手が気になりはじめると自我が生まれる?
「NAKAHARA-LAB BLOG、あらため、育児ブログ、見てますよ」
先日、ある方からこんなメールをいただきした。いつも見ていただいて、ありがとうございます。
それにしても、「育児ブログ」か・・・(笑)。そんなに育児ネタが多いわけではないように思うのですが、そう思っているのは僕だけなのでしょうか(度を過ぎた親バカ?)。
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最近のタクには、微妙な変化が生まれてきました。なんと、「自分の手をなめたり」「自分の手をじっと見つめたり」「モノを軽く握ったりする」ようになってきました。とにもかくにも、彼のマイブームは、「手」なのです。
うちにある育児書によりますと、「自分の手に関心を示すようになる」というのは、「自我が芽生えること」を意味するそうです。それをきっかけに、自我が発達する(ホンマかな?)。
もちろん「モノを握る」といっても、まだ本格的に「むんぎゅ」とつかむわけではありません。
まず僕が、モノを顔の前に持っていく。タクの視線を十分モノにひきつけ、しばらく注視させます。そのモノをゆっくり手の方に動かしていくと、たまに「つかむこと」があるのです。
そういうときには、手を上から握ってあげる。あと、ホッペをなでてあげる。「正しい持ち方」を教えつつ、「ほめる」のです。そういう「遊び」を夜な夜な繰り返しています。
偶発的に生まれたポジティブな行動に対して、即時フィードバックをかける、それを何度も繰り返すということですね。
「遊び」です。決して、早期教育とかいうオオゲサなものじゃない。僕が育児に関われるのは、帰宅してメシを食ったあとから寝るまでのほんの一瞬です。タクは幸いに、夜は11時くらいまでは起きていますので、かろうじて、遊ぶ時間があるのですね。
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今日は、「教員育成を考える研究会」が東大で開催されます。遠くは北海道、南は関西からの参加もあるようです。ご苦労様です。今日の発表メニューはこんな感じ。
□実践的知識、信念、リフレクション
教師研究の昔、今(45分)
(東京大学大学院 教育学研究科 坂本篤史氏)
・・・教師研究の歴史、および、現在の教師研究
が何を問題にしているのか、また氏の研究に
ついてもご紹介いただきます。
□教師とメディア・テクノロジー(45分)
(東京大学大学院 学際情報学府 酒井俊典氏)
・・・教師養成、専門性発達を目的とした
eラーニングプログラム等について、国内外の
事例を紹介します
□教師になる、教師である、教師として一皮むける
(大阪市立大学大学院 深見俊崇氏)
・・・教師の成長とは何か、特に中間管理職
の発達について紹介します。
発表者は、教師を研究する若手研究者3名です。最後には、「教師を、誰が、いつ、どこで、どのように育てるかワークショップ」というディスカッションタイムをもうける予定です。
とても楽しみですね。