデュケーション・ムーブメントを様々な視点から
検証し、「テクノロジーが教育の文化やシステムの変革
をどのように促進できるか」という可能性を探ります。
次回 BEAT Seminar は、日程が8月25日(土)に変更にな
りました。お間違いのないよう、また沢山のご来場をお
待ちしております。
お申し込みはこちらから!
http://www.beatiii.jp/seminar/?rf=bt_m003
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■テーマ
「オープンエデュケーションが切り開く未来
―Education 2.0:OCWの次にくるもの―」
■主催
東京大学大学院情報学環
ベネッセ先端教育技術学講座
■日時
2007年8月25日(土)午後2時より午後5時まで
(9月1日から変更となりました)
■場所
東京大学 本郷キャンパス 理学部1号館内
小柴ホール
(アクセスマップ準備中)
■定員
170名(お早めにお申し込みください)
■参加方法
参加希望の方は、BEAT Webサイトにて、ご登録を
お願いいたします。
お申し込みはこちらから!
http://www.beatiii.jp/seminar/?rf=bt_m003
■参加費
無料
■内容
1. 趣旨説明 14:00-14:10
BEATフェロー 中原 淳
2. 講演 14:10-16:10(休憩適宜含む)
●開化する教育・進化する教育・深化する教育
飯吉 透
(BEAT客員教授/カーネギー財団 知識メディア研究所 )
●教育におけるオープン・イノベーション:
大学改革からナショナル・インターナショナル
な教育開発まで
Dr. Vijay Kumar
(Director, マサチューセッツ工科大学)
●日本の教育システムにおける諸課題と
オープンエデュケーションが提起するもの
山内 祐平(BEAT併任准教授/東京大学)
3. フロアディスカッション 16:10-16:30
4. パネルディスカッション 16:30-17:00
「Education 2.0」
司会: 中原 淳
パネラー 飯吉 透・Vijay Kumar・山内 祐平
===============================================
投稿者 jun : 2007年7月10日 08:26
研究計画の書き方
山内先生の研究室blogに、研究計画書の書き方に関するエントリーがありました。激しく同感です。
エッセイ 人をうならせる研究計画書
http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/2007/07/post_26.html
今までやられてきたことがキチンと述べられており、
その上で
自分のアイデアがある
そのアイデアが「ふってわいたような」ものではなくて
予算、期限、自分のスキルをいかして
実現できるものであること
これができれば、研究計画書としては完璧ですね。山内先生がおっしゃるようにひとつのキーは、「先行研究の読み込み」にあると思います。
それに加えて、もうひとつのキーは、「研究経験のある他者に協力してもらって、必ず見てもらうこと」だと思います。あるいは、もし可能だったら、全くの専門外の人に見てもらうのもいいです。
これらのこと、面倒くさいのか、意外にやっている人は少ないですが、非常に効果的な方法です。
研究経験のある人にコメントをもらうことが役に立つことは言うまでもありません。が、同時に専門外の人に話して、やりたいことがわかってもらえないようだったら(同意してもらう必要は必ずしもない)、それはたいがい、あまりよいアイデアではないものです。そんな風にして、研究計画をブラッシュアップするとよいのではないでしょうか。
かくいう自分も、ステキな研究計画を書きたいと思います。
投稿者 jun : 2007年7月 9日 21:20
学校の「ウチ」と「ソト」
以前読んだ論文にこんなものがあった。かなり前のことになるので、内容は「うろおぼえ」だけど、確か下記のようなことが書かれていたように思う。
---
1.教師の社会関係資本として「学校内部の社会関係資本」と「学校外部との社会関係資本」を定義し、それに基づいて都市の88校において社会調査を実施した(アメリカの話です)。
2.「学校内部の社会関係資本」と「学校外部との社会関係資本」と「生徒の学業成績(数学テスト、読解力テスト)」との関係を調べると、重回帰分析の結果、そこにそれぞれ因果関係が認められた。
3.この因果関係のあいだには、「教師の授業クオリティ」が媒介していることが示唆された(一部は検証された)。
要するに
・学校内部で、教師同士の人のつながりが密接であればあるほど、教師の授業クオリティがよくなる傾向があり、結果として子どもの成績はよくなりまっせー
・学校外部と学校内部との接続が密接であるほど、教師の授業クオリティはよくなり、子どもの成績はいいんだよ
ということだろうか。
---
この論文、細かいことを言うと、「学校外部との社会関係資本の指標」、「因果関係の説明」などに問題がないわけではない。また、組織内部の社会関係資本が、その組織のパフォーマンスと相関があることは自明でもある。
しかし、それでも「教師の社会関係資本」と「学校の組織パフォーマンス=生徒の学業成績」の関係を調べるというアイデアは、非常にオモシロイ発想だと思った。
特に卓越しているのは、「学校外部と学校との接続性」を調査射程に入れたところだろうか。これは大変興味深い。
---
そういえば、先日、ある大学院生さんと話していて、彼が漏らした一言が、とても印象深かった。
近年の文献では、学校が外部世界と接続して改革をなしとげる、というモデルは、もう誰でも指摘していることですよね。(教育学者の)Aさんも、Bさんも、皆、同じように「学校外との接続が重要だ」と言っていますよ。でも、誰もが指摘していないのは、「どう接続して、どういう結果をだすか」です。問題はそこなのです。
こちらの方も、卓越した指摘である。
---
学校が、外部世界にどのようなリクエストをだし、どのようなアライアンスを取り結んでいけるのか。
社会は、学校に矢継ぎ早に変革を求めるだけでなく、どのような貢献ができるのか?
今、問題になっているのは、そういうことなんだろう、と思う。
投稿者 jun : 2007年7月 9日 07:45
「組織学習」と「学習する組織」?
