ウチのオカン法

 先日、ある雑誌を読んでいて、ホホーと思った格言。イギリスのある高名な物理学者の名言なのだという。

いかなる問題もバーの女性に説明できるようでなければならない

 この格言、「バーの女性」を低く見ているので、明らかにポリティカリーコレクトではないような気もする。だけれども、まぁ、そう青筋立てずに、建設的に一番言いたいことをさぐると、なるほどな、と頷いてしまう。

 要は、モノゴトを説明するときには、「誰が聞いてもわかるように説明しなさいよ」ということだと思う。

 皮肉なことに、あなたが「誰が聞いてもわかるだろうと思ってする説明」は決して、どんなにつとめたとしても、「誰が聞いてもわかる」ようにはならないものである。だけれども、「誰が聞いてもわかる」ようにしようと思わなければ、結果はより悲惨である。

 この格言とはちょっと違うんだけど、僕は、何かモノを開発するとき、いつも口癖のように言うことがある。それを「ウチのオカン法」っていうんだけどね。

そのプロダクトのよさは、ウチのオカンにわかるかな? そのプロダクトは、ウチのオカンでもピンとくるかな?

 と問うんですね。先日の○○省の会議のときにもつい言ってしまいました。

「この試みは、たとえばウチのオカンにでもその意義がわかるでしょうか」

 この問いに耐えられる教育システム、教育ソフトウェア、教材は、だいたい開発の方針を間違えないのではないでしょうか?

 すまん、ウチのオカン。