「親が子どもに望むもの」と「子どもが本当に欲しいもの」

「親は、ベスト盤を、子どものために、よかれと思って選んでしまう。そして、子どもの本当に聴きたい曲に限って、ベスト盤には入っていない」
(重松清「小さきものへ」)

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 先日、ある造形ワークショップに息子「TAKUZO」とお邪魔したときのことです。
 そのワークショップでは、「床に青いビニールシートでひいたうえで、子どもに絵の具と筆を与え、自由に絵を描かせる」というワークをしました。

 ワーク自体はとても面白く、TAKUZOのみならず、親である僕もとても愉しむことができました。

 しかし、そこで僕は、はたと考えさせられる出来事に出会いました。「親として子どもに望むこと」は必ずしも「子どもの望むこと」とは重ならないこと - あたりまえのことではあるのですが - そのことを改めて実感したのです。

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 皆さんがもし「親」だったとしたら、先ほどのような「自由絵の具お絵かきワークショップ」において、子どもに「何」を望むでしょうか。

「どんなに汚してもいい空間」が与えられ、自由に絵の具と筆を使っていい、と言われたら、子どもにはどのような絵を描いて欲しい、と願うでしょうか。
 明確に口に出さずとも、子どもの描く絵がどんな絵だったら、いいなと考えるでしょうか。

 僕は、何色を使ってもいいのだから、なるべくカラフルに絵を描いてもらいたいな、と思いました。そして、TAKUZOにそれを、それとなく促しました。

「ここ、青とかを使ってもいいんじゃない」
「ここ、黄色と赤がきれいじゃない」
「もう少しカラフルな方がいいんじゃない」

 しかし、こうした親の予想に反し、TAKUZOや子どもたちがもっとも喜んだのは「青」でも「黄色」でも「赤」でもなく、「黒」なのです。
「カラフルに色を使うこと」ではなく、「黒で白色の空間を塗り、ただひたすらつぶすこと」なのです。それが彼らにとっての「自由」でした。
 ただ黒一色で、ひたすら、誰に邪魔されることなく、黒で空間を塗りつぶすことに没頭することが、子どもの求める自由でした。

 この様子をみて、ハッと僕は、我に返りました。そしてつくづく痛感しました。

「子どもの本当に聴きたい曲に限って、親の選ぶベスト盤には入っていない」

 のだと。

 子育ての経験は、僕にいろいろなことを教えてくれます。その経験から導き出される教訓は、時にビターであることもあります。
 しかし、僕自身も、様々な「思い込み」に囚われている存在であることを自覚させてくれる点で、それはかけがえのない一瞬です。

 そして人生は続く。

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追伸.
 最近、盆栽に凝っています。本当は自分のことを「アイアム・盆栽ボーイ」といいたいのですが、さすがに、四十肩の、頭髪薄めのオッサンが「ボーイ」はないだろ、という「激しく鋭く内角きつめのツッコミ」が入って、小生、リブート不能になってしまいますので、「アイアム・盆栽ミドル」ということにしておきます(笑)。「盆栽中年」はやめてけれ、せめて「盆栽ミドル」(笑)。
 まぁ、 いずれにしても、茶髪でイケイケゴーゴー?だった10代後半の頃の自分が、もし仮に「20年後の自分が盆栽をいじって悦に入ってる」と知ったとしたら、きっと、「腰砕けてヘロヘロ」になってる、と思うけどね(笑)。変わるもんだ、人は。
 
jun_bonsai_iizo.jpg

 真ん中の「松」の盆栽は、昨日、ラーニングイノベーション論受講生の皆様にプレゼントいただいたものです。この場を借りて感謝いたします。本当にありがとうございました。その他のは、渋谷のオシャレ盆栽屋さん「NEOGREEN」で購入したものです。ここは最高です。

NEOGREEN
http://www.neogreen.co.jp/

 盆栽ボーイ、盆栽ガールって、絶対に流行ると思うけどな。


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■2012/09/20 Twitter

  • 14:24  おめでとう、すごいですね。スピーチジャマーとは、また驚き!http://t.co/mOTnPt74 RT @qurihara: イグノーベル賞 とったどー"
  • 12:45  布施さん、はじめまして。大変興味深い試みですね。応援しています!RT @cotafu otontoを運営している布施といいます。子ども会社見学会が広がると、otonも子どもも/元気に誇りを持って生きていけるんじゃないかと思うんです。http://t.co/Uiho8coK
  • 01:25  うちのオヤジも、オフクロも、仕事は「電話系」でした。子どもの頃、電話交換機(電話をつなぐ巨大な機械)がバチバチと音をたてて電話がつながるところ、とかを職場見学させてもらいました。そのときのことは、今でも覚えています。子どもを連れて職場にいくって面白いかも。
  • 01:21  オトンの会社で子どもが仕事をする。面白い>「otonto」pd子ども会社見学会 http://t.co/Uiho8coK
  • 01:18  メモ>父と子の遊びサイト「Otonto(オトント)」:http://t.co/IpU0pn5e
  • 00:18  ラーニングイノベーション論、受講生のみなさま、本日は本当にありがとございました!心より感謝です!RT @makimuramaho: お誕生日プレゼント大量に抱える @nakaharajun 先生 http://t.co/qMadFZFj
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■2012/09/19 Twitter

  • 23:17  RT @t_mochizuki: ヒューマンインターフェイス学会論文誌 「教育・学習」への論文投稿のご案内 http://t.co/qL4hhpvw 投稿締切:2013/01/31(木) 必着  掲載予定:2013年 8月
  • 22:33  断言して、退路を断つのが、好きなのかもしれません(笑)。どMですね。>@tkanai1954 前回を超えるという断言は、すごい、すばらしい、わくわくですね RT Unconference 2012@吉野  [in reply to tkanai1954]
  • 22:31  「アンディ・ウォーホルは当時の慣習にことごとく逆らい、大勢の人々を激怒させていたんだ」>アンディ・ウォーホル「スーパースター」:関係者の語りを通じて、アンディの人間像・作品に迫る。面白い。:http://t.co/NZ8qBtmT
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投稿者 jun : 2012年9月21日 15:00