ある先生から、「組織学習(Organizational learning)について講義を考えて、シラバスをつくって欲しい」というお題をいただきました。やったことのない領域ではありますが、関係は大ありなので、謹んでお引き受けすることにしたのですが、うーん、なかなか大変。
時間が空いたときを見計らって、少しずつ文献を読んで選定しているのですが、どうも、読めばよむほど、だんだんとわからなくなってしまいました。で、シラバスがごちゃごちゃになってる。
「組織学習って何だろ?」
よもや、組織が、ねじり鉢巻きで、鉛筆を舐めナメ勉強するわけじゃないですから(笑)。なかなかわかりにくい概念です。
---
組織学習は、教科書風にいうと、こういうことだと僕は理解しています。そのスジの専門家に聞かれたら、「裏拳」で首筋にチョップをお見舞いされそうな「オレ流理解」ですが、こんな感じ。
1.外部環境が急速にバンバン変わって、予測が不能な状況の中で経営を行っている組織Aがある。「ひょえー、この荒波、どないせーっちゅうねん」って感じ。
2.組織Aのような状況では、「中央」が戦略や計画を策定して、それを着実に組織として実行するような「計画的コントロール」が難しい。
3.ゆえに、組織Aは、環境に応じて常に変化せざるをえない宿命を負ってしまってる。「変化こそが戦略」。ハムレット風に喩えるならば「Change, or not to change, That is the problem」って感じ。Changeするしかない。
4.組織Aの構成員(メンバー)は、個人として、仕事や経験、他者とのコミュニケーションを通じて学んでおり、新たな事業や新たな戦略を生み出している。
5.3が集合知として組織Aにおいて共有されるとき、組織Aは、外部環境に適応できるような「常に変わり続ける組織」でいられる。
6.1から5のような内部インタラクション、外部インタラクションを総括する現象を「組織学習」とよぶ
うーん。
似た言葉に「学習する組織」ってのもありますが、僕の理解が正しければ、学習する組織は、「組織学習」の一類型で、MITの研究者ピーター=センゲによって提唱されたものですね。彼によると、学習する組織とは、
「人々が継続的にその能力を拡張し、望むものを創造したり、新しい考え方やより普遍的な考え方を育てたり、人々が互いに学びあうような場」
だそうです。
---
いや、字面の定義は知っているのです。でも、まず、それが具体的にイメージできない。具体的にどういう光景が見られたら、「学習する組織」「組織学習」って考えていいんだろう。
あと気になるのは、「実践共同体理論」「アクターネットワーク理論」「熟達化理論」など、関連する理論体系があるように思うんだけど、それらとの違い、共通点を僕が整理できていない。だから、何となくオボロゲな理解になってしまっているのです。これではダメですね。
いろいろ調べてみたら、大学の経済学部に文献があるようです。ちょっと週明けに行ってみようと思いますけど。
うーん、うーん、どういう授業しようかな。
モンモンとした週末。
投稿者 jun : 2007年7月 8日 10:20
手離れの悪い世界の中心で
最近僕が覚えた「大人語」に「手離れがよい、悪い」というのがあります。世間では「アタリマエダのクラッカー的用語」なのかもしれませんが(死語)、アカデミズムの現場では全く用いられません。僕には、この言葉が、とても新鮮に聞こえました。
一般に「手離れが良い」とは、「売ってしまえばそれまでよ」的なビジネス、いわゆる「売り切り」のことを言うようです。
逆に「手離れが悪い」とは、売ったあとでも、いろいろとアフターケアやフォローアップ、メンテナンスが必要になる。いつまでたっても手がかかるけれど、それに対する対価はあまり期待できない場合をさすようです。
常識的に言えば、一般にビジネススクールなどでは「手離れのよいビジネスモデル」をつくるべきだ、と教えられるそうです。
正しくいいますと、「手離れの悪さで稼ぐビジネスモデル」というのもないわけではないですが、常識的には前者をめざすべきだと。手離れの悪さは、一般には敬遠されるもののようです。
---
しかし、これをふまえて考えるに、実に「教育」とは「手離れの悪い世界」ではないかと思ってしまいます。教育においては「はい、さっき教えたでしょ、だからわかっているハズでしょ」的なノリは、どうしても通用しません。人はそんなに簡単に「わからない」し、そんなに安易に「学べません」。手をかえ、品をかえ、「学習効果」を向上させるために四苦八苦するのが教育ではないでしょうか。
しかし、同時に思うのです。このことは「手離れの悪さ」を「是認してよい」「安住してよい」ということにはならないのではないか、と個人的には思います。できるのだったら「より効果的な手法」を考えたいし、できるのだったら「普及」もめざしたいなぁ、と。
手離れの悪い世界の中心で、「手離れのよさ」を夢見る
そんなノリなんです、そんなノリ。
投稿者 jun : 2007年7月 7日 10:06
NetCommonsユーザカンファレンス2007
国立情報学研究所の新井先生から「NetCommonsユーザーカンファレンス」のご案内をいただきました。教育用コンテンツマネジメントシステム(CMS)であるNetCommonsは、既に1000の団体において採用されているそうです。ふるってご参加下さい。
==============================================
文部科学省委託事業
NetCommonsユーザカンファレンス2007のご案内
==============================================
◆開催日
平成19年度8月8日(水) 10:00~17:00
◆主 催
情報・システム研究機構 国立情報学研究所
◆後 援(*は申請中・6月14日現在)
茨城県教育委員会
伊勢原市教育委員会*
神奈川県教育委員会*
川崎市教育委員会*
群馬県教育委員会
埼玉県教育委員会*
静岡県教育委員会*
千葉県教育委員会
千葉県総合教育センター*
千葉市教育委員会*
栃木県教育委員会
東京都教育委員会*
宮城県教育委員会*
横浜市教育委員会
山形県教育委員会
◆会 場
一橋記念講堂ほか(学術総合センタービル内)
〒101-8430
東京都千代田区一ツ橋2-1-2
TEL 03(4212)2000(代表)
◆趣 旨
初等中等教育の学習・教務・校務等の学校現場の
あらゆる場面に役立つマルチプラットフォームの推
進は、IT新改革戦略、学校教育情報化推進総合プ
ランにおいて重要な目標となっています。NetCommons
は、このプラットフォームの候補の1つとして、すで
に全国約1000の教育機関に導入されており、効
果的な指導実践事例等の情報が蓄積されつつあ
