私は今日まで生きてみました・・・・吉田拓郎つま恋コンサート
昨日夜10時のNHK番組「吉田拓郎&かぐや姫 コンサート イン つま恋2006」を見た。当時、29歳だった吉田拓郎が、静岡県掛川市つま恋の山間部で開催したコンサートのリバイバル。
瞬目すぎて、それから31年・・・。当時若かった彼も、いまや齢六十に達した。否、年を重ねたのは、吉田拓郎だけではない。当時は10代、20代であった観客の多くも、40代、50代になった。観客の平均年齢は49歳であったという。
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僕は、ベスト盤でしか吉田拓郎を知らない。高校時代、長渕剛をコピーした時代があって、その頃に吉田拓郎を知った。なにせ、今から31年前・・・1975年は、僕の生まれた年だ。僕の趣味がいくら渋くても、「生まれたときから吉田拓郎ファン」というのは、あんまりだと思う。
僕の生まれた1975年は、イデオロギーが色あせてきた時代だったという。かつてフォークの象徴とされた安保、ベ平連運動が下火になり、人々の関心が「自由」「個人」にうつってきた時代であった。
世の中の流れに敏感なシンガーは「イデオロギー」ではなく、「自由」「恋愛」の歌を始めた。そんなとき彗星のようにあらわれてきたのが、吉田拓郎であったという。
吉田拓郎は歌う。
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これこそはと信じれるものがこの世にあるだろうか
信じるものがあったとしても信じない素振り
悲しい涙を流している人はきれいなものでしょうね
涙をこらえて笑っている人はきれいなものでしょうね
(イメージの詩)
土産にもらったサイコロふたつ。
手のなかで振れば、また振り出しに…
もどるたびに、日が沈んでゆく
(落陽)
僕の髪が 肩までのびて
君と同じになったら
約束どおり 町の教会で
結婚しようよ
(結婚しようよ)
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ラスト。50代を目前に控えた大観衆に向かって、吉田拓郎はこの選曲で、長い長いコンサートの幕を閉じた。
わたしは今日まで生きてみました
時にはだれかの力をかりて
時にはだれかにしがみついて
わたしは今日まで生きてみました
そして今 わたしは思っています
明日からも
こうして生きて行くだろうと
(今日までそして明日から)
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かくして、31年前は夜通し行われたコンサートも、午後9時30分をもって終了した。みんな年をとっているのだ。
ラストの感動的な映像、ステージの吉田拓郎や観客のおじさんたちを見ていて、
「この人たちの30年って、本当にあっという間だったんだろうな」
と思った。
老いは誰しも平等に迎える。
そして人生は続く。
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