人材開発で人を探してるんですけど、どこかに、いい人がいませんか!?

 僕のような仕事をしておりますと、よく人事・経営者の方から、こんな声をかけられることがあります。

「当社では、人材開発担当者を募集しているのですが、なかなか適任者に出会えません。先生のお知り合いで、どなたか、いい方、おりませんか?」

「うちの大学で、FD・SD(ざっくりいえば大学職員の職能開発)に関する公募をするのですが、どこかに、これぞと思う、いい方がいませんか?」

 僕は、特に人材紹介が得意なわけではないので、

「そうですねぇ、いい人、見つかるとよいですね」
「いい人がいたら、僕に教えて下さいよ」

 としか、なかなかお答えすることができないのですが(もちろん思いつけばご助言させていただきます)、こうしたことが、短い期間に何度か続くと、「はて、どうして、こんなにニーズがあるのに、人がいない」という事態になっているのかな、と思うときがあります。

 マクロに見ると、ニーズが増えているのか減っているのか、僕にはさっぱりわかりませんが(笑)、面白いもので、そういう瞬間は、割合続くことが多いものです。
おそらく、市場としては「激烈ニッチ」なので、そこだけ人材が、ポッカリと不足しているのかもしれません。ほんとのところは知りませんけれども(笑)。

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 もし仮に人材不足が起きているという仮説が「是」だとするならば、人材開発系の人材が不足する理由は、いくつかあるようにも感じます。

 最も大きい理由は、人材開発に関する知識やスキルを体系的に獲得できる機関が不足していること。
 そして、もし、そうした場所を仮に出たとしても、現行の一般的な会社のジョブローテーションの仕組みの中では、適切な実務経験を積みつづけることが難しいこと、ではないかな、と思います。

 加えて、昨今でいうならば、人材開発の世界は、経営のグローバル化にともない、今後10年で、急速にグローバル化していくことが予想されます。

 今でさえ外国の現地法人とのテレカンが入ったり、参加者が外国人だったりする場合も少なくなくなっているのではないでしょうか。
 場合によっては、TeachingやFacilitationも英語ということがありえます。こうした外国語での人材開発経験ということになると、急速にパイが限られてきます。

 たとえば、今仮に、こんな公募があるとしましょう。
 人材開発に関する知識を有する資格をもっていること、また、外国人を含む人材開発経験を3年以上有すること。

 これが用件になった場合(ここまで露骨なのはないかもしれませんが)、なかなか適任者を探すのは難しくないでしょうか。上記で話しているのは、そういうことです。

 もうひとつだけ感じるのは、人材開発という仕事は、「自分に必ずや突き刺さってくるブーメランを投げる仕事」でもあります。

 なにせ、大の大人に「学べ」「成果をだせ」というのですから。「で、そういうからには、オマエは学んでるんだろうな、成果はだしてるんだろうな」と当然ブーメランはかえってきます。必ず相手は、一挙一動を見ています。そして、値踏みしています。

 そのことを、自分事として引き受け、覚悟を決め、成果をだし、しかも学び続けることは、そもそも難しい、ということも原因のひとつにあるのかもしれません。それは覚悟のいる仕事なのです(もし腹がすわらないままやれば、これほど、発話するメッセージが空虚に響くことはないでしょう?)。

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「人生の正午」を目前にひかえ、最近、いろいろなことを思います。

 もう少し先になりそうですが、僕の次の仕事は、こうした人材供給の「仕組み作り」「モデルづくり」なのかな、とおぼろげながらに考えています。

 具体的に、今、何がどうあるわけではないのですが、自分に与えられた所与の条件を、何とかかんとか、組み合わせ、やりくりしながら、「次の仕事」に取り組んでいきたいと思っています。

 そして人生は続く

  

投稿者 jun : 2014年6月 6日 06:38