自分の文章スタイルをつくるためのコツ!?:作家に「なりきる」、書くことをゲーミフィケーションする

「どのようにしたら、文章が書けるようになるのでしょうか?」

 先日、また、ある学生さんからこんな質問を受けました。半年に一度くらいは、この手の質問を受けますが、また、はたと自分のことを振り返りつつ、考えてみました。

 実は、以前、僕は「書くためには、書き続けることである」というエントリーを書いたことがあります。

書くためには、書き続けること!?
http://www.nakahara-lab.net/blog/2012/02/post_1833.html

 要するに言いたかったことは「どんなものであってもよいので、書き続けてさえいれば、いざ書く段には、スラスラと書けるようになっていくよ」ということです。
 逆にいうと「書き続けていないと、なかなか言葉やセンテンスが浮かばず、いざ書こうと思っても、苦労するよ」ということです。

 いまだに、こちらのエントリーで主張したことは、あながち間違っていないんじゃないかな、と思っていますが、でも、そこには明確に論じられていないことが多々あることも事実です。

 そのひとつが

「書こうと思ったときに、一番最初になすべきことがわからない」

 ということですね。

 つまり、重い腰をあげ、何か書きたいことができたときに、どう書くかについては、全く「書かれていない」ということです。

 ▼

 僕が研究指導をしている、大学院生の舘野さんは、アカデミックライティングの研究をしておりますので、専門の助言・情報はそちらに譲ることにします。

【大学生・院生向け】文章の読み方・書き方・考え方・発表の仕方まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2133342163910863801

 ここでは、僕自身の過去を振り返り、学生時代の僕がやったことは何かと考えます。

 すると、それは意外にも、僕なりの答えは

「自分の好きな作家・評論家・エッセイストの文体を徹底的に真似て、その人になったつもりで書いてみる」

 ということでした。

 つまり、あなたが「村上春樹」好きならば

   勝手に「村上春樹」

 「小林秀雄」好きならば

   勝手に「小林秀雄」

 「群ようこ」好きならば

   勝手に「群ようこ」

 を実践しちゃうということです、勝手に。

 間違って頂きたくないのですが、文章そのものを「コピペする」というわけではありません。それは「剽窃」です。
 というより、自分の好きな書き手の「文章のスタイル」を真似て、自分で創作してみるのです。

「あの作家だったら、この状況をどう書くだろうか」
「あのエッセイストならば、この場面を、おもしろおかしく、どのように描写するのか」

 と考えて、想像力をふくらませ「なりきって」書いてみる、ということです、密かに、ゲーム的に。

  ▼

 大学時代の僕は、結構、これを愉しんでやっていました(授●中などのヒマなときに、ノートの切れっ端に!)。時には、おー、今日は「●●になりきったぞ」としたり顔で、教室の片隅で「授●」を聞いておりました。先生ごめんなさい。
 
 でも、しばらくすると面白いことが起こります。

 次第に本当にのりうつったかのように、自分の好きな作家風に、文章が書けるようになってくるのです。あくまで「それっぽく」という感じですが、いい回しが次第に似てきます。

 第二フェイズは、マネする作家が複数になったときに出てきます。 何人かの自分の好きな作家の文章スタイルを複数マネをしていたら、しばらくすると、それがぐちゃぐちゃに混ざっていって、自分でも何がなんだかわからなくなってくるのです。

 つまり、先ほどの例を使うのならば

 「村上春樹」+「小林秀雄」+「群ようこ」的な文章スタイル

 が、だんだんとできあがってくるのです。書き出しは「星新一風」、笑いをとるところは「原田宗典風」といった感じを想像してもらえると、よりわかりやすいかもしれません。もうこうなってくると、誰が誰だか、さっぱりわかりません。

 最終フェイズでは

 「村上春樹」+「小林秀雄」+「群ようこ」的な文章スタイル

 がさらに「崩され」「デフォルメ」されていきます。自分なりに、ここは、こう変えてみよう。ここは、工夫してみよう、とか。ここは、こう落とそう、とか。

 このプロセスは「守・破・離」といえば、そのようにも解釈できそうですが、最初は完全に書き手を模倣する。次第に模倣する書き手の数が増えていくと、だんだんと、壊されていく。そして、だんだんと自分なりのスタイルが生まれてくるのです。

 で、しらないうちに、今の僕の文章スタイルができました。

 マネしている、とう感覚は、もはやありません。何がなんだかわからないけれど、たぶん、これは「僕の文章スタイル」なんだろうな、ということです。

 僕の文章スタイルは要するに

 「ごった煮」

 なのです。
 ただし、「プチスパイスで味付けされ、自分なりに、完全にデフォルメされて、ちょっと煮込みすぎのごった煮」

 美味しいかどうかはわかりません(笑)。
 さて、どうでしょ。

  ▼

 この方法の(効果は保証できません)キモは3つです。

 まず、自分の好きな作家やエッセイストを「真似る」ので、モティベーションが続きます。嫌いな人の文章スタイルを真似る必要はないんです。自分が、この人みたいに書きたいな、と思える人を選ぶとよいと思います。

 第二のポイントは、実は、マネをするためには「本気で読み込まなくてはならない」のです。だって、マネができるくらいにはスタイルをコピーするには、ひとりの作家の複数の本を読まなくてはならないでしょう。自然と読書の癖もつきます。

 第三のポイントは、ゲームとして愉しむ、ということです。今の言葉でいうならば、

 「ライティングのトレーニングをゲーミフィケーションする」

 ということになるのかもしれません。
 「なり切って、うまくいったときには、ひひひ、とほくそ笑む」。そんなマニアックで、誰も理解してくれそうな「知的快楽」を、教室で愉しんでみるのも一興でしょう。

 ▼

 なお、これは僕自身の「わたしの教育論」ですので、効果は保証しませんし、一般化するつもりもありません。

 ただ、僕自身は、こないだのエントリーにも書きましたが、本当に文章が苦手でした。

「今日はハンバーグを食べました。とってもおいしかったです」

 のような文章を、小学校高学年まで書き続けていきました。自分にとって、最大の苦手分野が、作文だったのです。

 でも、その苦手を克服するために「自分が文章をうまくなるための方法を、自分で工夫し、編み出したメソッドのひとつ」が、これでした。要するに、スタイルを徹底的に真似ろ、と。「作家になりきる」のだ、と。でも、真似ていれば、いつしか、自然と崩れてくる。そして、いつしか、自分のものになる、と。

 いまだに文章は得意だとは思っていません。しかし、あまり苦労することなく、スラスラと書けるようにはなってきました。苦手意識はほぼなくなった、と言えるような気がします。

  ▼

 最後に、

 僕が、どの書き手の文章スタイルをコピーしたのか?

 って?

 それは「秘密」。誰にも言いますまい。

 なんだか、こっぱずかしいからね(笑)。

  ---

■2012/06/25 Twitter

  • 21:34  週末、東京を離れておりました。「デジタル断ち」、いわゆる「Unplugged(アンプラグド) 」ですね。順次メールをお返ししています。爆走します。
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/22 Twitter

  • 07:36  虫歯のある子供の割合、激減っぷりが、すごい。保育園だよりにびっくりした。 http://t.co/nrWME1n9
  • 07:29  ほほー>横浜国大、全学部の定員1割の学生に留学義務付けへ :入試において「一般入試とは別に英語力を重視した選考」をおこなった学生に対して(日経)
  • 07:06  大学生研究フォーラム2012「グローバルキャリアの時代に大学教育は何ができるか」: 2012年8月19日(日)京都大学、ご興味があるようでしたら、応募はお早めにお願いいたします。今年は例年になく、動きが速いそうです: http://t.co/4pbIVL5Q
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/21 Twitter

  • 22:21  最近、5歳になるくらいから、生意気でして。誰に似たのか。。。RT @purezou88 ユニークな息子さんですね!RT TAKUZO、寝かしつけ完了。いやー、苦戦したわ。やむなく子守歌歌ったら「それ、呪い?」って言われた(笑)。  [in reply to purezou88]
  • 22:04  TAKUZO、寝かしつけ完了。いやー、苦戦したわ。やむなく子守歌歌ったら「それ、呪い?」って言われた(笑)。
  • 17:35  あっ、「いいこと」思いついた。たぶん、これ、降臨かも。ししし。ししし。ししし。
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/20 Twitter

  • 23:03  素敵なモデルをつくろう!RT @tatthiy 少し先が見えてきましたね(笑)RT トランジション研究会。大学院生と一緒にデータ解析をしている。毎週毎週、僕も宿題(分析報告)あり。院生の前で「ショボい報告」はできないので、毎週時間をとるのが大変。でも面白い。  [in reply to tatthiy]
  • 22:42  今日は、国家公務員の新たな幹部育成のあり方について、総務省、人事院の方々と議論しました。会には近畿大学の谷口智彦先生もいらっしゃいました。また次回が愉しみです。
  • 22:20  霞ヶ関を出て、法政大学市ヶ谷キャンパスへ。
  • 18:42  ブログ更新。青山学院大学大学院・集中講義「組織行動論」のシラバスができました http://t.co/iE1cED2c
  • 18:05  総務省「幹部候補育成課程に関する研究会」
  • 16:57  大学院授業「経営学習論」海外勤務における組織適応と学習。統合モデルの可能性。
  • 14:20  いよいよ出ます。近いうちに最終校正に入ります。今は、編集部の木村さんが渾身の校正をおこなってくれているはずです>RT @ut_press 【8月の新刊】 中原淳『経営学習論 - 人材育成を科学する』 http://t.co/jOyQN6kU  [in reply to UT_Press]
  • 14:17  (2)「グローバルに活躍できる日本人の育成」とは「外国語を強制的に学ばせること」なんかじゃなく(できるにこしたことはない)「仕事のできる人を地道に職場で育てること」だとデータをもって示すことができそう。8月、途中経過を発表します。http://t.co/cZZqbli2
  • 14:16  (1)トランジション研究会。大学院生と一緒にデータ解析をしている。毎週毎週、僕も宿題(分析報告)をこなさなくてはならない。院生の前で、「あまりにショボすぎる報告」はできないので、毎週時間をとるのが大変。でも、なかなか面白くなってきた。
  • 14:14  学生の情報によると、本郷キャンパスには3台きているようです。RT こんな目立つ車がキャンパス内に入ってくるのですか? RT 最近、キャンパスにお目見えするようになったランチワゴン。なかなかうまい。 http://t.co/9mb91zEu
  • 12:31  最近、キャンパスにお目見えするようになったランチワゴン。なかなかうまい。 http://t.co/9mb91zEu
  • 11:37  大学院・中原ゼミ(@nakaharalab)。今日の英語文献はHellinger & Heck(2010) Collaborative leadership and school improvement(リーダーシップと学校改善効果)#nakaharalab
  • 10:58  大学院中原ゼミ(@nakaharalab)保田さん(M1)の研究発表。「新人看護師の熟達化」に関する海外論文の文献レビュー。がっつり網羅的にレビューされていますね、素晴らしい。#nakaharalab
  • 06:16  笑、その通り>RT @tomokihirano カイ二乗検定! RT 誰だい? 僕の研究室のホワイトボードに、油性マジックで板書したのは。全然消えないよ。。 http://t.co/ftmlXXvy  [in reply to tomokihirano]
  • 06:16  皆様コメント感謝です!RT @bo_rude ホワイトボード用のペンで上書きして消せば、消えます。 RT @tanakazoo 思わず爆笑 RT 誰だい? 研究室のホワイトボードに油性マジックで板書したのは。 http://t.co/ftmlXXvy
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/19 Twitter

