VHS、テープが棚から消えた?
先日、レンタルビデオ屋に出かけた際、あることに気がついた。DVD-Rなどの録画用メディアが売っている場所に、VHSテープが並んでいなかったのだ。
もしや、と思って録音用メディアコーナーに行ったら、こちらもやはり。CD-RやMDはあるけれど、テープはもう既になくなっていた。
ムムムと思って、近くのコンビニの品揃えを見る。やはり、VHSもテープもなかった。あるのは、光ディスクばかりである。
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この変化に気づかなかったのは僕だけだ、という話もあるけれど、「メディアは、ある日突然ひっそりとなくなってしまう」ものらしい。
そういえば、最後にVHSのテープを触ったのはいつだったか・・・全く思い出せない。
テープを使ったのはいつだったか・・・僕は仕事柄「テープといえばインタビュー」なのだけれど、ここ数年は、ICレコーダを使っているので、これもまた思い出せない。
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メディアの世界は、移り変わりが早い。
今日は確実に使えているメディアでも、明日は棚から消えるかもしれない。今、全盛を極めているDVDだって、VHSやレーザーディスク(LD)の運命を考えれば、盤石ではない。次に危なそうなのはDVだろうか。
メディアの浮き沈みだけでコトが片付けばいいのだけれども、消費者としては、「昨日は視聴できたものが、今日は手軽に見られなくなってしまう」という事態がもっとも痛い。
それを避けるためには、メディアの浮き沈みにあわせて、データをコンバートする以外に方法はない。僕も自分の小さい頃の映像は、VHSからDVDにコンバートをかけた。
刻み込んでおいたはずの「あの光景」「あの記憶」が消えてしまう。僕らは、知らず知らずのうちに、「あの光景」や「あの記憶」を守る戦いを強いられているのかもしれない。