東大大学院授業「経営学習論」2014で扱う文献が決まった!? : 採用から研修、OJT、そしてリーダーシップ開発まで

 ようやく4月からの大学院授業の文献が決まりました。文献選定には、中原研・大学院生の保田さんの、OBの関根さんの御協力も得ました。お二人ともありがとうございます。今年は、「採用・選抜ー入社時の社会化(研修・OJT)ーリーダーシップ開発」に至る内容を扱います。

 ・いかに人を採用・選抜するか?
 ・いかに人を組織に適応させるのか?
 ・いかに研修をデザインするのか?
 ・いかにOJTをデザインするのか?
 ・いかにリーダーシップを開発するのか?

 に関するレビュー論文等を読んでいくことになりそうです。文献購読は英語ですので、そこそこ大変ですが、学生の方で、人材マネジメント、人材開発、人材コンサルティングにご興味をお持ちの方は、ご参加をご検討下さい。

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東京大学大学院 学際情報学府 2014年度
「経営学習論(Management Learning)」夏学期授業シラバス
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中原 淳
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授
 
■講義の概要
 経営学習論とは「経営・組織における学習」に対する学際的
研究領域です。一般的な用語を用いれば、組織における「人材開発」
「人材育成」の基礎理論に関する研究領域です。人が組織にエントリーし
どのような発達をとげ、どのように熟達していくかを、探究します。

 本講義では、経営学習論の基礎的文献を読み、本領域に関する
理解を深めます。採用ー社会化ーリーダーシップの発揮にいたるまでの
基礎理論を理解できます。想定される受講者像としては、下記を想定
しています。

・組織における知識共有、学習に関心のある方
・組織のおける人材育成、人間の成長に関心のある方
・組織変革や文化の構築等に関心のある方 
 
 本講義は、グループでの英語文献発表やディスカッション
を行います。このことの趣旨を理解し、活動を厭わない学生の受講を
期待する。

 なお、本講義は意欲ある学部生の聴講を認めますが、単位はでません。
また聴講に際しては、オブザーバとしての参加を認めません。
 文献購読に参加し、英語文献発表・ディスカッションを厭わない
学部生であれば、聴講可能です。

■評価
 下記の3点から成績をつける。
1.コメントカードによる出席点30%
2.プレゼンテーション(全員からの相互評価30%)
3.最終プレゼンテーション(全員からの相互評価40%)

 なお、相互評価のポイントは下記の5点。
  1.スライド・配付資料のわかりやすさ( / 5)
  2.プレゼンテーション手法(声・身振り)( / 5)
  3.質疑応答の適切さ( / 5)
  4.理論の解説がわかりやすいか( / 5)
  5.考察がなされているか( / 5)


■場所・時間
 水曜日 4限より(14:50)
 福武ホール B2 福武スタジオ1


■連絡先
 中原 淳(なかはらじゅん)
 〒113-0033 東京都文京区本郷7−3−1
 東京大学 大学総合教育研究センター 准教授
 東京大学大学院 学際情報学府 准教授(兼任)


■授業アーキテクチャ
 ・イントロダクション(中原:10分)
 ・文献発表(文献担当グループによる:30分)
 ・ディスカッション(グループで:15分)
 ・オープンディスカッション(クラス全体で:30分)
 ・ラップアップ(中原:5分)


■英語文献発表のやり方
・課題として設定された文献を購読し、内容を要約
する。

・発表はレジュメを用いて行う。
 レジュメ事例は、上記の文献パッケージに入っている
 ので、みておくこと

・レジュメの構成時には下記を検討する
 ・各文献の要約をまとめた内容
 ・今回の文献で興味深かったところ/面白かったところ
  現場で役立ちそうなところ
 ・今回の文献の課題、問題点
 ・グループとして考察したこと
 ・今回のプレゼンテーションの各人がどのような
  役割を担ったか?

