オーディエンスの終焉、パティシパントの誕生 : 聞く、考える、つぶやく、つながる時代
「何を、今更ジロー」とおっしゃる方が多いかと思いますが(古い・・・死語)、Twitter(ツイッター)というコミュニケーションツールが、少なくとも僕のまわりでは、使う人が増えてきました。
Twitter(ツイッター)とは、僕のイメージをいうと、「チャットのようなブログ」です。140文字という制限された文字数の中で自分の「つぶやき」を書き、それに多くの人々がコメントをしてくるイメージです。
マーケティングの分野では、新たなマーケティングツールとしても認知されていて、鼻息の荒いビジネスマンたちが、フンフンいって、それに注目しております。「Twitter マーケティング」などでぐぐってみてください。様々な試み、サイトがでてくることでしょう。
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Twitterは、下記サイトでアカウントをつくれば、どなたでも利用できます。PCでも携帯電話でも利用できます。
Twitter
http://twitter.com/
僕もアカウントをもっています。僕はほとんどiPhoneから利用しております。
中原淳 on Twitter
http://twitter.com/nakaharajun
僕の場合は、「ブログ」をメインにしておりますので、それほど熱心なユーザーではありませんし、実を申しますと、全く詳しくはありません(笑)。
でも、新しいものには、「人並み以上の好奇心」があって、使っています。たまにTwitter上でも「つぶやくこと」があります。ブログとは、またひと味違う感じかもしれません。もしよろしければ、follow me!
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で、このTwitter、多くの人々が利用するに従って、様々な使われ方がなされるようになってきました。「イベント実況中継」もそのひとつです。
あるイベントやフォーラムに参加しているオーディエンスの方々が、そのイベントを聞いているあいだに、自分で思ったことをTwitterに書く、すなわち「Twitter上で、みんなで、イベントを実況中継」するということが、よく行われるようになってきました。こうしたことは、理系・工学系の学会や研究会では、かなり前から行われていました。しかし、今、それが一般に広がってきているのです。
たとえば、最近行われている、「事業仕分け」もそのひとつですね。インターネットで映像が公開されていますので、それをみながら、Twitterで「つぶやく」人が多いそうです。
こういうと、「中原さん、また、それか」と、また、お叱りをうけそうですが、敢えていいます。
「聞いて、聞いて、聞いて、帰る」時代は終わったのです。
「聞いて、考える、対話して、気づく時代」の到来です。
あるいは
「聞いて、考えて、つぶやいて、つながる時代」がやってきています。
ある意味では、「つぶやく」とは、「自己内対話」とも言えるかもしれません。そう考えると、 「聞いて、考える、対話して、気づく」と「聞いて、考えて、つぶやいて、つながる」は、結局は、同じようなことを言っているような気もします。
いずれにしても、「内化(internalization)」だけを学習とみなす時代はおわりました。
「内化(internalization)」と「外化(externalization)」の往還のなかに、我々の学習は、あります。
世の中の、そうした動き、あなたは感じますか?
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実は、先日のWorkplace learning 2009でも、当日、急遽、参加者の方から、そのようなお申し出があって、急遽、ハッシュタグを決めました。「#wpl2009」というタグです。
実は、この件、事前にある方から打診を受けてはいたのですが、僕は、おそらく会場からくる200通以上のメールをさばくので精いっぱいなので、今回は見合わせます、というお返事をさせていただきました。
ただ、実際は、当日、複数の参加者の方々から、同じご要望をいただきましたので、タグを決めることにしました。
ハッシュタグとは「Twitterでやりとりされるコメントをグルーピングすることができるマーク」です。このマークがついたコメントは、一覧することができます。
最近、いろいろな方から、よく言われるのは、
「Learning barなどのイベントで用いるハッシュタグを決めませんか?」
ということです。そうすると、Learning barに関心をお持ちの方が、自由にTwitter上でコメントしあうことができます。
すでに、Twitter上で出会った「フツサラ」さんという方が、
「#learningbar」
というハッシュタグをつくってくれました。ありがとうございます。作り方は、僕も、あまり詳しいことは知らないのですが(笑)。ありがたいことですね。
というわけで、次回のLearning barから、まずは実験的に、この#learningbarというハッシュタグを使ってみようと思っています。
なんでも、まずは、挑戦するのよ、やってみて、変えてみるの。
もう既に今でも使える状態になっているそうですので、事前に「つぶやいて」いただいてもOKかもしれません。
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Twitterが今後、どのようなコミュニケーションツールに発展するかはわかりません。ネットの世界では、新たなコミュニケーションツールが出ては消え、消えてはあらわれてきます。今回もどこまで伸びるかはわかりません。
また今回実施するハッシュタグの仕組みが、どの程度うまくいくかはわかりません。でも、まずはやってみて、変えてみて、その後で振り返ることが重要だと僕は思っています。
しかし、いずれにしても、「イベントというもののあり方が、今、根幹から変わろうとしている」という感覚は、僕の中では変わりません。
「聞く人」、つまりは「audience : オーディエンス」というカテゴリーが色褪せたものとなり、文字通りの参加者「Participant:パティシパント」が力をもつ時代に変わってきているのではないでしょうか。
仕事柄、講演も行いますので、いろいろなイベントを運営する方とお逢いしますが、そうした動きに気づいている方とそうでない方は、はっきり二分されている気がします。
打ち合わせすらしっかりせずに有名人さえよんでおけば、オーディエンスは黙って聞いて、聞いて、聞いて、帰ると思っている「オールドパラダイムの担当者」と、オーディエンスをいかにパティシパントになってもらうかを考えている「ニューパラダイムの担当者」です。
これは年齢の問題ではありません。若い担当者でも「オールドパラダイム」の方はいらっしゃいますし、僕のオヤジと同じ年齢の方でも、「超ニューパラダイム」の方はいらっしゃいます。
「オールドパラダイム」の方が気にすることは、オーディエンスの「人数」と「所属」と「役職」に限定されています。何人の人がきていて、その中に、いわゆる大組織の人はどのくらいいて、どの程度の人が役職もちか。誤解を恐れずいうと、「内容」が問題になることは、あまり多くありません。
「ニューパラダイム」の方も、もちろん、「人数」「所属」「役職」は気にします。しかし、それに加えて、あるいはそれ以上に気にかけるのは、「どのようなメッセージを投げかけるか」、その上で、「このイベントにどういうかたちで、参加・コミットしてもらうか」「どのような仕掛けで、どのような気づきを得てもらうか」です。
さて、あなたはどちらですか?
そして、あなたが関係するイベントの参加者はどっちですか?
オーディエンスですか? それともパティシパントですか?
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追伸.
フツサラさんは、先日のWorkplace learning 2009の感想を書いたブログのリストもつくってくださいました。重ねて感謝いたします。ありがとうございました(古賀さん、お知らせ、ありがとうございます)。
フツサラさんのブログ
http://d.hatena.ne.jp/salary-man/20091030/workplace_learning
投稿者 jun : 2009年11月12日 08:01