教員の個人情報
先日、ある人と話した際、「大学によっては教員の自宅の住所や電話番号を、学部の学生に全員に名簿をわたして公開しているところがある」、という話になった。自分のゼミの学生だけにならわかるけど、不特定多数の人たちに公開とは、にわかに信じがたかった。
そんな話をしていたら、別の人が、「先日受け取った学会のニュースレターには、新入会員の住所と電話番号が書いてあったよ」と教えてくれた。こちらもにわかに信じがたかった。
個人的には「教育をする場所」や「研究をする場所」と「プライベートを過ごす場所」は、しっかり線を引きたいと思う。勝手に僕のプライベートに関する情報を公開して欲しくない。
小学校や中学校、高校では教員の住所は「連絡網」で公開されているのだから、「大学教員だってそのようにあるべきだろう」とおっしゃる人もいるかもしれない。
また、学会は「ひとつのコミュニティ」なのだから、会員間のコミュニケーションを増やすと考えられる情報は、積極的に開示した方がいい、という人もいるかもしれない。
しかし、どちらの意見にも僕は「はい、そうですか」と思えないところがある。
一言でいうと、「世の中にはいろんな人がいる」のだ。僕にはそのリスクにそなえる義務がある。
僕の考えからすれば、「情報を公開して受け取る教育・研究上のベネフィット」よりも、「そのために引き受けなければならないリスク」の方が、ずっと大きく見えてしまう。
この問題、誰も問題にしないのだろうか。もちろん、今回の話も、たまたま聞いた話なので、実態はよくわからないけれども。