  • 14:44  誰だい? 僕の研究室のホワイトボードに、油性マジックで板書したのは。全然消えないよ。。 http://t.co/ftmlXXvy
  • 06:57  美馬さんは「はこだて国際科学祭」の企画・運営などに取り組まれています。科学・祝祭・学習ですね。http://t.co/MF8Upyqh @tkanai1954 共著者の美馬さんに、わたしもいつかお会いしたいですね。RT 美馬のゆり先生にお会いする。  [in reply to tkanai1954]
  • 06:52  顧客から学ぶ機会の創出>営業の第一線に「コンシェルジュ」配置広がる:顧客満足度を上げつつ、様々なことを学ぶ機会・モティベーション向上に。ユニクロ、CCCなど(日経)
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/18 Twitter

  • 19:33  面白い。思わず微笑んでしまった>「これでインプロで終わるのはあまりに苦しすぎる」「50歳で指揮者になる」「今やっていることは、全部夢だったんです」「研究をパフォーマンスとして社会に届ける」:高尾隆さん(研究者の仕事術) http://t.co/N2A68MgZ
  • 16:26  小生もひょっこり研究室を通りかかり、「タナボタ」でアイスをいただきました。感謝>山内先生 RT @salily1214 先生からアイスの差し入れいただきましたーわーい!研究室にいるみんなでいただいてます(^O^) http://t.co/n9bZHiYR  [in reply to salily1214]
  • 08:28  ブログ更新「人材開発・人材育成の仕事の5つの特徴」 http://t.co/qkhcqear
  • 05:52  嗚呼、眼鏡もってくるの忘れた(泣)。途方にくれてる電車内。
Powered by twtr2src.

投稿者 jun : 2012年6月29日 07:00


青山学院大学大学院・集中講義「組織行動論」のシラバスができた!

9月、青山学院大学大学院で開講する集中講義のシラバスできました。詳細はよくわからないのですが、科目等履修生制度もあるようです。今年は「海外勤務における組織適応・学習」をフィーチャーしたいと思っています。受講なさる予定の皆さん、お会いできますこと、愉しみにしています。

===================================================
青山学院大学大学院・組織行動論2012
中原 淳
シラバス最終
大学院修士1年生・2年生向け・科目等履修生制度あり
===================================================

中原 淳
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授

■講義の目的・概要
 人は、人生の一定期間、学校という場所「だけ」で学ぶわけでは
ありません。学校を「卒業」した後でも、会社や組織の中で、新た
な知識を獲得したり、他者と知識を共有したりしながら、仕事に日
々取り組んでいます。人は年をとっただけでは、学びをやめません。
人は、生けとし生きる限り、学び続ける存在なのです。

 本授業では、経営学習論(Management learning)という分野
の基礎的文献の購読、ディスカッションを行います。
 近い将来、組織における学習、人材育成システムを実際に「分析」
したり、あるいは「構築」したりする場合に必要になる基礎的概念
を理解することをめざします。

 講義は受講者によるプレゼンテーションを中心に進行します。
 経営学習論の主要概念をレビューするほか、今年度は特に「海外
赴任・海外勤務における組織適応や革新行動」に焦点をあてます。
生産拠点やマーケットがグローバル化する中、海外赴任・海外勤務
において日本人マネジャーがいかに行動するべきかを考えます。
 これらの基礎的文献を購読し、今、企業経営者・人事担当者が何をなす
べきかを、議論します。


■評価
 下記の3点から成績をつけます。
1.出席(20%)
2.プレゼンテーション(教員評価40%)
3.資料のクオリティ(教員評価40%)

 なお評価のポイントは下記の5点。
  1.スライド・配付資料のわかりやすさ( / 5)
  2.プレゼンテーション手法(声・身振り)( / 5)
  3.質疑応答の適切さ( / 5)
  4.理論の解説がわかりやすいか( / 5)
  5.考察がなされているか( / 5)
 
 
■連絡先
 中原 淳(なかはらじゅん)
 東京大学 大学総合教育研究センター 准教授
 Blog : http://www.nakahara-lab.net/
 
 
■場所
 青山学院大学 青山キャンパス
 

■参考書
 中原淳(2010)職場学習論. 東京大学出版会
 中原淳(2012 8月近刊)経営学習論. 東京大学出版会


■日時
 9月2日(土) 9時ー17時  
 9月8日(日) 9時ー17時30分
 9月9日 10時ー18時


■プレゼンテーションのやり方
・文献購読は1セッションあたり「受講生2名」(2名が難しい場合は3名)で担当・要約・発表してください。担当した文献の発表には責任をもってあたってください。万が一、2名ともに当日事情が生じた場合には、受講生同士で調整をお願いをいたします。くれぐれも欠席や遅刻のないようにお願いします。

・過去の平均的な準備時間を見ると、おおよそ2名で「1ヶ月程度」必要のようです。前もって授業資料、プレゼンテーション資料の準備をお願いします。資料作成にあたっては、各文献の購読をそれぞれが行い、しっかりとその内容をグループで「議論」することが必要です。担当部分の「寄せ集め」を発表するのではなく、グループでの議論を踏まえ、しっかりとした資料を作成下さい。本授業の「評価」はプレゼンテーションと資料のウェイトが大きいです。十分な時間をとってください。

・文献の割り振りと、発表日時は青山学院大学の事務局(コース内)にて決定し、結果をお知らせいたします。なお、ご希望に添えない場合もあります。その際はどうぞお許しください。文献の割り振り、発表日時等については、中原の方では行いませんので、ご了承ください。

・課題文献、図書を個人で役割分担をしながら購読し、ひとつのストーリーにまとめ、プレゼンテーション20枚以下にまとめてください。複数の課題文献が1セッションに割り当てられている場合は、文献内容をそれぞれ要約し、その総合的な意味を考察してください。
ひとりにつき発表時間は35分程度です。

・プレゼンテーションには下記の情報を最低限含むようにしてください。「初学者」の方が聞いても、わかるように説明することがポイントです。

  1.著者の背景情報
  2.文献の概要
  3.先行研究など、研究の背景情報
  4.文献の要旨 
  5.文献の要旨 
  6.文献の要旨 
  7.理論的示唆、実践的含意
  (8.文献が複数の場合は、総合的意味など)
  9.興味をもったところ、ディスカッションのポイント 
 
・配付資料は「パワーポイントの配付資料」を各自印刷して、用意してきてください。何部印刷するかは、事務局に受講者数をおたずねください。

・配付資料のデジタルデータ、当日行ったプレゼンのデジタルデータは全員で共有するので、当日USBメモリなどに入れてもってきてください。

・当日のPC・プロジェクタは各自用意してきてください。


■授業内容
#1オーバービュー「経営学習論の視座」
 ・中原がプレゼンテーションしますので、こちらを担当することはできません
 ・中原淳(2010)職場学習論. 東京大学出版会
 ・中原淳(2012)経営学習論. 東京大学出版会

●「組織社会化論」(担当:   ・    )
・Ashforth, B. E., Sluss, D. M. and Harrison, S. H.(2007) Socialization in organizational context. Hodkinson, G. P. and Ford, J. K.(eds.)International review of industrial and organizational psychology. Vol.22 pp1-70

●「組織社会化論」(担当:   ・    )
・Louis, M. R.(1980) Surprise and sense making : what newcomers experience in entering unfamiliar organizational settings. Administrative science quarterly. Vol.25 No.2 pp227-251
・Gundry L. and Rousseau, D.(1994) Critical Incidents in communicating calture to newcomers. The meaning is the message. Human relations. Vol.47 No.9 pp1063-1088

●ダイアログ

●「経験と学習」(担当:   ・    )
・Kolb, A. Y. & Kolb, D. A. (2009). Experiential Learning Theory A Dynamic, Holistic Approach to Management Learning, Education and Development. In Armstrong, S. J. & Fukami, C. V. (Ed.), The SAGE Handbook of Management Learning, Education and Development (pp. 42-68). London: Sage Publications Ltd.

●「経験と学習」(担当:   ・    )
McCall, M.(1988)Developing executives through work experience. Human resource planning. Vol.11 No.1 pp39-49
McCall. M. et al(2011)リーダーシップ開発ハンドブック―The Center for Creative Leadership:CCL. 白桃書房(各自入手ください)
※後者の日本語の本は前者の延長上に書かれています。適宜捕捉して、リーダーシップの経験アプローチについてまとめてください。

●「海外勤務研究のフレームワーク」(担当:   ・    )
Black, J. S. and Mendenhall, M. and Oddou, G.(1991) Toward a comprehensive model of international adjustment : An integration of multiple theoretical perspectives. Academy of management review Vol.16 No.2 pp291-317

●ダイアログ

●「海外勤務研究1」(担当:   ・    )
・Black, J. S. and Mendenhall, M. and Oddou, G.(1990) Cross-cultural training effectiveness a review and a theoretical framework of rthe future research. Academy of management review. Vol.15 No.1 pp113-136

・Takeuchi, R., Shay, J. P. and Li, P.(2008) When does dicision autonomy increase expatriate managers adjustment. Academy of management Journal Vol.51 No.1 pp45-60

●「海外勤務研究2」(担当:   ・     )
Spreitzer, G. M. et al (1997) Early identification of international executive potential. Journal of applied psychology. Vol.82 No.1 p6-29

Caliguri, P, M. (2000) Selecting expatriates for personality characteristics : a moderating effect of personality between host national contact and cross-cultural adjustment. Management International Review. Vol.40 No.1 pp61-80

●「海外勤務研究3」(担当:   ・     )
・Stahl, G. K. and Caliguri, P.(2005) The effectiveness of expatriate coping strategies : the moderating role of cultural distance, position level and time on the international assignment. Journal of applied psychology. Vol.90 No.4 pp603-615

