Persuasive Technology
これは、僕の研究的にはかなりヒットした本です。
B.J.フォッグ(著)・高良理、安藤知華(訳)(2005) 実験心理学が教える人を動かすテクノロジ 日経BP社, 東京 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822282465/nakaharalabne-22
B.J.フォッグの「Persuasive Technology」が、翻訳されて出版されたのですね。英語で読んで損した(損でもないか・・・)。
訳者のひとりは、この日記でもご紹介させていただいたことのスタンフォード教育大学院をご卒業になった安藤さんです。
この本で、B.J.が論じているのは、「Computer As Persuasive TechnOLOGY:カプトロジ」という概念ですね。
要するに、
行動を変える
態度を変える
動機をつける
世界観を変える
といった、いわゆる広義の「説得」のために、コンピュータテクノロジーをいかに生かすか、という話です。説得の原理として7つの原則を提唱していますね。いろいろなソフトウェアの事例ものっていて、大変わかりやすい。
思うに、Educational Technologyの人たちでオモシロイ教材とかをつくってきた人たちは、こうした原則や原理を、意識せずに使ってきたのだとは思います。しかし、それをいわゆる形式知にはできなかったし、それを実験をもとに明らかにしたところ、それを包み込むような「ゆるい概念」を考えたところが、B.Jさんの研究のスゴイところだなぁと思いました。
ここ数年、僕の開発物の中にはPersuasive Technologyを活用しています。そして、今、新プロジェクトの立ち上げをしようとしていますが、これもやはりPersuasive Technologyがはいっています。
といいましょうか、キチンと学習者に使われるものをつくろうと思ったら、それは必然的に「Persuasive Technology」になってしまうものなのです。
非常に役立つ本だと思いました。
ご献本をいただいた安藤さんには、この場を借りて感謝いたします。ありがとうございました。