どこかにいいバーはないか:枝川公一著「バーのある人生」

 バーの本来は、ひとりであろうと、誰かと一緒であろうと、それぞれひとりひとりが楽しむことを前提にしているということである。

(p60より引用)

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 外から内部を見づらくする。これって、バーの条件のひとつでしょう。ウェルカムではあるけれど、オープンにはしない。それでいて、いったんはいってきた人は温かく迎える。ひとつの世界を校正する事への執着というか、それが昔ながらの日本の酒場とは違っていることかな。

(p42より引用)

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 枝川公一著「バーのある人生」を読んだ。

 雑誌「dancyu」にてバーの記事を書き続けてきた筆者の体験的なバー案内。バーの蘊蓄、酒の蘊蓄、そしてバーに集う人々の機微が記されていて、とても興味深い。

枝川公一氏のホームページ
http://www.edagawakoichi.com/
(東京のバーリストあり)

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バーテンダーにとって一番難しいのは、客とのコミュニケーションにつきると想像する。

 この本にも書いてあるけれど、一流のバーの多くは、メニューを持たない。つまりは、多くの場合、コミュニケーションを通じて注文を受けなければならない。

 客からの明確なリクエストがある場合はいい。聞いてつくればいい。それならまだましだ。

 でも、客自身も何を飲みたいのかわからないときもあるし、バーの雰囲気に圧倒され、すっかり萎縮してしまっているビギナーもいる。

 客とのラポールをつくり、会話の中から、いかに手がかりをつかみ、この客に最もふさわしい一杯をだすのかが問題である。

 少ない手がかりの中から、頭の中のメニューリストをさぐる。そうやってバーテンダーは、この日の一杯をだす。それがヒットするときもあるし、はずれることもある。

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 僕が、バーに行くのは年に数回だと思う。

 出張先のホテルなどに一人宿泊しているときなど、フラフラと向かってしまうときがある。あるいは、ごくごくたまーに、大学の近くの東京ドームホテルのバーに出没する。

 カクテルに関してはビギナー丸出しだけど、「いつも頼むお酒」と「全く知らないお酒」を1杯ずつ頼むことが多い。いつも頼むお酒は、ジントニックと決まっている。「全く知らないお酒」は、そのときによって違う。

 まずはジントニックの味を見ながら、「ほほー、ここのジントニックはすっきりしてるねー」などと思いながら、違いを楽しむ。そのあとで、全く知らないお酒をその日の気分でつくってもらう。

 カクテルは強いお酒が多い。だいたい2杯で僕は限界だ。3杯飲むと、ものによってはフラフラする。さっときりあげる。

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 僕がいくバーは、ホテル併設のものがほとんどだったけど、この本を読んでいて、街場の隠れたバーに行きたくなってきた。きっと、そこにはホテルにはない非日常的な雰囲気が漂っているのだろう。

 どこかに、いいバーはないものか。
 ボーナスでたしな。

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