●「海外勤務研究4」(担当:   ・     )
・Schneider, S. C. and Asakawa, K.(1995) American and Japanese expatriate adjustment : a psychoanalytic perspective. Human Relations Vol.48 No.1 pp1109-1127
・Nicholson, N. and Imaizumi, A. (1993) The adjustment of Japanese expatriates managers in Britain. British Journal of Management. Vol.4 pp119-134

●ダイアログ

●「海外勤務研究5」(担当:   ・     )
・Yamazaki, T. and Kayes, C(2007) Expatriate learning : exploring how Japanese managers in the United states. International Journal of Human Resource Management. Vol.18 No.8 pp1373-1395

●「海外勤務研究6」(担当:   ・     )
・Yamazaki, Y. and Kayes, D. C.(2007) An experiential approach to cross cultural learning : A review and integration of success factors in expatriate adaptation. Academy of management learning education. Vol.3 No.4 pp354-79

=================================================

投稿者 jun : 2012年6月20日 15:19


人材開発・人材育成の仕事の5つの特徴 : 曖昧さ、多重性、不確実性、再帰性、そして未完成性

 仕事柄、僕は、人材開発・人材育成をお仕事になさっている方と接点が多々あります。これまで10年弱にわたり、様々な方々と、お仕事などでご一緒させて頂く機会を得てきました。皆様、ありがとうございます。

 ▼

 その経験から考えるに、組織における人材開発・人材育成の仕事とは、他の職種と比べて、いくつかの特徴があるように感じます。そして、一見、ネガティブに見える、その諸特徴こそが、その仕事の奥行きの深さ・面白さを構成しているようにも思えます。
「ネガティブさ」と「面白さ」は、コインの裏表のようなものです。それをどの角度から、どのように見るか、によって、この仕事のイメージが変わります。

  ▼

 人材開発・人材育成の仕事の第一の特徴は「知識体系の曖昧さ」。

 たとえば、会計や法律などの職種と異なり、人材開発・人材育成の仕事とは、それを実施するのに必要になる「知識ドメイン」に「曖昧さ」が残ります。ビジネスの知識はもちろんのこと、学習論、動機論、組織論、ファシリテーションなどの諸技術、組織開発の知識などが、場合によっては、必要になります。

 しかし、それらの知識を得たとしても、絶対に「効果の高い人材育成」が行えるわけではありません。知識や事例は知っているにこしたことはないとは思いますが、それが必ずや成功を約束するわけではない。
 つまり、それらの諸知識は、状況に応じて人々が判断するためのヒントのようなものです。
「道具箱」の中に何の道具も入っていない人と、いろいろな道具が入っている人では、つくることのできるものが変わります。しかし、どんなにすごい道具をもっていても、必ず、すごい作品ができるとは限りません。そして、この特徴ゆえに第二の特徴が生まれます。

  ▼

 第二の特徴は「結果の不確実性」。
 人材開発・人材育成では、外部から「介入」を行ったときに、どのような結果が得られるかは、完全には予測不可能です。ある程度の予測ならつけることは可能かもしれませんが、介入と結果とのあいだに「機械的な関連」を認めることは、一般には難しいものです。外部環境、組織の風土、また組織の構成メンバーが、それぞれに異なり、これらの諸変数によって結果は異なるからです。

 僕は繰り返し、「人材開発・組織開発には"王道"ない」といっていますが、それは、そういうことです。様々な理論や先行事例は「先達の肩の上」のようなものです。それはゼロから、何かをはじめる人にとっては、より遠くを見通せる機会となります。

  ▼

 第三の特徴は「ステークホルダーの多重性」。
 要するに、人材開発・人材育成の仕事とは、経営者、現場のマネジャー、現場の構成員・・・様々なステークホルダーの間の利害関係の中にあるということです。
 人材開発・人材育成が「誰か一人の利益に資するべく行われる」のなら、わかりやすいのですが、どうもそうはいきそうにありません。経営者にとって「短期的にはよい施策」であっても、現場が疲弊し、長期的な効果が望めないのであれば、その施策の評価はさがります。

  ▼

 第四の特徴は「仕事の再帰性」。
 要するに、人材開発・人材育成を行う人は、究極において、その仕事内で自己が発するメッセージが、ブーメランのように、自己に帰ってくる、ということです。

 あなたは、他人に「学べ」という。
 そういう、あなたは、どうなのだ?
 あなた自身は、「学んでいる」のか?

 あなたは、他人に「変われ」という。
 そういう、あなたは、どうなのだ?
 あなた自身は、「変わっている」のか?

 あなたは、他人に「挑戦せよ」という。
 そういう、あなたは、どうなのだ?
 あなた自身は、「挑戦しているのか」?

 他者に対して投げかけた言葉は、そっくり自分自身に返ってくるのです。だから、この仕事は、「自分のあり方」が問われることになります。

  ▼

 最後の特徴は「未完成性」。
 人材育成・人材開発・組織開発の仕事に「完成」はあり得ません。完成したと思えば、環境の変化により揺らぎ、揺らぎの中で「完成」をめざすようなものです。「終わりなき旅」のようなものです。

   ▼

 これらの諸特徴「曖昧さ」「多重性」「不確実性」「再帰性」「未完成性」は、古典的専門職に従事する人たちから見ると、非常にネガティブなものとして見られると思うのですが、逆に、だからこそ、面白い、だからこそ探究のしがいのあることにも思えます。

 これらの「曖昧さ」「多重性」「不確実性」「再帰性」「未完成性」に対処するためには、人事の仕事をなさっている人々自身が、自らの仕事を内省し、自分のあり方(Being)や見識を高めていくこと。さらには、アクションを行っていくことが、求められるように思います。

 そして人生は続く

(本ブログでは、敢えて読者の弁を考え「曖昧さ」「多重性」「不確実性」「再帰性」「未完成性」を伝統的プロフェッショナルとは対極にあるものとして描きましたが、実は、ドナルド・ショーンの指摘にもあるように、これらの諸特徴の一部は、一般のビジネスにも、伝統的プロフェッションにもあてはまることです。たとえば、ビジネスに「王道」はやはりないでしょう。医療行為だって、実際はステークホルダーは多重化しており(患者のみならず、患者の家族・・・)、不確実な状況で行われているのです。詳細な議論は、また次回にさせてください)

 ---

■2012/06/17 Twitter

  • 21:17  「人生には二つの悲劇がある。ひとつは"願いがかなわぬこと"。もうひとつは"願いがかなってしまうこと"」(George Bernard Shaw)
  • 19:42  中原家、家訓。銭湯での風呂あがりは、フルーツ牛乳。 http://t.co/33qa9ebA
  • 08:53  父の日のプレゼントで、小生のものになるはずだったウチワ。出来がよかったので、パパにあげるのはイヤになったらしい。「これは父の日の、自分のウチワ」とのこと。ややこしい(笑) http://t.co/zqf2NQMF
  • 08:22  笑。気持ちがわかります。@anachoreta: 前にこの漫画を読み終わったあとにホントに行ったことがあります(笑)RT バーに今すぐ行きたくなりますな RT @takaotakashi: いいマンガだよね~。RT 「バーテンダー」http://t.co/KoZAxHy0"
  • 00:35  愉しみです!RT @takaotakashi 今度行こう~。RT バーに今すぐ行きたくなりますな(笑)RT いいマンガだよね~。RT 「バーテンダー」全21巻、大人買いした。毎夜1巻づつ読むのが愉しみになりつつあります。 http://t.co/KoZAxHy0  [in reply to takaotakashi]
  • 00:21  バーに今すぐ行きたくなりますな(笑)RT @takaotakashi: いいマンガだよね~。RT 「バーテンダー」全21巻、大人買いした。毎夜1巻づつ読むのが愉しみになりつつあります。 http://t.co/KoZAxHy0
Powered by twtr2src. ■

投稿者 jun : 2012年6月18日 08:25


「視覚優位社会」に改めて気づく : 伝えるために、何を残し、何を落とすか? : 松田高加子さんのワークショップに参加した!

 ワークショップを実践する人には、2種類の人がいます。

 自らワークショップは実践するが、他人のワークショップに参加するのは嫌いな人
 自らワークショップを実践し、しかも、他人のワークショップに参加することが好きな人

 です。

 僕に関していえば、明らかに「後者」です。僕自身に考える機会を与えてほしい、というか、ついつい安易にステレオタイプでモノを見てしまう僕を「揺さぶって」欲しい。そして願わくば、何らかの実践のヒントも欲しい。
 今日も、知り合いのRさん(ラーニングイノベーション論の卒業生、感謝!)が、あるワークショップを企画してくれたので、参加させて頂きました。

  ▼

 僕が今日参加させていただいたのは、映画に、視覚障碍者向けの映像ガイド(映画の音声解説)をつけるプロジェクトを推進なさっている、松田高加子さんのワークショップです。

松田高加子さん
http://www.facebook.com/takoisblu

 松田さんは、視覚障碍者の方々が「映画」を見られるように、映画のシーンでの俳優の動きや情景を「音声」で吹き込む活動をなさっている一方で、その活動の社会的意義を広めるべく、健常者を対象にワークショップを実践なさっています。

 映画の1シーン、何気ない映像を、いかに選ばれた言葉で、限られた時間のなか、視覚障碍者の方々がわかりやすいように音声で伝えるか。
 実際に映画を見ながら音声ガイドをつける作業をやってみると、これがどうして、奥が深く、なかなか面白かったです。
 近年では、テレビ局のW社など、松田さんのワークショップを新人研修に導入しているところもあるそうで、まことに興味深いことですね。ちなみに、実際の映像ガイドをつくるためには、100分の映画で100時間かかるそうです。

  ▼

 松田さんのワークショップに参加した感想として、僕は2つの感想をもちました。

 ひとつは「福祉のコンテキスト」からの感想です。

 あらためて感じたのは、いかに現代という社会が、「視覚優位社会」かということです。
 テレビのバラエティのテロップ、コンピュータのマウスとポインタ・・・健常者にとってわかりやすく表現されたものは、必ずしも視覚障碍者の方にとってわかりやすいものではないのです。世に言う「見える化」・・・それは必ずしも、健常者にとってはわかりやすいけれど、視覚障碍者の方々にとって必ずしも優しいものではない。

 ある人にとって「わかりやすいこと」が、別の人にとっては、通常の生活を営むための「バウンダリー」を構成していることに、あらためて気づかされました。恥ずかしながら、それは僕にとって考えたこともないことでした。

  ▼

 ふたつめの感想は「コミュニケーション」の観点です。

 限られた時間で、映画の情景を、限られた言葉で伝える。すなわち、映像ガイドをつける作業を実践してみて思ったことは、コミュニケーションにおいて「何を残し、何を残すか」が決定的に重要である、という、まぎれもない事実です。

 いかにミニマムに、しかし、それでいて必要なことを選び取るか?

