親と教育ビジネス

 僕自身が「親子をターゲットにした科学教材」の研究をしているからでしょうか・・・最近、「親子」がにわかに教育の業界で注目されているように感じられてなりません。

 僕のこういう認識が、「そう思ってるの、アンタだけちゃうの?」という、いわゆる「ひとりよがり錯誤」でないことを祈るばかりですが(笑)、特に、最近、何を見るにつけても「親子」が気になって仕方がありません。うーん、今の僕は、いわゆる「親子バカ」かもしれませんが、たいがい研究者はそういうものです。自分の研究領域を愛してしまうと、寝てもさめても、ソレダケになります。

 ここでは詳細を述べませんが、教育系の会社の中でも、「親」をターゲットにしたビジネス展開を模索する動きもでてきているようです。

 「教材を子どもに買い与えるのは親」ですから、それもアタリマエなんですけど、それ以上に、個人情報保護法の施行以降、一斉DMは打てませんので、何とかして「意識の高い親が自分から情報を求めにくる動き」をつくる必要があるのでしょう。
 以前とは、教育ビジネスのあり方そのものが、変わってきている感じが、ひしひしと伝わってきています。

 その中でも、なんか「すげーな」と思ってしまうのは、「親子にフィーチャーした雑誌」の登場です。

日経Kids+
http://kidsplus.jp/

プレジデント Family
http://www.president.co.jp/book/X765-0.html

 「育児」「子育て」「学習支援」「受験」・・・「親が子どもにどのようにかかわるか」についての記事が満載です。

 これ、日経とプレジデントが出版していることからもわかるとおり、この雑誌の読者ターゲットは日経やプレジデントをよむビジネスマンですよ。

 たぶん・・・根拠はないんですけど(笑)、読者のターゲットは、「いわゆる高学歴の教育熱心な人で、子どもに質の高い教育を受けさせようとしている都市在住の親」と推察します。

 以上はもちろん単なる類推ですけど・・・。でも、記事に取り上げられる親が、総じて専門職、研究職、経営者層なので、そうなのかなぁと。

 まぁ、そういう層は子どもの教育に投資できる可処分所得も多いでしょうし、そもそも教育に熱心ですね。要するに経済資本だけでなく、文化資本も非常に高い。てことは、たぶん、マーケティング的にはそこをねらうのが一番いいってことになるのでしょう。

 もちろん、そういう雑誌を否定する気はまったくありません。読んでいてオモシロイですし、非常に勉強になります。
 でも、その一方で、「そういう雑誌がメイン読者層に想定していない親」に対する支援のあり方とか、情報提供とか、テクノロジのあり方が模索される必要があるんだろうな、と思います。これが次の研究課題なのかな、と思います。

 でもねぇ、これは言うのは簡単なんですが、本当に難しいことなのです。これも根拠レスですが、自分の経験では、ロワーになればなるほど、「学習効果に対する教材、教育システムの寄与率は低いのではないのかなぁ・・・」と推察します。それ以前に、いろいろやらなければならないことがでてくる。
 うーん、本当に悩ましいですね。

 親に接近する教育ビジネス・・・その勢いはますます加速していくでしょう。その果てには、どんな教育の可能性がひらけているのでしょうか。

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