東京大学大学院夏学期授業 「経営学習論」シラバス 2013ができた!

 皆さん、お元気ですか。
 僕は、泥のように寝て、今、起きました(笑)。
 もう、ほとんど「泥」そのものです。

 最近、何を隠そう「年度末」ですね。小生、バタバタしております。というか、この数ヶ月、ずっとバタバタしてました。空、飛べそうです(笑)。

 しかし、年度末も、本当の「末」になってくると、2012年度を「締める仕事」が減ってきました。最近の僕は「2013年度のための仕事」に終われています。

 2013年度、どうしよか(笑)。

 まずもって、今の時期、考えなくてはならないのは、来年度の部門の運営計画・授業計画です。
 前者は秘密(笑)。
 後者は、下記、大学院授業「経営学習論」のシラバスができました。どうぞご笑覧ください。
「経営学習論」は、これまで一度も前年と同じ内容をやっていないのですが、今年も大部分を変えました。僕も愉しみにしています。ガチで学びたい、意欲ある方々の履修を期待しています。

 なお、同様の内容の、学部向け専門講義としては、兼任している教養学部・学際科学科で、「情報人文社会科学Ⅳ」を山内先生と共同担当します(冬学期・2月3日から6日・駒場キャンパス)。いわゆる、ひとつの集中講義です。
 中原の担当部分では、学部生向けに「経営と学習」の基礎を紹介するつもりです。こちらは人事部で実務をご担当なさっている実務家の方々にも、もし可能であれば、ゲストでご登壇いただきたいな、と考えています。

 ぜひ、お楽しみに!

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東京大学大学院 学際情報学府 2013年度
「経営学習論(Management Learning)」夏学期授業シラバス
水曜日4限 14:50- @本郷キャンパス 担当教員:中原 淳
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中原 淳
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授
 
■講義の概要
 経営学習論とは「経営・組織における学習」に対する学際的
研究領域です。

 本講義では、経営学習論の基礎的文献を読み、本領域に関する
理解を深めます。より具体的には、組織学習論、経験学習論、
職場学習論、越境学習論など「企業・組織における学習」の先行
基礎研究の読み込みを行い、ディスカッションすることをめざし
ます。文献はすべて英語です。
 
 想定される受講者像としては、下記を想定しています。

・組織における知識共有、学習に関心のある方
・組織のおける人材育成、人間の成長に関心のある方
・組織変革や文化の構築等に関心のある方 
 
 本講義は、グループでのプレゼンテーションやディスカッション
により進行します。このことの趣旨を理解し、このような活動を
厭わない学生の受講を期待します。


■評価
 下記の3点から成績をつけます
1.コメントカードによる出席点30%
2.プレゼンテーション(全員からの相互評価30%)
3.最終プレゼンテーション(全員からの相互評価40%)

 なお、相互評価のポイントは下記の5点になります
  1.スライド・配付資料のわかりやすさ( / 5)
  2.プレゼンテーション手法(声・身振り)( / 5)
  3.質疑応答の適切さ( / 5)
  4.理論の解説がわかりやすいか( / 5)
  5.考察がなされているか( / 5)


■場所・時間
 毎週水曜日 4限より(14:50)
 学際情報学府 本館7F 第二演習室


■連絡先
 中原 淳(なかはらじゅん)
 〒113-0033 東京都文京区本郷7−3−1
 東京大学 大学総合教育研究センター 准教授
 東京大学大学院 学際情報学府 准教授(兼任)
 Blog : http://www.nakahara-lab.net/


■授業アーキテクチャ
 ・イントロダクション(中原:10分)
 ・プレゼンテーション(文献担当グループによる:35分)
 ・ディスカッション(グループで:15分)
 ・オープンディスカッション(クラス全体で:30分)
 ・ラップアップ(中原:5分)


■プレゼンテーションのやり方
・課題として設定された文献を購読し、内容を要約
する。「ひとつのストーリー」を構成する。

・プレゼンテーションはパワーポイントで行う。

・プレゼンテーションの構成には下記を必ず含めること
 ・各文献の要約をまとめた内容
 ・今回の文献で興味深かったところ/面白かったところ
  現場で役立ちそうなところ
 ・今回の文献の課題、問題点
 ・グループとして考察したこと
 ・今回のプレゼンテーションの各人がどのような
  役割を担ったか?

・配付資料は人数分用意し、各自で印刷すること。

・配付資料は「パワーポイントの配付資料」を用意する。
印刷は各グループで行うこと。

・プレゼンテーションの前か後に、利用したデジタル
ファイル(パワーポイント&ワードのPDFファイル)を
、メーリングリストにながす。

・プレゼンテーション授業終了後、授業で利用するコ
ンピュータに元ファイル(PPTファイル、ワードファイ
ル)を残しておくこと(評価の際に用います)。

・プレゼンテーションの時間は35分。その後質疑応答
があるので、どのような質問にも答えられるようにし
ておくこと。
 
 
■参考文献
・中原淳(2012)経営学習論. 東京大学出版会

■授業内容
●オリエンテーション(初回授業には必ずご出席ください)
 ・講義概要
 ・授業の流れ
 ・グルーピング&自己紹介&連絡先交換
 ・名簿づくり
 ・スケジュールの確認と担当決め
 ・プレゼンテーションの準備と方法

●組織学習論の基礎:組織「が」いかにスマートになるか?
組織学習論 / 組織学習のサイクル論 / 知識の創造・共有・制度化・棄却
組織の生産性 / 学習効果

●組織学習論の基礎:経験からパフォーマンスをいかに向上させるか?
経験による学習効果 / チームパフォーマンスの向上

●組織学習論の基礎:組織の中のひとのつながり
社会関係資本 / 組織記憶 / 組織パフォーマンス / 階層線型モデル

●チームディスカッション

●組織参入時の学習:新人をいかに社会化させるか?
組織社会化 / 能動的社会化 / 社会化エージェントをとおした学習 /
職場学習論

■組織参入時の学習:新人をいかに育成するか?
新規参入者の学習 / オンボーディング施策 / 組織社会化 /
Swift Organizational Socialization(手早い社会化)

●チームディスカッション

■リーダーへの学習:マネジャーになるということ
マネジャーの受難 / 二重化・多層化・複雑化 / McCall・経験からの跳躍 / リーダーシップ / 後天的学習

■リーダーへの学習:マネジャーになることと実存の揺らぎ
アイデンティティ / 変容プロセス / マネジャー / 学習

■リーダーへの学習:リーダーシップジャングルの理解と近年の動向
リーダーシップ研究の歴史 / リーダーシップロマンス /
オーセンティック・リーダーシップ / 学習

■リーダーへの学習:成人発達論からみたリーダーの成長
成人発達理論 / 学習理論 / リーダーへの成長

●チームディスカッション

■組織、学習、イノベーション
組織イノベーション研究の先行研究

■組織、学習、イノベーション(1)
知識創発 / イノベーション

■組織、学習、イノベーション(2)
個人レベル・集団レベル・組織レベルの創造性 / イノベーション

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投稿者 jun : 2013年3月22日 08:57