ります。これらの情報を共有し、NetCommonsを活
用した効果的な指導手法・学校情報の電子化等に
ついて研究すること等を促進するため、導入校によ
るパネルディスカッションおよび成果発表会を行います。
なお、今年度のNetCommonsユーザカンファレンス2007
は、教育の情報化に関して先導的・効果的かつ実践的
な調査研究を行うために文部科学省が平成19年度より
実施している「先導的教育情報化プログラム」の採択事
業の一環として開催されます。
◆対 象
教職員・指導主事・NPO・企業・一般
◆定 員
300名
(申し込み受付は公式サイトよりお願いします)
(参加費無料)
公式サイト:http://www.netcommons.org/
◆プログラム(敬称略・50音順)
10:00~10:15 オープニング
10:15~10:35 坂中 靖志
(文部科学省初等中等教育局
参事官付情報教育調整官)
10:35~10:55 新井 紀子(国立情報学研究所 教授)
10:55~12:30 ベストプラクティス紹介
とパネルディスカッション
『教育の情報化・校務の情報化・情報提供の
電子化を実現するワンストップサービスシステムとは』
パネリスト
新井 紀子 (国立情報学研究所 教授)
大橋 真也 (千葉県立東葛飾高等学校 教諭)
加藤 誠 (北海道札幌稲北高等学校 情報科教諭)
小久保 武司 (柏市立高柳中学校 教頭)
水嶋 裕樹 (越前市武生西小学校 教諭)
コーディネータ
渡邊 茂通
(千葉県教育庁教育振興部教職員課管理室 主幹)
12:30~13:30 午前の部終了・休憩(昼食)
13:30~16:30 分科会(15:00~15:15 休憩)
第1会場 分科会
(対象:小・中学校・特別支援学校・教育センター等関係者)
①伊勢原市教育センター ②静岡県立御殿場養護学校
③吉田町立吉田中学校(静岡県) ④千葉県総合教育センター
⑤みやぎ先生ひろば(宮城県教育研修センター)
第2会場 分科会
(対象:高等学校・高等専門学校・専門学校・大学等関係者)
①ICU-国際基督教大学 ②高知工業高等専門学校
③千葉県立茂原高等学校 ④日本電子専門学校
⑤茗溪学園中学校・高等学校(茨城県)
第3会場 分科会
(対象:NPO・NGO等関係者)
①JICA-国際協力機構
②SLiiiC-学校図書館支援を目的とした団体
③NPO法人矢島フォーラム
第4会場
パネルディスカッション(対象:ICT企業・NPO等関係者)
①株式会社イーサー ②NPO法人学習開発研究所
③NTTアドバンステクノロジ株式会社
第5会場 NetCommons実習
①ソースコード解析講座
②初心者向け操作実習講座
16:30~17:00
クロージングセッション NetCommons2.0のお披露目
◆その他
本件に関するお問い合わせは、カンファレンス事務局
にお願いします。
(株)エデュケーションデザインラボ
NetCommons担当 平塚・佐々木
TEL・FAX:029-851-8380
E-Mail:userconf@netcommons.org
==============================================
投稿者 jun : 2007年7月 7日 09:53
自ら助くるものを助く:エドガーシャイン「プロセスコンサルテーション」
自ら助くるものを助く
(みずからたすくるものをたすく)
かつて、僕がまだ大学生だった頃、ある臨床の先生がこんな言葉を教えてくれました
臨床の現場で、外側から他人にできることとは、「自らを助けよう、変えようとする人間を後押しすること」くらいである、と。かの臨床の先生は、静かにそう断言なさいました。
---
組織文化、キャリア論の研究者エドガー・シャインの著書に「プロセスコンサルテーション」という名著があります。この本は「コンサルテーションとは如何になされるべきか」ということを考える上で、大変参考になる一冊です。
シャインによれば、「プロセスコンサルテーション」とは、
「クライアントとの関係を築くこと。それによって、クライアントは自身の内部や外部環境において生じている出来事のプロセスに気づき、理解し、それに従った行動ができるようになること」
です。
一般に、コンサルテーションとは、有能な専門家がクライアントに対して「こうすればいい」「絶対にこうするべき」といった「処方箋」をだしたり、絶対的な基準に照らして「点検」を行う行為として捉えられている。シャインは、こうした「コンサルテーション像」に「異」をとなえ、反省を迫ったのですね。
プロセスコンサルテーションには、下記のような「強烈な哲学」があります。
---
人にできるのは、人間システムが自らを助けようとするのを支援することだけだ。
コンサルタントというものは、問題を解決するために、組織のメンバーはこれこれをなすべきである、と具体的に勧告できるほど、その組織の特殊な状況や文化について熟知していることは決してない。
問題を抱えているのは、クライアントだけなのである。また、問題の複雑さを知っているのもクライアントである。さらには、所属する文化において、何がうまくいきそうかを知っているのもクライアントだけである。
クライアントとコンサルタントは、一緒に状況を診断し、問題が何かを見極め、適切な対策を共同で考え出し、一緒に実現することをめざすべきである。
クライアントが自分で問題を理解し、自分たちがおこなう治療法をとことん考えて見るようにならない限り、彼らが解決法を実行にうつすことはあまり期待できない。
そうであるならば、コンサルタントの仕事とは、クライアントが援助を受けられるような関係を築くことである。
(同書1章要約)
---
いかがでしょうか。
僕個人でいいますと、この考え方には、非常に共感できるところが多いです。
僕はコンサルタントではありません。でも、仕事柄いろいろな現場の方々から相談を受けることも多いです。また、多かれ少なかれ大学院における研究者養成というのは、これに似たところがあります。
数少ない経験に照らして考えてみても、少なくとも僕のような状況では、結局他人には、「自分で自分を何とかしようと思っている人間を後押しすること」くらいしかできないのではないか、と思います。
何がイシューかを見極め、問題の複雑さに悩み、何かを生み出そうとする本人と一緒に「考えること」しかできない、のではないかと思うのです。
自ら助くるものを助く
自ら助かることを望まない人、イシューを見極めようとしない人を助けることほど、難しいことはありません。
投稿者 jun : 2007年7月 6日 05:56
あなたの組織には物語がありますか?:Storytelling in Organization / Organizational Storytelling
あなたの組織には、物語はありますか?
