名探偵ホームズ
去年、仕事でイギリスにはじめて行った。会議・打ち合わせの合間に、ピカデリーサーカスを歩き、ビックベンを見た。
なるほど、ここがかつて"世界の中心"と言われた場所なのか。白いの壁が続くピカデリーサーカス沿いの建物を見ながら、そう思った。
と同時に、突然、脳裏に浮かびあがったことが、2つあった。
その2つが、いわゆる文化的に「コレクト」で高尚なことだったとしたら、格好がついたのかもしれないけれど、あいにくそうじゃない。
「結婚をしばしば宝くじにたとえるが、それは誤り。宝くじなら当たることもあるだろう」と答えたバーナード=ショーの皮肉。「男というものはいつでもそうだ。我が家から離れている時が一番陽気なものなのだよ」といったシェークスピア。
僕のアタマに浮かんだ2つは、全くそういう類のものではなかった。ウィットに富んだ会話や台詞をあみだしたバーナード=ショーでもなければ、シェークスピアのカケラも思い出さなかった。
僕が、思い出したのは、子どもの頃に聞いた2つの曲である。
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街に流れてる 時計台の鐘の音
霧が晴れたなら 窓をあけてごらん
石だたみに影がのびる
愛という名の足跡
隠せないさ 僕の瞳は
ホンの小さなことまで
隠せないさ やがてHappy end
キミのポストに届くよ
空からこぼれたStory
(空からこぼれたStory)
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目覚めた ときには
あなたの ベッドは カラッポ
ヴェランダごしに 見えたよ 噴水
何を見つけたか 教えて 散歩の 途中で
引き返してくる 広場の 広場の噴水
24時間 頭の中で ナニカが
ダンスしている人なのだから
24時間 瞳の中で ナニカが
ダンスしている人なのだから
(テームズ河のdance)
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これらの曲は「名探偵ホームズ」のアニメ版で使われていた2曲である。透明な歌声で、ダ・カーポが歌っている。
ダ・カーポ ベスト http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00008Z6X0/nakaharalabne-22
「名探偵ホームズ」は、コナンドイル原作の「シャーロックホームズ」をイヌに置き換えて、日本とイタリアの合同製作として1981年にスタートした。放映されたのは1984年。今から、21年も前の話しになる。
名探偵ホームズ
http://www.tms-e.com/library/tokushu/holmes/
このアニメーションは、スタッフ陣の優秀さでも際だっていた。全26話のうち、6話は、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」をつくった宮崎駿が担当したという。音楽担当は、羽田健太郎であった。
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このアニメを毎週楽しみに見ていた頃、僕は小学校の3年生~4年生くらいだったと思う。
蒸気自動車が石畳の道路を疾走する・・・まだ見ぬイギリスの街が、どうにもステキに思ったことを覚えている。
僕がまだ子どもの頃、早朝、自宅の前を「荷物をひいた馬」が走っていたことを覚えているが、そういう北海道の風景とは全く違った光景であった。
それから21年・・・。
先日、CDを入手して、ipodで繰り返し聞いている。
20年と言われると、どうにも実感がない。
しかし、実感はなくとも、メロディのほんのさわりを聞けば、あの頃を思い出す。なぜか歌詞も口ずさめる。
21年は遠い昔のことではないのかもしれない。
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追伸.
先日、「教室にやってきた未来」(1995年・NHK)を、青山学院の学部生に見せた。コメントカードに感想を書いてもらい、今日受け取った。
感想の中には、「今から10年前というと、わたしも同じ年齢でした。小学校4年生くらいの頃、こんなコンピュータをつかった授業はありませんでした」というものが数多くあった。
そうか、あの頃の小学生が今大学生になっているのか。そして、今、教職をめざしているのか・・・。
なんか感慨深かった。