T-1 GRANDPRIX

 ウェブリテラシー研究所で、取り上げられていた記事です。

T-1 GRANDPRIX インターネット家庭教師コンテスト! http://t1gp.jp/index.html

 同じく驚愕しました!

 「受けたい先生を自分で選び、30分の授業を受け、
  授業後に100ポイントを獲得。そのポイントを利用し、
  自分の気に入った先生、おもしろかった先生に投票を行います。」

 だそうです(上記サイトより引用)。

 絶句。

投稿者 jun : 2005年7月31日 08:32


Learning Cafe@Todai 「ちょっと知的なプチ研究会風ランチ」

Learning Cafe@Todai (TM...ウソ)は、中原が企画する、「ちょっと知的なプチ研究会風ランチです」(笑)。今回は、1)米国NPOの実際、2)インターネットを活用した教員研修プログラムについて、話をしていただきます。是非、ご参加下さい!

追伸.
実は、Learning Bar@Todai(TM...しつこいですね)というのも企画しています、こちらは夕方ですが。こちらは、ちょっと知的なプチ研究会風のバーです。学習にちょっとでもかする人が集まります。

どうぞお楽しみに!

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 Learning Cafe@Todai
 「米国教育NPOの活動について」
 2005年8月3日 午前11時45分 -  東京大学
 主催:NPO法人 Educe Technologies
====================================================

 ハーバード大学教育大学院を卒業し、米国の最大手の
教育NPO「Education Development Center」で研究員と
して、各種の教育プロジェクトに関与なさっている、
イベッタ=タンさんが、このたび来日します。

 Educaion Development Center
 http://main.edc.org/

 つきましては、これを機会として、

 1) 米国の教育NPOがどのような活動をしているか?
 2) 米国の教育NPOは、社会の中でどのような役割を
   担っているか?
 3) イベッタさんが関与なさった「Online teacher
   education」のプロジェクト

 について、カジュアルにお話を伺う機会をもちたいと
思います。周知のとおり、NPOは米国の教育を支える大
きなエージェントです。当日は、日本ではまだまだ未発達
の教育NPOの実際について、お話をしていただければと
思っています。

 なお、Learning cafe@Hongoという名称は、別に僕
が転職して喫茶店のマスターになるということではあり
ません。
 大学が、学習について関心のある人々が集まるCafeの
ような雰囲気で、いろいろな情報を共有しあえる場所に
なればいいという願いがこめて命名しました。Learning
Cafeの主催は、NPO法人「Educe Technologies」です。

 なお、当日はサンドイッチとコーヒー、紅茶などは無
料でご提供いたします。

 詳細は下記のとおりですので、是非、お越し下さい。

 中原 淳
 Educe Technologies副代表理事

------

日時:
  2005年8月3日
  午前11時45分から1時間程度

場所:
  東京大学情報学環 山内祐平研究室
  http://ylab.jp/access.html

参加申し込み方法:
  8月2日までに atusaka [at mark]educetech.org
  までメールをいただければ幸いです。

  人数は15名程度を予定しています。それを超えた
  場合は申し込みを締め切らせていただきますので、
  ご了承下さい。

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投稿者 jun : 2005年7月30日 18:14


「続・今、教師が熱い!」

 先日、「今、教師が熱い」というエントリーを書き込みました。

今、教師が熱い
http://www.nakahara-lab.net/mt/archives/2005/07/post_86.html

 すると、blog人生3ヶ月にして最も多いコメントが寄せられました。4連発の君島さんをはじめ、皆さん、ありがとうございます。

 特に今回は、現職の先生方からコメントが寄せられ、その内容は、とても考えさせられる内容でしたので、ここでも紹介しようと思います。寄せられたご意見・ご感想に関して、僕もコメントさせていただきました。

まずは「通りすがりの現職教員」さんから。

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>はじめまして.
>中原さんのBlog拝見させてもらっています.

ありがとうございます。
励みになります。

>>カリキュラムをどう作るかは、教育学部でどう研究・
>>教育しているのですか。そしてそれは教育原理とい
>>う理論とどうつながっているのですか

>現場では,こういうことは,ある意味どうでもいいし,
>知らなくても,すばらしい教育を提供できることもあります.
>社会的構成主義とか…難しい教育理論など知らなくても
>実際には,昔から試行錯誤されている教授法のひとつの
>ようにも感じます.

確かにそうですね。

理論を知らなくても、素晴らしい教育を提供出来る可能性があります。
知っていても、ショボイ教育しかができない可能性もあります。

三十路寸前、中原淳、お調子ものですので、またまた調子こいてくっちゃべると、

知らないが故に、ショボイ教育しかできない可能性もあります。
知っていて、なおかつ素晴らしい教育ができる可能性もあります。

要するに、4つの場合にわかれます。
人生いろいろ、教育もいろいろです。
アタマだけがデカイ人、実践させたらスゴイ人、両方できる人、
いろんな人がいるのでしょう。

ところで、教育理論は、敢えて簡単なことをコムズカシク
しゃべっているような感じがありますね。

おっしゃるように、それは、昔から人々が「アタリマエ」に
やっていたことを、言葉をかえ、品をかえ、繰り返している
ようにも見えるかもしれません。

ただ2つ敢えて申し上げあげたいのは、

1つめは、

よい理論ほど実際に役にたつものはない

ということです。
これはクルト=レヴィンという人の言葉です。

ある程度勉強した上で(勉強は必要です)、なんかうさん
臭いな、わかりにくいな、役にたたなそうだな、と感じたら、
それは理論がショボイのです。
そんな理論をアリガタガル必要はありません。

たしか夏目漱石の言葉だったと思うのですが、「人間には本
を途中でやめる権利」というのがある、というのがありますね。

本を読んでみる。何をいっているんだかさっぱりわからない。
そういうときには、おかしいのは「本」の方です。
それと同じではないか、と思っています。

あともう一つ。

理論というのは、現場に適用するためだけに存在しているのでは
ありません。

いつもアタリマエにやっていることを「説明」する機能も
あります。日々の雑事にまみれ、「日々何気なくやってはいる
けれど、自分には気づかない」ことが、人間にはあります。

そうしたことを敢えて違っためがねで見つめてみる。
その瞬間に、今まで見えなかったことが見えるようになる。

よい理論には、そうした機能があるんだと思います。
むしろ、そうした性格の方が強いかもしれません。

僕は、いつも社会人大学院生の方々にお話していることがあります。
社会人大学院生の方々は、何かの問題感心を抱えて、大学院にきます。
そして、一見役には立たなそうな理論を学ぶ。いったん現場を離れて。
そのことを「棚卸し」と表現する方もいます。

で、僕は、いつもこういうお話をします。

「一度、大学院にきて、いろいろなことを知ると、
シャバには戻れませんよ」

もちろん、文字通りの意味ではありません。それが証拠に、
社会人大学院生の方々は、シャバにもどり、仕事場に帰っていきます(笑)。

むしろ、言いたいことは、こういうことです。

「よい理論を知って、一度、自分のやってきたことを、見つめ
なおすと、それを知らなかった頃の自分には、戻れなくなりますよ
今まで見えなかったものが見え始め、気づいてなかった意味に
気づくようになります。その意味で、元の道には戻れませんよ」

すべての理論がそういう機能をもっているかどうかは、
わかりません。

先生にとって、実践的で、洞察にみちた理論が見つかると
よいですね。

>でも,今,一番切実に感じることは,こういうことを,
>じっくりと考えられる位のが時間が欲しいということです.
>公務員批判のもとなのか…時代の流れなのかわかりませんが
>今,教員に余裕がなく,日々の雑務で手一杯です.
>むしろ,自分で必要だと思う研修すら行えません.

