爆発する中国の大学教育?
先日、同じセンターに勤務している同僚の両角先生(教育社会学)から、「中国の高等教育の現状」について興味深い事実を教えてもらいました。ありがとうございます。
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中国では、1998年あたりから高等教育を拡充する政策をとってきた。1998年の就学率は9.8%であったのが、2005年には21%になっている。このスピードは驚異的である。
しかし、このように高等教育の大衆化のスピードが激しすぎて、政府がそれについていけてない。政府の財政に余裕がなく、金融市場からの借入を行ったりするなどの市場メカニズムによる資金調達が進んでいる。
ただし、中には、無計画に多額の負債を抱える大学も現れてきている。それが問題になりつつある。政府による大学の負債総額の調査も開始された。
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ねぇ、皆さん、信じられますか。わずか7年で2倍以上になっているとは!モノスゴイ伸びですよね。まさに大爆発、パンデミックといってもよいかもしれません。
そんな爆発的な高等教育ニーズの高まりに、政府財政もついていけないよな、と思います。資金調達の方向を、市場原理にある程度ゆだねざるを得ないのでしょうね。ぐだぐだ言ってられねーよ、といったところでしょうか。丼勘定で、無計画な資金借り入れを行う大学もでてきているのでしょうね。「ニーズはあるんだ、何とかなんじゃねーか」みたいな感じで。
で、この話を、今日、ある先生にしたら、こんな趣旨のことをおっしゃっていました。
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確かに中国の高等教育の伸びはものすごい。が、教育のクオリティ・コントロールにかなり問題が生じているらしい。あと、大学にいっても就職できない層がでてきているらしい。爆発的な伸びには、ひずみができる可能性が高い。
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なるほど、「量的拡充は、質的変化をもたらす」とよく言いますしね。量的変化に、質が対応しきれない可能性、というのはありえそうですね。
ちなみに、e-learningという観点からすると、中国の高等教育機関がそれを導入する理由は、1)Poverty(貧困)からの脱却、2)高等教育のニーズ爆発への対応、というかたちで語られることが多いように思います。去年、あった清華大学のある先生も、「日本とは全く違った理由で、ITが注目されているよ」と言っておりました。
中国の大学の提供するe-learningのクオリティ・コントロールのことは、以前話題になったことがあったようです。実際、ある中国の先生から、中国の一部の大学がやっているe-learningには問題もある、という噂を聞いたことがあります。
「講義のビデオのはいったCD-ROMのセットを送りつけて、さぁ、学べ」みたいな感じで教材を提供するだけの大学も、あるとか、ないとか・・・。つまり、学習者管理とかを全くしない。それで、大学教育と言えるのか、と。
あくまで聞いた話です。本当のところは、僕も知りません。
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こんなに地理的に近い国であるのに、恥ずかしながら、僕は中国の高等教育のことをあまり知りません。ただ、驚異的なスピードで高等教育市場が伸びているので、いろいろオモシロイ、そして注目に値する現象、あるいは、今すぐにも是正しなければならない状況が雪崩のように起きているのだと予想します。
研究者の観点からすると、それは、非常に興味深いものがあります。自分の研究は、今、まさに成長しているものの中に、ある、みたいな感覚ね。
中国からは、目が離せませんね。
ここには、教育のビジネスチャンスも多いだろうな・・・。
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追伸.
28日午後10時以降から、29日午前2時現在までにメールを頂いた方・・・申し訳ございません。ノートもお隠れになり、さらに自宅のコンピュータが途中でバグりました。で、メールを紛失しました。何通かのメールにはお返事できたのですが・・・何通かは失われました。恐れ入りますが、中原からの連絡が「遅い」なとお思いの方は、再度、メールをいただけると助かります。お手数をおかけして申し訳ございません。嗚呼。