カレー粉事件

 昨夜のこと。
 仕事を終え、疲れて帰ってきて、ぼくとカミサン二人で料理。

 野菜炒めをつくっていた僕。最後の隠し味にカレー粉をいれようとした瞬間、どこから見ても「カレー粉ではない茶色い物体」がフライパンにボトボトと散乱する。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 虫だった。
 ギャー!!!!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 最近我が家に発生していた小さな虫。今日の朝も「どこから来てるんだろうねー」って話していたっけ。オマエの巣がカレー粉の小瓶だったとは・・・。

 知らなかったよ、君のおうちがそこだとは。

 フライパンに散乱する虫。
 野菜の熱で、一気に熱せられ、天に召されている。ぴくりとも動かない。

 料理人として、この「絵」は耐え難い。筆舌につきる。
 疲れているだけに、衝撃がでかく、声もでなくなった。ていうか、食欲ゼロベース。やる気萎え萎え。
 
 堪忍して、堪忍。
 労働者をこれ以上いじめないでください。
 もう二度とこのような凄惨な現場を目にすることがありませんように。

 ---

 でも、そんな僕の願いはむなしく、この数年以内に、あと数回は、こういうことがおこるような気がしてならない。1年に1回のイベント?

 そういえば、アメリカにいた頃もそんな事件があったっけ。
 名付けて

 「スイミングバグ事件」
 
 ホワイトシチューの中を、「虫(バグ)」がスイミングしていました。どうやらシチューの中にいれた「アメリカンなブロッコリー」に大量についてたみたい。それがシチューに広がった。スイム、スイム、スイム。スイムで踊ろう・・・橋幸夫。

 でもね、僕ら夫婦は、それを喜んで受けいれるよ。喜びはしねーけど。しゃーないわな、しゃーない。
 このクソ忙しいのに、毎日、「カレー粉」管理してられっか、タクランケ!

 今、カミサンは、台所で、映画スターウォーズ「ダースベーダーのテーマ」を歌いながら、フライパンの虫を処理している。「任務完了!」とか叫んでる。

 そんな後ろ姿が頼もしい。