これは大問題ですね。

創造力と洞察力にあふれた日々を生きるためには、「余裕」が必要
だと思います。

どこの業界でもある程度はそうなんでしょうけど、忙しい人は
より忙しくなっている気がします。

ところで、マスコミの批判の中には、確かに、「それは教育の
問題か?」と思わせるものが数多くありますね。それがカタル
シスにつながるのでしょう。

僕は、学生時代からいつも言っている言葉に、「教育はコエダメじゃ
ない」というのがあります(笑)。

教育社会学者の広田先生の言葉ですが、「教育にはできること」
と「教育にできないこと」があります。
それをクソ○ソ一緒にして、教育のせいにされて、お門違いの
批判をされることが、ままありますね。何でもかんでも、教育
の領域に押し込めば、問題は解決すると思っている。

僕らは、そういう議論に時に「No」を突きつける必要が
あるのだとおもいます。「それは教育では解決出来ません」
できないことには、はっきり「できない」といった方がよいのです。
「できないこと」を知ると、「できること」がわかります。

マスコミの単調な論調 - もちろん、すべてがそうではありませんが -
ホントウに困ったものだと思っています。

>私は団塊ジュニアと言われる世代で,それこそ倍率100倍
>とかいわれる時代に必死に勉強して教員になりました.
>ある意味,運良く合格した10年目の教員です.
>職場には自分が最年少で,上は5つも離れています.
>前後がまるでいない状態です.ここで急に「教員養成バブル」
>になって新卒教員がたくさんくることをかんがえると
>恐ろしいです…

これは恐ろしい事態ですね。

上の世代がごっそり抜け、一番、少ない数の少ない世代が、
組織のハブとなり、かつ、教育機能まで担わされる。

フツウの会社でも同じような事態は進んでいます。
まだ成長の途上にある若手社員が、教育機能を担わされ、
最もキツイ立場におかれる。

が、教員の場合、さらに悲劇的なのは、通常の会社よりも
「いびつ」な人口動態にあると思います。

>今,私たちがうけている10年次研修もひどいものです.
>大量採用のころの教師たちが、いわゆる「団塊の世代」の
>教師たちが講師になって,何日もかけて講義を行っています.
>必死に勉強しなくてはならなかった私たちにとって
>当然既知である内容や思いつきのような教員研修です.
>(中略)
>現在,私たちは,法令で定められた日数をこなすばかりの
>研修を行っています.10年目の教員が行っているのは,
>動物園に行ったり,山登りをしたり,歌を歌ったり…
>それこそ税金の無駄遣いと言われそうな研修と
>せいぜい指導要領に書いている内容の確認です.

ここは、僕の最も興味を持ったことでした。
そして、リサーチクエスチョンとして、非常に重要な
内容になるな、と思いました。

教員研修は、1)誰が教員になって、2)どのような学習目標のもと、
3)どのような内容を、3)どのようなタイミングで、4)どのような
手法で、行っているのでしょうか。

ある程度の情報は、Web等でもわかるのでしょうが、実際は
どうなのでしょう。こうしたことがらを、エスノグラフィックに明らかに
するとオモシロい研究になりそうな予感がしますね。

いったい、現場では何が行われていて、何が伝達されているのか。
何が学ばれているのか。

「こういうコースが提供されています、そんなことWeb見たらわかる
じゃないですか」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、「コースがあること」と、「そのコースが適切な学習カリキュラム
になっているか」どうかは、全く別のことです。提供はされていても、
ちっとも学べないカリキュラムもあります。

寡聞にして、僕は、この種の研究が存在するのかしないのか、
わかりません。

もし、このblogをお読みの現職の先生方がいらっしゃったら、
教員研修の実態を教えて頂きたいものです。

そういえば、かつて、京都大学に内地留学なさっていた静岡
の鈴木先生が、「IT教員研修」のことについては論文を
お書きになっていました。エスノグラフィーの手法を用いた、
オモシロイ研究でした。「IT教員研修のエスノグラフィー」ですね。

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お次は、「現職教員2」さんです。

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>いつもブログを拝見しています。

ありがとうございます。
精進します。

>>こうした現状をよそに、塾産業は、新たなマーケット
>>を求めて、新規サービスを展開しようとしている。
>>教員の「授業スキルの向上」「指導力育成」ということです。

>現場では、授業スキルの向上の大切さを痛感し、教師もがん
>ばっています。しかし、実際は授業スキルだけあっても学級
>経営は成り立ちません。
>教室には特別支援を必要としている児童やいろいろな事情の
>家庭の児童がいます。その対応に時間とエネルギーも使います。
>その他、休憩時間にはいろいろな雑務が待っています。
>でも、子どもの「わかった!」という笑顔のために少しずつ
>でも進んでいきたいと願っています。
>これからもいろいろな情報をよろしくお願いします。

まさにおっしゃるとおりですね。

教員として働くには何が必要か?

その問の答えは、決して、「授業スキル」だけではありません。
学級経営もあるでしょうし、心の問題に関する知識、地域に
関する知識があります。

どんな教育を提供すれば、教員を研修出来たことになるのか?

この問題を考えるためには、「教師とは何か?」「教育とは何か?」
「学校は何をすべきところか?」という問題にぶちあたります。

ホントウに深い問題です。

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以上です。
ともかく、お二人の先生方、コメントをありがとうございました!


追伸
 TREE blog更新しました、 「高大連携とeラーニング」!

 TREE blog
 http://tree.ep.u-tokyo.ac.jp/
 

投稿者 jun : 2005年7月29日 19:12


電車男

 「えるめすは男がつくりだした偶像!」
 「露骨なメディアミックス戦略が嫌らしい」

 などと、フェミニンな方々からも、マーケな方々からも、いろいろと叩かれている「電車男」。先日、CXのテレビドラマ版をはじめて見ました。

 ---

 感想はね・・・。

 あのね、フェミだか、マーケだか知らないけれど、そんなこと、どうでもいいってーの、オレに言わせれば。本質を見失ってるんだってーの。

 本質はさ、
 
 「伊東美咲、萌え!」

 この一言です。
 以上!

 矢田亜希子タンが好きで好きでたまらなくて、パソコンの壁紙にしてしまっている神戸大学の「もち○き君」を見習って、僕も、彼女を壁紙変えようかと本気で思ったわ。

 ドラマは、書籍以上のものは感じなかったけど。とにかく、伊東美咲さんがよかったです。

 ---

 それにしても、伊東美咲さんは、顔が変わると思うんだよね。このドラマの顔と、グラビアのときの顔が、どうも違う。

 まぁ、どっちもすこぶる「よい」のですが。

投稿者 jun : 2005年7月28日 22:51


カキーンと日本酒

 いやー、最近、日本酒がたまらん。

 「冷」でさ、「カキーン」「キーン」という音が聞こえるくらい、冷やしてね、キューッと飲むわけよ。これがタマラン。夏は日本酒だね。

 一合でいいんだ、一合で。
 
 いやいや、わたくし、ウソついてました、一合じゃたりねーよな。できれば2合くらいがいいんだ、2合くらいが(笑)。で、これをゆっくりゆっくりと飲むわけです。

 日本酒もさ、昔は嫌いでした。

 高○生の頃とかはさ、「鬼ごろし」とかね。「おい、これはメチルアルコールかい?」っていうような安いのしか飲めなかった。だから、べちゃべちゃしてて美味しくなかった。で、そんなヤバイオチャケでも「量」は飲むわけだから、やっぱり、次の日に「二日酔い」とかなって、それがきっかけで、日本酒が嫌いになったんだろうな、と思うんです。

manjyu.jpg

 でも、今は、少なくてもいいから、美味しいヤツをカキーンと飲む。久保田の萬寿みたいのをね、カキーンと。そしたらさ、わかったんだけど、「日本酒」ってのは、フルーティなのですね。ワインみたいにさ、果実っぽい甘さと香りがある。これにはまりました。

 そりゃ、ワインもおいしい。だけど、ワインには「あう料理」っていうのがあります。たとえば、ヒモノ食ったあとで、赤ワインはヤバイよね、もちろん、悪い意味で。吐くね、間違いなく。でも、そういうのが日本酒にはありません。日本酒には「あわない料理」ってのがないように感じるのです。そういう意味では、万能なオサケではないかと思うのです。

 近いうちに、おいしい日本酒のみに行きたいな、と思っています。どこか良い店あるかな、日本中のおいしいオサケが飲めるみたいな。

 カキーンとね、「冷」で、キューッとね。
 キャッ、キャッ、キャって、飲みたいわけよ。

投稿者 jun : 2005年7月27日 20:59


今、教師が熱い!