組織の中の物語行為(Storytelling in Organization / Organizational Storytelling)というコンセプトがあります。
いつものごとく、専門家に知られたら便所スリッパで「スパーン」と後頭部を引っぱたかれそうな"オレ流の解説"をしますと、こんな感じになります。
---
1.人間とは「物語る」動物である。人間の生きている場、社会、集団には「物語」が満ちている。
2.物語とは「出来事」の連鎖である。「出来事」は「主人公」「脇役」「背景」などが複雑に絡み合って、構成されている。
3.人間が「物語る」のは、モノゴトを理解したり、伝えたりするためである。人間は「物語の形式」で、理解を進めたり、コミュニケーションを行ったりする。「出来事の連鎖」から、ハラのそこから納得したり、説得されちゃったりする。
4.組織の中には「物語」が満ちている。そして、そこに生きる人々の学習やコミュニケーションは、多くが「物語の形式」ですすんでいる。
5.組織にとって「物語」とは、人々がコミュニケーションをしたり、業務を達成したり、学習したりするための「手段」である。
6.業務改善、組織コミュニケーションの改善、人材育成、組織変革などの「手段」として「組織の中での物語行為」に焦点をあてた手法が注目されているってことです
---
うーん、うまく説明できないな。わかっていただけましたでしょうか。わかんなかったら、ごめん。
つまり、当初、「組織」とは「物語行為」とは無縁の場所だと思われていたわけですね。「組織」みたいな「ハードな場所」に、物語みたいな「ソフトなもの」が存在するわけないだろう、と。
えっ、物語? えーと、お話のことかい? 子どもの好きなお話? このクソ忙しいのに、組織人が、お話なんかつくってるわけないだろう?
まぁ、こんな感じ。
でも、組織研究者たちは次第に気づいていくんですね。うーん、実は、組織のコミュニケーションとか、業務遂行にとって「お話」は、実は重要な位置をしめてるぞ、しめしめ、ヒヒヒみたいな。
正確にいうと、人文科学で起こった「Narrative Turn(ナラティヴ・ターン)」「Narrative approach(ナラティヴ・アプローチ)」という知的思潮の展開が、組織論にも波及した、ということなんでしょうけど。とにかく、彼らは「組織の中での物語」の「役割」と「価値」に気づいていった。
したっけ、物語ってこれ、「使える」ンでないかい?
北海道弁だったらこんな感じ。まぁ、北海道はどーでもいいけどよ、とにかくそう思ったわけです。
胸に手をあててよーく考えてみれば(こう言われて、実際に胸に手をあてたヤツを知らない)、組織人だって、お話づくりしてるんですよ。あと、お組織の中では、大量のお話が、日々、語りつがれ、語り直されている。
あの○○というスゴイ商品をつくった○○さんは、最初は窓際からのスタートだったらしいよ、それがさぁ、あるとき、こんな出来事がおこって、人生変わったんだよね。で、奮闘のすえ、○○が生まれた・・・スゴイ人っているよねー。
みたいな「パーソナルヒストリー」もあれば、
うちの会社は元来、○○という歴史をもっていた。創業者は、常に○○って言っていたんだな。だから、うちは、今、この事業に手をだすわけにはいかないんだよ。
といったような「組織のヒストリー」もある。
いいか、よく聞け。オレの若い頃はなー、今なんかよりずっと大変だったんだ。実はこんな出来事があってなぁ・・・ヒック、おい、生ビールおかわり!
という、ワカモノにとっては「はた迷惑なストーリー」もありますね。
要するに、「花金」になれば新橋あたりの「居酒屋」で、ネクタイを頭にまいたおじさんたちが話している話の多くは、すべて「組織の物語(Organizational lore)」ということになります。それは日々語られ、様々な人々によって解釈しされ、さらに語り直されている。
「おい、そりゃー、違うな、高橋さん。その話は、実は、こういうウラがあるんだよ。実はね・・・」
みたいな感じ。
で、実務家の方々は、「組織と物語」というキーワードにピピンときた。しめしめ、これを「組織改善」「組織コミュニケーションの向上」「人材育成」の手法として応用しよう、と。
たとえば、
「上司が部下に経験を語ることで、部下育成をしようという試み」
「組織の価値を伝えるために、みんなでお話作りをする試み」
「組織の戦略や戦術を構築するために、みんなでありえる未来のシナリオをつくる試み」
なんかがはじまるわけです。
もちろん、いつものごとく、別々にやられているし、それぞれは全く他と関係しているなんて思われていますけど、根っこは同じです、根っこは。
いずれにしても、中心には「物語を語る」「物語を聞く」「物語をつくる」という人間の根源的な知的活動が、「手法」として応用されている、ということです。
かくして、今、密かに「組織の中の物語(Storytelling in Organization / Organizational Storytelling)」がブームになりかけているわけですね(もしかすると、まさか、オンリーマイブーム?)。
---
ところで、組織と物語、というとですね、先日、ある記者さんと、こんな話になりました。
結局、組織構成員に「物語られる組織」って健全なんじゃないんですか。そこで創られる物語がプラスであろうと、ネガティヴであろうとさ、人々に「物語られてる」ってことは「そこに関心が残っている」ってことですから。
一番ヤバイのは、「物語るものがない組織」「物語をつくろうにも物語が生まれない組織」「物語られない組織」。だって、もう、人の関心がないんだもん、どーでもいいんだ、そういう組織は。
うーん、確かにそうかもね、と思った。
そして、これがもし仮説として正しいとすると、「組織の物語」というのは、「組織の健全さ」をはかるバロメーターになるかもね、と。
あなたの組織には、物語がありますか?