 たとえ、映像には存在していたとしても、ストーリーに関係のないと思われるもの、あるいは既に俳優がセリフとして発話しているもの、またストーリーの構成上、この段階では言わないほうが映画を楽しめるものに関しては、敢えて、情報を落とす。松田さんによれば、そうしなければ、視覚障害者の方々には、なかなか情景がつたわらないのだといいます。

 畢竟、「伝える」ということは、そういうことなんだと僕は思います。 
 勇気をもって何を残し、後ろ髪引かれる思いで何を落とすか。
 そして、そこには潔さと勇気が必要です。
 くどいようですが、「伝える」とは、そういうことだ、と僕は感じます。

 松田さんのワークショップは、「福祉のコンテキスト」「コミュニケーションのコンテキスト」・・・さらにはこれ以上詳細を述べませんが「記憶のコンテキスト」「制作のコンテキスト」などなど、多種多様に解釈が可能で、非常に興味深いものでした。

 最後になりますが、僕をガンガンと揺さぶってくれた松田さん、そして会を企画してくださったRさんに心より感謝いたします。

 それにしても、僕は幸せなことですね。卒業生だった方々が、次々と面白いワークショップの企画をすすめてくださる。学びの場をデザインしてくださる。最近、ちょっとふさぎこんでいましたが、ここに働きがいや、やりがいを感じます。

 ありがとうございました!
 そして人生は続く。


  ---

■2012/06/16 Twitter

  • 16:38  お疲れ様です!RT @tkanai1954 こちらは、組織学会に RT @nakaharajun 学会シンポジウム準備のため、東京工業大学へ。  [in reply to tkanai1954]
  • 12:20  美馬のゆり先生にお会いする。「デザインしているもの」のスケールが違う。とても刺激になった。教えてもらった本を早速注文。
  • 08:18  学会シンポジウム準備のため、東京工業大学へ。
  • 06:35  応募締め切らせていただきました。ありがとうございました>RT @makimuramaho たくさんのお申し込みをいただき、締め切りました!ありがとうございました! RT 7実践記録、物語、コミュニティ】に関する研究会を実施  [in reply to makimuramaho]
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/06/15 Twitter

  • 23:39  東京学芸大 高尾研の学部生さんらと、一献。楽しかった。まことにユニーク、近い将来が愉しみですね。
  • 15:03  ブログ更新。学習空間って大事なの? : 「フツーの教室」でも智慧をしぼって「学びの空間」に仕立て上げる工夫!? : http://t.co/Uw5gSioW
  • 07:19  今回の研究会の空間プロデュースは牧村真帆さん(@makimuramaho)にご担当いただきます。さて、どんな空間がプロデュースされるでしょうか。こちらも、ぜひ、おたのしみに> Academic Hack公開研究会 7/6(金) http://t.co/Go7Xx2ak
  • 07:11  ブログ更新。7/6 (金)小西貴士さんをお招きして、【実践記録、物語、コミュニティ】に関する研究会を実施します。素敵な実践記録写真を見ながら、対話しませんか? 好評につき、残り20名まで追加募集させていただきます。 http://t.co/M2kGcKUh
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/06/14 Twitter

  • 08:20  撮影する主体と非撮影者の関係や相互作用によって、どういう絵がとれるか、きっと変わりますね>RT @infoguild 撮る主体が変わることで、伝わる内容にバラエティが生まれそう RT 「情熱大陸」面白い企画>芸能人が撮る芸能人」: http://t.co/VnOTEf7R"  [in reply to infoguild]
  • 08:18  「明晰」がなぜ知者の敵であるか、もはや、我々にはあきらかである。/「明晰」とはひとつの「盲信」である。それは自分の現在もっている特定の説明体系の普遍性への「盲信」である。(真木悠介「気流のなる音」)
  • 07:19  「情熱大陸」面白い企画>芸能人が撮る芸能人 TBS系「情熱大陸」: http://t.co/VnOTEf7R
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/06/13 Twitter

  • 22:03  S社人事のKさんが、東アジア某国に赴任なさるとのことで、送別会。Kさん、いってらっしゃいませ!企画なさったSさん、ありがとうございました。後ろ髪引かれる思いで、やむなく中座。
  • 17:36  NPO法人 Educe Technologies 総会に出席
  • 15:28  大学院授業「経営学習論」。「職場で仕事経験を通じて学ぶこと」は「パワフルな学習機会」ですが、たくさんの脆弱性も持ち合わせています。それを議論してみましょう。
  • 15:13  大学院授業「経営学習論」。Billet, S.著「Workplace participatory practice」。Workplace Learningの三類型、職場における「参加」の構造。
  • 10:46  興味深い概念>Revoicing(再声化介入)「再声化介入が概念理解の達成を促進する効果」 http://t.co/EWlG8Jjx
  • 10:16  大学院・中原ゼミ(@nakaharalab)。夏合宿のコンセプトが決まった。今年の夏合宿は「源流合宿」。ゼミメンバーが、自分の研究の中心的概念をひとつ選び、その「歴史的源流」をさぐります。「学び」「支援」「組織」など。#nakaharalab
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/06/12 Twitter

  • 18:26  我妻さん、Web開設おめでとう!RT @YumiWagatsuma: Webつくった* yumiscope *といいます。http://t.co/SQWcg20J
  • 08:57  ブログ更新。これまで「日本人の海外勤務」を支えてきた3つの要因:学習・適応能力、強力な人事権、配偶者の理解。海外勤務に対する「仕組み化」について http://t.co/faDZXjUI
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/06/11 Twitter

  • 21:56  共感>RT @hiroki_komazaki 更に、歴史上一度として、「親だけで子どもを育てた」時代など存在しません。近代化以前はムラや地縁共同体の中に病児保育機能が埋め込まれたいた。戦後も近くに住む近親者によって病児保育。それが都市化と核家族化で失われたのです  [in reply to Hiroki_Komazaki]
  • 21:54  全く共感ですね> RT @hiroki_komazaki 子どもが熱を出したら、親は看病してあげたいので、休める職場が良い。それはその通りでしょう。けれど、同時に親が看病できない時も、信頼できる保育のプロが側にいて、子どもと家族を支えるセーフティーネットは、あるべきなのです。  [in reply to Hiroki_Komazaki]
  • 21:52  夕方に行った「海外勤務」に関する連投ツイートですが、今、Facebookで議論が盛り上がっています。
  • 21:03  RT @shigejam: MITの心理学者シェリー・タークル曰く、Facebookは子供たちには「重すぎる」 http://t.co/1wP8fFVY
  • 18:06  (6)でも、海外勤務者のヒアリングをしていると、皆さん、会社からの支援もあまりなく、ものすごく苦労なさっていることに気がつきます。「必要なのは海外で活躍する人材」と声高に叫ぶのなら、やるべきことが多々あるような気もします。というわけで、海外勤務に関する連続ツイートでした。
  • 18:05  (5)日本企業の場合、海外勤務に関しては、「日本人の高度で優秀な適応・学習能力」と、「会社が発動する強力な人事権への諦め」に、これまで「甘えてきた側面」もないわけではないような気がします。
  • 18:05  (4)だからこそ、海外勤務時における様々な人事施策が、米国企業の場合、発達しています。1990年代以降、急速に米国企業の「海外勤務時の人事施策」は発達しました。それによって、状態がかなり改善されており、むしろ、日本企業も安穏としてはいられない状況です。
  • 18:05  (3)米国の多国籍企業のうち、海外勤務の失敗率(適応失敗・成果未達成)が30%を下回る企業は、全体の7%しかないとする研究もあります。場合によっては、業績を残せない海外勤務者が70%を上回る企業もあるといいます。
  • 18:05  (2)米国マネジャーというと、一見、インターナショナルな感じがするが、イメージは異なりますね。むしろ、米国は、努力して、ノンネィティブが「(米国に)適応してくれる国」なんですよね。米国人が、努力して、他の国に適応する、ということの方が珍しいのかも。
  • 18:05  (1)海外赴任に関する先行研究を読み込んでみると、興味深いことがわかります。海外赴任する日本人マネジャーと米国人マネジャー、どちらが「適応失敗・成果未達成」する確率が高いか、というと「後者の米国人」だとする研究が圧倒的に多いです。
Powered by twtr2src.

投稿者 jun : 2012年6月16日 23:02


学習空間って大事なの? : 「フツーの教室」でも智慧をしぼって「学びの空間」に仕立て上げる工夫!?

「学びの場のクオリティ」は、その「物理的環境」や「人工物の配置」にも大きく依存します。

 座っていて快適で、自由に、フレキシブルに動かすことのできる机・椅子。綺麗なカラーマーカーや、書き味のよいホワイトボード。全員のノートを共有できる電子黒板といったライティングツール。そして、照明や音楽ですら、そこでの学習者、教授者の振る舞いに影響を与えるでしょう。

「物理的環境」の学習効果は、なかなか定量的に、その効果を説明できるお話でもないのですが、そうした研究が本格的に立ち現れてきたのは、2000年代前半であったと記憶しています。

 話は2004年の頃、ちょうど、その頃、僕は、マサチューセッツ工科大学に留学中であったわけですが、ある日突然、僕と同じ研究室で研究していたセンベン・リャオさん(博士)が、「僕らが創ったクラスルーム」を見てみるかい、と声をかけてきてくれました。

「それは嬉しいな、行こう! で、どんな教室なんだい?」
「見たらびっくりすると思うよ!」

 で、そこで、僕がセンベン先生に連れられて見に行ったのが、学習関係の研究者・実践者の方ならご存じの、スタジオ型クラスルーム(TEAL : Technology-Enhanced Active Learning Classroom)でした。

 グループ学習を可能にする椅子と机。歩き回りながら、パッションをもって教える教授たち。4面プロジェクタでダイナミックに展開される授業。一見して、すごいな、と思いました。

 先進的でラグジュアリーな教育環境もさることながら、大学初年次の学生が、初等物理を学ぶのに、テーブルトップで簡単な物理実験をして、議論し、プレゼンをしている、というのが、僕にはとても新鮮に見えました。大人数講義でも、いろいろ工夫すればできるんだね、と。

 たまたま偶然なのですが、同じ研究室にイスラエルからきていたジュディ・ドリさん(博士)が、この教室で行った授業の学習効果の測定をしていました(Journal of Learning Scienceに掲載されていると思います)。