 200X年問題...

 何だか、毎年のように「X」が生まれて、ヨノナカ、問題だらけに感じる今日この頃ではあるけれど、昨今、教育業界でよく言われているのは、いわゆる「2007年問題」への対処である。

 要するに、2007年から数年にわたって、いわゆる「団塊の世代」の教師たちが、定年を迎え大量に退職となる。そして、その「穴」を埋めるべく、都市部では新卒教師の大量採用がはじまっている。

 おそらく数年後には、「望みさえすれば誰でも教師になれる状態」が生まれる。わずか10年前には、「倍率100倍」「採用1名」とか言われていたのが、ウソのような状況、いわゆる「教師全入時代」が到来するのである。

 そしてそれをあてこみ、現在、大学では「教員養成系」の学部の新設や、定員拡充があいついでいる。まさに「教員養成バブル」である。この比喩が秀逸なのは、「バブル」であるから、いつかは破綻する、ということ。今後、何年かは超売り手市場がはじまるけれど、それが永年続くわけではない、ということです。

 ---

 しかし、この問題を聞くにつけ、かえすがえす、疑問に思うのは、「どうしてもっと計画的に教員養成ができないのかな」とい素朴な疑問である。

 7月12日の日本経済新聞によると、「今後5年間で団塊の世代の教員が辞め続け、教師3人に1人が退職する」のだという。

 でも、これって、スゴイ数字じゃない? たとえば、これが「医者」だったら大問題になると思うんだよね、だってベテランがいなくなって、数年後には、インターン出たての医者しかいませんよ、っていわれたら、ビビルわな。

 教育だって医療だって、同じです。
 当然、教育現場は、大いに混乱する可能性がある。ベテラン教師の大量退職によって、現場のコミュニケーションサーキットも崩壊するだろうし、新卒教員の指導力不足も懸念される。偏りのあるピラミッドは百害あって一利無し、のように思えてしかたがない。そして、ピラミッドの動態は十分予測可能なはずなのに、どうして、もっと前から採用を行わなかったのだろう、と、つい思ってしまうのです。

 いや、僕は教育行政の専門家ではないから、わかりませんよ。いろいろと事情はあるんだろう、とは思う。だけど、ある時期に大量に採用して、ある時期はゼロになる。これを繰り返していくと、均衡のとれたピラミッドはいつまでたってもできない。近い将来、こういう偏りがおき、現場は混乱することは、確実に予見出来るのに、有効な手だてを打たない・・・。
 さらには、ある時期に生まれた大学生は、優れた人であっても、なかなか教員になれない。だけど、ある時期に生まれた人は、誰でも望めばなれる。こういうのは、「運」もあるんだろうけど、ちょっと納得出来ないなとは思う。

 ---

 こうした現状をよそに、塾産業は、新たなマーケットを求めて、新規サービスを展開しようとしている。教員の「授業スキルの向上」「指導力育成」ということです。

 先日、某塾が教員大学院を設立しようとしている、という動きを紹介しましたが、大手の予備校も、こうした「遅れてはならぬ」と様々なサービスを提供している。

 代々木ゼミナール 教員研修セミナー
 http://202.3.141.248/eri/tre/tre-index.html

 こうしたセミナーが成立する背景には、

 「予備校講師=授業・指導がうまい」
 「教員の授業スキル・指導力低下が深刻」

 だから

 「教員は、予備校の講師学ぶべき」

 3段論法が見え隠れしている。

 もちろん、予備校の講師の中には、高い授業スキルを有している人もいるし、その有用性は高く評価するけれども、この問題は実はもっと根深い問題をはらんでいる。

 実は、先日の日記を読んだ、ある大学院生S君がメールをくれて、その中で、いみじくも指摘していたことなんだけどね。

 塾産業・予備校による教員養成・教員研修の問題を考えると、おのずと、「教員の専門性とは何か?」「学校とは何か?」という問題にぶち当たるのですね・・・ものすごくデカイ問いに。

 だって、教員研修を行うためには、「何が教えられれば教員を研修できたことになるのか」を明確にしなくてはならないからね。

 今までこうしたものは、ほとんど、「公」で行われてきたために、こうした問いは不問に付されてた。だけど、ここに「民」のパワーが入ってくると、おのずと、「教員とは何ができる存在か」「教員につけさせるチカラとは何か」を明らかにせざるを得なくなるわけです。

 個人的には、これは、いろいろなことを考えるためのよい機会だと思っています。重要な問題ををすっとばして、もし何でもかんでも民間でということに、もしなるのだとしたら、それだけは避けなければならない、と思っていますが。

 ---

 この問題、皆さんはどう思われますか?
 いずれにしても、今、教員が熱い。

投稿者 jun : 2005年7月26日 18:40


自由

 先日、ある本を読んでいたら、政治学者の原田鋼さんという方の言葉に出あった。

「自由になるためには、権力から逃れる場合もあるし、かえって権力に参加していく場合もある。現代は、参加していかなければ自由を実現出来ない」

 かつて、僕がよく聞いていた歌手に、尾崎豊がいたけれど、彼の歌う世界では、「自由になるためには逆らい続け」なければならない。

 行儀良くまじめなんてクソくらえと思った
 夜の校舎 窓ガラス 壊してまわった
 逆らい続け あがき続けた はやく自由になりたかった

 信じられぬオトナとの闘いの中で
 許し合い いったい何 わかりあえただろう
 うんざりしながら それでも過ごした
 ひとつだけわかってたこと
 この支配からの卒業
 闘いからの卒業

 (尾崎豊「卒業」)

 いったい、自由とは、何の果てに見いだせるものなのだろうか。

投稿者 jun : 2005年7月25日 12:31


企業がつくる大学院

 つい先日、下記のようなニュースがながれた。

 中山文部科学大臣は、来年度開設予定の大学院の設置認可申請について審議会に諮問した。それによると、構造改革特区制度を使った株式会社立の大学院設置があいついでいるという。今年は、下記のような各社が設置を検討している。

1.大原学園(専門学校)による会計専門職大学院
2.グロービス(専門学校)による経営者養成大学院
3.ワオ(学習塾)によるアニメ製作技術大学院
4.栄光(学習塾)による「教員養成系 専門職大学院」
5.旭インターネット大学院大(信州大学系)

[2005年7月13日付 日本経済新聞・中原要約]


 株式会社立の大学院ということになると、昨年、デジタルハリウッド大学院大学をはじめとする3校が開校している。いずれも既に教育の母体を、専門学校・各種スクールのかたちで持っていた法人が、その上位教育組織として、新規に大学院をつくるというかたちになっている。

 おそらく、こうした動きは今後も加速するのであろう。
 しかし、気になるのは、大学院の増加に大学院生の増加がともなっているのか、ということである。近年できた大学院の中で、既に定員割れになっている大学院は少なくない。また、たとえ国内の伝統的なトップユニバーシティであっても、いくつかの研究科では、既に定員割れの状態にある。

 それほどパイは増えていないのに、さらには、これから日本は人口減少経済に移行するのにもかかわらず、大学院の数は、増えていく。この奇妙な現象に、どこか怖さを感じてしまうのは僕だけだろうか。

追伸.
 個人的に気になる大学院は、やはり、栄光の設立する「教職大学院」である。これは塾の先生が「教え方」を教えるということになるのだろうか・・・。

投稿者 jun : 2005年7月24日 12:24


手のひらサイズ

 このアイデアはすごい!、素晴らしい!
 みんな魅了されるに違いない!