---
追伸.
今日のエントリーは難しかったな・・・うーん、うまく説明できた気がしないなぁ、モンモン。
投稿者 jun : 2007年7月 5日 07:34
ヌエヌエしてる学習 : 「戦略サファリ」ヘンリー=ミンツバーグ
故あって、と言おうか、大学院での指導の関係で、最近「戦略」についてもう一度勉強し直している。
なるほど、おおよその学問相関地図は頭の中に描けるようになってきたが、その描画に一役買った本が、ヘンリー=ミンツバーグの「戦略サファリ」である。
この本は、「戦略」という捕らえどころのない「ヌエ」のような研究領域を、10のスクール(アプローチ)から編み直し、解説した本である。
この本によれば、戦略には10のアプローチがある。
---
1.デザインスクール
コンセプト構想プロセスとしての戦略形成
2.プランニングスクール
形式的策定プロセスとしての戦略形成
3.ポジショニングスクール
分析プロセスとしての戦略形成
4.アントレプレナースクール
ビジョン創造プロセスとしての戦略形成
5.コグニティブスクール
認知プロセスとしての戦略形成
6.ラーニングスクール
創発的学習プロセスとしての戦略形成
7.パワースクール
交渉プロセスとしての戦略形成
8.カルチャースクール
集合的プロセスとしての戦略形成
9.エンバイロメントスクール
環境への反応プロセスとしての戦略形成
10.コンフィギュレーションスクール
変革プロセスとしての戦略形成
---
要するに「戦略」を語るときには、様々なアプローチがあり、決して「唯一絶対の立ち位置」というものは存在しない。「戦略」には「○○としての戦略」という視点が、少なくとも10以上存在するということである。
ということは、自分が依拠する立ち位置を相対的に把握することが重要になる。そして、この「相対性」を把握するためには、自分がいったんはメタの立場にたつことだ。
この様子を「戦略サファリ」の冒頭では、こんな寓話で解説している。この寓話というのが非常に印象的だ。少し長くなるけれど、ここで引用する。
---
■盲目の男たちと象
(ジョン・ゴドフリー・サックス)
インドスタンに6人の男たちがいた。
学ぼうという気持ちが強く、
象を見に出かけた
全員目が見えなかったが、
じっくり観察すれば
心が満たされるだろうと、みんな考えていた
最初の男は象に近づき
うっかり転んだ表紙に
大きくてがっしりとした脇腹にぶつかり
こう叫んだ
「おやおや、象とは壁のようであるぞ」
2番目の男は牙に触れて大声をあげた
「おお!、これはなんと丸くてなめらかで
しかも尖っている
わかったぞ、この象というものは
槍のようだ!」
3番目の男は象に近づき
手につかんだのが
くねくね動く鼻だったので
大胆にこう言った
「なるほど象とは
まるでヘビのようだ!」
4番目の男は手を伸ばして
ひざのあたりを熱心に触った。
「この不思議な獣は
まったくデコボコがない
きっと象とは木のようなものであろう」
5番目の男がふれたのは耳だった。
そして、こう言った
「まったく目が見えなくても
何に一番似ているかよくわかるぞ
間違いあるまい
この象という生き物は
うちわのようであるぞ」
6番目の男は象に手を伸ばすと
すぐにゆらゆら揺れるしっぽをつかみ
こう言った
「なるほど、象とは縄のようであるぞ」
それから、このインドスタンの男たちは
長いこと大声で言い争い
それぞれが自分の意見を譲らず
言い張るだけだった
それぞれ正しいところもあるが
またどれもが間違えているのに
---
戦略は「ヌエ」のようなものであるからこそ、オモシロイ。しかし、それと関わるためには、全体像の把握と自分のスタンドポイントの把握、そして異なるアプローチをする人たちとのコミュニケーションが重要になる。
ところで「ヌエ度」でいうならば、「学習」ということばも、「戦略」に負けず劣らず、「ヌエヌエ」している。「それぞれ正しく、また間違えている」のに、内部で不毛な言い争いだけはしたくない。
投稿者 jun : 2007年7月 4日 07:00
脳内メーカー
最近、周囲(ALT@UTまわり)で話題になっている脳内メーカをためしてみました。
ALT@UT
http://www.altut.org/
脳内メーカー
http://maker.usoko.net/nounai/
結果は
・
・
・
・
・
・
・
・
かなり「邪悪」です。
ケケケ。
ちなみにカミサンは・・・・
まぁ、「金」がかなり支配してる。
TAKUは・・・
プチ邪悪。さすが、「血」は争えません。
投稿者 jun : 2007年7月 3日 17:00
ストレス解消、Youtube、BOOWY
こう見えても「ストレス」には弱い方です。人前で喋るときには、胃がキリキリと痛くなりますし、出たくない会議に出るときには、頭が痛くなります。
「中原さんはストレスとは無縁でいいですね」
と言われたことがありますが、「何を寝ぼけたことをおっしゃる」か。
「生まれながらの貧乏性」に重ねて、「根っからの心配性」でもあります。昔、「りぼん」に「お父さんは心配性」という岡田あーみんさんのマンガがありましたね。お父さん「光太郎」の気持ちが少しわかります。ちなみに、このマンガ読んだことのない人はぜひ読んでください。当時僕は「りぼん」を読んでいましたが、最もオススメなのは、これです。
閑話休題。
さて「ストレス」ですが、もともとあまり体が強い方ではないので、何とかかんとか、こいつを騙しだまし生活できないものか、と思っています。
どうせ、この世で生きているからには、何らかのストレスを抱えます。生きるということがストレスです。それなら、騙しだまし生きていく他に、選択肢はありません。
じゃあ、どうするか。
ひとつの選択肢は、ジムで走ることです。休みの日などに、30分から1時間くらい運動するのが好きです。
できれば平日に休みがとれたら、「水戸黄門」なんかを見ながら走るとなおよし、ですね。毎回ように45分を過ぎたあたりで、「ひかえおろう、ここにおはすは、どなたとこころえる」とはじまるので、ストレス解消です。
もうひとつは、リビングルームのWiiでYoutubeを見ることです。先の休日はこのパターンでした。
