コンセプトを決めることの重要性 DSとWii
モノをつくるにあたって、最も重要なことは「コンセプトを決めること」である。
「そもそも誰が使うものなのか」
「何のために開発するのか」
「そのモノを使う人が、どういう生活を実現できるのか」
こうした基本的な事柄を、誰にでもわかる言葉で、しっかりと決めておく必要がある。コンセプトが揺らぐと、すべてが揺らぐ。コンセプトが無ければ、曖昧なものができる。
逆にいったんコンセプトを決めてしまえば、あとは「カタチ」をつくることである。
昨今の開発物で、コンセプトが秀逸だったのはNINTENDOの「DS」と「Wii」であると思われる。
NINTENDO DSのコンセプトは、
・5歳から95歳まで
・誰もが同じスタートライン
である。
Wiiの方は、
・家族の誰にも敵視されない
・年齢・性別・ゲーム経験を問わない
・家族全員にとって自分に関係のある存在になる
・毎日電源をいれてもらう
ということで、基本的にはDSの路線を踏襲している。
そして、このコンセプトに基づいて、DSの方はタッチスクリーン、Wiiの方はセンサーリモコンを実装しているのは周知の事実だ。コンセプトがカタチを伴った好例だと思われる。
しかし、ともすれば実際の開発現場では、カタチがまず何にも先行してできあがっていて、それからコンセプトを後付で決めることを強いられたり、「カタチの高度化」自体がコンセプトになってしまう場合が、見受けられる。注意が必要だ。
ともかく、1にコンセプト、2にコンセプト、3・4がなくて、5にコンセプトである。そのためには、開発全体を100だとするならば、半分程度の資源をさいてもよいと個人的には思う。