 そう思ったときは、「手のひら」を大きく広げ、じっと見つめるとよい。

 スピルバーグはいう。

 アイデアを25文字、ないしはそれ以下で語ることができれば、それはかなり出来の良い映画になるだろう。私はアイデアにひかれるが、とくに、「手のひら」にのるようなアイデアが好きである。

 人を魅了するとは、そういうことである。

投稿者 jun : 2005年7月23日 12:19


ヤバイ

 このあいだ、驚愕の事実を僕は知った。

 知っている人は、ずーっと昔から知っていたのかもしれないけれど、僕、これを聞いたときは、腰が抜けたね、タマゲタね。

 ていうか、皆さん、「ヤバイ」って言葉の意味は30代くらいを境にして、意味が変わるって知っていましたか。

 たぶんね、僕、今年30なんですけど、この世代に「ヤバイってどういう意味?」って聞くと、「マズイ」「失敗した」「やっちまったー」とかいうと思うんだよね。簡単にいうと、とってもネガティヴな意味。

 たとえばさ、今、ある女の子が合コンにいくわね。で、「いやー、こないだの男はヤバイ」って言ってたりしたらさ、それは、彼女がとんでもない「マザ夫」か「オタ夫」かに出合っちゃった・・・まぁ、マザだろうが、オタだろうが、何でもいいんだけど、要するに「アチャパーっていう男が合コンにキタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!」ってことになるわけですよ。

 でも、ところが、これを10代、あるいは20代前半にきくと、全く違う意味になるんだって。彼らは、「ヤバイ」をとってもポジティヴな意味にとらえてるんだとさ。要するに、「Very good」だね。

 さっきの例でいくと、「あの男、ヤバイ」っていうのは、ものすごくイケ面(これも死語)な意味になってしまうんだって。

 いやー、この事実は驚愕しました。
 だって、フツーに今まで、学部1年生とかと話してたとき、「ヤバイ」とか使っていたしさ。
 そのたびごとに、彼らに「あちゃー、コイツ、意味違ってるよ、ていうか、旧世代だわ、ダセー」と思われてたんじゃないかな、と思っちゃいました。

 いやー、参った、参った。ていうか、語の意味ってのは不思議だねー。びっくりだ。変わっちゃうんだよね、世代によって。

 それにしても、みんな、このこと知ってましたか?
 <30代的にヤバイ>のは僕だけですか?
 いや、じつは、僕だけじゃないことはわかってんだ。今日、eラーニングワールドの講演で、NIMEの<大御所>の田口さんにあったらさ、彼女は「ヤバイ」って言葉をネガティヴに使っていましたから・・・フフフフフ(どらえもん風に笑う)。

 それにしてもさ、この語の意味転換がおこるのは、ホントウに何歳が境なんだろうね・・・30代なのかな、それとももっと下?

 不思議だぁ。

投稿者 jun : 2005年7月21日 21:42


ていうか、どっちも、いらんから

 今日は僕にとって、一区切りつく日である。

 今日のエキスポ「eラーニングワールド2005」での講演を2つこなせば、この2ヶ月続いた地獄のようなスケジュールが、ようやく一段落つくからである。

 今月末には、学会の原稿が〆切になるので、少し図書館に籠もりたい(本業に戻りたい)。

 ここ最近の活動については、毎日新聞のHさんが記事にしてくれた。ありがとうございました。

毎日Interactive BEAT公開研究会 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20050716k0000m040004000c.html
毎日Interactive 東京大学シンポジウム http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/elearningschool/news/20050712org00m040081000c.html

 個人として参加/推進している研究プロジェクトの進行は下記のとおりです。

 OYAKOプロジェクトは、某キャリアから端末120台をお借り出来ることになった。とてもありがたい。
 交渉役となっていただいたベネッセコーポレーションの和気さんには、とても感謝している。ありがとうございました。NHK大房さんの方では、8月のプレ実証実験に向けて、そろそろコンテンツ、ロゴなどの作り込みをスタートしているそうだ。僕も、そろそろプレスの準備をしなければなりませんね。

 「科学博物館のPDAナヴィゲーションシステムの形成的評価」に関するプロジェクトは、いろいろあって予定がずれ込み、9月にアンケート調査を実施することになった。8月初旬に、リスケジューリング。メンバーには、とっても面倒をかけてしまっている。心から申し訳なく思っている。

 企業内教育の教科書プロジェクトは、先日、出版社がきまり、リスケジューリングを行った。何人かのメンバーのことを考えると、なんとしても、今年度中に出版までこぎつけたい。「正月は編集になっちゃうのかなぁ・・・」と遠くの空を眺める。

 八重樫さん、望月さんと勧めているProject i-bee designは、論文提出まで、あともう少しのところまできている。次回の会議が最終になるだろう。

 鈴木さん@滋賀大学、永田さん@兵庫教育大学と勧めているプロジェクトは、現在、西森大先生と僕とでシステムの仕様を検討中。27日になんと4時間にわたるテレビ会議が開催される。ル・マンなみだね。

 ---

 次に、東京大学の内部のプロジェクトの進捗は下記のとおり。

 まず、僕がコーディネータをすすめる「全学的な教育の情報化」推進プロジェクト、TREE(Todai Redesigning Educational Environment : 東京大学 教育環境リデザインプロジェクト)のWebサイトができあがりました。このWebの開発には、吉田さん、久松さんにお願いしました。ありがとうございました。
 

TREE
http://www.todaitree.jp/

 TREEのサイトは、本プロジェクトの成果を公開するサイトであるのと同時に、国内外の大学の「教育の情報化」に関するニュースを適宜更新していくつもりです。「はてなアンテナ」とか「RSSリーダー」とかに登録してね。

 「東京大学の内部のプロジェクト」に関しては、現在、「Todai Ed.TV」「未来の教室」などを計画中です。

 「Todai Ed.TV」は、東京大学の大学院生が利用出来る自学自習用Webサイト。各学部おける基礎講義 / 基礎科目をWebストリーミングで学内向けに配信します。また、同時に Online Tutor制度も導入する予定です。

 後者はまだ秘密。

 ---

 ちなみに、明日から北海道。なんと、メデタイことに、僕の妹が結婚するのです。

 結婚式では、兄として、「参加者のお涙を誘うスピーチ」をするか、あるいは、「渾身の演歌」でエールを送ろうと思っていたのですが、見事に「ていうか、どっちも、いらんから」と言われてしまいました。

 カミサンには、「あの人、なんかしたくて仕方がないみたいだから、美和ちゃん、見張ってて」と言っていたらしい。コシャクなヤツめ。

 ---

 そうだ・・・最後に・・・ひとつ思い出した。
 Project p-cube・・・田口さん、どないなってるの?

投稿者 jun : 2005年7月21日 08:59


Learning Cafe@Hongo - 米国教育NPOの実際

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 Learning Cafe@Hongo
 「米国教育NPOの活動について」
 2005年8月3日 午前11時45分 -  東京大学
 主催:NPO法人 Educe Technologies
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 ハーバード大学教育大学院を卒業し、米国の最大手の
教育NPO「Education Development Center」で研究員と
して、各種の教育プロジェクトに関与なさっている、
イベッタ=タンさんが、このたび来日します。

 Educaion Development Center
 http://main.edc.org/

 つきましては、これを機会として、

 1) 米国の教育NPOがどのような活動をしているか?
 2) 米国の教育NPOは、社会の中でどのような役割を
   担っているか?
 3) イベッタさんが関与なさった「Online teacher
   education」のプロジェクト

 について、カジュアルにお話を伺う機会をもちたいと
思います。周知のとおり、NPOは米国の教育を支える大
きなエージェントです。当日は、日本ではまだまだ未発達
の教育NPOの実際について、お話をしていただければと
思っています。

 なお、Learning cafe@Hongoという名称は、別に僕
が転職して喫茶店のマスターになるということではあり
ません。
 大学が、学習について関心のある人々が集まるCafeの
ような雰囲気で、いろいろな情報を共有しあえる場所に
なればいいという願いがこめて命名しました。Learning
Cafeの主催は、NPO法人「Educe Technologies」です。

 なお、当日はサンドイッチとコーヒー、紅茶などは無
料でご提供いたします。

 詳細は下記のとおりですので、是非、お越し下さい。

 中原 淳
 Educe Technologies副代表理事

------

日時:
  2005年8月3日
  午前11時45分から1時間程度

場所:
  東京大学情報学環 山内祐平研究室
  http://ylab.jp/access.html

参加申し込み方法:
  8月2日までに atusaka [at mark]educetech.org
  までメールをいただければ幸いです。

  人数は15名程度を予定しています。それを超えた
  場合は申し込みを締め切らせていただきますので、
  ご了承下さい。

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投稿者 jun : 2005年7月20日 13:16


嗚呼

 早朝起床、今、羽田signet。これから北海道で仕事(講演)です。昨日は飲み会だったのですが、明日は早朝ということもあって、早めに切り上げました。それでも起きるのしんどいわ・・・オールだったら死んでたな、間違いなく。

