著作権は儲かる?

 今週号の東洋経済は「著作権は儲かる!」という特集だった。著作権の概要、プロフィットを生み出す仕組みづくり、そして紛争事例・・・大変わかりやすかった。

 特集を読みながら思ったこと。

 著作権とは、とどのつまり、「ゼロサムのポリティカルゲーム」である。

 誰かが「誰かのコンテンツ」を自由に利用できれば、誰がか「自分のコンテンツ」を無料で使われる。これが問題の根本である。一言で言えば、「誰かが得をすれば、誰かが損をする」ってことです。

 権利を生み出すためには、権利を主張し、社会を納得させなければならない。そうでなければ、誰も「他人」のために権利をつくってくれたりしない。だって、ゼロサムなんだから。

 つまり、権利を獲得したいのなら、利害をともにする人々があつまって利益団体をつくり、運動を行うことがどうしても必要になる。最近でいうならば、漫画家の貸本屋に対する著作権侵害の闘争、映画監督の著作権の主張などが、これにあたる。

 ひるがえって教育業界では、著作権に対する運動は、あまり取り組みがなされていない。もちろん、みんな「何とかしてちょ」とは思っている。「こんな縛りがあったら、授業で使えねーべ」と思っている。

 だけれど、個人のレベルでは、いろいろ言っていても、組織的な取り組みというと、ほとんどないのではないかと思う。

 「教育のことなんだから・・・」「という理屈で、著作権の特例を、「誰か」がつくってくれることを、「みんな」が待っている状況にある。

 しかし、昨今の状況を見るに権利保有者側の著作権意識は日に日に高まるばかりで、そういう「特例」を「誰か」がつくってくれるのは、なかなか難しくなりそうだな、と思った。

 このあたり、どこか中立機関が、そうした運動の舵取りをやりつつ、教育機関を巻き込んでいかなければならないのではないか、と思った。

 教育業界だと、どこの組織がそういう取りまとめをすればよいのだろうか・・・。義務教育なら? 高等教育なら? うーん、どこなんだろう・・・。

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追伸.
 先日、写真館で子どもの100日記念の撮影をした。実は、このとき「権利のパワー」を思い知らされた。

 なんと、ミッキーマウスのぬいぐるみを、子どもの横において撮影した写真には、なんと追加料金が1000円もかかるのである。

 通常の撮影費用は5000円弱。フレームの中にミッキーマウスのぬいぐるみが入るだけで、それが6000円になる。もちろん、その費用の大部分は、ディズニー社に上納されるんだろう・・・。

 いったん確立されたキャラクターというのは、こうやって、お金を生み出し続けるんだ、と恐れ入った。

 結局、ミッキーのぬいぐるみは、却下したけどね。