9時30分・・・子どもが寝静まったあとが、僕ら夫婦の時間です。「夫婦の時間」といっても、時間の過ごし方は、思いっきり「個別」です(笑)。僕はリビングにドカッと座り、Youtubeを見始める。カミサンは・・・・何やってんだろう?・・・チョロチョロしてます(笑)。
いやー、本当に何を検索しても、おおかたのプロモーションビデオがでてくるのですね。さしずめ「ジュークボックス」「無料有線放送」といったところでしょうか。
僕がいつも見ているのは、1980年から1990年代くらいのプロモーションビデオです。
昨日は、まずGenesis(ジェネシス)からはじまりました。ジェネシスってご存じですか? 僕が小学校くらいに流行していました。フィル・コリンズというオジサンがリードボーカルをつとめるイギリスのロックバンドです。
Invisile touch(インビジブルタッチ)、Land of confusion(ランド・オブ・コンフュージョン)、In too deep(イン・トゥー・ディープ)・・・昔、FMラジオのオンエアをひたすら待って、テープに録音し、繰り返し聞いたことが思い出されます。
ちなみにFMから録音するときって、曲がフェードインされたり、フェードアウトされるとハラたつんですよね。ちゃんとはじまって、ちゃんと終われよ、こっちは録音してるんだから、と。
フェードインのときに、DJが曲の紹介などをすると最悪です。その曲を聴くたびに、DJの声がはいっちゃう。これは噴飯モノです。こんな苦労、今の子どもにはわかんないと思うけど。
次は、BOOWYにいきました。
「No, New York」「Kiss me」「わがままジュリエット」「季節が君だけを変える」「マリオネット」「BABY ACTION」「B-BLUE」
・・・もう既に興奮状態です。「絶叫マシーン」、「ひとりカラオケ」、「オンステージ」ですね。カミサンの冷たいまなざしを気にすることなく、歌い続けます。
最後は、TMでしめることにしました。この〆は、ちょっと失敗。盛り下がってしまいました・・・。
曲はいいのですけれど、映像がなぁ・・・。「GET WILD」のPVは、金かかってないですね。3人で上海観光をしただけのビデオ?
あと、どうもウツの髪型も気になります。いわゆる「縦巻きカール」、俗にいう「名古屋巻き」?。うーん。
まぁ、そんなツッコミをしながら、プロモーションビデオを見るのも楽しいです、これぞストレス解消ですね。
皆さんにもぜひおすすめします。思いがけなく懐かしいので、ぜひ、楽しんでください。
投稿者 jun : 2007年7月 3日 08:16
【申し込み受付中・WS1は残席5名】TREEワークショップ&シンポジウム2007
夏恒例、TREEシンポジウムを7月27日、下記要項で開催します。もう既にワークショップ1は残席5名です。お申し込みはお早めにお願いいたします。
今年のTREEはワークショップとシンポジウムの2部構成。
ワークショップでは、できたばかりの「スタジオ教室」を利用したワークショップ、著作権処理ワークショップ。シンポジウムは、「大学生と最新メディア」をテーマに、セカンドライフ、iTunesU、SNS、ブログを取り上げます。
駒場アクティブラーニングスタジオ教室
セカンドライフ
iTunesU
1日で、「教育現場の情報の動向」を把握することができます。入場は無料です。お申し込みはお早めにお願いいたします。
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TREEワークショップ&シンポジウム2007
- 大学生とメディアの"今"を探る -
2007年7月27日(金)東京大学駒場キャンパス
主催:東京大学 教育企画室
================================================
■趣旨
TREEプロジェクト (Todai Redesigning Educational
Environment:東京大学教育環境リデザインプロジェクト)
は、「ITを活用した東京大学の教育環境の改善」を目的と
する全学プロジェクトです。
教育企画室の企画のもと、各学部、研究科、教育部に
よって推進されています。
TREEプロジェクト
http://tree.ep.u-tokyo.ac.jp/
TREEプロジェクトでは、2005年のプロジェクト開始
以降、毎年シンポジウムを開催し、学内外から200名程
度の方々のご参加をいただいております。
今年は「大学生とメディアの"今"を探る」という統一
テーマのもと、
1)教育の情報化の最新動向
2)教育コンテンツの著作権処理、開発の実務
3)大学生のメディア利用の実態
などを扱うワークショップとシンポジウムを企画し
ました。
「大学生をとりまくメディア環境の発展のスピード」は、
教育の情報化の進展よりもずっと早く、いまや日進月歩
です。TREEワークショップ・シンポジウム2007
では、大学生を取り巻く教育メディア環境の「今」の実像
をあますところなくお伝えすることができると思います。
本ワークショップとシンポジウムは、大学において
教育情報環境の整備に従事なさっている方、教育の情
報化を推進している方、大学生をとりまくメディア環
境のトレンドについて知りたい方をメインターゲット
にしております。
入場は無料です。
ふるってご参加いただければ幸いです。
東京大学 教育企画室長 岡本和夫
東京大学 TREE会議議長 藤原毅夫
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■日時と場所
○7月27日(金曜日)10時 - 12時
【TREEワークショップ1】
・駒場アクティブラーニングスタジオワークショップ
・東京大学駒場キャンパス 17号館 2F
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/jpn/kyoyo/map.html
○7月27日(金曜日)10時 - 12時
【TREEワークショップ2】
・教育の情報化 著作権処理ワークショップ
・東京大学大学院 数理科学研究科 演習室(B1)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
※ワークショップ1と2は同時にパラレルで開催されます
○7月27日(金曜日)13時 - 17時