 羽田は、3連休ということもあって、人でごったがえしています。みんな休日だから笑顔だね、いいね。

 今週2回目の北海道か・・・体力的に、かなりしんどいな。
 もう週末には絶対に仕事をいれないようにしよう。やっぱり週末は休まなければね。

 ---

 結局、このあと、深夜になって「発熱+オナカが痛えーよー、連休寝たきり生活決定」
 嗚呼。

 ホントウに、運動とか結構してるのにさ、僕は、すこし無理をするとすぐに倒れてしまいます。華奢だね、デリケートだね。

 でも、「すぐに倒れる」と、どんなにスケジュールがキツクても休まざるを得なくなりますので、それはそれでいいことなのかもしれません。かえって、「なかなか倒れない」と「ホントウの限界」まで頑張ってしまうでしょう。

 知っている医者によりますと、「疲労」をずっとため続けていると、だんだんと疲労を学習してしまい、なかなかカラダがSOSをださなくなるそうです。そういう意味では、コマメに倒れていた方が、長生きできる?

 まぁ、少し休みます。

投稿者 jun : 2005年7月19日 09:38


動機が金になる

 「やる気業界」が、今、大流行である。

 やる気業界というのは、僕の造語。そんな言葉はないんだけど、わかりやすいんでそうよぶことにした。「やる気をだすことを支援するソリューション(コンサルティング、研修、調査)を提供する会社」ってことです。

 たとえば、一番有名なのは、リンク&モティベーションですね。ガイアの夜明け?でも紹介されたから、知っている人も多いのではないかと思います。学生の就職人気調査でも、常に上位。何かと話題になっている会社ですよね。

Link and motivation
http://www.lmi.ne.jp/

 ここは「モティベーション・エンジニアリング」というコンセプトをだしていますね。動機工学・・・「動機を工学する」ってのは、なかなか難しいとは思うのですが、ネーミングがキャッチーですね。キラリと光るコンセプトです。

 先日北村さんに教えてもらったのは下記。

JTB Motivation
https://www.jtbm.co.jp/index2.html

いろんな会社があるんですね。ここでは「やる気キャンデー」とかも売っているみたいです。

 ---

 先日、企業教育プロフェッショナル本の執筆メンバーと話していたことなのですが、「動機をあげる」みたいなコンセプトの研修って、もともと歴史は深いし、それほど新しくない。

 それこそ1960年代・・・高度経済成長時代の日本企業にはおびただしい量がありましたね。精神修行系というのかな、はちまきをして、エイエイオーなんてやっちゃう系。

 寒中水泳とか、夜通し議論とかやって、最後には抱き合って泣き出しちゃうみたいな。ちょっといかがわしいにおいがプンプンしちゃう系ね(こういう研修を受けたことのある方は、是非、その様子を教えて頂けませんか?僕はビデオでしか、それを見たことはないのです)。

 たぶん、そこで行われているエッセンス、つまりは動機を向上させる方法、手続きなんて、それほど、今と昔で変わっていないのに、それが新しく見えるのはなんでだ、ということで話が盛り上がりました。

 いくつか理由はあるんだけどね、きっとひとつには徹底的なブランディングがあると思います。コンセプトの新しさ、オフィスの開放的なデザイン、それらひとつひとつの要素が、よい方向に作用しているのではないでしょうか。

 あとは、たとえばリンク&モティベーションなんかそうなんですが、「自社の従業員でメソッドの有効性を明示している」ってのがあると思うんです。

 もともと、モティベーションを向上させるってのは、目に見えるわけじゃないから、なんとかして、その善さをわかってもらうためには、テストベットが必要だと思うんですね。で、自社の従業員に対する教育、動機管理、内定者教育を徹底することで、それを例証してしまう。うまいな、と思ってしまいます。

 ---

 いずれにしても、この業界はのびていきそうですね。学習意欲感格差(インセンティヴ・デバイド)が進行しているのが、今の日本ですから。

 人々の「やる気」が失われる国ほど、「やる気」が商売になるのです。

投稿者 jun : 2005年7月18日 07:28


珍走団

 先日、思わず笑ってしまったネタ。

 「暴走族」「レディース」を減らすためには、「暴走族」というかっこよい名前で呼んではいけない。「珍走団:チンソウダン」という腰砕けネームでよぶべきだという運動をしているサイト。

珍走団
http://chinsou.hp.infoseek.co.jp/

 なるほどねぇ。確かに「珍走団」とニュースとかで呼ぶようになったら、あまりにダサくてやめるかも。カテゴリーは力ですね。

投稿者 jun : 2005年7月17日 06:07


おばあちゃんの思い出

 先日、父方の祖母が他界した。89年の人生であった。彼女に別れをつげようと、翌日のすべてのアポイントをキャンセルし、北海道行きの飛行機に飛び乗った。

 飛行機をおりて、札幌から深川までさらに2時間。函館本線の車窓からは、見渡す限りの地平線と、遠くに山が見えた。

 函館本線にのる人は、進行方向むかって左側の座席にのるとよい。長い長い旅程をも退屈させない美しい光景が広がるから。この日の僕も、左の窓側座席で後ろに流れていく光景をぼんやりと見つめていた。

 ---

 深川の家についた。すごく痩せたなぁ・・・以前は、プクっとしたおばあちゃんであったのに、今では見る影もない。その激しい闘病生活が、容易に想像できた。ただ、表情は安らかであった。よい表情であった。彼女の表情を見ながら、僕は彼女にまつわるいろんなことを思い出していた。

 ---

 僕がまだ大学院にいた頃、帰省したおりにたまにあうと、彼女は僕に「おこづかい」をくれた。

 まわりの従兄弟たちが、もうとっくに就職し、自活しているというのに、僕だけは、いつ働くことができるのやら、曙光すら見えぬ毎日が続いていた。そんな僕を不憫に思ったのかもしれない。

 とはいえ、彼女自身、年金暮らしである。そんなに多くのお金をもっているわけでは決してなかったはずだ。なんだか、なんだかこの年になって「おこづかい」というのは、気がひけたけど、ありがたく頂いた。日々の生活を何とかかんとかやり過ごしていた僕にとって、非常に貴重なお金だった。

 彼女はいつも、笑顔でニコニコしながら、こういっていた。

淳ちゃんは、お勉強が好きだねー。でも、今いっているガッコウって、あと、何年くらいしたら、終わるんだい?

 もちろんのことではあるが、決して嫌みで言っているわけではない。ホントウにわからないから、純粋に聞いているのだ。

 おばあちゃんは、大学院というものがきっと最後までわからなかったのではないかと思う。もちろん、僕は説明していた。ただ、いくら大学院について説明しても、その質問は毎回同じものであった。彼女は、きっと僕の卒業を日々楽しみにしていたんだと思う。

 幾年かの月日がながれ、僕は大学院をあとにし、NIMEに就職した。3年後にはボストンに留学をはたし、今年は大学へ異動した。

 ことある毎に彼女にはそれを報告していたが、もうそのころには、彼女はわかっていたのか、わかっていなかったのかは、かなり心許ない。だけれども、訪れるたびに彼女はとても喜んでいた。それだけはきっと間違いのないことであろうと思う。たまにおとずれると、家中にある食べ物を、「これは、おいしいから食べなさい」と勧めてきてくれた。

 ---

 彼女の人生は、ホントウに波乱に満ちたものであった。激動の時代を生き抜いた。優しい人であった。いつもニコニコしている人であった。

 淳ちゃんは、お勉強が好きだねー。でも、今いっているガッコウって、あと、何年くらいしたら、終わるんだい?

