こんな安月給で死んでたまるか:ワンコインDVDを見た!

 ちょっと前のことになりますが、ジョン=フォード監督の映画「荒野の決闘」のDVDを見た。いわゆる「ワンコインDVD」。著作権が切れた往年の名作が、たったの500円で売られているんだねー。いい時代だねー。

 ふだんは、教材開発やUT OCWなどで、著作権に悩まされることが多いんだけど、ウィークエンドくらいは「著作権切れの恩恵」を受けてもいいかな、と思います。

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 「荒野の決闘」は、超有名な作品だね。
 ワイアット=アープとクラントン一家のO.K.牧場での決闘場面は、誰もが一度は見たことがあると思う。

 スターウォーズなどの往年の名作も、この場面をモチーフに場面構成をしていると言われている。

 この映画、まぁ、O.K牧場の死闘が圧倒的に有名なんだけど、細かいところで、当時のアメリカの中西部の雰囲気を推察することができて、とても興味深い。

 印象的なのは、映画の冒頭。
 酒に酔ったインディアンが、トゥームストーンの街の中で、銃をぶっ放しはじめる。保安官はじめ、皆、逃げまどうばかりで、誰もとめようとしない。

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保安官「(今行けば)自殺するようなもんだ」
保安官「おまえが行け」
アープ「アホか、おまえの仕事だろ」
保安官「こんな安月給で、やってられるか」
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 で、結局、最後には保安官ではなく、一般人のワイアット=アープが「泥酔銃ぶっ放し男」をつかまえにいくことになるんだけど・・・。なんでオレがって感じやろな(笑)。

 いかに、当時のアメリカが「理屈」じゃなかったかってことだね。めちゃくちゃいい加減。人だった、バタバタ死んでるからね。私刑みたいのも残ってるし。今も、アメリカは、そんなノリ?。

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 これまで、ハンフリー=ボガードの「カサブランカ」、ジョン=ウェインの「駅馬車」、リタ=ヘイワースの「カルメン」を見ました。

 

 次は、スタインベックの「怒りの葡萄」か、「誰がために鐘は鳴る」あたりがいいかな、と思っていますけど。これらの作品、ビデオとか、授業とか、まぁ、いろんな機会で一度は見たことはあるんだけどね。名作は何度見てもオモシロイねぇ。

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 まぁ、今年も多分にもれず「師走」ってことで、全く時間がないです。だから、年末に大人買いして、まとめて見るかな。

 くだらない年末年始の特番見ているよりは、絶対にオモシロイと思いますけど。安いしね・・・だって500円だから。

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 大学生とかは「教養」として見るのもいいかもね。社会人になったら、時間がないから。そういう名作に触れるのは、学生時代だよねぇ。

 話変わるけど、僕は、本当に後悔してますよ。
 もっと大学、大学院の頃に、いろいろな原典や名作にふれておくべきだった。映画もそうだけど、いろんな小説や、評論や、とにかくもっと勉強するべきだった。月並みな後悔だけどね、本当にそう思ってる。

 社会人だったら、みんな同意してくれると思うけど、学生が、「どんなに忙しい」って言ったって、暇なんだよ、社会人から比べれば。

 一年前くらいかな、学生さんにそう言ったら、「先生のときと違って、今は学生だって忙しいんです!」と言われたけど、相対的な問題だね。社会人と比べたら、自由にはなるよ。

 内田樹先生じゃないけど、そういう時期に、やっぱり自分の「地図」を可能な限り広げておかないと。

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 教養の深浅は、自分の「立ち位置」を知るときに、どのくらい「大きな地図帳」を想像できるかによって計測される。

 教養のない人というのは、「自分が何者で、どこに位置しており、どこへ向かって進んでいるか」を考えるときに、住んでいるマンションの間取り図のようなものしか思いつかない人のことである。

 教養がある人というのは、世界史地図のような分厚い本を浮かべて、そのどのあたりの時代の、どのあたりの地域に「自分」を位置づけたらいいんだろうと考えられる人のことである。

(内田樹「子どもはわかってくれない」 p50より引用)

※内田樹著「子どもはわかってくれない」に関するエントリー
http://www.nakahara-lab.net/blog/2006/08/post_373.html

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 なんか、最後は知らないうちに説教臭くなってきたな・・・。でも、社会人なら絶対にわかってくれると思うんだけどな、僕の気持ち。

 まぁ、こんなことばっかり言っていると、ジイさん臭い、加齢臭しそうって言われそうだから、もう辞めるけど。

 Anyway・・・

 ワンコインDVD、本当にいいですよ。
 Enjoy、楽しんで。