・配付資料は人数分用意し、各自で印刷すること。

・配付資料は「レジュメ配付資料」を用意する。
印刷は各グループで行うこと。

・発表の時間は30分。その後質疑応答
があるので、質問にも答えられるようにしておくこと。
 
 
■参考文献
・中原淳(2012)経営学習論. 東京大学出版会
http://ow.ly/vjGJ0

・中原淳・溝上慎一(2014) 活躍する組織人の探究. 東京大学出版会
http://ow.ly/vjGKq

授業中解説に用いることはありますが、必須ではありません。
さらに探究を進めたい方は、ぜひご参考になさってください

■経営学習論の全貌:オリエンテーション
 ・講義概要
 ・授業の流れ
 ・グルーピング&自己紹介&連絡先交換
 ・名簿づくり
 ・スケジュールの確認と担当決め
 ・プレゼンテーションの準備と方法

■各自文献購読・発表準備

■採用と予期的社会化※
Breaugh, J. A., Macan, T. H., and Grambow, D. M.(2008) Employment recruitment: Current knowledge and directions for future research. Hodgkinson, G. P. and Ford, J. K.(eds.) International review of industrial and organizational psychology. John wiley and Sons. Vol.23 pp45-82
採用 募集 研究 モデル 

■採用と予期的社会化※
Chapman, D. S., Uggerslev, K.L., Carroll, S.A., Piasentin, K. A. and Jones, D.A. (2005) Applicant attraction to organizations and job choice: a meta-analytic review of the correlates of recruiting outcomes. Journal of Applied psychology. Sep;90(5):928-44.
採用 リクルーター メタ分析 職業選択

■採用と予期的社会化※
Meglino, B. M., Ravlin, E. C., and DeNisi, A. S.(2000) A meta-analytic examination of realistic job preview effectiveness. A test of three counterintuitive propositions. Human Management Resource Review. Vol.10 No.4 pp407-433
現実的職務予告 メタ分析

■組織参入時の学習
Kammeyer-Mueller, J., Runenstein, A. and Song, Z.(2013)Support, Undermining, and Newcomer Socialization: Fitting in During the First 90 Days. Academy of management journal. Vol.56 No.4 pp1104-1124
職場 Co-working 同僚・上司による新人支援 減衰 

■組織参入時の学習
Schaubroeck, J. M., Peng, A. C. Hannar, S. T.(2013) Developing Trust with Peers and Leaders: Impacts on Organizational Identification and Performance during Entry. Academy of management journal Vol.56 No.4 pp1148-1168
職場レベル 信頼 同僚・上司からの支援

■組織参入時の学習
Ibarra, H. and Barbulescu, R.(2010) Identity as Narrative:Prevalence, effectiveness, and consequences of narrative identity work in macro work role transitions. Academy of management review Vol.35 No.1 pp135-154
アイデンティティ ナラティブ 組織参入

※下記は5月14日ー5月28日までを総括する基礎文献ですが、授業では読みません。中原から解説します。余裕のある人は目をとおしておいてください。
Ashforth, B. E., Sluss, D. M. and Harrison, S. H.(2007) Socialization in organizational context. Hodkinson, G. P. and Ford, J. K.(eds.)International review of industrial and organizational psychology. Vol.22 pp1-70
組織社会化論 オーバービュー 新人適応のモデル・3つの変数

●研修効果、研修の転移
Collins and Holton(2004)The effectiveness of managerial leadership development programs: a meta analysis of studies from 1982-2001. Human resource development quarterly Vol.15 No.2 pp217-248
研修効果 マネジャー研究 メタ分析

■研修効果、研修の転移※
Tews, M. J. and Tracey, J. B.(2008) An empirical examinations of post training on the job supplement for enhancing the effectiveness of interpersonal skills training. Personnel Psychology
Volume 61, Issue 2, pages 375-401
研修後の働きかけ 効果の減衰 セルフコーチング

■研修効果、研修の転移※
Marx, R. D.(1982) Relapse prevention for managerial training : A model for maintenance of behavior change. Academy of management Review Vol.7 No.3 pp441-443
研修効果の転移 メインテナンス 逆戻り現象の予防

■リーダーを開発する
Day, D. V., Fleenor, J. W., Atwater, L. E. and Sturm, R. E. and Mckee, R. (2014).Advances in leader and leadership development: A review of 25 years of research and theory,The Leadership Quarterly, 25, pp.63-82
リーダーシップ、リーダー リーダーシップ開発 レビュー

■リーダーを開発する
Lawrence J. Van De Valk and Mark A.Constas. (2011). A Methodological Review of Research on Leadership Development and Social Capital: Is There a Cause and Effect Relationship? Adult Education Quarterly, 61(1), pp73-90
リーダーシップ ソーシャルキャピタル 方法論

■リーダーを開発する
Maybey. C.(2013) Leadership development in organization. International journal of management reviews Vol.15 pp359-380
リーダーシップ 組織 言説 実践

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投稿者 jun : 2014年4月 3日 07:00