 この台詞を思い出すたびに、僕はおばあちゃんを思いだし、苦笑してしまう。

 ---

 安らかにお眠り下さい。
 See you somewhere...and someday

投稿者 jun : 2005年7月16日 06:55


演歌なピアノ

 最近・・・といっても、ちょっと前のことになるけど、カミサンとフジ子ヘミングのコンサートにいった。

フジ子・ヘミング http://www.jvcmusic.co.jp/fujiko/

 演目はベートーベンのピアノ協奏曲、リストのラ・カンパネラ、ショパンの華麗なる円舞曲だったと記憶している。

 フジ子の演奏は、前もって聞いていたとおり、確かにミスタッチが多い。ベートーベンは和音が曇るところが、いくつか気になった。

 だけれども、この人の演奏には圧倒的な存在感がある、という印象をもった。たとえば、ラ・カンパネラにしても、ショパンにしても、フジ子の演奏になれてしまうと、他の人が弾いているのは、味気なく聞こえてしまう。全く弾き方が違うし、癖がないから。他の人のラ・カンパネラは、誰がひいてもだいたい同じ。フジ子のものは、アレンジされている。たとえていうならば、フジ子の演奏は、いい意味で「演歌」だなぁと思った。

 いずれにしても、フジ子流というのかな、そういう「○○流にピアノを弾く」ってことが好きな人は、きっと、フジ子の演奏を気に入るのではないかと思う。

 「演歌」をこよなく愛し、機会あらばデビューしようとまで常日頃から考えている僕は、「フジ子」の演奏を気に入らないわけがない。

 演奏の背後に、人生を見る。

投稿者 jun : 2005年7月15日 06:18


人材育成に関する知の全部入り

 ウレシイ知らせあり!

 北村さん@東京海上日動HRA、荒木さん@日本総研、橋本君@青山学院大学、長岡さん@産能大学、中原で、密かにすすめていた出版計画ですが、ようやく出版社からGOがでました!

 「企業教育プロフェッショナル」というタイトル(仮題)で、ダイアモンド社から、来春出版予定です。今回の本は、ズバリ、企業の人材育成担当者が読む教科書をめざしています。
 コンセプトは、「学び」に関するすべての知見をあなたに!

 なんと、この本、たった1冊で・・・

 インストラクショナルデザイン
 学習環境デザイン
 キャリア発達
 トランジション論
 キャリアアンカー
 カテゴリー
 スキーマ
 ネットワーク表現、
 エビングハウスの忘却曲線
 体制化・精緻化
 先行オーガナイザー
 アルゴリズム
 ヒューリスティクス
 エリクソンの発達段階説
 成人教育論
 誤概念
 素朴理論
 擬人的認識論
 構成的相互作用
 マッコールのリーダーシップ論
 プランド・ハップンスタンス理論
 メンタリング、コーチング
 行動主義
 認知主義
 状況論
 学習転移
 達成動機
 外発動機/内発的動機
 知的好奇心(ブルーナー)
 学習性無力感
 形成的評価
 協調学習の理論と手法
 ジグソーメソッド
 レシプロカルティーチング
 学習コミュニティ理論
 モデレーティング
 マスタリーラーニング
 ブルームのタキソノミー
 カークパトリックの評価4段階尺度
 拡張された三角形(エンゲストローム)
 コミュニティ・オブ・プラクティス
 チクセントミハイのフロー論
 ステークホールダー分析
 エスノメソドロジー
 ヒドゥン・カリキュラム
 アクターネットワーク理論・・・

 すべてがわかる!教育学、学習科学、認知科学、経営学、社会学、カウンセリング理論、キャリア論・・・まさに人材育成に関する「知の全部いり(九州じゃんがらラーメン)」です。まだまだ、上記のリストはほんの一部です。しかも、各理論の解説には事例がついている!

 上記のリストの中で、わからない単語があった方は、買いですね、買い!<是非、よろしくお願いします

 執筆は定期的に東京大学に集まってやっています。内容がハードコアなら、まさに執筆もハードコアです。研究会毎に課題が増えて、ため息まじりになっていますが・・・。

 是非、お楽しみに!

投稿者 jun : 2005年7月14日 00:10


前期の授業が終わった!

 青山学院大学で行っている前期の授業が終わった。

 前期の最終講義は動機論。
 授業の冒頭に、福岡県立城南高校の「ドリカムノート」の実践のビデオをみせた。「人はどういうときやる気になるか」という、今日のお題に、生徒を導くためのフリである。ARCS理論的に述べるのならば、Attention(注意)の確保ということになるだろうか。

 ビデオ視聴後、マズロー、デシ、ドゥエック、セリグマンなどの超有名な実験を教え、最後にケラーのヒューリスティクス「ARCS」を教えた。学習者のモティベーションマネジメントは、教師の重要な仕事である。そのつど、そのつど、教師は学習者の状況を見ながら、adhocにインストラクションを変えなければならない。今日の授業で言いたかったことは、これにつきる。

 授業の最後には、10弱の質問項目と自由記述からなるアンケートを実施した。

 アンケートの質問項目は下記のとおりである。

1.授業中に学生の参加(質問・発言)を促し適切に対応した
2.意欲をもって、この授業を受講することができた
3.この授業は有意義であった
4.教員の説明の仕方、話の展開の仕方は適切であった
5.授業内容のレベルは適切であった
6.授業の内容は体系的であった
7.この授業は、他の人や後輩にもお勧めできる
8.パワーポイント、配付資料などの教材はよく準備されていた
9.教員は熱意をもって授業を行っていた

 これら質問項目は、いずれも、Googleで「授業アンケート」などと入力して、でてきたページから、試行錯誤して、僕自身が作ったものである。青山学院大学では、通年授業の場合、授業評価は年度の最後にやるらしい。

 だけれども、まぁ、今回ははじめてであるし、ここで情報が得られれば、後期の授業を改善することもできるわけだから、と思い、敢えて自分でやった。授業最後に、自分の授業について、情報が得られたとしても、それは「Summative evaluation」にはなるかもしれないが、「Formative evaluation(かたちづくる評価)」にはならない。

 それにしても、教育工学・学習科学の研究者として、いつも僕は「評価はキチンとやるべきだ」とか偉そうに言っているけれど、自分が評価の対象になるってのは、なんかドキドキなものである。

 結果はかなり良好だった。すべての項目で、平均4.4を確保できたと思う。まぁ、この種の評価では、当然、よい評価がでるのはアタリマエのコンコンチキなんだけど、そんなことはわかっているけど、でも、ホッとした。とりあえず、「アイツの授業が一番ショボイ」とは言われないですむだろうと思う。

 アンケートの自由記述には、こんなコメントが寄せられていた。

 ---

 プリントの記述スペースを大きくしてほしいです
 プリントの空欄をもっと大きく

  →後期は、プリントを改善しよう

 内容が他の授業でやったことなんで退屈
 違った角度から勉強できてよかった
 授業の観点から知識をもう一度整理できるのはよい

 いきなり評価方法を変えるのはやめてほしい
 急にテストになってショック!
 テストはやめてー
 レポートだって言っていたのに・・・
 急にテストになって驚いた

  →これが一番不評だったこと
  →シラバスとは教師と生徒の契約
  →反省

 ディスカッションはよかった
 他の人が何を考えているか、もっと知りたかった
 席替えをして欲しい

 実際の授業ビデオは参考になりました
 こういった授業を自分もしたいと思った
 とにかく実戦的な授業だった
 自分が授業するときを想像しながら聞けた
 寝ている人が少ない授業だったと思う

 あてられるのは超緊張した!
 突然指名するのは、先生の好きでやってるんでしょ

 席替えしてほしい
 他の人(女の子)とも話したい・・・

  →別に僕は同じとこに座ってって言ってないよ(笑)
  →勇気をだすことです

 その日のねらいを最初に述べるのはいい
 その日のゴールがわかる
 たまには無駄な話もして
 授業の構成がはっきりしている
 ダラダラしていないぶん、ダラダラな僕にはツライ

 ---

 以上のコメントからは、教育が数々のディレンマをかかえながら、それを何とかかんとかやり繰りしながら、行われるものであることがわかりますね。まさに学習者いろいろ、要望いろいろ。教育とは、相反するリクエストにダブルバインド状態におかれることなのですね。

 ・・・

 前期、かなり忙しかったので、途中、授業のパワーポイントをつくりながら、ゲ○を吐きそうになったけど、僕自身が、いろんなことを学んだ授業だった。

 後期も楽しみだ!