【TREEシンポジウム】
・「大学生とメディアの今をさぐる」
・東京大学大学院 数理科学研究科 大講義室(B1)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
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■参加費、および募集定員
参加費は無料です
懇親会は3000円を申し受けます
・TREEワークショップ1 学内・学外 50名
・TREEワークショップ2 学内限定 30名
・TREEシンポジウム 学内・学外 250名
※ワークショップはメディアの取材はご遠慮下さい
※参加申し込みは一番下のフォームに必要事項を
お書きの上、tree_symposium@tree.ep.u-tokyo.ac.jp
まで7月15日までにご返送下さい
※既にワークショップ1は残席5名です。
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■TREEワークショップ1の内容
「駒場アクティブラーニングスタジオワークショップ」
主催:東京大学 教育企画室
共催:東京大学 教養学部附属教養教育開発機構
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
マイクロソフト先進教育環境寄付研究部門
協力:東京大学大学院 情報学環
コーディネータ:望月俊男(大学総合教育研究センター)
山内祐平(情報学環)
サポーター:林一雅(教養学部附属教養教育開発機構)
○ご挨拶
浅島誠(東京大学 副学長理事)
○企画趣旨
(10:00-10:15)
○ラーニングスタジオ型教室の現在
(10:15-10:30)
○ワークショップ
(10:30-12:00)
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■TREEワークショップ2の内容
「教育の情報化と著作権ワークショップ」
主催:東京大学 教育企画室
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
TREEオフィス
共催:東京大学 産学連携本部
司会:西森年寿(大学総合教育研究センター)
サポーター:類家利直(大学総合教育研究センター)
○企画趣旨
(10:00-10:10)
○教育と著作権(レクチャーとディスカッション)
末吉亙(弁護士・東京大学 法科大学院 客員教授)
(10:10-11:10)
○東京大学における著作権処理の実際
山本恵美(教育企画室)
(11:10-11:30)
○東京大学におけるコンテンツ開発の実際
重田勝介(大学総合教育研究センター)
(11:30-11:50)
○全体質疑
(11:50-12:00)
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■TREEシンポジウムの内容
「大学生とメディアの今を探る」
主催:東京大学 教育企画室
企画:東京大学 大学総合教育研究センター
TREEプロジェクトチーム
コーディネータ:中原淳(大学総合教育研究センター)
サポーター:神谷真紀(大学総合教育研究センター)
○ご挨拶
岡本和夫(大学総合教育研究センター)
(1:00-1:15)
○特別講演
清水康敬(独立行政法人メディア教育開発センター)
(1:15-2:05 : 質疑10分こみ)
○休憩
(2:05-2:15)
○仮想環境「セカンドライフ」に出現した教育環境
三淵啓自(デジタルハリウッド大学院大学)
(2:15-2:55 : 質疑10分こみ)
○iTunes U:携帯型音楽プレーヤを活用した教育リソースの配信
坂本憲志(アップルジャパン 教育プログラム推進)
(2:55-3:35)
○休憩
(3:35-3:45)
○日本社会の情報化の特徴と高等教育
木村忠正(東京大学大学院 総合文化研究科)
(3:45-4:25)
・・・大学生のSNS、blog利用調査などの側面から
○東大での取り組み1
知の構造化センター
松本洋一郎(東京大学大学院 工学系研究科)
(4:25-4:55)
○東大での取り組み2
TREEプロジェクト
藤原毅夫(大学総合教育研究センター)
(4:55-5:15)
○懇親会
司会:岡本和夫(大学総合教育研究センター)
(5:45-7:30)
〆申込書・ココカラ---------------------------------
TREEワークショップ&シンポジウム2007
参加申し込みフォーム
下記の必要事項をご記入のうえ、
tree_symposium@tree.ep.u-tokyo.ac.jpまで7月15日までに
メールください
氏名:
フリガナ:
ご所属 :
メールアドレス:
※参加希望のセッションを下記よりお選び下さい。
参加を希望しないセッションについては、削除
をお願いします。
なお、ワークショップ1と2はパラレルで同時に開催
されます。両方参加いただくことはできません。
どちらかを選んでください。
1.TREEワークショップ1 参加希望
「駒場アクティブラーニングスタジオワークショップ」
WS1は残席5名です
2.TREEワークショップ2<学内限定> 参加希望
「教育の情報化と著作権ワークショップ」
※ワークショップ2参加希望の方へ:
教育と著作権に関して、事前に
具体的な関心や質問についてコメントいただければ幸いです。
質問や関心:( )
3.TREEシンポジウム 参加希望
「大学生とメディアの今を探る」
4.TREE懇親会 参加希望
(懇親会参加は当日3000円を申し受けます)
〆申込書・ココマデ---------------------------------
*今回いただいた個人情報につきましては、TREEプロジェクトからご案内を差し上げる以外の目的で利用することは一切いたしません。また、ご本人の同意なく、第三者に提供することはございません。
■本ワークショップとシンポジウムに関するお問い合わせは
<
tree_symposium@tree.ep.u-tokyo.ac.jp
投稿者 jun : 2007年7月 2日 16:56
組織を変えるための2つのアプローチ!?
