趣味は何ですか?

 趣味は何ですか?

 そう聞かれると困ってしまう。かつては自信をもって、「スキーです」とか「ピアノです」とか答えることができたが、最近は遠ざかって久しい。

 スキーは2年行っていないし、ピアノはたまに自宅のキーボードを弾くくらい。とても趣味とはいえない。

 かといって、「趣味はブログです」と答えるのも、何だか気が引けるし、「飲み食いです」と答えることにも抵抗がある。

 要するに、いつのまにか、僕は無趣味な人間になってしまった。

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 やってみたいと思うことはある。

 今、一番やってみたいのは、テニスかもしれない。ジムに行くと、隣のコートで何人かの人たちがテニスをやっている風景をよく目にする。楽しそうだな、自分もやってみたいな、動いてみたいなと思う。

 でも、次の瞬間には30を超えてテニスを一からはじめるなんて、可能なんだろうか、とつい腰が引ける。「テニスサークル・大学デビュー」みたいで、かっこわるいんじゃないか、と思ってしまう。もし、誰か一緒にやってくれる人がいるんならなぁ、と、急にヘタレになる。ダメ人間そのものである。

 熟達化研究の知見によると、人間がある領域に熟達するには5000時間の時間がかかる、と言われている。5000時間というと、なんだかピンとこないので、俗に10年ルールとよばれることもある。その間に必要なのは、delibarate practice(注意深く行われる練習)しかない。

 今から「練習」か・・・。そんなわけで、あと1歩が踏み出せない。

 何かきっかけがあればなぁ、と、「いつまでたってもやってこないきっかけ」を待っている。