限られた<あなたの時間>を求めて
読売新聞 2005年10月18日号の「アメリカ新聞事情」という記事を読んだ。非常に興味深い内容であったので、下記のように同記事より引用を行う。
米国の新聞部数が減り続けている。米国新聞協会の発行部数速報分析が、業界に波紋を投げかけたのは去る5月。大手紙が軒並み前年を大きく割り込んだのだ。
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米国の新聞は、過去20年間、年平均0.7%のペースで部数を減らしてきた。昨年の総発行部数は、5500万部と最盛期を13%も下回る。
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昨年、ノースカロライナ大学のフィリップメイヤー教授が著した「バニシングニュースペーパー」は、新聞の衰退を統計データで裏付け、「読者が今のペースで減れば、2043年に新聞はなくなる」と警鐘を鳴らし、大きな反響をよんだ。
読者数も、大手ニューヨークタイムズの場合、紙の13万部に対し、ウェブサイト読者は10倍近い1100万人。同社は、この8月、これまで紙のニュースをサイトがもらっていたカタチをかえ、総合的にニュースを編集する大胆な編集局統合構想を表明した。
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米中西部カンザス州の小さな新聞社が、今、「未来の新聞社」として全米の注目を集めている。部数2万部の日刊紙を発行するローレンス・ジャーナルワールド者だ。
同社ニュースエンターには、新聞のほか、系列CATV局と、ウェブサイトの3社の記者が同居する。6年前から、「メディアコンバージェンス」とよばれる多メディア戦略をっすめ、新聞・テレビ・オンラインなど、異なるメディアが情報を共有発信している。
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米国と日本の新聞システムは全く異なる。上記の記述だけをもって、「日本の新聞が将来どのように変容するか」を考えることは暴論である。
ただし、1990年代の発明品であるインターネットが、既存メディアのかたちを少しずつ変容させようとしていること、そのことだけは間違いはない。
同日他紙には、「TBSが番組配信をネットで行う」というニュースが掲載されていた。フジテレビなど、他チャンネルもすでに参入を決めているから、いよいよ放送と通信の融合が本格化する。
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さぁ、戦いのはじまりだ。
新聞、テレビ、ネット、ラジオ、ipod、書籍、雑誌・・・人々は、様々なメディアに囲まれている。しかし、人々がいくらメディアをもとうと、人々がそれらにあてられる一日の可処分時間は限られている。
限られた<あなたの時間>を求めて・・・メディアウォーズは、いよいよ本格化する。