投稿者 jun : 2005年7月13日 23:10


おめでとう

 どうして、他人によいことがあったときに「おめでとう」といえないのか、について考えさせられた。たとえば、結婚、出産、昇進、異動、受賞、発見・・・などなど。

 僕はバリバリの「小人」ではあるし、ケ○の穴も小さいけれど(知らんわ、比べたことないし)、素直に「おめでとう」と言ってあげられる人間でありたいと思った。

投稿者 jun : 2005年7月12日 22:56


研究トーク

 CSCLの公開研究会は終わった。週末、お越し頂いた皆さん、ありがとうございました。

 プレゼンテーションは、どうも詰め込みすぎた感はあるけれど、最近の僕は、ナンパなトーク、営業っぽいトークをしなければならないことが多くって、ハードコアな研究トークに飢えていたのだと思う。

 いつもは、あまり感じないんだけど、やっぱり、教育とか学習のもつスサマジイ世界を、ハード・ファン(Hard but fun)な世界を、ナンパに語ることは、ある意味でストレスフルなんだろう。僕には、やっぱり研究なのだ、と心の底から思った。

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 そうだな、今から考えると、僕は、どうしても、研究の話をしたかったんだと思う。そういう意味では、3時間しゃべくりまくりで、ものすごく疲れたけれど(最後は息も絶え絶えだったけど)、僕自身はとても癒された。そのあと、打ち合わせの予定があったので、懇親会には行けなかったけれど、是非、みなさんともっと、お話したかった。でも、もし今日の講演、わかりにくかったとしたら、すみません・・・お許しを。

 さーて、来週も忙しい。
 日曜日はゆっくりと休もうと思う。

投稿者 jun : 2005年7月10日 00:44


ヤマである

 今週、来週が、ヤマである。

 なにせ、この2週間で、講演が5つ。そのうち、2つが新ネタだから、シャレにならない。毎日毎日パワーポイントをつくっている気がする。

 オマケに、来週はシンポのディレクションもある。結局、7月11日のシンポ、参加希望者は220名、懇親会希望者も120名程度となった。当日は、ある程度参加者は減るとは思うけど、結果としてものすごい大きさのシンポになってしまった(うれしい悲鳴である)。
 今回、広報にご協力いただいた皆様には、この場を借りて感謝いたします。ありがとうございました。準備は、今日も休日返上で山本さんが行うことになっている。オツカレサマ。

 学内情報化プロジェクトの動きも激しい。さまざまな交渉が、秘かに密かに進んでいる。こちらの方は、もう少し確度があがった段階で、お知らせできればと思っている。

 今年、一球入魂の研究プロジェクト - OYAKO Projectも、全く目を離せない状況。こちらも、ひそかに裏方の仕込み作業が進んでいる。まったく表にでない仕事なのだが、結構ハードだ。まわりの人から見ると、遅遅としているようにしか見えないのだろうと思うのだけれども。少し焦っている。

 こんな毎日、時差ボケでよかったと思う。
 帰国から、もう1週間たとうとしているが、いまだに時差ぼけは直らない。毎日、朝5時には目が覚める。そしてコンピュータに向かう。

 ---

 あぁ、ようやく、BEATセミナーのスライドができあがった。少し前には8割完成していたのだけれども、昨日深夜から直しをおこなった。これは門外不出、今日限りのスライドにしようと思う。

 タイトルは「CSCLに魅せられて」。副題は「CSCLを学ぶハードコアな週末」にした。意味不明。

 一番強調したい概念は、「ハードコア」である。付け焼刃的な理解ではなく、ホントウの意味でCSCLを理解するために必要な知識を、これでもか、と詰め込んだつもりである。

 蓋し、今回のプレゼン作りは、自分の短い研究生活を振り返ることであった。そういう振り返りをしているうちに、とめどもなく伝えたいことがでてきて、今の僕は収拾がつかなくなっているのかもしれない。

 今日のお客さんは、65名弱と聞いている(公開研究会の定員は40名だから、超満員)。せめて、週末の時間を割いていただいた方々に、知的にプチプチとした時間を提供することができればとは思う。

 そして人生は続く。 
 

投稿者 jun : 2005年7月 9日 07:09


【号外】真のノーパン教育学者、現る

 わたくしめに続いて、もうひとり、「ノーパン教育学者」が、今、ドミニカ共和国で不安な日々を過ごしています。

彼です(クリック、直リンク!)
http://www.mochi-lab.net/image/mochizuki.jpg

 何ぃー、神戸大学の望月先生じゃありませんか、今気づいた。

 なにやら、もう既に3日目だそうです。ニューヨークで失われた荷物が、ラテンの国には届かない。そりゃ、届かないよなぁ、だって、ラテンだもん。3日目とは、恐れ入った!「ノーパン・オブ・ノーパン」だ。君が、「真のノーパンキング」だよ、残念だけど、負けたよ、ぼくは。

 ご愁傷様。

 しかし、2度あることは3度ある!
 次の「ノーパン教育学者」は、これを読んでいるあなたかもしれませんぞ。

投稿者 jun : 2005年7月 8日 00:46


シンポジウム 残り2席のみ! 本日締め切り! 

 1ヶ月前から募集していたシンポジウムですが、本日、いよいよ締め切りとなります。シンポ参加希望者約198名、懇親会希望者101名になりました! いよいよ残席は2名のみとなりました。

 どうぞお早めに! 皆様と会場でお逢いできることを、楽しみにしております!

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine
 2005/07/05
 Jun Nakahara
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net/)
 ※このメールは転載自由です。
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■ご案内

 さてこのたび、東京大学では7月11日午後3時より、
「教育環境のリデザイン」というシンポジウムを開催します。
本シンポジウムには、これまでに190名を超える方々から申し込みを
いただいております。なお、申し込みは7月7日で締め切らせていただきます。

シンポジウムでは、1)東京大学が今後、「教育の情報化」を
どのようにすすめていくのか、2)海外大学の「教育の情報化」
の現状などについてご紹介する予定です。

 シンポジウムへの参加費は無料です。
ふるってご参加いただけますよう、よろしくお願い致します。

 また、関係者のネットワーキングの機会として、終了後、
会場内にて懇親会(費用は別途申し受けます)も計画しております。

 こちらの方も、是非、ご参加下さい。
                       中原 淳

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 東京大学 教育環境のリデザイン:第1回シンポジウム
      情報通信技術による「授業の革新」

   2005年7月11日午後3時から 東京大学 参加無料
 
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趣旨:

 東京大学では、これまで各学部・研究科、あるいは、情報基盤
センターを中心に、それぞれの部局が教育環境の改善に注力して
きました。その取り組みの中には、IT(情報通信技術)を「道具」
として活用したものも数多く含まれ、成果をあげています。

 さらに本年より、東京大学教育企画室を中心に各部局が緩やか
に連帯しつつ、「教育環境のリデザイン」に取り組むことがきま
りました。TREE(Todai Redesigning Educational Environment)
という、全学的なネットワーク型のプロジェクトを発足させ、共
同で推進していく所存です。

本シンポジウムは、

 1)東京大学の「教育の情報化」方針、Treeプロジェクトのご紹介
 2)東京大学の「教育の情報化」の各種プロジェクトの紹介
 3)「教育の情報化」に役立つTips、サービスのご紹介
 4)海外大学の「教育の情報化」の現状のご紹介
 5)関係者のネットワーキング

を目的としています。

 学内の教職員の方々だけでなく、本シンポジウムに関心のおあ
りな方なら、どなたでもご参加いただけます。
 ふるって、ご参加いただけますよう、よろしくお願い致します。

 参加申し込みは、下記の申し込みフォームを7月7日までに
メール「todai2005@nakahara-lab.net」までお送り下さい。

 なお、本メールは転送自由です。ご興味のおありな方に御転送
いただけますよう、よろしくお願い致します。

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■日時:
 2005年7月11日 午後3時 - 6時00分(シンポジウム)
 午後6時より(懇親会:会費を別途徴収します)