 そこで、僕は、「物理的環境と学習」に関する研究が、どうやら「ラーニングスペースリサーチ」という名前で立ち上がりつつあることを知りました。

 ▼

「ラーニングスペースリサーチ」は、その後、実践フェイズを迎え、高等教育のみならず、初等教育・中等教育についても、様々な教室がつくられていきました。「グループ学習などに最適化された理想の教室環境」を追い求める動きは、その後、本格化したものと思います。ちょっと、小耳に挟んだところでは、最近、「アクティブラーニング」という言葉が「商標登録」された、とか。びっくりすることも起こることです。

 ・・・ともかく、教育環境がよりインタラクティブで、フレキシブルになること自体は、僕は大歓迎しています。そのことの社会的意義は増えることはあっても、減じられることはないと信じていますが、しかし、一方で、最近、僕は、

「フツーの教室を、実践者の智慧でどのように変えて、利用するのか? 最適とは言わずとも、ベターな学習空間をつくるのか」

 ということにも関心を持ち始めています。

 先日、アクティブラーニングを研究している東大教養学部の中澤先生が、面白い論文を研究報告してくれました。「Space Matters Experiences of Managing Static Formal Learning Spaces(学習空間って大事なの?:動かすこともできないフォーマルな学びの空間をやりくりして使う経験):」と題された、その論文で著者のMontgomery, T.は、

「理想的な学習空間なんて"憧れ"に過ぎない」

 と言い放ちます。
 アンタ、そんな、なんちゅうことを! 言いたい放題ですね、この人(笑)。

 Montgomeryは続けます。

「いまだ、学習空間はテーブルと椅子、黒板と窓があるだけの小さなセミナールームが多い」

 のであって、

「こういった理想的ではない空間を、実践者が、どのように(工夫をして)扱うか」

 を考えることが重要だ、といいます。で、この論文では、定性的なデータをもちいながら、そのことを論じています。

 データと論理的展開はやや甘いですし、「問いの立て方」が、やや消極的なのですが、いわゆる「ちゃぶ台がえし的な問い」は、面白いな、と思いました。

 もちろん、グループでの学習に最適化された空間が用意できれば、それにこしたことはないですし、そうした環境がもっと増えることが求められますが、Montgomeryのいうように、「いまだ学習空間はテーブルと椅子、黒板と窓があるだけの小さなセミナールームが多い」というのも事実です。今はそこからの移行期なのかもしれませんが、「Great place to learn」 が常態化する日まで、上記の問いは重要な気もします。

 だとするならば、

「トラディショナルで、もう救いようのないような(?)、ぺんぺん草もはえないような学習空間(どういう場所よ、それ)」を、実践者が見て、どのように限られた時間で手を加え、そこで授業をするか

 という問いを考えていくのも面白いな、と思っています。

 できることは限られている。でも、その中で何をするか?
 かけられるリソースも時間も限られている。それをどう活かすか?
 教えなければならないことは決まっている。その中でどう教えるか?

 そういう過酷な環境の中で駆使される「実践知」って、面白いな、と思います。

  ▼

 僕もこれまで様々な場所でワークショップや研修をしてきました。

「マジで、ここでやるんすか・・・と、思わず、ガクガクブルブルと、身震いしてしまうような場所」

 を、限られた時間の中で、事務局の方々のお知恵をいただきながら変えた経験は、1度や2度ではありません。でも、不思議なもので、やろうと思えば、限界はありますが、工夫できないことはないのです。もちろん、椅子も机もガタガタで、足に「段ボールを重ねて、足の下に、かませなければならない」ような環境は、どうしようもありません。あのね、そういうのを「衛生要因」というのですよ(でも、悲しいことに、そういう研修施設は少なくない・・・)。
 でも、机と椅子が動くなら、ベストではなかったとしても、(くどいようですが、それがあるにこしたことはありません)、ちょっとの工夫で、よりベターにはなる。

 今度、そのプロセスを、ある場所で「記録」してみたいと思います。友人の牧村真帆さんと今、一計考えているところです。もちろん、元祖「シャツ出し人間」「靴下ぽいぽい」「引き出し閉めない星人」の小生の実践を記録するのではありません。わたしは記録する側です。牧村さん、記録される側(笑)。

牧村真帆さん
https://twitter.com/#!/makimuramaho
 
 どこにでもあるフツーの場所を、智慧をしぼって、いかによりよく使うのか?
 どんな風に「学びの空間」として仕立て上げる(Tailoring)するのか?

 そこで発揮される実践者の智慧と改造のプロセスみたいなものを記録して、また皆さんでお楽しみいただけるとしたら、うれしいことです。マニアックな問いですが、個人的にはおもしろがっています。

 そして人生は続く。

 ---

投稿者 jun : 2012年6月15日 14:56


【実践を記録すること、物語ること、コミュニティをつくること】 7/6  ACADEMIC HACK!(アカデミックハック) 実践記録研究会のお知らせ : 小西貴士さんをお招きして

 ※下記、応募多数のため6/16締め切らせて頂きました! たくさんのご応募、本当にどうもありがとうございました。

以前、このブログではお知らせしましたとおり、

【実践を記録すること、物語ること、コミュニティをつくること】

というちょっと異色の、でも、素敵な写真による実践記録とトークをまじえた公開研究会を実施することになりました。

今回、講師としてお招きするのは、清里高原において野外保育の様子を写真で記録なさり、かつ、そこでの子どもたちの物語を綴っていらっしゃる写真家・保育士の小西貴士さんです。

ゴリ(小西貴士) の 森のようちえん日記
http://ameblo.jp/gorilla-tarou/

小西さんの写真集
http://ow.ly/aOY1O

小西さんの撮影なさった実践記録を魅せて頂きながら、学習者の学習実践を記録するとはどういう意味があるのか?について皆さんとゆるゆると対話する機会にしたいと考えています。

すでに募集人員を超える申し込みをいただいておりますが、好評につき、あと20名だけ募集させていただきます。

もしご興味がありましたら、〆切を数日だけ延長いたしますので、どうぞお申し込み下さい。皆様にお会いできますこと楽しみにしております。

中原 淳

==================================================

【実践を記録すること、物語ること、コミュニティをつくること】

 ACADEMIC HACK!(アカデミックハック) 実践記録研究会
 小西貴士さんをお招きして

 2012年7月6日(金)午後6時 - 午後9時 
 東京大学本郷キャンパス・工学部2号館・92B

==================================================

学びの実践を「記録」すること、そして「物語ること」は様々な
可能性を持っていることといえます。

それは第一に学習者にとっての「かけがえのない記録」です。
自分がどのような出来事を経験し、何を学んだのか。
実践記録は、学習者がそれを知るための、貴重な機会です。

第二に、そうした記録は、学びを提供する側にとっても重要な
学習の契機です。人は記憶・記録されたものを通してしか、
振り返ることができないから。
実践の記録は、学びを提供する側の、さらなる熟達にもつなが
る可能性があります。

第三に、それは「学びの実践」の社会的意義を、そこに居合わせ
てはいない第三者に伝えるための手段です。それは、「学びの実践」
を中核としたコミュニティ構築の機会であり、ひいては、社会全体
をLearningfulにしていく契機になりえます。

このたびACADEMIC HACK!では、清里高原において野外保育の様子を
写真で記録なさり、かつ、そこでの子どもたちの物語を綴っていらっ
しゃる写真家・保育士の小西貴士さんをお招きして、これら一連の
可能性について考えてみたいと思っています。

ゴリ(小西貴士) の 森のようちえん日記
http://ameblo.jp/gorilla-tarou/

小西さんの写真集
http://ow.ly/aOY1O

なお、この会の名称の「ACADEMIC HACK!(アカデミック・ハック)」
は、中原研究室が主催するアカデミックイベントです。
参加者全員のダイアログなども含めて、知的興奮のある数時間にさせて
いただきたいと考えております。

どうぞお楽しみに!

【主催】
 東京大学大学院 学際情報学府 中原淳研究室
 http://www.nakahara-lab.net/blog/

【場づくりディレクター】
 牧村真帆さん
 https://twitter.com/#!/makimuramaho

【日時】
 2012年7月6日(金) 午後6時 - 午後9時あたり
 開場 5時45分

【場所】
 東京大学 工学部2号館 9F 92B
 大学院情報学環 教室
 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_03_j.html 

 地下鉄丸の内線本郷三丁目駅から徒歩15分程度
 地下鉄南北線東大前駅から徒歩10分程度  

【内容】

小西さんによるスライドショー
小西さん×中原による対談

1.森のようちえんの活動とはどのようなものか?
なぜはじまったのか?どのような活動をしているのか?

2.どのようにして、「今、ここの出来事」を記録しているのか?
なぜ、記録しようと思ったのか? 記録をつけるときに留意していることは何か?

3.森のようちえんの実践では、そこでは、どのような物語が生まれているのか?
子どもの物語をつづるために、どのようなことをなすべきなのか?

について、中原との対談をまじえ、皆さんでお話しできると
よいですね。

【参加費】
 参加費3000円
(講師招聘費・資料代等・場作り代・記録等に支弁いたします)
 
【募集人員】
 50名まで募集(当初30名)

【食事等】
 食事はでませんので、皆様、お持ちよりください。
 おにぎりとか、サンドイッチとか、飲み物とか。
 
【申し込み方法】
 参加お申し込みは下記の参加条件をご了承いただける方に限り、
【6/20まで】受付をいたします。参加希望者が多い場合は、抽選
とさせていただきます。6月21日までには参加の可否をご連絡差し
上げます。

参加条件
(1)本ワークショップの様子は、予告・許諾なく、写真・
ビデオ撮影・ストリーミング配信する可能性があります。
写真・動画は、中原淳が関与するWebサイト等の広報手段、
講演資料、書籍等に許諾なく用いられる場合があります。
マスメディアによる取材に対しても、許諾なく提供すること
があります。参加に際しては、上記をご了承いただける方に
限ります。

(2)本イベントで万が一剰余金が発生した場合は、繰り越し、中原淳
研究室が企画する、組織人材育成・組織学習に関係するシンポジウム
研究会、ワークショップ等の非営利イベント等の準備費用・運営費用、
に充当します。

==================================================

投稿者 jun : 2012年6月15日 07:05


これまで「日本人の海外勤務」を支えてきた3つの要因:学習・適応能力、強力な人事権、配偶者の理解

「経営学習論」の校正ゲラがかえってきたので、夜な夜な、あるいは、早朝に時間をとって、校正をすすめています。
フツーの時間(フツーてなんだ?)なかなか時間がとれず、大変苦労していますが、あと、もう少しですので、頑張ろうと思います。
てなわけで、はっきり言って、最近「眠い」です。もしかすると、目を開けながら寝ていることもあるかもしれません。指摘して下さい(泣)。

