「モノを捨てられない」のはなぜか? : 未来を問うのか、過去を問うのか?

 今のおうちに引っ越して、はや5年。気づけば、いろいろとモノが増えて、そろそろ「整理」をしなきゃならないね、なんて、朝方、カミサンと話していました。

 モノを「整理」するというと、簡単なようですが、これがなかなか難しい。

 特に「靴下ポイポイ男」「引出し開けっ放し野郎Aチーム」「万年シャツ出し人間」と、生まれてこのかた、多種多様なダイヴァーシティあふれる「汚名」?を頂戴してきた小生(だらしない・お片付けができない)にとって、「片付ける」というのは、チョモランマ2個分よりもハードルが高い。

 特に「いらないものを片付ける」ならまだしも、「いらないモノを捨てる」というのは、なかなか難しいのでございます。

「これ、捨てていいのかなぁ・・・まだ使うんじゃないのかな」

 と思ってしまう。

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 少し考えてみると、モノを「捨てる」というときに、まず、問題になるのは、その「基準」です。

 つまり、「何」をもって、目の前にある、この「モノ」を捨てるのかが、重要になる。
 典型的には「未来を考えて、モノを捨てるのか」「過去をさかのぼって、モノを捨てるのか」という2つの基準によって、人はモノを捨てると思うんです。

 前者「未来を考えて、モノを捨てる」は具体的にいうと、こういうことですね。

「このモノは、将来、使わないだろうから、この際、捨ててしまおう」

 これに対して、後者「過去を考えて、モノを捨てる」は

「このモノは、過去1年間使っていないから、この際、捨ててしまおう」

 となりますね。

 たいていは、人は「前者の立場」、すなわち「未来を考えて」、モノを捨てようとします。
 すなわち、「将来、このモノを使うかどうか」ということを考える。そして、だから、僕も含めて、なかなか、モノが捨てられない。

 前者の立ち位置にたった場合、「なぜ、モノが捨てられないか」は、少し考えてみればわかりますね。
 
 前者の問いは「可能性を問うている」のであり、「真偽」の判定は、今を生きている「私たち」には不可能です。なぜなら、「このモノを使うか、使わないか」は、「将来」になってみないとわからないから。そのモノを使うコンテキストやニーズが生まれるかどうかは、未来になってみないと、わからないから。だから、いつまでたっても「不安」は残る。

 これとは逆に、後者の立ち位置にたった場合は、「このモノを過去1年以内に使ったかどうか」は、「真偽」がでます。使ったなら、使ったわな、です。過去1年使ってないのなら、使ってないですじゃー、ですね。
「使った場合」には、このモノは残しておくということになりますし。「使っていない」のであれば、だから、捨てる、という具合になる。つまり、後者の問いは、確実に真偽判定ができ、そのうえで、モノを捨てるか、残すかの意志決定ができる。

 つまり、モノを捨てるときには、真偽の判定のできる「問いかけ」をもって判断して捨てないと、なかなか捨てられないということですね。これって、大発見じゃない?? アタリマエですか? ・・・・・だって、お片付け、苦手なんだもの、小生。

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 とまぁ、朝方、こんなしょーもないことを、ブツブツ言っていた。

「わかったぞ、真偽の判定のできる"問いかけ"をもって、モノを捨てることにしよう。我々は、過去を問うのだ。未来を問うてはいけないのだよ」

 とカミサンに、僕の発見をシェアしたのですが、彼女は気のない返事で「そうねー」、と(笑)。聴いているんだか、聴いていないんだか、よくわかんない感じで、軽く流してくれました。

 そんなくだらないことだったかなぁ。。。靴下ポイポイ的には「大発見」だと思ったんだけどなぁ。だから、今までお片付け苦手だったのかなぁ。こういうことを、ぐだぐだ言っているから、片付かないのかなぁ・・・。

 そして人生は続く。
 おうち、綺麗になるといいね。

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■2012/08/15 Twitter

  • 08:52  深刻>アメリカ、大学の授業料値上げ、中所得層上位に大打撃「補助の多い低所得層と、まったく問題のない高所得層の間で苦しめられている」: http://t.co/w2q0yQ3f
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■2012/08/14 Twitter

  • 18:12  読了。アイヌの文化伝承に人生をかけた著者による書。知られざる北海道とアイヌの歴史>萱野茂「アイヌの碑」(朝日文庫): http://t.co/7L5o2Qvr
  • 14:09  おっ、この本の写真は、写真家の公文健太郎さんが撮影なさっているのですね。公文さんには、以前、「ダイアローグ 対話する組織」という本でお世話になりました。ますます楽しみだ http://t.co/XISpFfQX
  • 14:07  なんとタイムリー。今日のブログでリアル書店さんのことを書いたけれど、作家の稲泉連さんから新刊「復興の書店」をご献本いただきました(感謝)。「本は生活必需品であった」「書店というのは街の日常を担っている存在だった」という言葉が印象的 http://t.co/XISpFfQX
  • 14:01  研究室。大学、意外に、人はいます。
  • 09:08  sense of community、とても大切ですね。同感です。RT @tkanai1954 sense of communityがないと研究はつらい。クーンの科学革命の構造で、科学者集団と訳されている集団のところは、元の英語は、コミュニティですよね。  [in reply to tkanai1954]
  • 09:07  ブログ更新。今だからこそ、リアル書店の存在証明!? - 書店の消えゆく街のこと: http://t.co/SpKwm5yF
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  • 17:17  RT @tatthiy: そういえばオリンピックの女子マラソンみていたときに、解説の有森さんが「ひとりにならないほうがいいですね。相手選手の近くにいてペースメイクするのが大事ですね」みたいなこと言っていた気がするけど、これって研究にも通ずるなと思った。
  • 15:37  19度から34度へ。北海道より帰京。
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投稿者 jun : 2012年8月16日 12:37