投稿者 jun : 2005年7月 7日 05:15


貧乏ビジネス

 今回のカナダ出張のフライトは、行きも帰りも「貧乏ビジネス」だった。

 「貧乏ビジネス」とは、言うまでもなく、僕の造語である。
 エコノミークラスに搭乗しているとき、隣の座席が空席である場合、その空席分を自分のものとして使える場合をいう。

 この場合、座席2個を自分のものとして使えるわけだから、席幅は2倍。まぁ、ビジネスクラスのそれと同等だ。エコノミークラス料金で、ビジネスクラスなみの席幅を利用出来るので、「貧乏ビジネス」とよんでいる。

 寝ようと思えば、なんとか座席2つに縦に寝ることもできる。僕の場合はカラダが大きいので、ちょっと背骨がクニャッとなって、無理があるのだけれども、まぁ、横になることは可能である(座席2個で眠れる人はとても羨ましい)。

 ちなみに、座席4個を自分だけで専有出来ちゃう場合を、「貧乏ファースト」とよぶ。この場合、ほとんどベッドのような感覚で、横になることもできる。

 僕は「ファーストクラス」には乗ったことはないのだけれど、たぶん、こんな感覚がファーストなんじゃないかな、と想像している。

 ---

 今年からANAのルールがちょっと変わって、正規のエコノミー料金を払った人じゃないと、ビジネスクラスにアップグレードができなくなってしまった。

 今までは、格安航空券でもアップグレード券を使ったり、シコシコためたマイルを使ったりして、ビジネスクラスに搭乗出来たのだけれども、それができなくなってしまったのだという(実はこのことあ自分で確認したわけじゃない・・・みんながそういっている)。

 このルールが失われた今、どうやら、僕には生涯「貧乏ビジネス」しか縁がなさそうだ。

 「貧乏ビジネス」で強く生きるのだ

投稿者 jun : 2005年7月 6日 22:22


ユビキタス・ラーニング

 先日、総務省の「ユビキタスラーニング推進協議会」の第4回会合が、広尾で開かれた。

ユビキタスラーニング推進協議会 http://www.ufji.co.jp/u-learning/

 今回の協議会には、国際的に著名なCSCL研究者である徳島大学の緒方先生、PDAを使ってオリジナリティの高い教育実践活動をしていらっしゃる、「マリンワールド海の中道」の高田先生におこしいただいた。両先生方には、この場を借りて、感謝致します。ありがとうございました。

 緒方先生のご発表は、ユビキタスラーニングの概念的な説明からはじまり、徳島大学で進めていらっしゃるu-campusプロジェクトについてご報告いただいた。ご呈示いただいた概念枠組みや、プロジェクトは、「ユビキタスラーニングとは何か」を考える上で、非常に参考になった。

 高田先生のご発表も、非常に興味深かった。そもそも、「新聞記者になって、マリンワールド海の中道を取材しよう」という教育活動自体が、とても新鮮だった。また、子どもが使えるようにPDAや教材に様々な工夫を凝らしているところは、非常に勉強になった。「子どもにPDAを渡せば、どうなるか」「授業の中で、どのようにPDAを使った活動を無理なく埋め込んでいくか」・・・高田先生のご発表からは、これらの問いに対するある種の姿勢 - 学習者中心主義的な発想 - が見て取れ、非常に好感がもてた。

「ユビキタスラーニング推進協議会」は、事例の収集をめざした第一フェイズをこれでおえる。9月にはIT先進国「韓国」の視察・関係者との会合が予定され、協議会の第2フェイズは秋頃から再開する予定である。

 そして人生は続く。

投稿者 jun : 2005年7月 5日 22:23


モントリオールのレストラン

 今回のモントリオールの滞在中にいったレストランの中で、おすすめの場所を紹介(また、モントリオールには行く機会があるような気がするので、メモしておこう)。

 ---

 REUBENS
 1116 Ste-Catherine O.
 Montreal Quebec H3B 1H4, Canada
 514-866-1029
 reubensdeli.com

 極厚のパストラミによるルーベンス・サンドイッチがとてもおいしい。

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 Boris Bistro
 465, Mcgill
 Montreal Quebec H2Y 2H1, Canada
 514-848-9575
 www.borisbistro.com

 カジュアルフレンチ。ボサノバの生演奏流れるムードのよいレストラン。

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 Les Pyrenees
 320, Rue St-Paul Quest
 Quartier Bes Arts
 Vieux-Montreal, qc, H2Y 2A3
 514-842-5566

 旧市街地にあるカジュアルなフランス料理。ここで食べたCasseolet - 豆、ソーセージ、鶏肉の煮込み - は忘れられない。

投稿者 jun : 2005年7月 4日 11:53


キーノートスピーチ

 ヒレル=ワイントラウブさんのキーノートスピーチにCo-presenterとして参加させていただく機会をえた。

 キーノートは、朝一、8時30分から開始。今回のキーノートは、いわゆるレクチャースタイルのキーノートと違って、ディスカッションあり、ものづくりありのワークショップスタイルだった。

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 時間は60分。ヒレルと中京大学の宮田先生、同志社女子大学の上田先生と僕の4人で、それぞれ10分くらいずつを受け持った。上田先生やヒレルは即席ワークショップを実施。会場は盛り上がっていた。

 今回の企画は、ヒレルによると、もともとBEAT(ベネッセ寄付講座)とヒレルで何かできないか、という話があったらしい。昨日のパワーブレックファーストで、なぜか、僕がiTreeの話をすることに。

 ---

 講演などはある程度慣れているものの、今回は、本当に「寿命が縮まった」・・・なにせ、キーノート自体もJazzy Sessionだったが、キーノートをつくる過程もJazzy sessionだったからだ。ものすごい緊張感だった。

 まぁ、でも、終わってから考えてみると、これも良い経験だった。ヒレル、宮田先生、そして上田信行先生とはじめて一緒に仕事ができたのは、とてもステキなことだった。

 終了後、近くのユダヤ料理レストランにいって、パストラミのサンドイッチを食べた。昨日はほとんど食事ができなかっただけに、うまかった。

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 英語勉強せなアカンなぁ・・・。

投稿者 jun : 2005年7月 3日 00:57


BOTH

 ジサボケの中原です。

 そういえば、昨日、トリビアがまた継承されました。富山の杉本さんが、かつて、築いたと言われるトリビアです。

 国際線で、夕食のとき、スッチーが「Fish or Chicken?」と聞いてきますね。そのときに「Both, please」と答えたらどうなるか、というもの。

 答えは、「もらえる」です。

 数年前、まだ大学院生だった杉本さんも、Fishもchickenもゲットしました。で、今回、東京大学大学院M2の北村君が、それに挑戦しましたが、見事、両方ゲットです。

スッチー「Fish or chicken?」
北村「Both」
スッチー「What?」
スッチー「...I don't think I can do...but if I do, I get back to you.」

 ってな感じだった。で、本当にもらっちゃった。・・・近くで聞いていて、おかしくて仕方がなかった。本当に「Both」というとは・・・なんて日本人。

 北村君があと10年たって、大学院生をもつようになったら、これは北村研のイニシエーションにしたいそうです。

 そして時代は繰り返す・・・

投稿者 jun : 2005年7月 2日 17:30


ノーパン学者

 ED-MEDIA2005という学会に参加するため、モントリオールにきています。ていうか、さっきつきました。予定より4時間もおくれた到着です。

 なんでこんなに遅れたかっていうと、成田ではTake off直前に雷雨、トロントでもまたまた雷雨、そして極めつけは、終着のモントリオールで「ロストバゲージ」というオチがついたからです。

 今の僕には、かえのパンツすらありません。
 そんな僕に残された唯一の方法は、「リバーシブル」しかないのであります。

 惨め・・・モントリオールにて

 ---(数時間たって)---

 モントリオールは今朝の5時。
 いまだ、わたくしノーパンです。
 「ノーパンしゃぶしゃぶ」ならぬ、「ノーパン学者」と呼んでくれ。

投稿者 jun : 2005年7月 1日 14:09