今の組織のあり方では、このままでは立ちゆかない。何とかして、組織のあり方を変えたい
・・・
人がそう願うとき、組織に変革をもたらすやり方には、2つのアプローチがあるように思います。
ひとつは「ひそかに潜行型」。
組織を変えたいと願う側の「意図」や「手法」は、決して公表せず、密かに密かに何らかの「施策」を実行する。ひそかに「環境」をデザインしてしまう。
その「施策」は、組織構成員にとっては様々に解釈される。が、そのことは気にしない。結果として、仕掛ける側の「意図」にそって組織が「動いてしまうこと」をめざす。
もうひとつは「どかーんと介入型」。
組織を変えたいと願う側の「意図」「ビジョン」「思い」を公表し、そのために導入する「手法」もきちんと説明する。
組織構成員には、新たに紹介された「手法」を消化することが求められる。組織はその「手法」によって「変わること」が期待される。
---
たとえば、今仮に「組織内の人の教えあいを強化したい」のだとします。
「ひそかに潜行型」の場合は、例えば、オフィスの机のレイアウトを、協調作業をしやすいように変える、とか、休憩室にお茶菓子を用意して人々の滞留時間を増やすとか、そういう工夫がありえるかもしれません。
対して「どかーんと介入型」の場合は、「組織にコミュニティ・オブ・プラクティスをつくるぞー」とか説明して、新しくナレッジマネジメントのシステムを構築したり、プロジェクト制度なんかをつくったりする。
どちらのアプローチが優れているというわけではないのですが、個人的には、これまでの経験上、「前者」の方が何となく「しっくり」ときます。
というのは、後者の場合、「新たに導入される手法や施策」が、組織構成員の側からすれば、「新たな負担」だと解釈される可能性があるのではないか、と思うのです。
「えー、このクソ忙しいのに、ナレッジマネジメントとかいうことを、すんのかよ」
「えー、このクソ忙しいのに、自主プロジェクトになんか参加したくねーよ」
みたいな。そんでもって、無用な抵抗感を生んだり、動かなかったりする。
「組織内の人の教えあいを強化したい」と強く願っているのは、通常の場合マネジメントサイドであり、組織の構成員ではありません。その場合には、「特に言える」と思うのですが、「実体をもつ何かの施策を新たに導入する」、という風な「見せ方」は避けた方がいいように思うのです。
---
今日のお話、あまりうまく説明できていないように思うのですが、おわかりいただけるでしょうか。「環境デザイン型」は「漢方治療」、「手法導入型」は「外科手術」にたとえることも可能かと思うのですが・・・。うーん、微妙? 余計わかんなくなったかも、ごめん。
とにかく・・・
ある「隠された意図」にしたがって、ゆるやかに「環境」を変えてしまう。で、人はその「環境」の中で、環境が制約する行動をとる。
組織に変革をもたらそうとするとき、僕は、どうしても、そんなアプローチにシンパシーを感じてしまいます。もちろん、それが「意図通り」にうまくいくかはわかんないし、そんな「ぬるい方法」を採用できないほど、事態が切迫している場合もあるかもしれないけれど。
投稿者 jun : 2007年7月 2日 06:08
ワークプレイスラーニングと「身内化」
ワークプレイスラーニング、すなわち「研修(≒研修室での学び)と職場での経験学習(≒事業部での学び)の連携」を実現するためのコツは?
先日の「人を育てる科学セミナー」では、こんな内容を扱った。
---
この問題には、いくつかの可能性があるんだろうけど、僕の方から提案したコンセプトのひとつに、「身内化(ミウチ化)」があった。事後アンケートを見てみると、どうも、これが研修受講者にヒットしたことのひとつであったようなので、意外だった。
僕のいう「身内化」とは「事業部の上司や育成担当者を、研修の利害関係者にしてしまう」ということである。喩えていうならば「そちらの人を、こちらの味方にしてしまう」ということ。
要するに、「研修と職場での経験学習をみすびつける」ために、モノゴトが全部終わってから「協力してくださいよー」と言いにいくのではなく、研修のプランニングや実施、そしてフォローアップに到るまで、積極的な「アクター」として事業部の人たちに参加してもらう仕組みをつくることをめざすということだ。
具体的には、研修プランニングにアドバイザリーボードとして入ってもらう、というのもありだろう。研修の参加申し込みのときに、上司のコメントを求める、というのもありえる話だ。
長期間の研修であるなら、その合間に、事業部で何らかの実践をしてみる、というのもあり。あるいは、合間に「上司と対話」して、何かをつくるという課題をつくるのもありだ思う。
めざすべきは人材育成部 vs 事業部というような二交対立を前提にして、「ここまではこちら、ここからはそちら」という風な役割分与を行うのではなく、研修を「shared enterprise(共同で達成されるべき事業)」として強制的に位置づけ、「事業部のステークホルダーを巻き込むような仕組み=身内化」を進めることが重要なのではないか、と思う。
「身内化」というネーミングは、研修中に僕が考えついたものであったけれども、もちろん、これはオリジナルがある。
「科学的知識や技術の形成プロセス」を社会学的視座から研究するアクターネットワークセオリーの研究に、「大きな試みを達成するためには、関係者をステークホルダー化して、アクターネットワークをつくる」というのがあったはずだ。この「ステークホルダー化」を「身内化」と呼んだ。
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人材育成部と事業部のあいだに横たわる「デスバレー(death valley)」を超えるためには、かなり戦略的に振る舞わざるをえない。「身内化」は万能な方法ではないが、ありうる選択肢のひとつであるように思う。
投稿者 jun : 2007年7月 1日 08:03