号泣する身体、哀しみの中のピエロ:カンジヤママイムさん「おしゃべりなパントマイム」を見た!
以前より、何度か、ワークショップや研究会などでご一緒させていただいたことのある、カンジヤママイムさん(藤倉健雄さん)の舞台が、先だって、上野・鈴本演芸場で開催され、家族で出かけてきました。
カンジヤママイムさん Webpage
http://www.kanjiyama.com/
藤倉さんは、パントマイムの芸人として鈴本演芸場に立たれる一方で、日本全国の学校で公演を行っています。本当に日本全国です。
学校公演実績
http://www.kanjiyama.com/programs/talkative/#oshaberi-06
また、NHK教育「おかあさんといっしょ」などで、「パント」というコーナーの監修をなさるなど、テレビ、ラジオなどのメディアでもご活躍なさっています。
藤倉さんが一風、興味深いのは、こうした芸能活動の他、教育研究者としての顔をお持ちのところです。藤倉さんは、ニューヨーク州立大学演劇学部修士課程を経て、ウィスコンシン大学演劇学部博士課程修了し、Ph.D (教育演劇学博士)を取得なさっています。
その博士論文は、日本の教育演劇に関する博士論文が、アメリカ教育演劇協会より最優秀論文賞を受賞なさいました。現在は、玉川大学、東京学芸大学などで教壇にも立たれています。
素晴らしいご経歴ですね。
まことに興味深いです(笑)。
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今回の舞台では、藤倉さん、そして、藤倉さんの弟子さんのお二人が、様々なパントマイムを演じてくれました。
パントマイムというと、通常、「サイレント=無音」を想像してしまいますけれど、藤倉さんらのパントマイムは「おしゃべり」なパントマイム。軽妙なおしゃべりと、不思議な体の動きで、会場に「笑い」を巻き起こしていました。
いくつかのパートでは、観客にパントマイムを「やって」もらいます。このあたり、非常に体験的、参加型だな、と思います。観客は、少しだけコツを教えてもらえますので、やってみるのですが、なかなか「食べている」パントマイムをするのは、難しいものです。
しかし、これには、TAKUZOも、いたく気に入った様子で、数日たった今も、時折、パントマイムをやっています。
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今回の舞台、個人的には、舞台の一番最後に藤倉さんが演じた「バイオリン弾き」のパントマイムが「刺さり」ました。
病気の小さな子どもを育てながら、ストリートでバイオリンを弾くことで暮らしている、ある「バイオリン弾き」がいます。
その日は、子どもが高熱だったのですが、生活のためには、子どもを自宅に残して、彼はストリートでバイオリンを弾かなくてはなりません。
その日は、クリスマスでした。日銭をかせぎ、仕事を終えた彼は、お店にいって、子どもへのプレゼントに「道化師のマスク」を買いました。マスクをつけて、おどけてみせ、子どもを笑わせてあげたかったのです。
しかし、家に帰った彼が見る者は、変わり果てた子どもの亡骸でした。「道化師(ピエロ)のマスク」をつけたまま、彼は、号泣します・・・。
身体は号泣しているのにもかかわらず、しかし、顔のマスクは道化師のままで笑っている。亡骸になった子どもを、まだ笑わそうとしている。そのアンバランスさが、「深い哀しみ」を表現しているようでした。パントマイムとは、「笑い」を生み出すばかりではなく、哀しみを伝えることができるのだと、驚きました。
もしかすると、見ていて、昔を思い出したのかもしれません。
全くを境遇などは異なるのですが、自分の子どもがまだ小さかった頃、病気がちだった頃のこと。入院したときのこと。それでも、仕事に出かけざるをえなかったときのことを、ふと思い出してしまいました。そのときのやりきれなさ、切なさを。
学術論文を読んで涙が止まらなくなったときの話
http://www.nakahara-lab.net/blog/2008/06/post_1272.html
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ともかく藤倉さん、素晴らしい舞台をありがとうございました。とても愉しむことができました。
そして人生は続く。
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追伸.
わが家が、家族全員でお世話になっている「学び続ける歯医者さん」、目黒「サウジ歯科」のFacebookページができたそうです。おめでとうございます(笑)。「サウジ歯科」は「サウジ」とありますが、「サウジアラビア」とは一ミリも関係ありません。先生は、日本人です。
佐氏先生は、いつも患者本位の治療を行っていただけます。歯をしっかりと治したい方、予防をふくめてトータルに安心安全の歯科治療を受けたい方には、ぜひ、おすすめです。大丈夫ですよ、保険、ちゃんと、ききます(笑)。保険診療ふくめて、患者本位の立場で、様々な相談にのってくれるとおもいます。
サウジ歯科 on Facebookページ
http://www.facebook.com/saujidentalclinic
投稿者 jun : 2013年6月25日 07:42