  ▼

 ところで、経営学習論の8章では、「海外勤務中の学習」がとりあげられているのですが、これに関連して先行研究を読み込んでみると、興味深いことがわかります。

 実は「海外勤務研究」の基本的パラダイムとして「海外勤務・成功失敗 / コスト分析パラダイム」というのがあり、各国のビジネスパーソンの海外赴任の分析を行っているのですが、それらの知見によると、海外赴任する日本人マネジャーと米国人マネジャー、どちらが「適応失敗・成果未達成」する確率が高いか、というと「後者の米国人」だとする研究が圧倒的に多いのです。

 米国人マネジャーというと、一見、インターナショナルな感じがしますが、どうも、イメージは異なりますね。むしろ、米国は、努力して、ノンネィティブが「(米国に)適応してくれる国」なんですよね。あるいは、徹底的に「米国」を「他の国に持ち込む国」といってもいいかもしれません(FacebookでNさんが教えてくれました、感謝!)。米国人が、努力して「他の国に適応する」ということの方が珍しいのかもしれません。

 ちなみに、ある研究知見によると、米国の多国籍企業のうち、海外勤務の失敗率(適応失敗・成果未達成)が30%を下回る企業は、全体の7%しかないといいます。場合によっては、業績を残せない海外勤務者が70%を上回る企業もあるといいます。7割が失敗って・・・ものすごい失敗率ですね。

 で、だからこそ、海外勤務時における様々な人事施策が、米国企業の場合、発達しています。海外赴任者に対するメンタリングはもちろんのこと、配偶者・家族に対する様々なサービスも充実しています。

 というより、やむをえず、それらを発達させざるをえなかったんでしょう。てなわけで、1990年代以降、急速に米国企業の「海外勤務時の人事施策」は発達しました。それによって、状態がかなり改善されており、むしろ、日本企業も安穏としてはいられない状況のようにも思います。

  ▼

 ところで、これは私見になりますが、日本企業の場合、海外勤務に関しては、「日本人の高度で優秀な適応・学習能力」と、「会社が発動する強力な人事権への諦め」と「配偶者と家族の協力」という3つに、これまで「甘えてきた側面」もないわけではないような気がします。

 ひとつめ「日本人の高度で優秀な適応・学習能力」はそのまんまですね。ある日突然、海外赴任が決まり、それまでの仕事を抱えながら準備をすすめ、飛行機に飛び乗る。現地では、日本での経験をレバレッジとして、現地人に溶け込み、彼らを指導する。これらが、どんなに大変なことかは、想像にあまりあります。このことは、もっと誇るべきことでしょう。

 ふたつめ「会社が発動する強力な人事権(異動)への諦め」というのは、たとえば、僕の調査結果によりますと、海外勤務の最初の打診があるのは、3割の方が「海外赴任から1ヶ月前」です。これは「内定」ではないですよ「最初の打診」です。内定はもっと後(泣)。

 かくも、日本企業の人事権(異動)は絶対的で、強力なんですね。まぁ、会社員である以上、「異動はしゃーない」にしても、もっとはやく打診できていれば、準備ができると思うのですが・・・。何とかなりませんかね?

 みっつめ「配偶者と家族の協力」は、場合によっては「犠牲」といってもいい場合もあるような気がします。ある日突然、「言葉も通じない外国」で住むことが決まる。「会社のいうことだから仕方がない」と配偶者と家族が、強力な人事権を受け入れ、時に我慢し、海外生活に適応してきた。その影響を見逃すわけにはいきません。

 ちなみに、手持ちのデータで分析すると「海外における適応×配偶者の海外適応」の間には、r=.484 p<.001の統計的優意な正の相関、「海外における業績・成果(7件のリッカートスケールによる主観的評価)×配偶者の海外適応」の間には、r=.275 統計的優意(p<.05)な正の相関が認められます。もちろん、これだけで「配偶者の海外適応」の要因を関連づけるわけにはいかないのですが、関連がないとも言い切れませんね。

 経験上、海外勤務を経験なさった方の約5%くらいは、配偶者・家族の「現地適応」の問題を抱える、と思っています。

 夫は仕事場で忙しく働きますが、配偶者は、家に閉じこもりきりになってしまう。子どもは現地の学校になじめず、不適応を起こしてしまう。そういった悲劇は、何も特別なケースとは言い切れません。
 そして、これまでのヒアリング調査の結果から、僕が現段階で言えるのは、「配偶者の不適応+子どもの不適応+現地において信頼できる他者が見つからない」の3つの重なると、海外勤務の失敗はかなりの確率で起こると思っています。

 以上、海外勤務を支えてきた「3つの要因」をあげました。組織によっては今後もこれらに頼っていくというのもありえるのかもしれませんが、僕個人としては、ここを仕組みとして整備することの重要性を感じます。「場当たり的な海外勤務」から、もう少し「仕組み化」する方向に、もっていけないのかな、というのが、研究者としての実感です。

   ▼

 ここ数年、(時間を見つけては)ホソボソと、海外勤務者のヒアリングをさせていただいておりました。そうしますと、皆さん、会社からの支援もあまりなく、ものすごく苦労なさっていることに気がつきます。
 
 本社からの支援もあまりなく、突然海外に行けと言われて、何とか仕事をこなす。慣れてきて、ようやく一仕事できそうだと思った頃に、突然日本に呼び戻される。そういう事例をよく聞きます。

 一方、海外勤務は「仕事の裁量が上がり」、「日本にいては逢えないハイクラスの人々との交流」があり、かつ「修羅場の宝庫」でもあります。それは見方をかえれば「リーダーシップの開発の機会」としてとらえることもできます。

 業績を出す海外勤務者をなるべく増やす。リーダーシップ開発の機会として海外勤務を活かす、そうした視点で、海外勤務の諸制度を整備していくことが、大切なことなのではないでしょうか。

「必要なのは海外で活躍する人材」「グローバル人材」と声高に叫ぶのなら、そして、社員に様々な挑戦とを求めるのであれば、組織がやるべきことが多々あるような気もします。

 今後、日本人の海外勤務は、さらに「若年化」し、しかも赴任地が「米国やイギリス」などの先進国から、「アジア・アフリカ・南アメリカ」といった「非英語圏の新興国」にかわり、さらには人数も増えていくことが予想されます。意図的かつ戦略的に支援施策、人事施策を整備していくことが、個人的には大切だと思います。

 ---

■2012/06/11 Twitter

  • 21:56  共感>RT @hiroki_komazaki 更に、歴史上一度として、「親だけで子どもを育てた」時代など存在しません。近代化以前はムラや地縁共同体の中に病児保育機能が埋め込まれたいた。戦後も近くに住む近親者によって病児保育。それが都市化と核家族化で失われたのです  [in reply to Hiroki_Komazaki]
  • 21:54  全く共感ですね> RT @hiroki_komazaki 子どもが熱を出したら、親は看病してあげたいので、休める職場が良い。それはその通りでしょう。けれど、同時に親が看病できない時も、信頼できる保育のプロが側にいて、子どもと家族を支えるセーフティーネットは、あるべきなのです。  [in reply to Hiroki_Komazaki]
  • 21:52  夕方に行った「海外勤務」に関する連投ツイートですが、今、Facebookで議論が盛り上がっています。
  • 21:03  RT @shigejam: MITの心理学者シェリー・タークル曰く、Facebookは子供たちには「重すぎる」 http://t.co/1wP8fFVY
  • 18:06  (6)でも、海外勤務者のヒアリングをしていると、皆さん、会社からの支援もあまりなく、ものすごく苦労なさっていることに気がつきます。「必要なのは海外で活躍する人材」と声高に叫ぶのなら、やるべきことが多々あるような気もします。というわけで、海外勤務に関する連続ツイートでした。
  • 18:05  (5)日本企業の場合、海外勤務に関しては、「日本人の高度で優秀な適応・学習能力」と、「会社が発動する強力な人事権への諦め」に、これまで「甘えてきた側面」もないわけではないような気がします。
  • 18:05  (4)だからこそ、海外勤務時における様々な人事施策が、米国企業の場合、発達しています。1990年代以降、急速に米国企業の「海外勤務時の人事施策」は発達しました。それによって、状態がかなり改善されており、むしろ、日本企業も安穏としてはいられない状況です。
  • 18:05  (3)米国の多国籍企業のうち、海外勤務の失敗率(適応失敗・成果未達成)が30%を下回る企業は、全体の7%しかないとする研究もあります。場合によっては、業績を残せない海外勤務者が70%を上回る企業もあるといいます。
  • 18:05  (2)米国マネジャーというと、一見、インターナショナルな感じがするが、イメージは異なりますね。むしろ、米国は、努力して、ノンネィティブが「(米国に)適応してくれる国」なんですよね。米国人が、努力して、他の国に適応する、ということの方が珍しいのかも。
  • 18:05  (1)海外赴任に関する先行研究を読み込んでみると、興味深いことがわかります。海外赴任する日本人マネジャーと米国人マネジャー、どちらが「適応失敗・成果未達成」する確率が高いか、というと「後者の米国人」だとする研究が圧倒的に多いです。
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/10 Twitter

  • 15:21  パーマをかけに行ったカミさんから、「サザエさんになった」とメールあり。なんと声をかければよいのか。。。そんなことないんじゃない? おーウリふたつ?
  • 12:42  久しぶりのお休み。しかもTAKUZOは保育園のハイキング企画へ。ということは、小生、夕方まで自由時間。というわけで、朝から激しく動いてます。さすがに午前中だけで、スポーツクラブ+美容院+温泉とハシゴしたら疲れた。でも、ここぞとばかりに動き回りたくなりますな。
  • 09:51  「ぼくは、こうしなさいとか、こうすべきだなんて言うつもりはない。僕だったらこうする、と言うだけだ。それに共感する人、反発する人、それはご自由だ」「他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ」(岡本太郎)
  • 08:37  情報感謝です!チェックしてみます、鼻眼鏡以外。>RT @hattosan フランスのラフォンのやつが、ツルの仕様とかユニーク @Reina_MORI コルビジェ眼鏡、にあうと思う RT @muryon74 この際、鼻メガネとかにしようよ!  [in reply to hattosan]
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/09 Twitter

