ダイヤモンド社主催「人を育てる科学セミナー」が終わった!
ダイヤモンド社主催の企業人材育成担当者向けの研修「人を育てる科学セミナー」がプレジデントホテル青山で開催された。
人を育てる科学セミナーでは、「若手の早期育成」をテーマにとりあげた。大量採用時代の「若手」をいかにして、早期に戦力化し、熟達化させるか。そのために必要な、1)熟達化、2)インストラクショナルデザイン、3)ワークプレイスラーニング、4)学習環境デザインなどの教育学的知識を、ワークショップをまじえながら、ご紹介した。
研修には全国から企業の人材育成担当者54名の参加者を得た(今回のセミナー、ダイヤモンドハーバードビジネスレビューで応募を行った。セミナーは非常に好評で、会場の都合で54名以上は収容不可能であった。かなりの数をお断りしたとのことである)。
中原、北村さん@熊本大学が講師、荒木さん@東京大学、橋本君@浜銀総研がアシスタントにたった。いろいろ進行には慣れないところもあったけれど、何とか終えることができて、今はホッとしている。
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それにしても、今回の研修を通して、その難しさを痛感した。ふだんから、45分から90分の講演などは量をこなしているので、「人前で話すこと」には慣れていると思っていたけれど、「研修」というのは、また違ったスキルを要求されることがわかった。
とにかく、一番キツイのは、タイムマネジメントのスキルであった。今回、グループディスカッションなどが予想以上に盛り上がったため、それをどのようにマネジメントするかが、本当にヒヤヒヤだった。
そのほか、先日の僕の反省点は下記のとおり。下記、自分のためにまとめておく。研修プロフェッショナル北村さんには、いろいろなことを教えていただいた。
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○1テーブル6人でのディスカッションは時間がかかる
・1名につき5分と考え、6名ならば30分くらいとるべき
→ただ30分とることは結構時間的にシンドイ。
→だとするならば、1テーブル5人くらいが適当
・5名ならば多数決をやっても必ずカタがつく
・4名では情報交換できる内容に多様性がでない
○時間の管理
・タイムスケジュール表を事前につくって、常に
コンピュータの横においておくべき
○メモの持参
・参加者からの発言を聞きながらメモするための
紙と手帳をもつ
○ICE BREAK
・日本人の習慣=名刺交換をはやく促す
→名刺交換をしたあとは、うち解けやすい
○グループの形成
・業種をバラバラにする
・男女をバランスよく入れる
→女性が最低1名以上含まれるようにする
○グループディスカッションの制御1
・「残り○人発表が残っているところは手をあげてください」
といった具合に、進捗を把握しておく。
○グループディスカッションの制御2
・どうしても時間がなくなったら、ディスカッション
テーマを「1名ずつ発表する形式」から「ひとつの
テーマを全員で話す形式」に変更する
○グループディスカッションの制御3
・昼食前にグループディスカッションのテーマを
投げかけると、時間が効率化できてよい。
○学問知見の紹介
・「それをどのように利用できるか」
・「示唆するところを、日頃、実践しているか」
を問うこと
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上記、ものすごくプラクティカルなリストになってしまったが、こういうひとつひとつのディテールに配慮できるかできないかで、場の雰囲気が変わるのだ、と痛感した。
研修最後には、現在進めている社会調査「ワークプレイスラーニング度調査」の参加募集も行うことができた。よかった、よかった。無事、予定人数が集まるとよいのだけれども。
ともかく、今回の研修は、参加者の方々以上に僕が学ぶところが多く、非常に面白かった。現場の知恵を知る意味でも、また、現場の方々とのコネクションをつくる意味でも、なるべく時間を見つけて、今後もこうした研修をやっていきたいな、と思っている。
最後に、このたびお世話になったダイヤモンド社の方々、特に、永田さんに御礼申し上げます。本当にありがとうございました。