今日も、明日も、明後日も決して楽にはならない

 今、こんなに頑張っているのだから、いつかは必ず楽になるハズだ

 はじめての受験に苦しんでいる高校生、博士論文を夜な夜な執筆している大学院生、深夜まで残業して働くサラリーマン、起業したての新米社長・・・

 「いつかは必ず楽になる」・・・今、辛い思いをして頑張っている誰もが、そのことを夢見て、今を生きている。

 しかし、僕の経験に関する限り、この認識は間違いであるように思う。

 世の中は、明日も明後日も、その「次の日」のために走り続けなければならないようにできている

 つまり、ユートピアはない。ミもフタもないけれど、これが「真実」ではないかと思う。

 はじめての受験が終われば、次の受験がある。博士論文を執筆しおえれば、就職がある。疲れたカラダをひきずって家に帰れば、明日もまた出勤しなければならない。

 今日は、明日のために走り続ける。明日は、明後日のために走り続ける。それが、生けとし生きるものの宿命であるように思う。

 もしそうだとするならば - 「我々が走り続けなければならないこと」を引き受けなければならないのだとしたら、どのように対処しなければならないのか。

 それは「走り方」を工夫することである。立ち止まることが許されるのなら、「走り方」を考えるしかない。

 僕はいつも思うことがある。

 決して、全力疾走をしてはいけない!

 適当なところで、いい加減な頃合いで、力を温存しながら、陽気に走るべきだ、と僕は思う。

 僕らは、学校で「手抜きはダメ」として教えられた。「何事にも全力疾走せよ」と教えられた。しかし、学校においては「コレクトなこと」は、世の中で、必ずしも「コレクト」とは限らない。

 学校の課題は一瞬で終わる。しかし、人の一生は本当に長いのだ。それは終わりなき旅のようにも思える。

 僕の人生も、そして、あなたの人生も、明日は決して楽にならない。明後日も楽にならない。

 そんなキツイ道中、陽気にいくしかない。