  • 23:52  僕含め参加者の方々は、皆さんの活動に新たな時代の夜明けを感じました。ぜひそれを深め、さらに次へ伝えて下さい!RT @wkm_xx: 橋本先生から電話、中原先生がムービーの件で褒めて下さったよとのこと。キックオフイベントはボランティア何かじゃない!沢山のことを学ばせて頂いた。
  • 23:41  今日実はお昼の休み時間に、研究室の院生さんたちと眼鏡を見に行きました。ゴールドのキラキラフレームを買う寸前で、躊躇し、結局買わず。ひよってしまった(笑)RT @munyon74 この際、鼻メガネとかにしようよ!RT パンチのきいた眼鏡を、そろそろ新調したい。  [in reply to munyon74]
  • 23:33  パンチのきいた眼鏡を、そろそろ新調したい。
  • 21:10  「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとうは そっちに進みたいんだ」(岡本太郎)
  • 17:29  大学院入試説明会終了。中原研説明会・ブース展示におこしいただいた皆様、ありがとうございました。お疲れ様でした!
  • 06:33  今日は大学院の入試説明会です。16:00-17:00の各研究室のブース展示では、小生も、中原研についてご説明差し上げます。大学院生に率直な意見もぜひお聞き下さい。お待ちしております。 http://t.co/dlCPTBVY
  • 06:20  深刻な事態>法科大学院、撤退ドミノ、合格率低迷による負の連鎖「法科大学院修了生を企業や役所が採用するだろうという見通しは甘く実態は就職難」(日経)
  • 06:15  正社員の概念が「国境を越えた異動を受け入れる人」に変わるのかも。>ファストリ、人事制度世界で統一。正社員の評価基準統一・店長レベルまで国境を越えて柔軟に人事異動(日経)
  • 06:11  興味深い記事>人と人がつながる コミュニティーデザインの試み: http://t.co/n83M3uWH
  • 06:09  ほほー>ユニクロ、大学1・2年生に内々定、約10人に「大学が休みの時に店舗で仕事を経験し、卒業と同時に店長になることを目指す」: http://t.co/HyIb7aTv
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/08 Twitter

  • 22:40  近刊「経営学習論 ー 人材育成を科学する」のゲラ原稿が、あがってきました。気合いをいれて校正します。8月、東京大学出版会より刊行の予定です! http://t.co/cEkspoyf
  • 16:04  「管理職になりたくない症候群」が加速。でも、全職種で賃金低下>下がり続ける部長と課長の賃金。部長クラスは平均54.8万円、課長クラスは42.2万。一般職クラスはほぼ横ばい(日本生産性本部) http://t.co/vV55ahO0
  • 12:52  2/16-17 都内での開催予定です!ぜひご参加を!RT @munyon74 おー。RT 学会の「冬の合宿」の企画をやることになった。思考を促すツール、対話を促すツールなどが一同に集まって、その意義を議論する「ワークショップツールコレクション」をやろうかな。  [in reply to munyon74]
  • 12:12  大学院コース会議。早く終わった。なぜか得した気分ですな。
  • 11:47  保田さん、ありがとう!(感謝)明日、入試説明会にお越しの皆様、お会いできますこと愉しみにしております!>RT @emiyasuda 本年度中原研の研究室ぽすたーかんせーい! 明日は入試説明会です!! http://t.co/0NGhXXnO  [in reply to emiyasuda]
  • 10:54  学会の「冬の合宿」の企画をやることになった。2月週末土曜日・日曜日、都内で開催。「ワークショップツールコレクション」というのをやろうかな、と思っています。思考を促すツール、対話を促すツールなどが一同に集まって、その意義を議論するみたいな感じです。
  • 09:19  密かに欲しい。なんのスタンプつくろうかな>色々使えそう!無印良品「写真で作れるスタンプ」 NAVER まとめ http://t.co/WVo0JR1N
Powered by twtr2src.

 ---

■2012/06/06 Twitter

  • 15:15  大学院授業「経営学習論」Fenwick(2010) Beyond individual acquisition. 職場学習論と人的資源開発.
  • 11:51  大学院・中原ゼミ:学習空間>RT @tatthiy 論文はこれ。Space matters Experiences of managing static formal learning spaces http://t.co/y5Hkb1cO
  • 11:50  大学院・中原ゼミ(@nakaharalab): Montgomery, T.の学習空間に関する論文。「理想的な学習空間がある、なんて憧れにすぎない。理想的ではないフツーの教室(学習空間)を、どのように扱うか」という問いのたてかたが面白い。#nakaharalab
  • 11:01  大学院・中原ゼミ:@shigejamさんご発表。ワシントン大学の研究:社員教育における、伝統的レクチャーベースの教育と、チャレンジ学習の学習効果の比較。後者が記憶保持・参加者間のコミュニケーションに優れる http://t.co/c0KOO15X
  • 11:00  大学院・中原ゼミ(@nakaharalab) : 重田先生(@shigejam)のご発表。チャレンジ学習 1)自分たちで解決可能な実世界の課題を、2)テクノロジーを活用しつつ学び(情報収集・情報獲得・情報公開)、3)問題解決法を発見し、実行すること #nakaharalab
Powered by twtr2src.

投稿者 jun : 2012年6月12日 08:42


MALLキックオフイベント「これからの新人教育の話をしよう」が終わった!(感謝です):学ぶだけじゃなく、実践すること

 6月4日、昨日、経営学習研究所(MAnagement Learning Laboratory : MALL モールとよんでください)キックオフイベントを無事終了することができました。

経営学習研究所
http://mallweb.jp/

 昨日は、400名弱の参加申込者の中から、130名の方々に抽選でご参加頂き、おかげさまで盛会にて会を終えることができました。ご参加頂いた皆様に心より感謝いたします。

  ▼

 キックオフイベントは、2部構成でした。
 第一部は新人教育がテーマです。
 第一部では、電源開発株式会社 石井さんから「新人を通した組織開発」に関するご発表、株式会社内田洋行 村さんから「新人を通したイノベーション創発」に関するお話しをいただきました。

 前者の石井さんお話は、新人教育の一部を4年目若手社員が担当することで、4年目社員の社会的つながりを形成し、また彼らに新たに学び直しの機会を提供する、というものです。
 仕事の中には、知っているつもりのことでも、知らないことが様々に存在します。4年目社員が新人教育を担当することで、その「学び直し」の機会になるというのは、非常に面白く感じました。
 また、4年目社員が知らないことを、さらに上の先輩社員に聞いたり、助言したりするなどのことが自然に生まれることが起こるそうです。「居酒屋におけるノミュニケーション」ではなく、「職場の中で仕事に関するコミュニケーション」を生み出すことにもつながる可能性がある、というのは、非常に興味深いことです。石井さん、そしてサポートをいただいた三浦さん、ありがとうございました。

 後者の村さんのお話は、新入社員48名で新規事業開発の部署をつくる、というお話でした。村さんは、当時30台中盤で、社長から「第二の会社を作れ、社内と絶縁(鎖国)せよ」と指示をうけます。そのサポートのもと、マネジャー1人で、この新規事業開発部署を担当します。社内のしがらみのない新人に、敢えて「教えず」、イノベーションを生み出すべく仕事をさせた、とのことでした。

 しかし、これは言うのは簡単ですが、非常にチャレンジングな課題です。48名の新卒の部下をひとりで抱えるのは、想像するだけでマネジャーの苦労が見て取れます。その上で、社内のつながりを敢えて拒絶し、社外の研究機関とつながることで、価値を生み出そうというアプローチであると感じました。

 両者いずれのお話しも、1)新人教育を「組織社会化」としてとらえるのではなく、それ以上の付加価値を求めていること、2)その際には、内部・外部の社会関係資本をいかにうみだしたり、活用することで、新人教育に新人教育以上の付加価値を生み出そうとする、といったことが共通しているように感じました。参加者の方々も、熱心に議論にご参加頂ありがとうございました。

  ▼

 第二部は、長岡理事がファシリテーションを行い、理事全員がイーゼルをかかげて、MALLにおける自分のラボ・取り組みの構想を語るセッションでした。

 会場では、参加者の皆様がそれぞれのイーゼルを回遊し、理事らとディスカッションしていただきました。いまだ、はじまったばかりの経営学習研究所ですが、そのビジョンをお楽しみいただけたとしたら幸いです。

 最後は理事の田中さん、板谷さんがラップアップしていただき、無事終了です。皆様、お疲れ様でした。

  ▼

 昨日の様子は、橋本諭先生、学生の皆さんの研究成果「参加型ドキュメンテーションムービー」によって下記のサイトで見ることができます。橋本さんは、クラウドを用いながら、参加者の方々から写真や、テキストをおくってもらい、それによってリフレクションムービーを構成する、という研究にチャレンジなさっていました。ドキュメンテーション研究のさらなる発展、面白いですね。

 橋本先生、学生のみなさま、素晴らしいムービー&まとめサイトをありがとうございました

橋本諭先生のWebページ
http://www.hashimoto-lab.com/

経営学習研究所(MALL)キックオフイベントリフレクションムービー episode1
http://www.youtube.com/watch?v=LG_rx4BL1BQ&feature=youtu.be

 ---

経営学習研究所(MALL)キックオフイベント完全「参加型」リフレクションムービ episode2
http://www.youtube.com/watch?v=nOU3sGJR8BQ&feature=youtu.be

 ---

経営学習研究所(MALL)キックオフイベント
http://togetter.com/li/315315

  ▼

 また、このキックオフイベントの多くの企画は、都内の学生有志のボランティアによって企画され、実行されました。実は、当日は午後2時から、数十名の学生に対して、ラーニングデザインの基礎知識、事例などに関するショートレクチャーを理事らで行い、そのあとで、イベントによる「実践」を行っていたのです。

 素晴らしいホスピタリティで会をともにつくりあげてくださった学生さんの顔を見ながら、個人的には、むかーしむかーしに読んでいた、セレスタン・フレネのことを思い出していました。

 よく知られているように、フレネは、伝統的・権威主義的なテキストを拒否し、子どもに自由作文をかかせ、それを印刷機をつかって印刷してテキストとした教育を行った実践家であり、研究者です。
 ごめんなさい。僕も専門ではないので、あまり詳しくないのですが、たしか、そういう人なはずです。「おまえ、いっつも表面的なんじゃ、ボケ」と言いたい専門家の皆さん、ブログなんで、なにとぞお許しを。

 で、さらに、まことに「うろ覚え」で大変恐縮ですが(笑)、彼はいいました(と記憶しています)

 「自由作文を実践して欲しいと思っているのではない
  学校に一台の印刷機を購入してほしいのだ」

 フレネの教育実践は、お仕着せの教科書を授業で用いるのではなく、子どもが自由に作文をします。しかし、それが目的ではないのです。自分たちで書いた作文を、おそるおそる原稿にして、印刷機にかけて、インクをセットし、テキストを産出します。

 産出されたテキストは、学校という印刷所から、社会的に向けて発信されます。それは「学校内部で生み出された自由作文」を超え、「社会で様々に吟味され、消費されるテクスト」になりえます。

