企業がつくる大学院
つい先日、下記のようなニュースがながれた。
中山文部科学大臣は、来年度開設予定の大学院の設置認可申請について審議会に諮問した。それによると、構造改革特区制度を使った株式会社立の大学院設置があいついでいるという。今年は、下記のような各社が設置を検討している。1.大原学園(専門学校)による会計専門職大学院
2.グロービス(専門学校)による経営者養成大学院
3.ワオ(学習塾)によるアニメ製作技術大学院
4.栄光(学習塾)による「教員養成系 専門職大学院」
5.旭インターネット大学院大(信州大学系)[2005年7月13日付 日本経済新聞・中原要約]
株式会社立の大学院ということになると、昨年、デジタルハリウッド大学院大学をはじめとする3校が開校している。いずれも既に教育の母体を、専門学校・各種スクールのかたちで持っていた法人が、その上位教育組織として、新規に大学院をつくるというかたちになっている。
おそらく、こうした動きは今後も加速するのであろう。
しかし、気になるのは、大学院の増加に大学院生の増加がともなっているのか、ということである。近年できた大学院の中で、既に定員割れになっている大学院は少なくない。また、たとえ国内の伝統的なトップユニバーシティであっても、いくつかの研究科では、既に定員割れの状態にある。
それほどパイは増えていないのに、さらには、これから日本は人口減少経済に移行するのにもかかわらず、大学院の数は、増えていく。この奇妙な現象に、どこか怖さを感じてしまうのは僕だけだろうか。
追伸.
個人的に気になる大学院は、やはり、栄光の設立する「教職大学院」である。これは塾の先生が「教え方」を教えるということになるのだろうか・・・。