 何が言いたいか、というと、「ラーニングのデザイン」を学ぶ学生の皆さんにも、フレネ教育でいうところの「印刷機」があったらいいだろうな、ということです。
 もちろん「ラーニングのデザイン」を、教員免許を持たない学生さんが、実際の「学校」で実践することは難しいのですが、昨日のような「社会的実験を実践できる場」があれば、志ある学生のみなさんが大学で学んだことを、しっかり実践できるよな、と思いました。

 自分がボランティアとして支えた場に、社会の多種多様な人々が参加し、相互作用を行う。その場を体験した学生さんは、大学で学ぶ「学習研究のこと」がきっとより身近に感じられるのではないでしょうか。

 昨日のような場が、ラーニングデザインに興味をもつ学生さんにとっての「社会とつながる装置」になればよいな、と思いますし、MALLは意欲ある学生さんを応援したいと思っています。

 そして、願わくば、近い将来、今度はステージにたつのは学生さんであってほしいと思います。ぜひ勇気をだして「自分の専門・問題関心にあった、自分でデザインした学びの場を、つくっていくこと」にチャレンジして頂ければと思います。

 ぜひ、

 学ぶだけじゃなくて
 社会の中で実践してみてください

 その方が、きっと愉しいし、また、次の「学び」につながるから。

 楽観的と言われるかもしれませんが、そういう若い人がますます増えていけば、きっと、いつの日か、たぶん・・・(笑)社会は、Learningfulに、元気になると思います。

 大丈夫だよ、やってみよう。

Making of Theatre MALL : MALL流の「場」の作り方
http://www.youtube.com/watch?v=x6B9y13vr7g&feature=youtu.be

※上記は、橋本先生がつくってくれたメイキングビデオです。裏で、いかに多くの学生が関与していたか、おわかりいただけると思います。理事の皆さん、お手伝いいただいたスケット我妻さんなど、本当にお疲れ様でした&ありがとうございました!

※橋本先生の当日のリフレクションも大変興味深いです。すごいな、橋本さん、いや、マジで。本当にありがとうございました。

橋本諭先生のWebページ
http://www.hashimoto-lab.com/

参加型リフレクションムービーを作成した当日のリフレクション(橋本諭先生のWebページ)
http://www.hashimoto-lab.com/2012/06/1940


  ▼

 最後になりますがご参加頂いたみなさま、ご登壇いただいた皆様、学生ボランティアの皆様、そして会場を共同プロデュースさせていただいた株式会社内田洋行の皆様、心より感謝いたします。反省点も多々ある(かなりある・・・)会でしたが、また次回の糧とさせていただければと思います。

 どうもありがとうございました。
 Looking foward to seeing you guys at MALL!

  ---

■2012/06/05 Twitter

  • 08:07  Episode2もあるそうです(笑)こちらは昨日参加者の皆様から送られてきた素材だけで作成されたものですね>RT @satoshi_hashimo MALL 完全「参加型」リフレクションムービー episode2 #malljp">http://t.co/Vg70z4S6 #malljp
  • 08:07  橋本諭先生、学生の皆さんの研究成果。素晴らしいムービーをありがとうございました>RT @satoshi_hashimo 経営学習研究所(MALL)キックオフイベントリフレクションムービー episode1 #malljp">http://t.co/RITvdy49 #malljp
  • 08:06  橋本先生、まとめ感謝です!>RT @satoshi_hashimo: 「経営学習研究所(MALL)キックオフイベント 2012年6月4日」をトゥギャりました。 http://t.co/8oaRV0ya
  • 08:01  RT @YumiWagatsuma: やります! "@YukiAnzai: 【予告】「研究者の仕事術」ワークショップを6月24日(日)に東大で開催します。大学院で身につけた専門性の種を、社会に活かしながら仕事をつくる方法を探ります。博士課程の方から、就職予定の修士課程の方 ...
  • 00:09  (2)学生の皆さん、決して「お手伝い」で、「今日」だけで、終わらないでください。近いうちに、自ら場をデザインし、「学び」を生み出してください。MALLは、勇気をもって動く学生さんを応援する様々な機会をつくります #malljp
  • 00:08  (1)実は、今日お手伝いいただいた学生の方には、午後2時に集合いただき、ラーニングデザインの基礎知識、事例を紹介させていただきました。その後、各種設営をして、午後6時から本物のイベントで「実践」となったわけです。学生の皆さん、今日はいかがでしたか?#malljp
  • 00:07  (笑)RT @makimuramaho 学生さん何を思って聞いているのかなー?私が学部生なら、今、超、揺さぶられてると思う。 RT 経営学習研究所キックオフイベントの学生スタッフさん向けに、 中原先生のレクチャーが始まった!#malljp  [in reply to makimuramaho]
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/06/04 Twitter

  • 23:50  ご参加頂き感謝です!最後は、熱気で、室温急上昇でしたね(笑)RT @kaz_saeki MALL経営学習研究所キックオフに参加。一部の新人研修事例発表&ダイアログ~二部の理事の皆さんの企画プレゼン&懇親会と、とにかく熱気が溢れてた。#malljp  [in reply to kaz_saeki]
  • 23:48  カフェスペースはじめ、多くのパートを担っていたのは、学部学生のボランティアの皆さんです。学生さんからも、いろいろとプチヒントが寄せられると期待しています。それでは皆さんお疲れ様でした。おやすみなさい。 #malljp
  • 23:43  プチヒントその2です。今日、地下1Fで使ったいたVJ(Video Jockey)ソフトは、COLORCODE VJ : iPad用VJアプリです。サンプル映像もいくつかはいっていて、誰でも、簡単にVJが愉しめます: http://t.co/t8APqk1G
  • 23:40  「今日の場づくりのプチヒント」です。今日食べたヘルシーピタサンドは、ツー・バイ・ハートさんのMosirenです。振り付け師ラッキー池田さんの奥様、彩木エリさんが立ち上げたお店です。小生のカミサンの紹介でした : http://t.co/G2d7S5C4 #malljp
  • 22:48  ご参加いただいた皆様、ご登壇者、学生ボランティアの皆様、ありがとうございました。また感想をお聞かせください!RT @makimuramaho: ご参加いただいた皆様、学生スタッフのみなさま、内田洋行の皆様、本当にありがとうございました! #malljp
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/06/02 Twitter

  • 20:24  風呂上りは、フルーツ牛乳。 http://t.co/R5V4AMYy
  • 16:17  月曜日のキックオフに向けて大忙しです!RT @mall_jp 経営学習研究所のWebサイトが完成しました。@dai_okabe先生チームが突貫工事でつくってくださいました、感謝です! キックオフイベントまで、何とか間に合いました。人生、綱渡り! mallweb.jp
  • 14:33  無事グループ分け完了。 http://t.co/ZhV3PkhN
  • 14:01  ピコクリケットでグループ分け。同じグループだと点滅します。さすが、阪大・教育工学講座。 http://t.co/oAK5hFvl
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/06/01 Twitter

  • 10:56  電車、逆方向乗ってた(号泣)
  • 09:46  RT @fumituki85: 【拡散希望】「環境問題をゲームで体験して学ぶワークショップ」参加者募集!大学生を対象に環境問題に潜むジレンマをゲームで体験します。6月9,30(土)の午後に早稲田大学で開催。 http://t.co/FeZkaoFT
  • 09:30  ありがとうございます。愉しみにしています。 RT @tomokihirano: 経営学習研究所 @mall_jp の名刺を全理事分つくっているなう。6/4キックオフイベントまでに間に合わせなきゃ!"楽しみー!
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/05/30 Twitter

  • 21:21  読了。たくさんのコミュニティデザインの事例、勉強になりました。フィルムアート社、キンキンに尖った企画が多くて素敵ですね>紫牟田伸子 ・編集部(編)(2012) 「クリエイティブ・コミュニティ・デザイン」http://t.co/5TLOFEZX
  • 11:50  大学院・中原ゼミ。今日の英語文献はReeveらの「専門職連携教育(interprofessional education)の有効性」。専門職連携教育とは「複数の領域の専門職が連携し、同じ場所でともに学び、お互いから学びあうこと」#nakaharalab
  • 11:30  (4)ここ数年密かに「海外で活躍する日本人マネジャーの研究」を、ホソボソとしています。先日もインタビューに伺わせて頂きました。海外での活躍は、「個人の属性」だけでなく、仕事の経験・職場・組織・制度要因が複雑に絡み合っています。いつか、モデルなんてできるといいね。#nakah...
  • 11:23  (3)異文化間能力の各モデルは、これまで、コミュニケーション論 / 応用言語学の観点から構成されているんだろうな。仕事・組織の観点から、これを構築し直すと、どうなるんだろうか。#nakaharalab
  • 11:23  (2)異文化の人々とコミュニケーションしたり、信頼を確保するためには、まずは自分自身が「仕事ができること」「専門をもっていること」が重要ではないと思うのです。#nakaharalab
  • 11:23  (1)大学院・中原ゼミ(@nakaharalab)異文化間能力の様々なモデルを見ましたが、各モデルの構成要素に、「仕事の要素」「専門性の要素」が入っていないことが、すごく違和感がありました。#nakaharalab
  • 11:03  大学院・中原ゼミ(@nakaharalab)今日の英語文献は Spitzberg and Changnonらのレビュー論文「 異文化間能力の概念化」#nakaharalab
  • 11:01  さっき学内でポスター見つけました。興味深い。だけど、この日は他の都合で行けない(涙)>コンテンツ文化史学会:6月16日(土)第1回例会「コンテンツとライブ」 http://t.co/LfxW9CZK
Powered by twtr2src.

  ---

■2012/05/29 Twitter

Powered by twtr2src.

  ---

■2012/05/28 Twitter

  • 16:59  「新規学卒者の同期」と「中途採用者の同期(同じ年度に中途採用された人)」は、どのように違うのか? この二つのネットワークは、それぞれの会社で、どのように「発達」しているのか? 中途採用者の同期ネットワークを発達させる試みは、どの程度行われているのだろうか?
  • 16:11  実務家のKさんを招きして、中原研でミニ研究会。新卒採用者と中途採用者の組織社会化の比較。興味深いご研究ですね。
  • 08:56  ブログ更新。「はじまりのデザイン - 人に学んでもらうときに、僕が、心がけていること」 http://t.co/qhWhWjJI
  • 06:45  興味深い>佐賀大、カフェを「学外実習拠点」に:学生が自ら企画、開催するイベントを通して大学の研究や文化的な魅力を地域に発信する: http://t.co/T52cMs6e
Powered by twtr2src.

投稿者 jun : 2012年6月 5日 09:34